私と夫は互いに三十代後半の時に初婚同士で少し遅い結婚をした
子供は男の子一人 夫の実家で義父母と同居
さすがに年齢的体力的にキツいので第二子は考えていなかった
そのたびに「やだーお義母さんそれは夫さんに文句を言ってくださいよ『もっと早く結婚してれば若くて子供バンバン産める嫁さんつかまえられたのに』って(笑)」と笑って流していたら そのうち私たちには何も言わなくなった
それから数年がたち 子供は小学校の低学年に
ある日ちょっとした連絡ごとで小学校に電話をかけた
電話を受けてくれたのは教頭先生
こちらの用件が済んだところで教頭先生が「ちょうど良かった、じつは○○さん(私)にお聞きしたいことがあったんですが」と遠慮がちに切り出してきた
「つかぬことをお伺いしますが、息子くんには“太郎”くんって弟さんいらっしゃいますか?」
幼い息子が部屋に居る時に、義父母は「息子くんの弟だよ」といって遊ばせていた
うちの町内の行事か何かで子供たちが集まった時に 自治会の役員の人が弟妹がいるかどうかを聞いて回ったらしい(来年度にむけて未就学児を把握するため)
「兄弟はいる?」と聞かれた息子は「いるよ。“太郎”くん!」と即答した
「…いやあ変だなとは思ったんですよ 息子くんは弟居るっていうけどお宅のお子さんは一人しか見かけたことなかったし」と 後日近所で立ち話をしていた折に自治会長さんが言っていた
義父に問い合わせてくれたおかげで町内での誤解はほどなく解けたらしいが、何の手違いか“太郎”の名前が載った名簿が真偽不明のまま小学校まで上がっていたとは予想だにしなかった
学校の先生方もさぞかし困ったことだろう
しかし(…つまり私は近所の人や先生に『子どもがいるのに公にできない訳ありの嫁(母)』と思われていたわけか?!)と気がついて一人でうあああああorzとなっていたのが私のプチ修羅場
その後、新年度の町内会名簿にも我が家に“○○太郎”がしっかりと載っていた(翌年からはちゃんと訂正)
ご丁寧に息子と一年違いの同じ日付の生年月日つきで、多分「(弟くんの)誕生日は?」と聞かれて息子は自分の誕生日を答えたのだろう
幻の弟が載った名簿は今でも大事にとってある
いつか息子が大きくなったらまた出してきて軽く話のネタにしてやろうかと思っている