中学の頃の話。
野郎どもと放課後に教室で箒と丸めた紙のボールで野球をやっていた。
まぁアホな子供が下らない遊びで熱中しているところを想像してくれればいい。
ホームランは廊下側の上の窓を開けてそこを通過したらホームランっていう遊び。
アホで馬鹿な野郎どもは熱中しましたよ。三振して爆笑してスライディングとか言って机に激突したりさ。
そして事件が起きた。
仮にAとしよう。そいつがさホームランを打った。
正直ホームランなんてその遊びでは数回しか出たことがなかったから盛り上がるわけ。
Aも雄叫び挙げて机をベース代わりの机をドンドンと叩きながら教卓では何故かヒーローインタビューのものまね。
そして最後はホームベースの机にスライディング。
ところが何を誤ったかその手前の机にモロに突っ込んでしまった。
後に聞いたところによる床の凹みに足が取られたとかいう話だった。
流石にこれはやばいって俺らは思った。
大丈夫かって駆け寄った。
そしたらさ。Aの目玉が飛び出していたんだよ。
今にもこぼれ落ちそうなぐらい飛び出していて以外に目玉って丸くないんだなとかいう馬鹿な感想を抱いた。
Aは状況を理解していなくて顔を触ろうとした。
咄嗟に遊んでいたクラスのリーダー格であるBがその腕を抑えた。
Aの左のこめかみあたりが凹んでいた。不思議なことに流血していなかった。
ただ水にインクを垂らしたようにジワァって皮膚の色が変わっていった。
俺も含め他の奴らも頭が真っ白になったよ。大変なことになったって。
もう全速力で職員室に行った奴と保健室に駆け込んだ奴、近くに先生がいないか探しに行った奴。
当然すぐに学校中に事件が知れ渡り大勢の大人が俺たちの教室に来た。
呼びに行った俺たちも一緒に教室に戻ったよ。
そしたらAの顔半分がどす黒くなって鼻や耳から血が流れだしていた。
Bや残っていた奴らが必死にAの名前を叫んでいた。
その時に思ったのはAが死んだっていうこと。ピクリとも動かなかった。
ガチで死んだとというかむしろ死んでいるとしか思わなかった。
先生を呼びに行った2〜3分程度でAの状況はそれぐらい急変していた。
俺らはすぐに校長室に連れていかれてこの部屋から出るなと閉じ込められた。
外では救急車の音や先生たちが走り回る音。
教頭が大丈夫だからって一人一人に声をかけていたけど全員返事を返せなかった。
いつも活発的でリーダー格のBはヤバいぐらいに震えていた。
2人吐いて養護教諭に連れられていった。
俺も頭の中が真っ白で耳鳴りと視界がグラグラと揺れていた。
その後親たちが俺らを迎えに来た。
誰も怒ったり声を荒げることなく解散した。
だからますますAが死んだんだっていう確信を持ってしまった。
次の日は現場にいた全員が強制的に休み。
後で聞いたんだけどそれぞれの家に先生たちが家庭訪問していた。
俺はショックで寝込んでいて知らなかった。
そして次の日にAは怪我をしたが無事だということを聞くことができた。
死んでいなかった良かった。体がフワッとする感覚を今でも覚えている。
事件から3日目。
休日でも病気でもなく学校を休んでいたから妙な気分で登校した。
みんなどうしているかドキドキしていた。
当時は携帯が普及し始めたころで当然中学生が携帯を持っているなんてことはない。田舎だったし。
だから誰とも連絡は取っていなかったから不安な気持ちはあった。
学校からも連絡は無く状況が全然分からなかったからね。
顔半分に包帯ぐるぐる巻きで赤黒く変色した肌の色が下から見えていた。
そしてBや他の奴らがAの周りでわんわん泣いていた。
俺も泣いた。
Aの話によると左の眼の横の骨が折れて多く血が出たらしく皮膚の下に血が広がったらしい。
眼は特に問題がなく簡単に骨の整形して押し込んだら元に戻ったそうだ。
病院でとられた写真で目玉が飛び出ているのを見たときは驚いたらしい。
ただ頭の骨が折れるのは相当なことで下手すると死んでいたって医者と看護婦さんから怒られたって言っていた。。
落ち着いた頃に現場にいた全員が呼び出されてきついお灸を受けた。
今でいう体罰的なこともあったし、罰として体育館の掃除1か月も結構きつかった。ワックスがけまでさせられた。
でもそれは当然の結果だと思ってる。
しばらくはAの顔色の変化を文字通り観察したりして笑いあったこともあった。
2か月もしたらAの顔は元通りで内心ほっとしていた。
当時は本当に恐ろしい出来事だった。
ちなみにBはこの事件を機に医者を目指して今は医者のヒヨコになったよ。
今でもあの時の野郎どもとは仲良くやってる。
長くてごめん。
昨日は思い出話に花が咲いて楽しかったテンションのままなんだ。
無事でよかった
貴方にお子さんが出来たらしっかり教えなよ。
見た目が凄いことになっていたけどレントゲンとかでもただの骨折っていう事だったらしい。
当たり所と皮下出血の仕方が派手なだけで骨折も粉砕とかじゃないから大丈夫っていう話だった。
>>635
Aの自爆ではあるけど一緒に危険な状況で遊んでいた俺らが悪いと思ってる。
子供はまだいないけどしっかりとこの教訓は教えていく。
目玉は衝撃とか外傷で飛び出すこともあるらしい
知り合いが事故ったときに気がついたら自分の目が飛び出していて
自分の手で押しこんだとかいう衝撃的な体験を語っていた
そうらしいね。
Aも病院でそういう説明を受けたみたい。
ただ将来的に目に加わった衝撃がどういう影響を及ぼすかは分からないってことも言われたらしいよ。
だから目の定期健診は行ってるらしい。
>>638
たぶんあの場で少しでも理性が残っていたのはBだけだったと思う。
当然動揺していたけど俺らに指示を出したのはBだし。
ただその反面、Bが一番あの事件で責任を感じていた部分もあったと思う。
Bが主導的な遊びだったから。
とはいっても誰もBの責任とは思っていなかったんだけどね。
気に病むなとは言わないけど、ことさら自分だけが悪いなんて思い込む必要もない