高校時代、自分は野球部で夏休みの練習に行った帰りのこと
電車の優先席をタンクトップ+日焼け+金髪ロンゲ+ハ-パンという分かりやすいヤンキーが占領してた
ある駅で見るからに登山帰りですって感じの大荷物を持った
スキンヘッドのオッサン(30ぐらい)が乗ってきて、ヤンキーの前に立つ
ヤンキーは睨んだり舌打ちしたりしてたんだけどオッサンスルー
ヤンキー「ウッゼェ……」
オッサン「……」
ヤンキー「邪魔なんだよオッサン」
オッサン「……」
ヤンキー「無視してんじゃねーよ」
オッサン「……」
ヤンキー「なめてんのかオイ!」
オッサン「……なめてないよ」
ヤンキー「あ!? 喧嘩うってんのか!?」
オッサン「うってないよ」
ヤンキー「調子乗ってんじゃネーゾ!? コラ!!」
オッサン「乗ってないよ」
ついにヤンキーが立ち上がりおっさんの胸倉を掴む
ヤンキー「おいテメェマジ次の駅で降りろや、マジブチギレたわ」
オッサン「いいよ」
ここで電車内の空気が一瞬止まった
ヤンキーもしばらく黙ってた
そしてこっからオッサンがひたすら喋る
そっちの都合のいい駅でいいよ、俺○○までの定期持ってるし
ホームで暴れたら駅員来て警察呼ばれる、だから次の駅の近くに公園あるからソコ行こう
金的と目潰しは無しにしよか、顔面がアリ、負けても警察に訴えない
その代わり勝った方は救急車は呼ぼう、携帯は持ってる?
ナイフとかないよね? 実は俺持ってるんだわサバイバルナイフ
ほら、これ(バックからカバーのついたナイフ出す)
これ持ってて喧嘩して警察来るとヤバイからさ、警察は無しでね
あ、これ使わんから安心して、お互い素手ね素手
ヤンキーもなんか最初は「あ?」とか「は?」言ってたけど
後半は「おう…」とか「いいんじゃねーの……」
胸倉掴みながら声が虚勢3割、ビビリ7割ぐらいでちょっと笑えた
そんで二人は次の駅で降りた
自分も降りる駅なので降りて好奇心で二人の行く公園(地元なのでおおよそ予想が付いた)に
ちょっと時間を置いて見に行った
そこで鼻血流したオッサンが倒れたヤンキーの腹にまがって
左手でヤンキーの片手を持ちながら右手でひたすら顔面殴ってた
完全にヤンキーの足がだらんとしたらオッサンは立ち上がって顔を覗いて
その後サッカーボールみたいにヤンキーの頭蹴ってた
それでも反応が無いのを確認したらヤンキーのズボンをまさぐって
携帯でなんかしゃべってた(多分、ヤンキーの携帯で救急車呼んでた)
そんで水道で顔洗ったあと、こっちに気づいて近づいてきた
自分は衝撃的な映像を見て動けなくて、近づくオッサンをひたすらガン見してた
オッサンが話しかけてきて
「君、電車にいたよね? 大丈夫、ちゃんと生きてるし救急車は呼んであるから」
「君も警察とかにオジサンのこと言わないでね、二人とも合意だから」
「もうじき救急車来るし、近所の人が警察呼んだと思うから、巻き込まれないうちに家に帰ったほうがいいよ」
こくこくと頷くと、オッサンはニッコリ笑って
「○○高校野球部! 甲子園目指してがんばれよ!」
「俺等みたいなダメな大人になるなよ!」
笑顔でサムズアップして駅に戻っていった
でも服に返り血があって恐怖でしかなかった
帰宅後
「あの人に顔と高校と部活バレてんじゃん……」
そう気づいた時が最大の修羅場
ほぼ間違いないこと
警察と救急が公園に到着、ヤンキーは入院
被害は顔面骨折アンパンマン+前歯全部折れ、耳がちぎれかけ、一部、髪を皮ごとむしられる
他外傷いろいろ
たぶん本当のこと
ヤンキーは警察に被害届け出さなかった
でもしばらくしたら引きこもりになった
公園周りでこの事件の噂でもちきりだったけど、自分は誰にも何も喋らなかった
大学卒業して地元から離れ、会社の帰りにケンカを見たので思い出しカキコ