その日はバンドが4組出演する予定で、知人のバンドはトリだったんだが、せっかくなんで他の3組のバンドも観てみる事にした
1組目はフツーの格好した大学生くらいのロックバンドで、雰囲気で言うと「日本語歌詞のオアシス」みたいな感じだった。Dont look back in angerの影響がモロに濃いオリジナル曲とかやってた
ビール片手に客席後方のテーブルでくつろぎながら気持ちよく聴いてたよ
問題は2組目のバンドだった
こいつらも大学生くらいだった
楽器隊は気だるそうにセッティングしてて、その間Vo.の奴はやたらとエビアン飲みながら辺りにメンチ切りまくってた
楽器隊の準備が整うとVo.(あほシドとする)がスタンドからマイクを乱暴に取り外して、歯がマイクにあたる程口に近づけながら言った
あほシド「反社会的精神見せてやんよ…その辺にいる大人のクソジジイどもは…俺ら見てこう言うんだろうな…ガキが調子に乗るんじゃねー…って。全部クソ食らえだ!」
ここは大阪のローカルバンドのはずなんだが、何故かイントネーションが標準語だった
バンドのボーカルで歌う時マイクをすごく口に接近させ奴~~~~ーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「後ろで座ってる情けねージジイ!てめーらは俺らがヤッてる間ぜってぇ立つな!目障りだから!…そんかわり…前にいるお前ら…俺らの反社会精神…今日はちゃんとココ(胸)に刻んで帰れよ…」
ははあ、そういうキャラ設定ね
そんな程度で、「かわいいのう」くらいの感想だった
そして一曲目のカウントが始まった
あほシド
「聴けよ!◎▲◇×ぜべ!◇◎▲×どぶなすば!」
ジャガジャーァアアン
明らかにギターの音が大きすぎるのと、歌が始まってもあほシドがマイクを咥えるように歌うので、何言ってるか聞こえなかった
全て似たような曲調で、俺は既に見切りをつけてた
3曲目が終わった時、あほシドが口を開いた
あほシド
「ハァ…ハァ…ウンッ…ハァ…おい…後ろで座ってるジジイ…俺らの曲聴いてどう思ったよ…?」
まさかの俺イジリだった
あほシド
「てめーにも俺らみたいにイラついてた時…あったんだろうがよ…」
31才です
なもんで
俺「ええんとちゃうか。熱いな」
程度に返したんだ
するとあほシドが目が見開き叫んだ
「し っ た よ う な 事 言 っ て ん じ ゃ ね あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ !」
面倒だから割愛したが、↑のセリフは全てに濁音が付くタイプの発声だ
藤原竜也で再生しろ
「俺らの曲はなぁ!てめーみてえにしょぼくれたクソジジイに聴いて欲しくねーんだよおおおおおお!出て行けよ今すぐ!」
そう言って、ケツポケットから二つ折りの財布を取り出し、俺に向かって投げつけた
金返すから出て行けという事か
俺は無言で財布を広い、ステージに投げ返した
あほシドは無言で財布を拾い、ケツポケットにまた収めた
良い意味で落ち着いて余裕があるよな
「クソに構ってて悪かったな…今日はお前ら(立ち見客)の為にヤるライブだもんな…」
立ち見客の中に一応ファンがいたのか、30人程いる客の中で2~3人の男のだけがオオオオッ!と反応した
あほシド
「気ぃ取り直して次いこう…ベルベットの空へ!」
曲名だけは初めて聞き取れた
しかし歌はまたしても聞き取れなかった
オブェノヴェルヴェ!
ゴビノザゲンダ!
エビラウェヘヘェー!
そんな感じにしか聞こえなかった
かっけぇww
そして空になったペットボトルを俺に向かって投げつけた
あほシド
「俺らの曲はてめーに届かなくていい…てめーに届けるのはファックって4文字の言葉と…てめーとおんなじゴミみてーなそのペットボトルだけだ…」
ちなみにペットボトルは天井に当たってコトンと客席中央に落ちた
俺までの距離の約半分程度の場所に
俺「おまえなぁ、パフォーマンスでもやってええ事と悪い事あるやろ」
落ち着いたトーンではあったが、割と大きい声でステージに向かって叫んだ
一瞬の間が空いて、あほシドの目が見開く
あほシド
「そーゆーてめーらの説教が俺らを歪ませてんだろうがああああああ!」
俺「いや、関係ない。ちょっともう演奏止めろ。箱(ライブハウス)の人、これええんスか?」
やっぱある意味大変な仕事だな
イラッときたので俺は続けてこう言う
俺「お前らな、それパフォーマンスか地かどっちやねん。なんやそれ、お前らの中でかっこええやつなんか?それにしても古いぞソレ」
あほシド
「オイ!クソは放っておいて次行くぞ…ジジイが吠えてるだけだ…次の曲…ベル…………マイライフ!」
きっと「ベルベットの空」と言いかけたに違いない
ギターがガシュッガシュと鳴る
しかしアンプからの音だけで、外のスピーカーからは聞こえてこない
気付かずにあほシドが歌に入るが、マイクも入ってない
演奏が止まる
あほシドがマイクをトントン叩く
そしてベースの奴があほシドの肩を叩き、PAブースを指さす
俺も追って見てみると、スタッフが両手で大きく×のサインを
「…アレ?…もいっぺん?大丈夫すか?」
PAのスタッフはまだ×サインだ
あ、なるほどと思い、俺が口を開く
俺「おい、たぶんそーゆー事や。とりあえずさっきペットボトル投げたんはパフォーマンスか?地か?どっちやねん?」
「てめー関係ねーつってんだろ」
俺
「関係ないってお前、音出して貰えてないってそーゆー事やろ」
あほシド
「だがら大人は汚ねーって…てめーらの都合ばっかじゃんかよ…」
俺
「俺はお前らの都合でジジイて言われて財布とペットボトル投げつけられとんねん!」
関西側から言えば、東京で~じゃん?~じゃね?あたりがテレビ以外で本気で使われてる事が非現実
威圧するためにわざと使ってるわけでもないんだぜこれは
まあ大阪の「あれやんけ」よりは受け入れやすい
「俺いじってあーだこーだ言うのも物投げたのもお前らの都合ちゃうんか!
」
あほ
「だからお前の主張うぜーって…」
俺
「お前状況わかってんのか!」
スタッフ
「これは無理!アカンよ!」
俺
「ほらみてみぃ!」
あほ
「てめーらの都合ばっかじゃんかよ…結局俺らガキはお前らのルールに縛られt」
スタッフ
「中止や!」
いつまで子供でいるつもりなんだか
「………」
あほ
「でもこれ、俺らとそのオッサンとの問題ちゃいます?○○(ライブハウス名)さんに迷惑かけてませんやん…」
急に関西弁になる
スタッフ、首を振る
あほ
「おかしいですって…そんなんホンマに大人の都合ですやん…」
俺
「じゃあお前らはマナーも守らんと好き勝手やるのが正しいと思うんか!」
「いや違うって…俺らは俺らで…なぁ?言いたい事とやりたい事したいだけやん…」
俺
「言いたい事が他人をジジイ呼ばわりする事で、やりたい事が他人に物投げる事かよ!」
スタッフ
「中止や!降りろ!」
俺
「いや、いいです、このままで」
あほ
「………俺らの主張は聞かへんって事か?やっぱ大人ってそんなんやん…………子供に自由の権利はないんか!世界を動かす権利はないんか!人の…アレや!人の…心を動かそうとする権利はないんか!?」
「選挙行った事あんのかお前」
あほ
「は?」
俺
「選挙行ったんかって聞いてんねん。ハタチ超えとるやろ」
あほ
「ああああるわ」
俺
「なんで選挙行ってん」
あほ
「……国を…なあ?…ちゃんと…やらなあアカンやろうが…」
「国を?なんや?いい国にしたいから選挙に行ったんか?」
あほ
「それもあるけどアレや…俺らが行かんと変わらんやろ…クソやん日本…」
俺
「わかっとるやんけ。せやけど選挙行っただけやったら国は変わらんよな?どないせなアカンねん?」
あほ
「政治家がクソやから、政治家が変わったらええねん」
「じゃあお前が政治家目指すべきちゃうんか?」
「はい論破」
もう4時間しか寝れへんやん
割愛するとオチはこれ
言われてた
やりとりは勘弁してくれ
もう寝ます
すみません
お前みたいなマナーのない奴に歌で世界変えられないよ→でも変えたい→歌でか?→うん歌で→じゃあとりあえず、続きやれるように謝れ→土下座→ライブ続行→終わる→客席くる→すんませんでした→アホの政治家とさっきのお前やったら、まだアホの政治家の方がアホやけどな
終わり
ネホンマに寝る
でも面白かったわ 乙
忘却の空だろとマジレスするけど清春ももういい年だぜ
かっこいいけど