かなり強烈な印象の義父だった。
結婚して3ヶ月ぐらい経った頃だったか、義父母が遊びに来た。
関東(私たち)と関西(義父母)の距離を新幹線で。
ちょうど義母の誕生日と重なっていたこともあり、あるレストランでお祝いをしようと予約していた。
2泊3日の2日目の夜に予約していたが、夫が急な出張で留守となり、せっかくの誕生日の食事会なので中止にはせず、義父母と私の3人で出掛けた。
そうしたところ、当日案内された席は中央のテーブルで、食事がデザートになる直前に照明が落ち、ハッピーバーステーの曲が流れ、ロウソクに火が灯ったケーキが運ばれてきた。
少女のように驚いた義母が照れながら火を吹き消すと、回りのお客様たちが一斉に拍手をして「おめでとー!」と口々に祝ってくださった。
それで義母が感激して泣き出してしまった。
「こんな誕生日は初めて。嬉しい。ありがとう」とお礼を言われ、私も嬉しくなった。
義父もニコニコしていたが、お店を出た途端に不機嫌になり「あれじゃあまるで俺が苦労掛けてきたみたいじゃないか」と義母を怒鳴った。
義母は「そんなつもりじゃない。ビックリしたのと嬉しかったのとで泣けてきちゃっただけで・・・」と、まだ何か言おうとしていたのを遮って「うるさい!」と怒鳴った。
私はびっくりして固まってしまい、そこからは全員無言で帰宅。
翌朝新幹線ホームへ送っていくまで最悪の空気だった。
夫から義父母はあまり仲が良くないと言うことは交際時から聞いていたし、紹介されてからその日までも確かに仲が良いようには見えなかったが、こういうタイプの義父だとは思わなかった。
そして翌月、義母が突然やってきて「準備が整ったので離婚する。息子が所帯を持ったらとずっと思ってた。あの日のことが原因ではないからあんたは気にしなくていい。これから友人のところに身を寄せて調停に臨むが、場所については当分言わない。内緒。
あんたもその方が知らないで通せるでしょ?でも時々連絡するから心配してなくていいと息子にも言っといて。それだけ言いに来た」・・・と言って、コーヒー一杯だけ飲んで颯爽と帰っていった。
その日も夫が帰宅してから話したが、あまりの展開の速さにビックリしてた。
今でもその時のことはハッキリ覚えてる。
それぐらい強烈な出来事だった。
あれから7年経ってるが、義父がかなり抵抗したものの離婚成立。
義母の予想通り、義父から何度も居場所を教えろと電話がガンガンかかったが、本当に知らないので答えようもなく、そのうち諦めた様子だった。
住まいが離れていたのも幸いだった。
義父に対して夫は“どっちにも付かない、自分の家庭を守るだけ”って言うスタンスを貫き、私は生まれた子供と共に時々義母と会っていた。
そして今年、義父は癌であっけなく他界。
亡くなる前に数回会いに行ったが、変わらず横柄な人だった。
ひとつだけ義父に対して有難いと思うのは、あの性格ならとても気苦労の多い介護になりそうだったのでそんな時期が来る前に逝ってくれたこと。
さすがにリアルでは言えませんが。
223 :名無しさん@おーぷん 2018/10/11(木)08:48:14 ID:CCn
それでも離婚って大変なのに、お嫁さんに迷惑かけないようにしっかり向き合ってくれたのは尊敬に値する。