華奢子…A高の2年。彼女。
眼鏡男…A高の3年。
ベンツ男…大学3年。
料理男…B高の2年。
空手男…C高の3年。
テニス男…C高校の1年。
頭悪かったけど、華奢子が行く高校に一緒に行きたくて猛勉強。
そして合格。高1の時に同じクラスという特典もついてた。
華奢子はすごく可愛いから高校でもすぐ人気がでた。
でも控え目な子だったから、慣れた人としかあんまり話せなかった。
俺は中学が同じだったから、最初からよく話してもらった。
それに気を良くして、猛アタックしまくった。
で、1年の秋になんとかOKをもらうことができた。
華奢子が「冷やかされたくないからあんまり言わないで」
って言うから、中学から仲の良い奴らにしか言わなかった。
付き合って半年が過ぎても、キスとかはできないでいた。
華奢子がしたがらなかったから、嫌われたくなくて我慢してた。
たまに手を繋ぐぐらいだったけど、それもすぐに離されてた。
>>808続き。
付き合って9ヶ月が経って、初めての夏休みを目前にした高2の7月。
いきなりクラスに3年の眼鏡男が俺指名で来た。
眼鏡男は、あの頃はまだ珍しいオシャレ眼鏡をかけたモテ男。
そんな眼鏡男に「華奢子に手を出すな」と言われた。
俺は、この人華奢子のことが好きなんだろうな~と思った。
俺が彼氏だって自信があったから。
俺が眼鏡男に「いや、俺、華奢子の彼氏なんです」って言うと…
眼鏡男「はぁ?俺が彼氏だからお前に注意してんだけど?
嘘つくなよ、お前…ストーカー?」
彼氏!?眼鏡男が俺!?俺って眼鏡男だったの!?
俺が余りのことに、えー!?ってポカンとしてると、
「次華奢子に何かしたら許さないから」
と言って眼鏡男が立ち去ろうとした。
俺「ちょっ待ってください!俺本当に彼氏です!」
眼鏡男「だから俺が彼氏だって!付き合って4ヶ月!」
俺「俺付き合って9ヶ月なんですけど!」
眼鏡男「ぁあ!?」
びっくりしてる眼鏡男と授業サボっていろいろ話した。
結果、眼鏡男の言ってることは妄想ではなく本当のことだった。
情けないと言われるかもしれないが、怒りは全く沸いて来なかった。
むしろ、俺のこと好きじゃなかったのか?ってすごく悲しかった。
それは眼鏡男も一緒だったみたいで、二人で項垂れてた。
眼鏡男も学年の違いがありながらも猛アタックして、やっと付き合えたらしかった。
俺は華奢子を問い詰めるのが怖くて、何も聞きたくなかったけど…
眼鏡男は「華奢子に聞きに行こう」と言ってきた。
眼鏡男に説得?されてるうちに、
「よく考えれば浮気なのは眼鏡男じゃん!」
って思って、最低だけど自信回復。
その日の放課後に使われてない教室に華奢子を呼び出した。
俺と眼鏡男が先に待ってて、入ってきた華奢子は気まずそうだった。
眼鏡男「あのさ…わかるよね?」
華奢子「うん…」
眼鏡男「ちょっと俺ら…混乱してんだけど…」
華奢子「ごめんなさい…」
入ってきた華奢子は変わらず俺の好きな華奢子で、
大好きだって思いとなんで!?って思いがぶつかって、
「なんでなわけ!?俺のこと好きなんじゃないの!?」
って怒鳴ってしまったorz
華奢子は泣きそうになりながら、
「俺くんが死ぬなんて言うから…」
って言ってきた。
これは>>811続き。
一瞬「はぁ!?」って思ったけど、よく思い返してみたら告白した時に
「ずっと好きだったから振られたら…やべぇ死ぬかも」
とか言ってた。俺気持ち悪い。すみません。
眼鏡男も「あ」って顔してた。眼鏡男も告白した時に
「俺華奢子ちゃんがいるから勉強頑張れるよ」
って言ってたらしい。
華奢子は俺たちが死ぬわけないと思いつつも、
猛アタックだとかを思い出して振るのが偲びなかったらしいorz
こんなのじゃダメだって思っていたけど、俺たちを見てたらどんどん言えなくなったって。
確かにいつもデレデレしてたしな…。
ごめんなさいって謝る華奢子にまたちょっときゅんと来たけど、
(本当に馬鹿ですすみません)ふと思い付いて、
「他にはもういないよな?二人だよな?」
と聞いてみると「ごめんなさい…いるの」。
俺(9ヶ月)、眼鏡男(4ヶ月)、ベンツ男(4ヶ月)、料理男(5ヶ月)、
空手男(7ヶ月)、テニス男(2ヶ月)の6人の彼氏が華奢子にはいました。
俺が一番付き合い長かったけど、それが何?って状態で…。
とにかくショックでショックで言葉が出て来ませんでした。
そんな俺を横に、眼鏡男が華奢子といろいろ話したやしく、
今度の金曜日のよるに全員集合させてくれ、とのことでその日は終了。
泣きながらチャリ漕いでて、すれ違う人達に変な目で見られた。
全員集合の今度の金曜日まで、華奢子と連絡はとらなかった。
金曜日の夕方、広場に集まったメンツを見て俺は愕然としました。
安物とは言ってたけどベンツに乗っちゃってるベンツ男。
料理系の道に進むべく日夜頑張ってるらしい料理男。
小学生の頃から空手をやってきたらしい空手男。
一人際立ってきれいな顔立ちのテニス男。
ただ華奢子と中学から一緒な俺と違い、皆ハイスペック。
出会いもドラマチック。
子猫抱いたまま困ってた華奢子を助けた空手男。
バスで具合の悪くなった華奢子を介抱した料理男。
華奢子の後輩の友達として紹介されたテニス男。
しつこいナンパから助け出したらしいベンツ男。
全員困惑。俺意気消沈。不思議な程に皆華奢子に怒ってなかった。
華奢子に少し離れてもらい、眼鏡男が司会?をして話を進めて行った。
そしてわかったことは、
「全員華奢子が好きで、こんな状況の後も華奢子が選んでくれるならまた付き合う」
ということ。
そして、全員華奢子と手を繋ぐまでしかしたことがないこと。
そこで何故か皆一安心。馬鹿の集まりだと思うorz
華奢子に戻ってきてもらい、ベンツ男がズバッと聞いた。
「俺達は皆華奢子が好きだけど、華奢子はどうなの?
この中に本当に好きな人いるの?
それとも、全員なんとなく付き合っただけ?」
俺緊張で吐きそうでした。
彼氏が6人、本当に好きな人いる?って状況自体おかしいのに。
華奢子「…いる…」
俺「誰!?いいから言って早く言って!」
華奢子「…えっ…」
俺「早くって!いいから言えよ!早く!!」
空手男「急かすな!」
俺「はぁ!?上から見てんなよ!?」
空手男「お前は、静かにしろ。」
DQN風味たっぷりだけど、緊張とか不安とかで俺切れてしまった。
華奢子がすっげーびびってる目で俺を見てるのもイライラした。
テニス男が「大丈夫だから、言ってください」って言ったら、
華奢子「……料理男くん…」
目の前が本当に真っ暗になった。思考が停止した。
料理男が喜んでたのかどうかも覚えてない。
後々聞いた話では、空手男がまず最初に祝福?したそう。
そして料理男と華奢子に一緒に帰れと言い、見送ってたらしい。
華奢子はごめんなさいって謝ってたらしい。
ベンツ男は何も言わずにさっさと帰ったらしい。
テニス男が泣き出して、眼鏡男や空手男が慰めてたらしい。
俺が覚えてるのは、料理男と華奢子の後ろ姿を見てたら我慢できなくなったことだけ。
気付いたら、料理男達を追っかけて料理男の背中を蹴った。
料理男が転んでも蹴った。というか踏んでた。
華奢子が「きゃー」って叫んだ。白い顔だった。
すごく怯えた顔してて、すっげー好きだったのに!って強く思って、
俺は華奢子の顔を叩いてしまった。
そこから暴れまくる俺を止めるために乱闘?が始まった。
俺はとめにきた眼鏡男も殴った。テニス男も殴った。
空手男を殴ろうとして逆に止められて、でも料理男だけはまた殴った。
最終的に空手男に止められて、落ち着くまで押さえられた。
押さえられてるうちに涙がとまんなくなった。でも料理男が立ち上がると、
また無償に殴りたくてしかたなくなった。まぁ無理だったんだけど。
「好きなのに!好きなのに!」って叫んでる俺に、華奢子は震えてた。
俺が鮮烈に覚えてるのは殴ってたあたりのそのシーンだけ。
それから学校では、華奢子は俺の前に姿すら表さなかった。
徹底的に避けられた。でも眼鏡男とは時々話してたらしい。
友達がちょくちょく教えてくれた。
華奢子は俺を振ったからといって、嫌われたりとかもなにもなかったようだった。
股掛けされたって話しても、なんか信じてもらえなくて俺が悪者みたいだった。
眼鏡男、空手男、テニス男は華奢子の一件から仲良くなったらしい。
俺はその輪には入れなかったけど。ベンツ男は去ったっきり。
眼鏡男達は料理男達とも和解?し、今でも華奢子はアイドルらしい。
ただもう、眼鏡男空手男はお兄ちゃん的、テニス男は男的存在らしいが。
この間、華奢子と料理男が結婚したらしいって話を今日聞いたので、
ちょっとここで吐き出させてもらいました。
今でも華奢子を思い出すと泣きそうになる俺は馬鹿だと思います(26歳)。
支援ありがとうございました。
なんかもう乙としか言えん・・・
周りの大人な対応の男たちの方が信じられないよな。
個人的には面白かったよ。
しかも、運命的というよりただの偶然みたいなきっかけが多い。
かわいいだけじゃなくて、よっぽど隙のありそうな雰囲気なんだろうなあ。
実際隙だらけなわけだし。