主に身体的、精神的なものが中心。
母も俺も姉も何かと因縁つけられてはブチギレられ、暴言暴力の嵐。
三人ともサンドバック状態で恐怖の生活を強いられていた。
俺が中三になり高校受験を控えていた頃、志望校について父親から「お前の偏差値じゃ到底無理だ。俺の希望する高校にしろ。お前程度の頭ならこの辺が妥当だ。」と罵られた。
しかも以前に担任から「ここの高校なら安泰だ。」と言われていてそれを伝えても真っ向から否定。
俺は悲しくて泣いた。
すると隣で一部始終を聞いていた姉が「ちょっといい加減にしなよ!弟の何分かってもの言ってんのさ!」と怒ってくれた。
そしたら父は何時もの如く暴れだし姉に暴力を振るい、目の前で姉が大事にしていたものを破壊した。
プルプル震えて怒りを堪えながら泣き出す姉。
なんか物凄く悪いことしたなぁって思う。
だがついに怒り狂って鬼神と化した姉が動きだす。
その騒動の直後、父はリビングでうたた寝を始めた。
そこに姉が静かに近づいて行き横たわる父のそばにしゃがみ込んだ。
何すんだろ、と思って見てたら、父が急に目を見開いて悶え始めた。
よく見ると姉に股間を鷲掴みにされてた。で、姉笑顔で右手に力を込めながら「ねえ、さっきのこと謝る?謝んないとやめないよ?」と。
父はもがきながら「はい!!わかった!!俺が悪かったからやめて!!ぐぁぁああぁぁ…」と叫んでいた。
だが姉は続けて「なら、さっき壊したの弁償して、弟を自分の希望する高校に行かせると、約束する?」と言うと「はい!!はい!!もうやめて潰れちゃう…」と必死にジタバタしていた。
「これ以上私達に暴力振るったり罵倒したりしたらまた同じ目に遭わせるからね。」と呟いて股間から手を離すと激しく泣き出す父。
思いのほか同情してしまった俺は暫く父の背中をさすっていた記憶がある。
それから父のDVは無くなり、姉は壊されたものを弁償してもらい、俺は希望する高校へ無事に進学出来た。
この一件をキッカケに俺は姉を怒らせないようにしよう、そう心に誓ったのであった。