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:忍法帖【Lv=12,xxxPT】2011/09/08(木) 00:00:05.64 ID:sDW+XZlQ0次の日も昼間はいつもと変わらなかった、いつものように一人で過ごして一人で飯食って昼には図書室に行った
変化といえば漫画を読み終えたのでハリーポッターに変えたことくらいだったと思う
そんなかんじで放課後
部室に行くとなんか佐倉先生がいた、てかポテチ食いながらソファーでテレビ見てた
その年、結局入部希望者は一人も訪ねてこなかった
だけど、代わりに佐倉先生がほぼ毎日遊びに来るようになった
午前中はいつも通り寝たフリ等で一人で過ごし、昼は飯を食べたら図書室に行き読書、放課後は部室に行き本を読んだり佐倉先生が持ってくるビデオを見たりボードゲームをしたり
あとはボーっとしたりだ
そんな感じで五月は終わり、中間テストもそこそこの成績だった俺は六月を迎えた
図書委員の女の子とはあいさつする程度の仲にもなった、この頃俺はグリム童話など世界の童話を読みニヤニヤしていた
クラスも相変わらずだ、俺以外は仲が馬鹿みたいに良いガリデブもすっかりマスコット的なポジションにいた
何回かクラス会があったらしい
>あったらしい
>らしい
泣いた
あとは二人で係を分担したことかな
俺…掃除、買い出し、お茶汲み、ゴミ捨て
先生…DVD係、その他
こんな感じだった
でまあこれはこれで楽しかったんだけど、俺も一応部長なわけで先生に活動について聞いてみた
それにまた先生も適当だなwww
そういうと、先生は凄い嫌そうな顔をして
「いや、梅雨じゃん?」
といってゲームに戻って行った
こんな感じで天文部的な活動は夏になるまで一度も行われなかった
この頃にはもうハルヒのようなトンデモ高校生活はこれから先も起こらないだろうと達観し、厨二病も抜けだし心身ともに至って良好であった
そんな六月の終わり、俺がいつものように図書室で童話を読みニヤついていると、佐倉先生が騒がしく図書室に入ってきた
「おい、私の部屋が危ない」
言ってる意味はよくわからなかった
まあ要するに
天文部がつぶれるかも知れないらしかった
まず初めに部員不足
現在我が部は部員が俺一人、生徒手帳には五人からとか何とか書いてあった
次に活動内容
普通の部活動は大会に出たりコンクールに作品を出したり、試験にチャレンジしたりするところ
天文部は名ばかりで特に活動をしてこなかったのを言われたらしい
廃部を免れるには定期的な活動と学園祭での発表をしなければいけないことになった
佐倉先生は愚痴りながらこんな感じの事を話して帰った
俺は泣きたくなって早退した
定期的な活動?
いやまて、活動ならこれまでだってしてきている
ただ内容があれなだけだ、てかそもそも天文の事をなにもしらない俺には何もできない、顧問もあれだし
発表もきつい、だって一人だし
唯一の希望は部員不足を解消しなくてもいいことだった、それが入ってきたら完璧に部は潰れてた
クラスのやつらは相変わらず能天気な顔しててムカついた
昼、図書室にいったは良いがニヤつく元気もなく、図書室に行って初めて本を読まずに寝た
誰も起こしてくれなかったから気が付いたら授業が始まっていた、クラスのやつらがニヤニヤしてた
無性にイライラした
放課後、佐倉先生と相談すればなんとかなるかもしれない、あの人も一応大人で教師だ!
とか思って期待して部活に行った
その日佐倉先生は部活に来なかった
それから数日間、佐倉先生は部室に来なかった
俺からも佐倉先生を訪ねたりはしなかった
そうこうするうちに七月になり、期末試験が始まり俺も部室に顔が出せなくなっていった
部室に行くと部屋の電気がついており、中からピコピコ電子音が聞こえた
佐倉先生が部室にいた
「おいーす」
相変わらず適当な感じにソファーでくつろぎながらゲームをしてた
久しぶりの佐倉先生は相変わらず小さくて薄着になっていた
なんか耐えられなくて頭を撫でたら喉突かれたのは今でも良い思い出だ
ならないか
二人でアイスを食べていたら佐倉先生がさらっと凄いことを言った
「なんのですか?」
「天文部の」
「またまた」
こんな感じの会話をした結果どうやら佐倉先生の合宿発言が本気であることが分かった
話を詳しく聞くと、部活存続条件の定期的な活動については年二回の合宿で手を打つことを上と話をつけてきたらしい
腐っても鯛、腐っても先生、佐倉先生もどうやら会わない期間部活のために頑張ってくれていたらしかった
動機は定かではないが
合宿の合宿所は長野の学校所有の宿舎に泊まることができるらしいのだが、問題は参加人数であった
流石に学校も生徒一人、先生一人に合宿所は貸してはくれない、最低でも生徒五人は参加する必要があるとのことだった
「お前適当に友達誘ってこい、いなけりゃナンパだ」
こんな佐倉先生の無茶から俺は次の日から大変な生活を送ることになったのは言うまでもない
なぜなら俺には気軽に合宿に誘える友達はおろか、話す程度の知人すら学校にはいなかったからだ
それを一人ならまだしもあと四人も集めるなんて、無理だろ
さらに悪いことにうちの学校は生徒の九割が女子だ、もっと無理だDTだ
佐倉先生に貼り紙か校内放送での参加の呼びかけを提案してみたが
「んな知らん奴と合宿にいけるか」
と却下されてしまった
俺が連れてくる生徒もほぼ知らん奴だろうに
クラスの雌と夏休みについて話し合ってやがったからムカついて候補から外した
なんかあいつらはこれ以上幸せになっちゃいけない気がしたからだ
次にクラスの女子も考えたが冷静になったら俺はデブの吉井さんとしかまともに会話をしたことがないことに気がついた
いや、あれも会話かどうか聞かれちゃらグレーゾーンだが
そんな感じで誰にも話しかけないまま初日は終わった
部室に行くと佐倉先生にとにかく怒られた
あと一週間もすれば夏休みになってしまうのになにやってんだみたいな、いやそりゃ無理があるでしょと思ったが口にはしなかった
三日目、半日授業になったので生活が変わった
午前が終わると部室で飯を食い二時まで図書室に行き、二時からは佐倉先生を待ちつつビデオ、こんな感じだった
図書委員の名も知らぬ女の子は吉井以外の唯一の交流のある女子であったが、オアシスを自ら汚すのもあれなので誘うことはなかった
俺のあまりの不甲斐なさに俺を散々罵った後ジュースを買いに行かせ、面白いポーズを写真に撮って弱みまで握られた
俺に任せてたら埒が明かないと俺に交流リストみたいな物を書かせた
俺の交流リスト
吉井
図書委員の子
図書室にいるおばちゃん二人
流石に佐倉先生も俺をいじるのをやめた
しかし、図書室のおばちゃんは生徒じゃないから数には入らない、吉井とは俺が勝手に話しただけ、委員の子も俺が勝手に姿とニヤニヤを提供しているだけという状況だったので
「ないないww」
と笑ったらまた怒られた
とりあえず佐倉先生が俺と一緒に吉井と図書委員を誘いにいってくれることになった
こちらとしては望んでいないが仕方なかった
どうやら吉井は調理部という食材を部費で買い調理して喰らうという天文部よりも存在価値が不明な部活に在籍しているらしく、その日もその巨体を揺らしながらなにかをつくっていた
さすがの佐倉先生もこれが来るとは思っていなかったらしく面喰っていたが、意を決して吉井に話しかけた
「はぁ?」
忘れていると思うが佐倉先生は普段はクールな先生を装っているから、吉井も説教でもされるのかと思ったらしく少しびっくりしてた
「このこ、分かるかな?」
「はい、クラスが一緒です」
「話したことは?」
「少しだけ…」
「今度天文部で合宿があるの、長野に行くんだけど料理は自分たちで作らなければならないのよ」
「はぁ」
「その話をこの子にしたら、同じクラスの吉井さんが料理が上手って話を聞いてね」
「それでお願いなんだけど、よかったら合宿に参加しない?参加費はいらないから」
色々あったけど吉井が合宿に来ることになった
パーティーを揃えてくのか
図書室につくといつもの女の子がいつものように静かに椅子に座っていた
俺はおばちゃんたちに挨拶をしてから、佐倉先生にどの子か教えた
佐倉先生は図書委員を見ると「ああ、なるほど」とかなんとか言っていた
どうやら佐倉先生とその子は知り合いらしかった
まあ、佐倉先生は一応先生だから知っていてもおかしくはないんだけど
佐倉先生が図書委員改め田村さんをよんだ、後から聞いた話だが田村さんは二年で一年の時に佐倉先生が教科を受け持っていたらしい
「なぁ、お前星とか興味ないか?」
気がつくと佐倉先生は田村さんを攻略していた
ああ、ハルヒに振り回されるSOS団もこんな感じなのかなと久しぶりにラノベ脳を働かせた
こんな感じで佐倉先生の協力で合宿参加者を集めることができた
ちなみに残り二人は田村さんが友達を連れてくるらしかった
興奮した
小中苛められて、高校三年間佐倉先生以外とほぼ会話しない程度には不細工
十分休憩する