その頃娘はお母さん全能説を持っていて、娘の反抗を分析した結果、ワガママは「お母さんが意地悪してやってくれないんだ!」という思考からきてるんだと判明した
そこでものすごく反抗したとき、淡々と「お母さんにもできないことはあるのよ」と真顔で伝えた
それから反抗期はピタリとやんだ
何かを求めるとき、私にどこまでできて、どこからができないのかをじっと考えるようになった
言葉を覚えると、今度は考えていることをなんでも口に出すようになった
早生まれの割に語呂が多くて、人一倍お喋りなんだけど、子どもだから大人に意思が伝わらない
そして自分の喋りが伝わらないとわかると、じっと考え込んでどうして伝わらないのかを懸命に考えだした
そのうち大人が嘘をつくと理解しだすと、下らない嘘を一つついた
そして私に聞いた「良い嘘ってなに?」
娘がついた下らない嘘は良い嘘をつこうとして失敗したものだった
それからは小学校に入って三年生頃まで、頻繁に「この考えをあらわす言葉が見つからない」と言っていた
「こうこうこんな気持ちはどんな言葉で表現するの?」
これが口癖になった
「コレコレの言葉の意味って何?」と聞かれるより100倍難しい質問だった
他の親に相談したら、そんな事を口癖にしてる子はいなかったらしくて、よく「神経質な子なのね」と言われた
娘は一時期国語辞典にかじりついていたが、そのうち「国語辞典じゃ言葉の持つニュアンスや血の通った使い方がわからない」と言い出し、そのうち辞書を読まずに本ばかり読むようになった
それがいきすぎで、今では日本語に携わる仕事についている
我が家は夫も私も片親育ちでとても貧しく、高卒共働きだったから、正直長女とは幼い頃の触れ合いが他の子に比べてかなり乏しかった(専業が当たり前だった)
保育園・幼稚園に預けていたとは言え、思い返せば娘があれほど大人の言葉を理解し、豊富に蓄えていたことが不思議でならない
そして幼い頃あれほど色んな言葉を蓄えていた娘が、日本に大量に入ってくる横文字に全く対応できていないのが近ごろの衝撃
「たとえば英語のdutyは義務と訳されるけど、でも日本の義務とdutyはその言葉に含まれる根底の意識が全く異なる。日本人が義務というのと、向こうの人がdutyを使うときの意識は間逆に近いのよ。それが気持ち悪くて仕方ない、他にもっと適切な言葉はないものなの?この意識の違いはあちらの文化を理解しなければ真に理解することができない、日本語の詫び寂びを英語に訳せないのと同じ。この気持ち悪さがわかる?」
そんな弱音と愚痴が送られてきたけど、カーチャン、難しすぎてわからないよ
日本語しゃべってても通じないなあと思うことがよくあります。
その場はスルーしてしまうし、難しいですよね。
85 :名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)07:44:31 ID:YdD
86 :名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)09:59:16 ID:idQ
むかし公とされた日本語訳が変で、なのに当時のそれが今の時代まで続いていて意志疎通に問題が生じる英単語って意外に多いんだよね
もちろんそれでなくても英語は日本語と違って単語が少ないからニュアンスで読み取るしかない場面も多々あることが前提だけど
87 :名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)10:59:11 ID:A7g
月が綺麗ですねとか
君の瞳に乾杯とかの超意訳に対してどう思うのだろう