書き貯めてもないけど…
アルバム、太いのが5冊もあるんだ。
それ見たら、語りたくなった。
カーチャンが働いて頑張って買ってくれたらしい…。
めちゃくちゃ嬉しかった俺は、友達と乗りつぶした。
一年も経たないうちに壊してしまった…。
俺は幼児ながらタヒぬほど泣いたが、カーチャンは
「あらあら…」といい、泣いているのに少し困った顔をして
笑ってくれてあやしてくれた。
このころから少しずつ覚えている。
元々何でも口に入れてしまっていた俺、口が腫れた(?)らしい。
親父は冷静沈着だったらしいが、カーチャンはかなり泣いていた。
めちゃくちゃオロオロしたらしい。
なんで目を離してしまったんだろうって。
帰ったのだが、母親は安心したのか、帰るときにトーチャンの車の中で
揺られながら眠ってしまい、なかなか起きなかった。
俺はカーチャンを起こそうとしたが、トーチャンが
「寝かせておき」
といい、そのまま寝かせておいた。
多分家に着いてから、トーチャンが抱きかかえて連れ帰った。
俺はさすがに「お年玉」システムを世間から学習し、
トーチャンにおねだりした。500円くれた。
幼稚園の友達はもっと高額にもらっていたため、落ち込んだ。
後日、察したのかカーチャンが働いたお金から千円くれた…。
トーチャンが練習を手伝ってくれるのだが、仕事が忙しくてあまり
練習できなかった。
そんな時、カーチャンが仕事上がりで一緒に自転車の練習をしてくれた。
一緒にめちゃくちゃ練習し、一人でも乗れるようになった。
練習の終わりには、いつも麦茶を淹れてくれた。
自転車を乗れるようになって、カーチャンと一緒に飲んだ麦茶は、最高にうまかった。
ずっと、忘れてない。
トーチャンは妹にベタベタだった。
特に女の子だからな。
兄弟の上に立つ人なら分かると思うが、ヤキモチ焼いてしまうと思う。
そんな俺も例外でなく、めちゃくちゃ焼いた。
でもカーチャン、平等に接してくれた。
「妹が生まれたから、俺くんはまた、お兄ちゃんになったね!」
「俺くん、妹を守ってあげてね。」
「でも妹が生まれても、俺くん大好きだから。」
カーチャンがそう言った。カーチャンは当時、
俺のことを「○○くん」と、くんづけしていた。
小学生ながら、かなり甘えたと思う。
転校が決まった。
トーチャンの転勤が決定したからだ。
俺は最初、「転校」の意味が全くわからなかった。
トーチャンは
「これから、初めて行く学校に変わるんだ。
俺くんは、もうすぐ新しいところに住むんだよ」
と説明したが、「??? え?なんで?」
といい、一区切りついて理解して、泣き叫んだ。
「嫌だ嫌だ!!!お友達と離れたくないよー!やだやだ残る!!」
みたいな事を言ったんだ。
カーチャンが少しだけ困った顔をしながらこう言った。
「俺くんは、これから新しい学校に行っちゃうけど…
俺くんは誰とでもお友達を作れちゃうから、大丈夫!
新しいおうちも、ちょっぴり広いよ♪
それから、お母さんが貯めたお金で、たまにお友達に一緒に会いに行こ!
たまーにだけどねw」
って言ってくれた。
カーチャンと一緒に、引っ越す前の場所に旅行で連れていってもらった。
さすがに1年前。何も変わってなくて。
友達とも遊んだ。一日中。
でも、カーチャンは……。
何もやることないのに、朝っぱちから夕方まで暇をつぶしてくれていたんだ。
迎えに来てくれた時、なぜかその友達におもちゃ、
カーチャンにお菓子をあげていた。
俺は、なんでなんで!?と言っていた。
帰りに雑談しながら帰った。
俺「何をやっていたの?」
カーチャン「内緒wブラブラしてたw」
電車の中で、プラモをプレゼントしてくれた。
友達にあげてたやつの色違いだ…。
カーチャン「また2人で来ようね♪」
カーチャンネタはやめろ…
>>33
すいません…カーチャンスレ立てたの、初めてなんです…
ちなみに体験談なんですけど、あんまり需要ないですかね…
俺は家の前で友達とドッジボールをやっていた。
今考えてみればバカなことをしていたが、結構危ない場所だと思う。
「スイカ冷えてるわよー!」
ちょうどカーチャンがスイカを持って下りて来てくれたとき…
バイクが突如左折してきて、ボールを避けていた俺がはねられそうになった!
ところが次の瞬間、カーチャンが俺を突き飛ばした。
カーチャンはかなり擦りむき、みるからに痛そうだった。
俺はかすり傷ですんだ…。
でもカーチャンは痛そうにもせずに、バイクの運転手を叱り飛ばしていた。
あんなに怖いのみたの初めてだった。
その後俺も、怒られた。次から違う場所でドッジした。
スイカ、ばらばらになっていた…。
俺がインフルエンザになった。
熱は40℃以上になり、俺は立つことさえできず、苦しんでいた。
トーチャンはおかゆを作ってくれたり、枕かえてくれたりしてくれた。
カーチャンは、まったく寝ずに看病してくれた。
俺はカーチャンに言ったんだ…。
俺「カーチャン、今年のインフルエンザ、やばいみたいだよね?
TVで言ってたし…うつるよ…」
カーチャン「バカ!そんなの気にしてたら子ども守れないでしょ!
俺くんに治ってもらわなきゃ、困るんだよ…泣いちゃうんだよ。
そんなの治ってから言いなさい!!」
後日、カーチャンにうつした…。
俺は、学校から帰ってカーチャンの看病してた。
めちゃまずいおかゆを作って、俺は捨てようとしたが、
カーチャンは絶対捨てさせず、残さず食べた…。
カーチャン「あんなこと言って、病気になっちゃったねw」
カーチャンが、ガンになった……。
スペックさらしてなかった。
現在(年齢換算)
俺。26歳。職業経理。
カーチャン。47歳。
トーチャン。47歳。営業系。
妹。20歳大学生。
カーチャンが入院した。
トーチャンは、見るからに青ざめていた。やばかった。
俺は、「え…?え??」って感じで、まだよく状況がわからなかった。
カーチャンが、運ばれていった。
急を要するとか言って、その日はカーチャンに会えなかった。
トーチャンのご飯を食べた。
よく覚えてる。
夏なのに、めちゃくちゃ寒かった。
夏なのに…。
トーチャンは忙しいので、家事なんてできないでしょ?とのこと。
ちなみに、カーチャンのカーチャン。
バーチャンの作ったご飯は、どれもカーチャンそっくりだった。
やっぱり、親子だなって、子供でも思った。
めちゃくちゃ会いたくて、院内を走ってしまって、怒られた。
カーチャンは、とびきりの笑顔で出迎えてくれた。
でも声は、とても細かった。
カーチャン
「突然倒れて、ごめんね…。たまに治療で、来てくれても
会えないこともあるかもしれない…。ごめんね…。
今日は、来てくれて、ありがとw嬉しいんだぞw」
俺は中学生だけど、かなり泣いた。
カーチャンにすがる俺を見たからかな…。
その日は、とびきりおいしいカレーをバーチャンが作ってくれた。
本当に、美味しかった。
カーチャンにも、たべさせてあげたいとトーチャンに言った。
トーチャン「からいのは、入院中は、だめなんだよー。」
と、優しく言ってくれた。
ちなみに、ガンの種類は、子宮ガン。
久々にカーチャンのお見舞いに行けた日、カーチャンに
お友達ができていた。
すごく、優しそうな人。優しそうな目をしてた。
にっこり笑って、俺とも友達(?)になってくれた。
話しやすい人で、カーチャンもなぜか喜んでいた。
リンゴをむいてくれて、「おたべ♪」と言ってくれた。
妹と食べながら、長い時間、その女の人と、カーチャンと、話した。
「私、早く退院したいな♪そしたら、外で一緒に遊ぼうねw」
そう言ってくれた。
空は入道雲が広がり、俺の好きな空だった。
でも、それからその人と、会うことはできなくなってしまった。
「カーチャン!お見舞いに来たよー!」
戸を開けると、カーチャンの隣のベッドが空席…。
あ…
あれ……。
え………
カーチャン「……」
俺「え、え…っと…」
カーチャン「いなく、なっちゃった…」
俺「え…?」
カーチャン「俺くんも中学生になったから、もう…わかるよね…?
亡くなったの…突然急変して…。」
俺「うそ、だろ…?」
カーチャン「……(首を横に振った)」
俺、カーチャンの友達が亡くなったのを知ったのでも号泣した。
身近に人が亡くなったのは、生まれて初めてだった。
俺はリアルに血の気が引いた。
カーチャンがタヒぬなんてありえなかった。
ありえないんだ。
だって、そうだろ……?
俺は本気で祈った。
これほど本気で祈ったことがあっただろうか?
絶対ない。
タヒぬほど祈った。
学校休んだ。
手術は成功した!
でも後遺症は残った。タヒぬまで現在の医療では治らないらしい。
今になっても、その医療技術は変わってないらしい。
カーチャンは少しずつ回復し、笑顔を見せてくれるようになった。
でも、毎日のようには、会えなかった。
「毎日会いたい!!」
と、ダダをこねた。ひどいくらいに…。
そうしたらカーチャン、困った顔をして…
「ごめんね…。元気になったら毎日会えるからね…。
そうだ!お母さん、俺くんにお手紙書くね!
もし俺くんが会いに来てくれて、会えないことがあったら…
この手紙をおいておくから。ちゃんと読んでねw」
その日は早くおとずれた。
今は子供虐待なんてザラにあるし
うん、俺のカーチャン、最高なんだ。
トーチャンと合わせて、親孝行したいんだ。
カーチャンの手紙を預かったと、看護師の人から手紙を受け取った。
「俺くん、毎日勉強、頑張っていますか?
私は毎日、病気に勝つように頑張っています!
受験生になったりと、これから本当に大変だと思うけど…
俺くんならやれるはず!お父さんの子供だからw
頭はお母さんに似なくて良かったねw
ところで、これから寒くなってくるから、絶対身体には
気をつけてね!!俺くんインフルエンザなったから心配…
私もだけどw
何かプレゼントしたいなーと思って、図書券入れておきますw
これで英語の参考書買いなさい!!
冗談w
息抜きに、読みたいの買ってね♪
また、会えるの楽しみだね。」
なんか今読んで、泣きそうだった。
ムリして書いたんじゃないかって思い、いてもたってもいられなくなった。
2日後、会いに行って問い詰めたが、
「全然ww」
といって返事を変えなかった。
絶対ムリしてた。
カーチャンが退院できた!
獅子舞を踊るかのように喜んだ。
でも、後遺症が苦しそうだった。
カーチャン「さて、みんなにおいしいもの食べさせなきゃね!」
みんなに言った。
俺はカーチャンに言った。
「カーチャン、絶対仕事とかするんじゃないぞ」
危険だからな…
かーちゃん大事にしなきゃだな
カーチャンは苦しんだ。毎晩苦しんでた。
俺は見るに見れなかった。
あまりにもかわいそうだった。
なんでこんな良いカーチャンが…ってそればっかり考えた。
俺は積極的にお手伝いをした。
もうカーチャンに家事させたくなかった。
カーチャン、めちゃくちゃ喜んでた。
ありがと♪って、言ってくれたんだ。
夜中、トイレに起きたら、カーチャン泣いてた。
その時は声をかけれなかった。
翌日トーチャンに恐る恐るそのことを聞いたら、
「俺くんたちがお手伝いをしてくれるから嬉しい。生んでよかった。
今、すごい、しあわせ。」
そう言ってたって。
通院は、一生続くんだって。
そのたびに、苦しんでる。
カーチャン、ごめんな、迷惑ばっかりかけて。
本当にすまないと思ってる。
本当に親孝行したい。
本気でそう思った。
毎晩毎晩、激痛で苦しんでた。
脂っこいものは、ほとんど食べれなかった。
トーチャンは、「なんで早く気付いてやれなかったんだ!!!」
と、自分を責め続けていた。
俺も、子どもながらに全く同じ気持ちだった。
あの動き、つらかったんじゃないのか?
きつかったんじゃないのか?
支えてあげなきゃいけなかったんじゃないのか?
後悔してもしきれないものだった。
当然カーチャンは子どもを産めなくなった。
カーチャンの買い物に付き合わされた。
俺は、「なに買うの?」と聞きまくった。
カーチャンは、なぜか笑ってた。
来たのは、バレンタイン売り場。
なんか特設会場みたいなやつ。
カーチャンが、「どれがいい?w」って聞いてきた。
俺は「買ってくれるの?」と、おいしそうなのを選んだ。
なんか、英語の文字がたくさんパッケージに書かれてる高そうなの…
値段、載ってなかったんだけど…
普通に、買ってくれた。怖かった。
でもあと1つ、カーチャンは買ってった。
少しだけ、小さめのやつ。
(あ、あれ…?あれ、トーチャンのかな…?)
そう思いつつ、俺は聞きださなかった。
後はトーチャンの服とか、妹や俺の服を買ってくれた。
カーチャンは、じぶんの、買ってなかった。
帰ると、食事のあとに、妹にチョコ渡してた。
(え?あれ…?トーチャンの分は…?)
頭はごちゃごちゃしてた。TVの時間も風呂の時間も、
それしか考えてなかった。
トーチャン、なんかへこんでた。
そしたらトーチャンが風呂から上がってビールに手をかけた時に、
デカい特大チョコが出てきた。
カーチャン→トーチャンだった。
手作りか…
バレンタインのトーチャンのビールのつまみは、特大チョコになった。
妹はカーチャンと買い物にでかけた。
俺はトーチャンと遊びに出た。
俺は「何すんの?」と聞くと、
トーチャン「何がいい?」と返ってきた。
何でもいいと答えると、なぜか釣りになった。
釣り堀で竿たらしてる時に、聞いてきた。
トーチャン「なぁ、ホワイトデーのお返しって何が良いんだよ…」
俺「俺に聞くなよ…」
俺「手作り?」
トーチャン「そんなのできるわけないだろ!w」
結局デパートに向かった。
特設会場だった。
俺「ぷ」
トーチャン「なんだよ…」
俺「いやいやなんでも」
トーチャン「ニヤニヤすんな…」
俺「はやく選ぼうぜwwww」
夫婦だなって思った。
カーチャンはクッキーが好きだから。
俺「悩みすぎだろ…」
トーチャン「ま、ま、なんかおごってやるからw」
ラーメン食べて帰った。
なんかトーチャンだけでたまには遊ぶのも良いなと思った。
まぁ演出が苦手なんだろう。
でもカーチャン、喜んでた。
カーチャンの容態が急変した。
カーチャン入院した。親戚も駆けつけた。
カーチャン、なんか顔が白かった。
カーチャンに話しかけたが、その時は返事をくれなかった。
医者「今夜を乗り切れば…。 体力次第です。」
「何言ってんだよ…」
「今夜ってなんだよ…」
「そんなこと言われるの、ドラマだけじゃないのかよ!!」
「……お願い…」
「お願いします…」
「なんとか助けて下さい…」
「ぜったい、おねがいします…」
こんなことを、ただただ言ったと思う。
祈ることしかできないのが悔しくて、泣いてた。
(元気になったら何でもお手伝いするから!!だから…
また一緒にみんなで暮らそうよ…お願いだよ…)
妹もトーチャンも、泣いてた。
カーチャンは持ちこたえた。
カーチャン、頑張ったんだ。
カーチャン、絶対きついのに、俺らに笑顔を見せてくれた。
でも、白くて肌は透き通ってた。
それでも、俺はタヒぬほど嬉しかった。
病院なのに、家族で泣いた。
この時、俺は…誰からマザコンって言われたって構わない。
絶対大切にしよう、そう心に誓ったんだ。
カーチャンは、一言こう言って眠った。
『ありがとう、みんな。』
俺らは安心して、みんなすぐ寝てしまった。
「お前ら千羽鶴折るぞ!!!」
意外とみんな手伝ってくれた。
でもせっかちな俺…千羽も待てなかった。
結局、1/10の百羽を持って行ってしまったのだ。
百羽鶴をそっと抱きしめながら持ってった俺。
俺「百羽鶴になっちゃったんだけどさ…これ、さ…飾っていい?」
差し出すと、母ちゃん、めちゃくちゃ喜んでくれた。
カーチャン「うん!ありがと…」
泣くなよカーチャン…
一家そろって家に帰ってきたんだ。
カーチャンは「元気になったよ!!」
とか言ってご飯を作り始めた。
でも俺はまったく信じてなかった。
でもカーチャンは作るって言って聞かなかった。
その夜はグラタンを食べた。ほっぺたが落ちそうだった。
学校であってることなんかも話して、その夜は暖かだった。
夜、嬉しさのあまり隠れて号泣した。
学校が終わったらすぐ帰っていた。
カーチャンは、そんな俺を少し心配していた。
カーチャン「俺はすぐお友達と仲良くなれるから、
そうしたらお友達をうちに連れて来てね!」
そう言ってくれていた。
実際、小学1年生~6年生の間、毎年カーチャンは友達10人くらいをうちに
呼んで、パーティに近い形で誕生日会を開いてくれていた。
今考えるとすごいと思う。
しかも…カメラ持ったトーチャン引っ張ってきて。
体育祭
マラソン大会
文化祭
合唱会
写真があるんだ。
体育祭の時に作ってくれた渾身のお弁当。
ちっちゃな手紙が入ってた。
「これ食べて午後のプログラム、頑張って下さい!!
騎馬戦、期待してます♪」
でも、3段弁当は多すぎだぜ…
からあげ、4個も入ってた。
文化祭の時、俺の店のお好み焼き、たくさん食べてくれて、
なぜかお客さんを数名、呼び込みまでしてた…
俺「知ってる人なの?あの人?」
カーチャン「んーん?知らないけど…おいしいからさ!」
カーチャン…
カーチャンと妹と3人で別府に旅行に行った。
カーチャンと妹、めちゃくちゃはしゃいでた。
2人と浴場前で別れたあと、めちゃくちゃ長風呂した。
と思ったらたったの30分しか入っていなかった。
浴衣着て扇風機で涼んでたら、なぜかカーチャンが先に出てきた。
カーチャン「あの子長風呂w」
俺「ふーん、一緒に上がらないんだ」
カーチャン「夜、何か話でもする?」
俺「え?いいけど…3人で?」
カーチャン「そうかも?」
俺「???」
妹と合流して、夕飯に向かった。
涙でてきた。
まだまだ居たいなと思った。
妹は先に寝てしまった。
そしたらカーチャンはさっきの話をほじくってきた。
カーチャン「俺、進路どうしたいの?」
俺「え?どうしたの急に?まだ決めてないけど…」
カーチャン「んーん、もう決まってるのかなって。」
俺「就職するかもなぁ」
カーチャン「そうなの?俺は大学に行かせたいなぁ」
俺「高いもん。奨学金入れてもきついと思う…」
理由で大学に行かないんだったら、絶対ゆるさないからね。」
俺「え…でも、どうするの…?」
カーチャン「カーチャン働くから。大丈夫だよ。」
俺「それはだめ!ダメだからね!!」
カーチャン「わかって、俺…。それが親心なんだよ。
自分の子どもには、何も不自由なく、学校を卒業してもらいたいの。
お願い。だから、お金っていう理由だけだったら、絶対に、進学して。
それが、お母さんの一生のお願いだから。お願い。」
俺「……」
そのまま、寝てしまった。
気付いたら、朝、カーチャンと隣で寝てた…。
俺「最初はそれでも絶対就職しようって、そう思った。
だって、カーチャンを働かせるって…。
でも…進学して、就職して…それから孝行しても、
遅くないかなって…
カーチャンがムリしないって絶対の約束するなら、進学するよ」
そう答えた。
カーチャンの答えは…
笑って返事してくれた。
自分もお母さんに会いたくなってきた…
さっきイライラしてて電話で嫌な態度とっちゃった…ごめんなさいお母さん
今この瞬間は母さん大事にしようと思うんだけど忘れちゃうだよな
くれぐれも、お母さん、大切にして下さいね…。
気晴らしの休日には、たまに買い物に一緒にでかけた。
家族みんなでドライブにでかけた。
カーチャンの夕食の食材の買い出しを手伝った。
そんなカーチャンに、健康でいてもらいたいなって、今も考えてる…
だって、後遺症は、一生治らないから…
これはみんな、すごい喜んだ。
なんと3ヶ月に1度になったのだ!!
『記念だ!!!』
とか言って、みんなで買い物にでかけた。
今思うと意味分からない発想だが、家具屋に行った。
すごい珍しく、カーチャンの意見でハムスターを飼うことになった…。
メスを2匹。ジャンガリアンハムスター。
めちゃくちゃかわいくて、家族で溺愛した。
なんで?と思ったのだが、カーチャンも日中はさみしかった
のかもしれない。ありえないくらいかわいかった。
カーチャンはすごい頻度で掃除をしていた。
なんか気のせいかな?ハムスターはカーチャンになついていた。
その後の高校の卒業式、俺は泣いてしまった。
俺のカーチャン無しでは、間違いなくこんな幸せな環境になかった。
確信を持って言える。
教室で俺は、カーチャンの方を向きながら、感謝の念を表した。
久々に見たカーチャンのワンピース姿。
周りからすると、カーチャンは若いらしい。綺麗だって言ってた。
カーチャンもハンカチ持ってた。
お付き合いいただき、本当にありがとうございます。
まだストーリーはあるのですが、一端切りたいと思いますが…。
明日、スレは残ってないと思いますけどw
皆さん、お母さんを、くれぐれも大事にして下さい!
本当に、ありがとう。
スレ落ちても、まだ語れてないところをまたいつか話したいと思う。
両親って、偉大ですよね。
>>1早く帰ってこないかな
まさか本当に残ってるなんて、思ってませんでした。
ありがとう…。
楽しかったこともパラパラ書いてみようかなって思います。
卒業式を終え、ホームルームも楽しい雰囲気で終えた俺のクラスは、
雑談に混ざっていた。
やっぱり最後の高校生活だから、長くいたかったんだ。
俺の中では、~高校生=「生徒」 大学生~=「学生」
ってイメージが強くて、名残惜しかった。
ふと後ろの保護者が並んでいる、カーチャンの方を見てみると、
カーチャン、カメラ持ってた。
他の保護者の方々は、時間が経つにつれて、帰って行ったり、
校門の近くで雑談してたりしてた。
でもカーチャンは残ってたんだ。
話そうぜーということになり、ほんの一旦解散になった。
でもカーチャンは、俺のところには寄ってこなかった。
クラスメイトの前で、俺が恥ずかしい思いをすると思ったのだろうか?
俺はすぐカーチャンのところに行き、
「写真、撮ろう。」
そういった。
でも俺は、担任の先生のことも好きだった。良い先生だった。
クラスメイトの女子にシャッターをお願いして、
先生、俺、カーチャンの順番で並んで撮った。
俺は顔が固かったが、カーチャンは、ニコッてしながらも、
ちょっぴり、寂しい表情もあるような気もする。
なんか、感謝の気持ちやいろいろあって、家に帰ろうと決めた。
歩いて帰った帰り道。
カーチャン「俺、友達と遊ばないの?」
俺「うん。今日は、いいんだ。」
カーチャン「ごはんでも、食べてきたら?お金は心配しなくっていいんだよ。」
俺「ありがと。また今度行くね。」
カーチャン「じゃぁ、お母さんとご飯にいこwwおいしいおみせ、しってるんだよ♪」
俺「うん。いこう! でもカーチャン、店詳しかったっけ?」
カーチャン「立ち読みしたりねwあと奥さん方から聞いたりw」
カーチャン「でも、お友達と遊ばなくて、本当にいいの?」
俺「うん。今度遊ぶから、いいよ。」
カーチャンは、”おいしいお店”というよりは、
”俺の好きな食べ物がある店”で選んでると確信した。
たどりついた店は、中華料理屋だった。
なぜなら、カーチャンは脂っこい系は、本当に少ない量しか食べれないんだ。
こんなとこ、個人じゃ絶対来ない。
カーチャン、もっと自分の身体、大切にしてくれよ…
頼むよ…。
俺…カーチャンが元気なのが一番なんだよ。
”俺のために”を前提に、動かないでくれよ…。
そこでカーチャンは、こう語った。
カーチャン「高校も卒業したね♪俺も、いよいよ春から大学生だね。
高校は楽しかった?俺は楽しそうにしていたから、
お母さんが心配しなくても大丈夫だねw
大学生になったら、また一歩大人になるんだよー!
旅行に行った時のこと、覚えてる?
お母さんね、結構勇気必要だったんだよwあのこと聞くのw
でも俺は、ちゃんと進みたい道を選んでくれた。
”お金”の理由で…”苦労をかけたくない”って理由で…
自分の道を狭めることをしなかった。
お母さん、それが一番、嬉しかったよ。
お母さん、まだまだ頑張るからね。
俺、大学生になるから、大人に見えるよ。
ファイト♪お母さん、ひそかに、応援してるw」
秘密にするつもりはなかったが、カーチャンは日中のことを
何も家族に話さなかったため、俺も話題にしなかった。
でもカーチャン、その夜は笑顔だった。
若い方なのかな?
当時…
俺18歳
カーチャン39歳
トーチャン39歳
バーチャン59歳だな。
バーチャンは、登場人物のバーチャン。
カーチャンは朝からニコニコして掃除していた。
俺は「????」状態だった。
もうすぐホワイトデーだから、それかなって思ってた。
そうしたら…
カーチャンから思いもよらないプレゼントをもらった。
封筒…。
なんだよ、これ…。
俺「なんだよ、これ…。」
カーチャン「旅行、行ってきなさいw」
俺「こんな大金、どこにあったの…?」
カーチャン「お母さんが、貯めたの♪」
俺「カーチャンが貯めたお金を、どうして俺が使うんだよ!!
絶対ムリ!」
カーチャン「受け取ってくれないの?」
俺「カーチャンのために使ってくれよ…。カーチャン、服とか
買ってないじゃん。たまにはさ、ドレスとかスカートとか
ワンピースとか着ちゃいなよ…
俺のために、使わないでくれ、無駄づかいだよ…」
カーチャン「だめ、卒業祝いのために貯めたんだから!
今から大学生になるんでしょ。その前に、楽しいことしちゃいなさいw」
俺「…」
どうしても押し通して利かなかったカーチャン。
俺は受け取ってしまった。
7万円入ってた…。
どこにあるの?頼むよ、命削って働かないで……
頼む、頼むから…
お願い…。
断固としてOKはもらえなかった。
言う言葉は、笑顔で、「友達と最後の高校生活してきなさいw」だった。
俺は近場で友達と旅行にでかけた。
おみやげ、たくさん買って帰るつもりだった。
でもその夜、カーチャンからメール。
『俺、おみやげは、いらないからww
桜とか咲いてるかもよ♪観光してきなさい♪』
母ちゃんには絶対かなわないなって思った。
翌日、トーチャンが、入院した。
早くたどり着けってずっと祈ってた。
「なんで、こんなトーチャンカーチャンが苦しい目に会うんだよ…
なんで!なんでだよ!」
ずっと考えてた。
俺は一気に脱力し、倒れこんだ。
ねぇ…
トーチャンが何か悪いことしたの?
カーチャンが悪いことしたの?
ねぇ、何したって言うの?
何にもしてないよね?
何かしたっていうなら、俺なんだけど。
こんなにトーチャン、カーチャンを苦しめた、俺なんだ。
頭がおかしくなりそうだった。
カーチャンは、絶対に笑うことがなかった。
家族から、ともしびが消えたようだった。
俺は、これ以上の苦しみを味わったことがなかった。
カーチャンに、少しでも笑ってほしかった。
でも、トーチャンが元気にならない限り絶対むり。
だって、カーチャンがたったひとり、愛した人なんだ。
トーチャンとカーチャンは、初の恋人同士です。
思い出して泣いちゃった。
ちょっと待って下さい。
待ってるから
なんとなく、したかった。
俺「カーチャン」
カーチャン「…ん?」
俺「トーチャンなら、大丈夫だ。だって、トーチャンは、
カーチャンのこと、置いてくはずないよ。
今までだって、ずっとそばにいたでしょ。俺や妹のことだって、
置いてくはず、ない。」
言葉が変になったの、覚えてる。
カーチャン「うん。」
俺「それに、カーチャンが信じなくて、どうすんだ。
カーチャンが、信じたり、そばにいるのが、何よりの特効薬なんだ。
それ以上の、薬なんて、ないんだ。」
カーチャン「うん…。うん……。」
俺「治ったらみんなでドライブ行こうぜ!」
カーチャン「ありがと、俺…。」
その夜は、カーチャンと一緒に寝た。
なんか、カーチャン、小さかった。
内臓にある腫瘍を摘出するらしい。手術だ。
やっぱりどう励ましても、カーチャン、落ち込んでた。
特に手術と聞いて、わかってたこととはいえ、精神的にきたみたいだ。
俺らはトーチャンを励ましたかったが、その時は会えなかった。
俺はこんなとき、どうしたらいいんだろう。
何をしていれば、ホンの少しでも家族にとって良い方向に向くのだろう。
カーチャンを励ましてれば良いの?
お百度参りしてればいいの?
祈ってればいいの?
人生で何回も考えた。答えはなかなか出ない。
忘れもしない、肉じゃが。
カーチャンの得意料理だ。
バーチャンの超得意料理なのだが、そこからきているのかもしれない。
カーチャン「わが子に腹ペコにさせる訳にはいかないからね♪」
でも親子。
つらい笑顔だった。
目が、泣いてるひとみだったから。
カーチャンの肉じゃが、とびっきりおいしかった。
お風呂で泣いちゃった。
泣き声、もしかすると聞こえていたかもしれない。
いったい…どれだけの人が見てくれているんだよ…
本当に、ありがとう…
みんな優しいって知ってるから、ここにスレ立てた。
付き合ってくれて、ありがとう。
俺からお願いして、させてもらえたんだ。
ありえないくらい、凝ってた。
働きすぎなんだ、詰め込みすぎなんだ、抱え込みすぎなんだよ、カーチャン。
俺の事、少しだけでも頼ってくれよ。
カーチャンの子なんだよ。カーチャンしか、カーチャンはいないんだよ!!
何かあってからじゃ、遅いんだよ…。ホントだよ…?
カーチャン、肩がふるえてた。
カーチャンが何かを差し出してきた。
お守りだった。
交通安全の、お守り。
俺「これ、どうしたの?」
カーチャン「これ、俺くんのだよ。」
俺「え?でも、カーチャンが持ってたみたいだけど…」
カーチャン「俺くんには、学業お守りをあげたよね?」
俺「う、うん。嬉しかったよ。これがあったから、
大学、行けるんだよ?ありがとう。」
カーチャン「本当は、このお守りも俺くんのものだよ。」
俺「え…?」
カーチャン「むしろ、学業なんかより、交通安全
のお守りの方が、持たせたかったんだよ。でも、
2つ持たせたかった。俺くんにとっては、今は
学業に専念してたから、学業お守りを持たせたの。
同時に2つは、嫌がるかな、重いかなって思ってw」
カーチャン…でも結局、2つ持たせるんだね…。
でも、カーチャン、そのお守りもってたから、安全だったね。
これからも、そのお守り、持っててほしかったな。
でもカーチャン、嬉しそうだったから、素直に受け取った。
今から久しぶりに母ちゃんと話してみるよ
ほんとありがとな
ありがとう。感謝の気持ちでいっぱいです…。
涙で画面が見えにくいです…。
>>258
お母さんのこと、大事にして下さいね。
いっぱい話して、家族仲良くしてね。
でも、ごめん。俺、なんにも用意して、ないんだ……。」
カーチャン「なに言ってるの。俺くんがこうやって毎日頑張ってる。
それだけで幸せ。
他になにがいるの…?
親って、そういうものだよ。
俺くんは、今まで、のびのび育ってくれました。
さすが、お父さんの子だね♪
これからも、お母さん、お父さんの頼りになる俺くんでね♪」
俺は、本当に、泣いた。
妹やカーチャンが見てたって、関係なかった。
2人で月を見た。
星が広がり、初春なだけあり、きれいな夜空だった。
俺は、なんて幸せなんだろう、なんて恵まれてるんだろう…
こんなに幸せなのに、壊れてっていいのか?
いいわけがない。
絶対守る。守るんだ。
カーチャンの笑顔、絶やしちゃいけないんだ。
それも、くもってない、笑顔。
とびっきりの笑顔を、カーチャンに…。
経理って職種は、採用枠が狭いのが通常ですからね;;
俺は運よく入社できました。
日商簿記などとPC系を勉強して、その途中で採用されました。
でも、逆に、実力があればきっと入れる職種でもあると思います。
女性.有利って言われてますが、企業によっては男性.
優先してるところもあったりします。
信念と、例えばカーチャンならカーチャンに喜んでもらうために!
って頑張って挑戦してみるのも良いと思ってます。
あくまで俺の主観なんですけど…。
頑張って下さいね!
みんなでトーチャンに会いに…。
トーチャン、傷口が痛そうだった。
かなり苦しそうで、俺らが来た時に立とうとして、ムリしてた。
カーチャンは、
「だめ!安静にしてなさい!」
そう言って寝かしつけた。
よくわからないけど、トーチャンはミカンが好きだった。
よく食べてたんだ。
だから持ってった。
ふと軽い疑問で、「なんでミカン好きなの?何か思い出でもあるの?」
そう聞いてしまった。
トーチャンは答えなかった。
思い出があるに違いない。
おっきく切り取ったらしく、俺らは聞いてるうちに、汗がじわじわ出た。
・早期発見が重要なこと
・家族の小さな気付きが大切なこと
・健康が一番
医者からいろいろアドバイスされた。
家族にとって、一番大事だなって、身を持って実感した。
トーチャンの時もカーチャンの時も。
家族って、一番、異変に気付ける存在だから。
心遣いって、大切だなって、思うよ。
延々と、大学に向けてのこととか、最近あったこととか、話した。
少しの間、元の家族の明るさが戻った。
何よりも心地良い時間だなって、心からそう思った。
帰る時間になり、トーチャンが俺の耳に近づいてきた。
トーチャン
「俺、カーチャン、妹を頼んだぞ。
今、頼りになるのはお前なんだ。
頼んだぞ、俺の息子だ。大丈夫だ。」
俺「カーチャン、なんでトーチャン、ミカン好きなの?」
カーチャン「ああ、トーチャンね、特に凍らせたミカンが好きなんだよ。
それでカーチャン、付き合ってた時、トーチャンに『私もミカン好きだよ』
って言ったら、嬉しそうに冷凍ミカンのこと教えられたw
新婚の時とか、よく食べてたんだ」
俺「なるほどwww」
親のそういうの聞くの、ちょっとこそばゆい。
トーチャン「おう。俺はもう元気だ!またバリバリ仕事だ!!」
そんなこと言ってるけど、すごいやせてた。
俺はちょっと心配だった。
トーチャンとカーチャンは、ちょっと似てるんだ。
ふたりとも、まじめ。
家族思いで、いつも家族のことを考えてる。
カーチャンは、すっごい喜んだ。
でも、カーチャンも、トーチャンが体力がないことに、気付いてた。
だって、夫婦だもんね。
喜んでるけど、それ以上に身体を心配してる顔だった。
そんなふたり、支えあえたから、結婚できたんだと思った。
退院して間もなく、森林浴にでかけた。
うさんくさい話だったが、行ってみたらスゴかった。
体内の空気が全部入れ替わる感じ。
ストレス解消には最高だった。
家族そろって、芝生に横になって青空を見た。
森の間から見える空…。
こんな家族と出かけてるからこそ、最高に気持ち良かった。
トーチャンに、一刻も早く心身ともに元気になってほしいって、そう考えてた。
他のみんなは、どんな想いを巡らせたんだろう。
ひとりで自分の部屋にこもって、試行錯誤してた。
パーカー、浮くかな?
ジーパン、買い換えた方がいいかなぁ
無駄な悩みをしてた。
カーチャンが、たまに話しかけてきた。
俺「うん。あ、いや…どうかな…。」
カーチャン「手伝おうか?」
俺「え?なにを?何かあるっけ…。」
カーチャン「俺の大学デビューだからね。まずは入学式でしょ?スーツは?」
俺「あ!持ってないよー。」
カーチャン「今から買いに行こw善は急げ♪」
俺(善……?)
スーツ選びに丸1日つぶした。
スーツ選びが、楽しそうだった。
結局、紺のスーツに赤いネクタイになった。
俺「カーチャン、こんなに時間使ってスーツ1着だよ…疲れないの?」
カーチャン「平気平気!息子の晴れ姿でしょ♪バリッと決めてよね♪」
俺「うん。決まるかわかんないけど努力するよ。」
カーチャン「うんwお母さん絶対行くからね!」
俺「え?来るの?」
カーチャン「当たり前でしょ?!来ないわけないじゃない!
カメラ持って行くから♪」
俺「わ、わかった。」
入学式は、保護者の方は少なめだった。
カーチャン、やっすいスーツを買わせてくれなかった。
俺はまだまだ迷惑をかけてしまってるんだなって…
カーチャン、ごめんよ…。
でもカーチャン、嬉しそうだった。
入学式を迎えた。
なんか校歌が流れてたのはわかったが、カーチャンに進学
させてもらえて、感情にひたっていたため、それどころじゃなかった。
でも、うわのそらになってたの、なぜかカーチャンにバレてた。
「どこに居たの?」と聞いたら
「2階wクッキリ見えてたから♪」
カーチャン…あの大勢の中から、発見したのか。
卒業祝いの時みたいに、カーチャンとの久しぶりのお祝い
昼食を予定していた。
大学からの歓迎パーティーと題して、立食ランチパーティーが催された。
参加は自由だったのだが、変な先輩からの忠告が耳に舞い込んだ。
変な先輩「ここで帰ると、大学生活が…」
俺はそれでも欠席し、カーチャンとランチに行こうと思った。
変な先輩なんか、関係なかった。
でもカーチャンはどこかからその情報を仕入れ、
俺とお祝いに行こうとはしなかった。
俺「お祝い、行こうよ♪」
カーチャン「俺、今回は立食パーティーに参加した方がいいよ。」
俺「なんで…?今日、いこ?」
カーチャン「大学って4年間だからね。カーチャンとは、また行けるから♪♪
それに、今回の分と、次回の分で、今度はちょっぴり豪華にランチしようねw」
すべて俺の事を考えて言ってくれたことだって、わかってる。
でも、行きたかったな。
カーチャン、入学式に行くまで…
『楽しみだね!おいしいもの、食べようよw』
そう、言ってたから…。
先輩たち、すごい騒いで食べてだった。
新入生は、やっぱりそんなに騒げなかった。
むしろ俺は、前から予定していたお祝いランチに行けなくなって、
あんまり嬉しくなかった。
意外とパーティーは長く、疲れてしまった。
家に帰ってみると、家にはカーチャンだけだった。
それも、カーチャンは眠っていた。
入学式に持ってったバッグが側にあったのだが、
なんかチケットみたいなのがうっすらのぞいていた。
(見ちゃいけない。見ちゃいけない。)
そう思いつつ、なんなのか理解してしまった。
レストランのランチチケットだった。
なんで俺にこんなに優しいんだよ…。
妹にも優しいの知ってる。トーチャンにも優しいの知ってる。
でも俺にもこんなに優しいなんて。
俺はカーチャンに何にもしてないのに。
何にも孝行してないのに。
こんなに迷惑かけてるのに。
カーチャンは休まる暇がないじゃないか。
俺と一緒にいる時は、休んでもらいたいな…)
眠ってしまったカーチャンを目の前に、俺は、ただただそう思った。
俺のために、チケット取るなんて…
しかもカーチャン、あっさり行くの辞めたよね?俺のために…
カーチャン…。
楽しみにしてたじゃん。カーチャンも…。
くそっ、カーチャンも>>1も良い奴すぎる…
起こさないように。そっと…。
『ごめんね…。』
俺は寝ているカーチャンにそう一言伝えると、家事の手伝いを始めた。
30分ほどしてカーチャンが起きて、
「え?あれ…?」と言いながら回りを見回していた。
簡単に終わるものから手伝いをやっていったが、”夕飯作り”だけは難アリだった。
カーチャンは、すごく喜んだ。「ごめんね、寝ちゃってた…。」そう言った。
でも、”立食パーティー”の件も気になっていたようで、
「パーティー、どうだった?楽しめた?」と聞いてきた。
俺は、「うんw豪華な食べ物もいっぱい出てきたから、たくさん食べた!」
そう言った。
適切な言い方とは到底思えないが、俺はカーチャンに心配かけたくなかった。
そのことが最優先だった。
カーチャンはやっぱりランチの件は話さないので、俺からも話題にしなかった。
でも、カーチャンの気持ちが、嬉しかった。
本当に、祝福してくれてるんだなって、そう実感した入学式でした。
接客業。なんだか、俺が働くって変な感覚だった。
でも、充実してた。
理由はやっぱり、カーチャンの負担軽減だった。
あと、学費。
俺は大学生になったら何のバイトしよっかなーって考えてて、
やっぱり王道の接客業にした。
俺はバイトを通じて、性.というか、明るさがガラリと変わった。
カーチャンとも話すことが増えた。
カーチャンは、俺に積極的にバイトであったことを聞いてきた。
あんまり興味はなかったかもしれないが、俺はいろいろ、あったことを話してた。
カーチャンは、にこにこしながら、聞いてた。
俺が些細なことでも話すようになって、嬉しかったのかもしれない。
カーチャンも、病気と闘いながらも働いてた。
かあちゃんごめんな
でもキチンと勉強はしてたみたいだ。
講義が終わったあと、たまに「カラオケいこーぜ!」みたいな言葉が飛び交う。
その時間、俺には、バイトが入っていることがほとんどだった。
でも俺は、不思議と、『辞めたい』『一緒に遊びに行きたい』とは思わなかった。
そりゃ、昼からカラオケに行くなんて、大学生の醍醐味だろう。
でも、俺にとって、そうじゃない。
カーチャンに行かせてもらってるから、その分、頑張りたいんだ。
『頑張らなきゃいけない』んじゃなくて、『頑張りたい』んだ。
バイト、楽しかった。
カーチャンがコソッと遊びに来たら、笑顔だったらしい。
カーチャン、話しかけてくれよ…。