ほんとにタヒにたい。
片思いの人が他の男といちゃいちゃする想像をすると発狂しそうになる。
7時から書き始めてさっき完成したばっかなんだ。
晒すわ。
おれもこの間失恋したよ
恋愛対象として見れないってさ・・・
痛い文章になってるかもしれないけどそれは我慢してくれ。
引きこもり始めてからもう二年が経っていた。
まずい、そろそろ何か行動しなければ、非常にまずい。
俺の中の焦燥感は、ここにきて日ごとに増していた。
現在は親からの仕送りで辛うじて生活しているが、いつ愛想を尽かされるか分かったもんじゃない。
仕送りが途絶えた時、俺は田舎にある実家へ強制送還されるだろう。
なんだよ、それ。
大学を中退して、引きこもって、最後は結局田舎へ逃げ帰る……。
そんなのただの負け犬じゃないか。
親元に戻るのだけは避けたい。
その為には経済的に自立する必要がある。
という事で、俺は今バイト探しをしている真っ最中だ。
求人広告を当てに俺でも働けそうなアルバイトを探す。
長らく人と接していない俺に、接客を要する仕事は無理だろう。
だから選ぶとすれば工場等の単純作業系にすべきだろう。
しばらく求人情報を吟味した後、俺はパン工場の広告に目をつけた。
ここなら自給も悪くないし、俺でも出来そうな仕事内容だったからだ。
ひたすら時間が立つのを耐え凌ぐライン工は、長く引きこもっていた俺にはうってつけの仕事だろう。
携帯を持つ手が震えた。心臓がどくどくと激しい動悸を立てる。
ただ電話をかけるだけなのに、何故こんなに緊張しているのか自分でも分からない。。
『はい。こちら山田パン工場の竹丘ですが』
「あ、あのぅ……。そちらの方でアルバイトの募集をしているそうですが……」
俺は予め用意しておいたメモの台詞を読み上げた。
『あぁ、アルバイトの方ですか。年齢と電話番後を聞かせてもらってよろしいですか?』
「年齢……、ですか?えーと、にじゅういちですが……」
『大学生の方ですか?うーんそれだとちょっと厳しいかもしれませんねぇ。こちらとしては週五は入ってもらいたいんですよねぇ」
「じ、時間の方は大丈夫です。暇なんで、いつでも入れますから」
『そうなの?大学の方の都合は大丈夫?』
どうやら俺が大学生という前提で話が進んでいるらしかった。
「ええ。今、ちょっとした理由で休学中なんで」
大学は中退しました、なんて言えるわけもなかった。
『ははぁ。休学ね。なんで休学してるの?』
「病気で身体を壊してしまいまして。ははっ……」
『うーん。うちの仕事は結構きついけど大丈夫?』
「はい。最近は調子もよくなってきましたし……」
バイトの面接でここまで追及されるのは、正直予想外だ。
このパン工場には、仮に採用されたとしても行きたくなかった。
俺は求人広告を頼りに、他にも二件の面接を申し込む事に成功した。
いずれも大学休学中という嘘で何とか場を凌いだ。
履歴書でも退学については触れるつもりはない。
友人宅で、俺は懐かしい仲間たちとテレビゲームに勤しんでいた。
俺は輪の中に溶け込み、無邪気な笑顔を見せている。
心の底から笑っていた。
心の底から楽しいと思っていた。
友人たちとの無邪気にはしゃぎ合い、さぁまだまだ遊ぶぞ、そう思った矢先。
目が覚めた。
現実に引き戻された。
なれない電話をしたせいで疲れてしまったのだろう。
時計の針は既に午後十一時を指していた。
どうやらまた昔の夢を見ていたようだ。
俺の頭は、メランコリックな気分で浸されていた。
ただ寝ていただけなのに、呼吸は荒く、息が詰まる。
枕が微かに湿っていた。
また小学生時代の夢を見てしまった。
思えばあの時が人生のピークだったのかもしれない。
あの時は、心の底から人生を謳歌していたように思う。
毎日毎日、何をして遊ぶかを友人たちと計画しあった時間にはもう二度と戻れない。
そんな当たり前の事実が、俺の心をどうしようもないくらいに締め付けた。
大学中退という立場に引け目を感じていた。
だからそれをひた隠しにしているのだが、そんな自分が無性に虚しい。
そしてその虚しさは、心の中の孤独感を増大させた。
蒸し暑い夏の熱気に包まれた部屋の中で、俺はひとり溜息をつく。
起きる気力も、部屋の灯りを点ける気力も沸かない。
俺は屍のようにただ何もせず、ぼうっとするのだった。
季節は移り変わり、空気は既に肌寒い。
三件とも不採用に終わった俺は、再び引きこもり生活を送っていた。
いや、厳密に不採用になったのは二件だ。
最初に電話をかけたパン工場は、面接会場へ赴くことすらできなかったのだから。
三ヶ月かけて、ようやく心の傷は癒えてきた。
不採用通知が届いたときは、自殺してやろうと思うほど精神的に追い込まれたいたのだが、今は何とか立ち直れている。
俺は三ヶ月ぶりに求人広告を眺めた。
やはり選択肢としては工場系のバイトしかないだろう。
接客なんて俺には無理なのだか―――
コンビニの求人情報に目が留まった。
コンビニ……。
バリバリの接客業であり、俺に勤まるとは到底思えない。
しかし待てよ。
案外そんな事はないのかもしれない。
コンビニ……、そうさ、所詮コンビニだろ。
金髪のちゃらちゃらした不良野郎でも勤まるバイトじゃないか。
いくら引きこもりの俺だからといって、コンビニバイトくらいは勤まるだろう。
そもそも脱引きこもりの為に、接客業をするという考え方もあるじゃないか。
そうさ、俺はコンビニアルバイトを通して人間力を培い、全うな社会人へと昇華するんだ!!
俺はいきり立った。
そしてその勢いで携帯のボタンをプッシュする。
所詮コンビニ、所詮コンビニ、所詮コンビニ……、心の中で何度もそう唱えると、不思議と気持ちが楽になる。
俺はハイになった勢いのまま、面接の約束を取り決めることに成功した。。
ノリに乗っていたからだろう、大学を中退していることは素直に告げてしまった。
俺はコンビニのバックルームで面接担当者、即ちオーナーと面談をしていた。
バックルームは予想以上に狭かった。部屋というよりも、廊下といった方が適当な広さだ。
狭い通路上に置かれた椅子の上に俺は座っていた。
そして俺の対面には大柄のオーナーが座っている。
狭い部屋に大柄の男、雑然と詰まれた商品の山、それらの全てが俺を圧迫しているように感じられた。
「君が、池田君かい。始めまして、オーナーの山田です」
オーナーの太い声は妙な威圧感を放っている。
それにしり込みをしてしまうが、何とかそれを表面に出さないように気をつけた。
「あっ、始めまして。池田辰雄と申します」
「えーっと、大学は中退したんだっけ?」
「えっ、ええまぁ……」
「東西大学か。中々優秀な所なのにもったいないね」
オーナーは嘘偽りのない俺の履歴書を見ながら言った。
「ははっ、まぁ、そうかもしれませんね」
乾いた声で愛想笑いを浮かべたつもりだが、もしかしたら引きつった表情になっていたかもしれない。
中退の話はそれ以上詮索してこなかった。
どうやらこのオーナーは分別のある人のようだ。
まぁいいよ。
俺の駄文なんかに価値はないしな。
寂しい。
助けて。
タヒぬ。
まじでタヒぬ。
待ってる俺の身にもなれ
一人でも読んでくれる人がいて嬉しい。
泣けてきた。
厳しい突込みを何度も入れられた。結果には期待しない方がいいだろう。
やはり駄目か……、という諦念が湧き出てくる。
バックルームを後にする際、「内の店は厳しいけど、大丈夫?」っとオーナーが問いかけてきた。
こてんぱに言いくるめられた俺は「はは……」と愛想笑いを浮かべることしかできなかった。
一週間後、コンビニ側から電話がかかってきた。
「はい、もしもし。池田ですが」
「あっ、池田君。採用の方向で考えてるんだけど――」
俺は自然とガッツポーズをしていた。
ここまでが第一章です。
このノンフィクション小説を読んでもらいたい。
固有名詞以外はほぼ実話。
ノンフィクションなのは結末見れば分かるはず・・・