業績は順調だったので
四人の子供、伯母、伯父、母、叔父のうちの誰かに跡を継がせることにした
本人の頭の出来と適性と、それぞれの配偶者から判断して、跡取りは叔父夫婦に決まった
これに爆発したのが伯父夫婦だった
伯父は長男だから自動的に次の経営者になれると思っていたようだ
そんなんで従業員の人たちの生活が保障できるもんか
ちなみに父と母は、祖父母の会社とは全く関係のない仕事をしている
逆恨みした伯父夫婦は、叔父夫婦に迷惑電話、迷惑訪問、迷惑付きまといを繰り返した
叔父夫婦が「これ以上は警察や弁護士に相談する」と言ったら
叔父嫁に伯父嫁が「あんたのせいで!」と暴力を振るった
怒った祖父母に縁を切られて、伯父夫婦はどこかへ引っ越した
そして叔父嫁は、ある日突然、くも膜下出血でなくなった
医師が言うには
「いつかどこかで、頭を打つことがあって、その時の傷が今になって出血した可能性が高い
だけどそれがいつのことなのかはわからないし、本当に打ったのかもわからない
(他の理由で血管が弱くなった可能性もある)」
でも親族はみな、伯父嫁のせいだと思った
叔父嫁の葬式は、どこで聞きつけたんだか伯父夫婦が現われ
伯父嫁はニタニタしながら
「やっといじめてた甲斐があった……
なかなか効果が出なくてしぶといなあと思ってたのよ」と言い
伯父はふんぞり返って
「(叔父嫁)のいない(叔父)なんか使い物にならない、会社は俺に任せろ」と言い
あまりのことに呆然とする叔父は置いておいて、祖父母をはじめとする親族全員で叩き出した
祖母は「情けない」と言って一晩中泣いていた
伯父嫁を刑事事件で告発することは真剣に考えられたけど
出血との因果関係が立証できないから諦めるしかなかった
月日は流れて、祖父母は旅立って、叔父は再婚もしないで一人で会社を切り回している
伯母の家と私の家は、叔父の家を助けながら平和に暮らしている
そこへ先日、伯父から伯母に連絡があった
伯父嫁がもう何年も前から難病で入院しているらしい
入院してても治ることはなくて、衰弱していって生きて退院することはないらしい
伯父本人も持病が悪化して車椅子になって、一人で生活するのはきついらしい
それで金のことや伯父夫婦の世話をしてほしいと泣きついてきたそうだ
伯父夫婦にも子供はいて、もう大人だけど、親の育て方が良かったらしく(←皮肉)
金が一番大事で金を浪費するばかりの病人の伯父夫婦に関わるのは断っているらしい
伯母は、その電話を一通り聞いて「バチが当たったんでしょ」とだけ言って切ったとか
私や叔父の子たちは
「伯父夫婦にバチが当たるなら、当たらないよりはいいけど
できればもっと早く当ててほしかった」と思っている
罰が当たったっていうより、今までしてきた行いによる結果だと思う
因果応報って事なんだろうね
乙でした