(名前はもちろん仮名で会話も要約)
俺はアパート住まいで、先週の連休明けに回覧板がまわってきたのな
「犯罪者を追い出すために署名にこ協力ください」って書いてあって
追い出したい住人の名前もあった
それは俺同様、1人で住んでる30歳くらいの男なんだが、泥棒だから追い出したいと
回覧板の出元はおなじく単身者である50くらいのオバサン
で、いきなり「あいつは泥棒だ」と言われても
なんのことかわからないし、そんなんで署名もできないし
隣の部屋の40くらいの夫婦に相談に行ったんだ
(回覧板がまわってきたのは俺が最初だったらしく
まだ書名欄は空欄だったし、お隣も知らなかった)
でまあ、やっぱりわからないから出元に聞いてみようってことで
お隣の旦那さんと俺とでオバサンの部屋に行ったわけだ
「これはどういうことでしょう?」
「新聞に出てたんです!あいつは泥棒です!逮捕もされてます!」
「ちょっとその新聞を見せてもらえますか?」
「ここです!車を盗んで捕まったって出ています!」
(とまあ、甲高い声で叫ぶように話す人なのでイヤなわけだ)
「これは……名前が違いますね」
泥棒と名指しされた住人:佐藤和夫、泥棒の名前:佐野和男、みたいな感じで
似てるけど別人、町名は一緒
「彼は佐藤和夫さんです。泥棒は佐野和男ですね」
「そんなの、偽名を使ってるかもしれないわけですし!」
(ムチャクチャ言うなあ……)
ちょうどそこへ、当の住人、佐藤和夫さんが通りかかったんだ
「ああ佐藤さん、ちょうどいいところへ、じつはですね(事情説明)」
「はぁ?泥棒なんかしてないですよ、やめてもらえますかね、そういうの」
「泥棒です!だまされないでください!この人、泥棒ですよ!」
「ふざけんなよ、ババア!」
「キャー、殺される!」
これで他の住人も出てきて、さらには隣に住んでる大家のおじいさんもやってきた
「どうしました?」
「かくかくしかじか」
「それはあなたが悪い、名前が違うじゃないですか」
「偽名かも……」
「まだ言いますか」
「取り消して佐藤さんに謝ってください」
「どうしてですか!どうして私が謝らなきゃいけませんか!泥棒ですよ!」
「佐藤さんは泥棒じゃありません、あなたの早とちりです」
「どうしてみんなでかばうんですか!このアパートは泥棒の味方をするんですか!」
「いいかげんにしてください、それ以上続けると名誉毀損で訴えられますよ」
「や、もういいですよ、皆さんがわかってくれたら自分はだいじょうぶですから」
「まあ、佐藤さんがそう言うなら……」
で、その場は解散になったんだが、
それから毎日、オバサンは佐藤さんに嫌がらせをしたんだな
部屋の窓に向かって「どーろーぼー!早く出て行けー!」って言ったりして
大家から、そういうことをするならあなたに出て行ってもらいますよ
と言われてもやめなかった
佐藤さんはよく我慢したと思うよ、俺なら切れて手を出していただろうね
んでこのあいだの火曜の夜
帰宅した佐藤さんを待ちふぜていたオバサンが、金槌で殴りかかるという事件が起きて
オバサンは逮捕され、娘という人がアパートに来て佐藤さんにや大家に謝ったりして
引き払うって約束していった
最初は単に、新聞記事を読み間違えたってだけの話だったと思うんだが、
どうしてここまで大騒ぎになるのか…
読み間違えたんじゃなく思い込みが激しいだけ
泥棒と罵った本人が犯罪者になるとは・・・gkbr
それは単に病気です。
佐藤さん災難だったな…