クラスのみんなは正座して幼稚園児なりに真剣にやってたけど俺は片手で鼻くそほじりながらやってたんじゃないかと思う。書道で使った筆にはなくその乾いた跡とかあったりするし。
で、同じクラスのA、こいつは書道の習い事をしていて、多分一番真剣に書道やってた。
その時書いた奴は市の書道大会の園児の部みたいなのにに出展されたんだけど、よく分かんない結果になった。
金賞 他の幼稚園の誰かが書いた奴。子供心ながらきれいな字だと思った
銀賞 俺の 字のバランスも大きさも書き順もおかしいし、なんか半紙の隅に墨汁じゃない変なシミもある
銅賞 Aの 子供心ながら金賞と同じぐらいカッコイイと思った
佳作 五作品ぐらいえらばれた。金銅とくらべると少し劣る気はするけどそれでも綺麗な字だった
なぜか鼻くそほじりながら書いた俺の奴が、書道を習って一番頑張ってどう見ても綺麗なAの奴より上の賞とっちゃったんだよね。
幼稚園のみんなは「なんで俺君が銀賞何だろうねー?」なんて言うし、俺自身「どんなに高く評価しても努力賞ぐらいだろう」なんて思ってた。
Aはただ俺に「おめでとう」とだけ言ってくれた。
俺自身が銀賞って言うのに納得いかなくて先生や親に聞いたことがあるんだけど、流石に本人に「お前が賞を取るのは確かにおかしい」なんて言えなかったみたい、
苦笑いしながら「字は綺麗じゃないかもしれないけど、書いてるときの頑張りが審査員に伝わったんだよ」見たいなことを言われた。鼻くそほじりながら書いた作品に。
一週間ほど駅前のビルの中で賞をとった作品が展示されてたんで、母と見に行ったことがあるんだけど
そのときにAとA母を見かけて、A母がAに何か怒っていてAが涙目でA自身の作品を見ていたのが鮮明に記憶に残ってる。
他のところは日記からひろったりうろ覚えだったりするのに。
それから20年ぐらい経ってるし、その間地震に巻きこまれたり目の前で交通事故があったり、それなりに衝撃的な体験はしているんだけど、たまに見る悪夢は8割ぐらい、幼稚園児のAが泣きながら「なんでお前が銀賞何だ」って言ってくる夢。
Aは一度も俺にそんなこと言ってないはずだし、小学校までは普通に友達だったはずなんだけど。
未だに芸術家が芸能人の作品を批評する番組何かを見ると芸術家や家族の評価と俺の評価がまるっきり正反対だったりする。
教育ママに怯えながら一生懸命に書かされるのと、命懸けの某国の子供は状況は違えど似てる気する。
上手くても心込もってないって感じ。
画伯までは行かない、普通に下手って感じで「賞とか取れるわけないしー」って思いながら毎回真面目に描いてた
毎年恒例のコンクールに向けて、絵を描きましょうってなった時になんか弾けたというか
「下手だし表彰されるわけないのに何でこんなん描かなきゃならんのじゃ、こんなん描く暇あるならポケモンやるわ」みたいな
とにかく凄い腹立たしさで一杯になりながら飼育小屋のうさぎ達を描いた
色ぬりの段階でも怒りが沸いてて、最初から最後までとにかく怒りが腹の中をグルグルしている中で描いたのを覚えてる
完成したのは異様に耳の長い怖い顔した汚い色のうさぎ達の絵で、我ながら酷いと思った
先生に怒られないか心配しながらも、描き直す余裕は無かったのでそれを提出
それで何故か賞貰ってスレタイ
審査員一言コメントに(のびのびしていて良い)とあったのもスレタイ
もの凄い怒りを込めて描いたのに何でのびのび?
芸術って分からん
でもそれは俺が自由に書いた絵じゃない
俺が書きたいように描いた絵を担任が細々と何度も修正するように言ってその通りに何度も修正した絵
俺が最初に書いた絵の面影もない別作品になった
入賞すごいねなんて言われるたびに虚しく感じたこと思い出した
なんでも楽しくやるのが一番いいと思う
前にどこかのスレで親から虐待を受けていて、親から優しくしてほしいと思ってその願望を絵にしたら全然違う受け止められ方をして入賞したという人が居たな
>>88
俺は先生のアドバイス通りに描いたら、良く描けてるねと最優秀賞を貰った()
だから「子供らしい絵」の一番だったり「世界的に評価されるであろうアジア的な美女」だったり「子供が一生懸命書いただろう書」が選ばれる
「最も綺麗・美しい」が選ばれるというよりは「ザ・ステレオタイプのソレっつぽいやつ」を選ぶんだよ