自衛隊の駐屯地や演習場が近場にゴロゴロあるあたりに一緒に住んでた。
夜中になって爺さんが妙な布包み持って家に帰ってきた。
その中身にうちの一家の茶の間は凍りついた。黒光りする鉄の塊 64式自動小銃
簡単に言えば自衛隊さん用の鉄砲。
夜中になって爺さんが妙な布包み持って家に帰ってきた。
その中身にうちの一家の茶の間は凍りついた。黒光りする鉄の塊 64式自動小銃
簡単に言えば自衛隊さん用の鉄砲。
俺が高2の時に、祖母ちゃんを早くに亡くし、1人でデカイ家に住んでたじいちゃんがとうとう死んだ。
祖父ちゃんは、戦前から鉄工所を営み、その鉄工所はこの町一番の規模で有名だった。
天皇陛下に瑞宝章を賜った、町の有名人。
しかも祖父が座ってたのは
ちょうど寺の大きな仏様の正面最前列というバッチリなロケーション
法事の参加者が近年稀に見る大往生だ仏様がお迎えになられたんだと手を合わせるほどだった
父も祖父は往生したと思って氏亡確認してもらうつもりで救急車を呼んだ
母が祖父の入った棺に巾着袋を入れていた
何が入っているのかと母に聞いたら、祖父が生前棺に入れて欲しいと言われたものなのだと言う
ただ、絶対中は見ないでくれと言われたらしい
すごく気になった
だから叔父を巻き込み、金属が入っていたら焼けないからとか何とか言いくるめて中をあらためた
封筒と手拭いが二枚と風車や手裏剣の形に折られた折り紙がいくつか、四つ折りのメモが一枚
封筒には10年前に亡くなった祖母が祖父に宛てて書いた手紙が入っていた
平凡な人生をありがとう、あなたと一緒になれて幸せでした
そう書かれていた
出社した早々
「忌引きで休むのは社会人として失格」
「社会人として相応しくない、今すぐやめろ」
「身内が氏んだくらいで休とかバカのすること、俺なら絶対に仕事する」だの
朝礼、飲み会、仕事中だろうがお構いなしに名前は言わないが
俺に対してギャアギャア騒いでた
先週だけど祖父が亡くなった。
100まで生きるような人で、突然亡くなったもんだから
周りもショックが大きくてみんな呆然としていた。
私は幸せ?なことに25になる今まで近親者の葬儀ってものに初めて参加したんだけど
あんなに元気だった祖父の大きな手は、組まれて、手は黄色くなり
ドライアイスで冷やされたせいもあるんだけど、身体も顔も冷たくなっていた。