いつものように子どもを保育園へ送りました。
園は二世帯民家の1世帯分をまるまる借りている小規模園なんで、
玄関は普通の民家と同じ作りです。
入ったらすぐに鍵を締める、という決まりを各保護者もちろん厳守。
保護者が出たあとは、すぐってわけではない速度で先生が締めにくる、というシステム。
と、入れ違いざまに、顔面血だらけの若い男が、そのままスーッと入っていったんです。
目が合って、一瞬で、うわヤバイ、と頭のなかで警報音が鳴る感じの目つき。
でも、情けないことに思考停止してしまって。
え? 誰かのお父さんだっけ? だって当たり前のように入っていったもんね。
だなんて、ありえないってわかっていることを考えて、玄関前で立ち尽くしてしまって。
血の気が引いて我に返って、すぐに園に電話しました。
中に我が子がいるっていうのに、入る勇気がなかったんです。
「いま、血だらけの男が入っていったんですけど!」
と叫ぶと、しばらく経ってから出た受話器の向こうの園長は、
「ええ、ちょっと一旦切りますね」
と。
と同時に、園長と男が出てきて、なにやら話しています。
私はその場から離れ様子を伺い、途中で来た保護者と子どもに戻るよう促すしかありませんでした。
ちなみに、その保護者に「通報したほうがよくないですか」と言われてはじめて気付きましたよ、通報の存在に。
そうか! と思ったときにはもう園長が通報しに、男を外に残し園に入ったときだったのですが。
その間、男は園の前から立ち去り、近辺の道端でも通報があったため警察が警ら中。
ちなみに男は、保育室を通り過ぎ家の奥までずんずん突き進み、園長が話掛けると、
「ここは自宅です」といったことを言ったとか。
あとにドアノブをみると、そこも血でべっとりでした。
「我が子のために身をていして!」
なんて、むりでした。
情けなすぎる。
通報すらもできなかったし。
とにかく園長はすごい。
宅間守のような展開にならなかったことで、本当に本当に、心底から安堵しました。
みなさんも、気をつけてください。
日常に突然、非日常が顔を出すってことを。
怖いなぁ。正直あなたを責めたい気持ちもあるが、自分ならと思うと責められん。
大騒ぎしなかったことが却って良かったんだろうし。
顔が血まみれってのは、恐らく酔っ払いだろう。
転けて顔面強打。意識朦朧として、自分の家だと勘違いして入っていったんだろうとゲスパーしてみる。
何にせよ、無事で良かった。
そうか、酔っ払いという発想はなかった!
そう考えると怖さ軽減。
いまはあなたのゲスパーが身に沁みる…やさしさをありがとう。