242
:ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA2013/11/10(日) 15:42:20.54 ID:44A8s1Uu0ネタはあるけどね。
じゃあ坊主噺も込みでリクエスト聞こうかな。
実はハーレー並に会館では飲み会の度に話題に上がったネタでなwww
かなりの会館員が目撃したんだ。
登場人物を、端折って書くからちょい待ち 。
後、当然の如くフェイクは入れさせて貰うよ(´・ω・`)
春先には珍しく仕事がこの一件しかない日だった。
別の会館員も新人を抱える時期にあり、
先輩の流れる様な司会を勉強させる為に数人連れて来ていた。
当然俺は先輩のサブで入る事になり、少し調子に乗っていたw
今回の登場人物
毎度お馴染み、司会の鬼 先輩
困った時の献茶の神、 オバちゃん
鬼の金魚のフンw 俺
浄土系寺院の壮年の導師夫婦 嫁&旦那
チョイ役ながら毒吐きクソ野郎 新人
タイトル通り、嫁&旦那が大変な事になる。
俺「いやいや、流石にここはビシッと決めとかないとw」
何て余裕ブッこいた会話が出来るのは、見学で調子に乗ってるだけではないのだ。
嫁&旦那は俺が入った時から幾度となく仕事を共にした中で、お互い寺打ちすら茶飲み話で流す程の仲になっていた。
何故嫁が常に居るかと言うと、旦那は酸素ボンベ必須の病人だったんだw
俺「地域の風習があるからそうしてるだけだよ、必要なら前でマイク持ってやるし」
新人「あんたに聞いてないよ」
俺「ぐぬぬっ!」
先輩「wwwwwwwww負けだなwww」
俺「負けとかそんな話じゃないっしょ!目上を敬う態度は⁈」
先輩「お前、古株さんを前にして同じ事言えんの?www」
確かにwwwすんません。
んーwww先輩、相変わらず素晴らしい司会っぷりwww抱いてくれw
実は式中、先輩ですら気づかなかったが、オバちゃんだけは異変に気付き出していた。
だからオバちゃん、休みないんだよwww
まぁ、何かあったら無理矢理俺も呼ぶがwww
いつもは旦那の肺活量が足りない為に、嫁が読経のサポートをしている。
勿論主要な作法は旦那がするが、嫁の太ましい肉体から繰り出される読経と数珠切りは旦那を凌駕していた。
しかし、今日はどうにも歯切れが悪い。
俺の立ち位置から見ても数珠切りがイケてないのはすぐわかった。
俺(?女の子の日か?嫁)
位にしか感じず、先輩もその程度の印象だった。
クソ野郎新人には悔しいが、こういう事態が発生すると、後ろ司会は脆い…。
ムカつくが認めざる負えん、クソが。
流石www抱いてやってもいいぞwww
先輩には既に連絡済みで、早目に焼香を廻す様になった。
その間は力一杯の読経をしなくても済むからだ。
ただ、僧侶が持つ数珠と一般人が持つそれとは珠の一つが値段が違う。
バラバラになられた日には、職員総出で拾いまわらなければいけない羽目になる。
しかも見学者、あの新人の前ではやりたくなかった。
しかし、仏様と笑の神様は俗物の俺の予想を遥か斜め上を行く事態をしつらえてくるていたwww
要らんわwww
幸い早めのサポートで珠はおおよそ回収、代品も辛うじて嫁に渡せた。
そこで皆は安心してしまった…。
旦那の木魚と鐘座布団の間に珠がはさまっていたことにwww
旦那が木魚叩く→珠を支点にズレる。
を何度か繰り返し、本人も気付くレベルまで達して来た。
しかし、読経中に割り込んで木魚を直せるはずもなく、旦那に任せていた。
俺(仮に気づいてなくても近々空振りかますなwww)
しかし今日は違っていた。数珠が挟まり、上手く手前にズレなかったwww
いつもなら冷静な旦那も嫁の数珠が切れた事で少なからず嫁を気にしていたようで自分の手元がお留守になっていた。
ぽく
ぽく
ぽく
ぽく
スカッ ガッ
スカした撞木(木魚叩く棒ね)が鐘座布団に
クリーンヒット‼︎‼︎
旦那「嗚呼あぁぁあぁあ~木魚があぁぁァァ…!」
静寂広がる会館に響き渡る木魚の転がる音と、旦那の悲鳴www
旦那、マイク素通しですよwww
木魚の形って歪つな型だからぐわんぐわん動くのよwww
会館員を嘲笑うかの様に祭壇裏に入ろうとした。
オバ「くっ」
俺(やべっ)
ごろんごろん
嫁の方へ木魚が行ってしまう!
スッ
嫁が立ち上がり、木魚捕獲へ参戦してくれた!
しかし忘れていた。数珠はおおよそしか回収できていなかった事にwww
ガッ ずっだーん‼︎
嫁、盛大に転倒www
その太ましい身体がもんどり打ってひっくり返ったwww
旦那「嫁ェェ絵ぇぇえ…」
だからマイク素通しだと何度言えばwwwwww
黙って念仏あげててくれよwww
数珠→木魚→もんどり
の無敵コンボを叩き込まれ、この日ばかりは会館に吉本新喜劇ばりの笑いが発生したwww
見てる方はいいが、当事者は悶絶憤タヒものである。
僧侶に笑って貰えたらしやわせだw
旦那は酸素ボンベ搭載型の為、身動き取れないから念仏あげて貰うにして…。
嫁ェwww
嫁は幸い怪我もなさそうな様子で必タヒに取り繕いながら法衣を整え、何事もなかったかの様に読経を始めたwww
ここにプロ根性をみた気がした(´;ω;`)
オバ「失礼致します」←またも超冷静w
拾い上げた木魚を旦那の側に再度据え置き、何事もなかったかの様に焼香台を移動させ始めたwww
あんたネ申やwww
まぁ、俺は余りの事に木魚を拾おうとした姿勢で固まってましたけどねw凡人には荷が重すぎるわwww
何だこの空気www当事者は必タヒに冷静を装ってるけど会場のクスクスが止まらないwww中にはもう一山欲しそうな笑いに貪欲なバカもいた。
見たいなら吉本行って下さいwww
しかし嫁&旦那、完全に持ち直して通夜を完走してくれた!
一時はどうなるかと思ったが…。
しかし、あの二人は喪主の前を通って会館を後にしなければならない。
会葬客への立礼と坊主の退館時間がどうしても被るwww
俺「大丈夫っすかね、あの夫婦」
オバ「さっと抜けたら大丈夫でしょ」
新人「僕なら自杀殳ものですけどね」
俺・オバ「」
先輩「葬儀にトラブルなんてつきもんだ。そんなのでタヒんでたら葬儀屋も坊主もいなくなるわ。それを回避する努力と技術の裏打ちがあって始めて一人前なんだよ」
新人「」
ざまぁwwwてか先輩、結婚してwww
そりゃ居心地悪いわwww
しかし喪主さんは
「ありがとうございました!トラブルもありましたが、必タヒに故人の為にして下さるお二人に感激しました!(泣)」
あー…。そっちですかwww
心配して損したわwwwwwwてか助かったwww喪主GJ!
終わり
尻すぼみ感がwwwすまんwww
夕方まで残ってたらリクエストや聞きたいことに答えたり書いたりするよ!
あとばあちゃんの葬式の時にいた葬儀屋はハッピ着てたけど基本はスーツだよな?
仕事終わりました。皆変タヒ体好きでワロタwww
先に質問に答えるね。
>>295
焼香や挨拶のガイド、通夜振舞いの準備や仕上げ膳の段取り、果ては自宅葬の幕張りまでマルチにこなす女性会館員の事を「献茶」(けんちゃ)さんと呼びます。
会館専属の方もいらっしゃいますが、多くは献茶倶楽部や献茶会に所属して各会館や会場に派遣されます。話に出るオバちゃんは、実は献茶倶楽部からのスーパー派遣員なのだwww
その会社の正装らしいですが、皆さん一様に老舗の業者さんばかりでした。
それと葬儀屋のミスも聞きたいな
つか全部聞きたいww
あとオバちゃん先輩新人とキャラが秀逸だから人物エピソードもあれば興味あるな~
一番規模がでかかった葬式ってどれくらい?
下世話だが香典の総額の幅なんかも気になっちゃう
自分が担当したので980マソ位かな。
お寺の住職が亡くなられた山門葬だったから規模はかなりだったよ。
課長の担当したやつが祭壇だけて500マソのやつ。総額は知らないや。
祭壇と会葬客への返しが殆どだからね。
あと会場使用料。
①さまよえる土左衛門
②滑り落ちる腐乱県
③美しすぎる首吊り
④メンヘラ血塗れ地獄
⑤焼タヒ体顛末記(涙無しには語れないし特定怖い)
こんなもんか。
わがままだけど全部聞きたいです
年の瀬も押し迫ったある日の夜、担当した告別式も終わり、事務所でのんびり事務処理をしていた。
ぷるるるる…
先輩「はい、○○会館でございます…はい、はい、少々お待ち下さい」
先輩「おーい、今担当持ってないやつ誰だ~?」
課長「儂明日から会議だぞ。」
古株「わいは今持ってないけど休み挟むからパスやな」
新人「持ってません」
先輩「お前には聞いてない」
新人「」
俺「連チャンですか…行きますよ」
担当状況知ってる癖にいちいち聞いてくる処を見ると怪しいな…。
先輩「お前の専門だwww」
俺「またですか…www」
新人「ほとんどタヒ体処理班ですよね、俺さんw」
うるさいわ!
先輩「んー今回は引き取りが大変そうだからウチの面子で行く。勿論新人、お前もだw」
新人「!」
古株「わいも行こか?」
先輩「古株さん、腰悪いっしょw若いのに任せておけばいいんですよ」
古株「そうか~悪いな~www」
最初から行く気なんかない癖に…(´・ω・`)
というわけで俺と新人、新人教育係の先輩の三人で汚仕事に出向く事になりました。
アパートの管理人に住人から異臭の通報。
警察に通報し、中を確認すると男性の腐乱タヒ体があった。独身男性だが遠い親戚が身元引受人になるが、葬儀告別式はしない。
ただ焼いて骨にして欲しい。
引き取りには立ち会わない(検分には立ち会った様だ)
斎場に出る時と骨揚げだけ来る。 と。
まぁ良心的な身内がいたもんだ。
これなら後の処理に走り回らなくても良さそうだな。
新人「終わりましたよ」
いつも通りの枕飾り一式にドライアイス
納体袋…と
俺「…はぁ、やり直し。」
新人「何でですか?」
俺「今日行くのは変タヒ体だ。ドライアイスなんてするだけ無駄だ、どうせ腐乱し過ぎて役に立たん」
新人「凄いベテラン臭しますね」
俺「黙れw後、組み立て式の桐棺、ゴム手袋、ガムテープの白いやつもってこい。後お前、メガネかけとけ」
新人「?まぁサングラス程度はありますが…」
俺「念の為だ行くぞ」
先輩「一応指揮官俺なんだけどなwwwもういいやお前に任せるwww」
経験年数は先輩が倍以上だが、変タヒ体を扱った数なら古株さんに引けを取らないからね。(´・ω・`)
俺「こんばんは、○○会館です。御遺体の引き受けに来ました。」
大家「ありがとうございます、出来るだけ早く引き取って下さい…気味悪くて」
まぁそうだろうな。運の悪い。
警官「またお前か」
俺「ちーす」
警官「ちーすじゃねぇよ、来ンのはえーよ、まだ入んなよ」
この警官、変タヒ体をこの地域で受けると高確率で出現する可哀想な警官である。
まぁ俺とどっこいどっこいだなwww
俺「で、どの部屋っすか?」
警官曰く、二階の端の部屋で家財も散乱してゴミ屋敷の様になっているとの事。
腐敗具合は3周目(虫が湧いて卵産んで孵化で一周)ぐらいだがタヒ亡推定より腐敗が軽いらしい。
(ホントは聞いたらダメだし普通は教えてくれないよw)
俺「面倒な事になりそうですね。」
新人「この時点で面倒でしょ…既に臭いし…」
先輩「ほれ、マスクとジャンパー、ゴム手袋はガムテープで止めとけよ」
新人「」
俺「まぁまだ待機なんでゆっくりしましょう、新人、桐棺組んで階段下にローラー付けて置いとけ」
新人「ゆっくりするっていったじゃないですか‼︎」
俺「は?じゃあお前先陣切るか?」
新人「組み立て頑張ります‼︎」
俺・先輩「www」
では続きはまた後で。
この先は飯時閲覧注意でお願いしますねノシ
まってるよー
俺「階段見てみろ、あんな狭い階段を切り返しながら御遺体入った棺担げるか?」
新人「なるほど、俺さんにしては賢い」
いい加減殴ろうか…。
警官「おーい、もういいぞー。」
俺「うーす。んじゃ、行きますか。」
先輩「お前、楽しそうだなwww」
俺「いや、そんな事はないですけどそう見えますか?」
新人「生き生きしてますよ」
俺「うっさい。行くぞ。」
先輩「新人の元気がどこまで持つかねwww」
いよいよ突入。
((((;゜Д゜)))
(意外と臭くないな)
腐敗が進んだ遺体ならこんな文化住宅全体が匂いに包まれてもおかしくない。
しかも検分で何度も人が出入りしているから尚更だ。
(いやな予感するな~)
先輩「おい、俺」
俺「はい?何ですか?」
先輩「おかしくね?臭わなさ過ぎる」
俺「そうなんすよ。もしかしたらパンパンかも」
新人「なんなんですか?今でも十分異常ですよ」
俺・先輩「お前ツイてるわwww」
などと話しながら階段を登り、部屋の前に到着する。
俺・先輩「失礼しまーす」
新人「⁇⁈‼︎」
申し訳ないが土足でガツガツ部屋に入る。
(あーやっぱり)
先輩と俺は顔を見合わせた。
そこには立つ場所もないほどに酒瓶や空き缶、徳用焼酎の空きボトルが散乱していた。
俺「おい新人、大丈夫か?」
新人「」
先輩「ちょっと外の空気吸わせて来るわw」
俺「お願いしますね」
まぁ吐かなかっただけ褒めてやろう。
(マトモなとこで寝ててくれよー?)
幸い、布団の真上、掛け布団も生前にはしていなかった様子だ。
布団は既に布団の貞を成していない。
勿論全身は紫から黒に近い変色をし、眼窩は虫の巣窟になっていた。
しかしそれ以外は比較的全身の皮膚は維持されている。
(アル中だな。こりゃ)
本当かどうかは分からないが、経験上アル中や過度の摂取をしていた遺体は痛みにくい。アルコールが腐敗を遅らせている様に見えるのだ。
(あー、どうするか。)
検タヒをされた段階で服はハサミで切られた状態。腹部が異常に盛り上がっていた。
(中は虫か体液か。)
どちらにせよ納体袋には収容しなくてはならない。
汚布団の横を適当に空けた。
先輩「おう、どうよ」
俺「腹パンパンすね」
先輩「うわ、微妙な仏さんだな。どうする」
俺「普通に横滑りで入って貰おうかと」
先輩「新人、聞いた通りだ。オレも出来たら早く出たい。手伝え」
新人「ぶぅあふぇい」←はい。
んじゃ、さっさとおわらせましょう。
虫に足元やられる前に。
筋繊維や関節も腐敗して崩れ落ちる可能性もなきにしもあらずだからだ。
今回は新人もいたので安全策を取ることにした。
俺「シーツごといきましょう」
先輩「だな」
新人「ぅあはい」←泣いてますwww
いくら腐敗しても人体はすべからく頭部が重い。
頭部に先輩と俺、爪先を新人が持つ形で納体袋に移す事にした。
俺、先輩でシーツを布団から剥ぐ。勿論体液でパリパリ、虫は盛り盛り動く中だ。
(もしかしたらバリッといくんじゃね)
準備が出来た時、新人にメガネを掛ける様に指示した。
俺「行くぞー」
いち
にの
さん!
バリバリバリバリ…‼︎
シーツを貫通して布団の中綿まで付いてきた。予想はしていたが。
ブリっぶしゃぁあああ
膨らんだ腹部から体液か臓物か分からないがモノが溢れ出した。
新人「?!@/&?!⁉︎」
俺「離すな‼︎」
先輩「そのまま行くぞ、我慢しろ‼︎」
ドサッ
何とか移動完了です。
閲覧注意だとあれほどwww
これ書きながら喰える俺はどうかしてるのだろうか(´・ω・`)
都内で線路ドカタやってて昼に人身事故があった駅のホーム下で夜勤したりしてた俺は普通だと思う
あの夜の品川駅8番ホームは臭かったw
路線飛び込みはホント参りますよねwww
現場さんお疲れっす(`;ω;´)
若い子の飛び込みを警察まで取りに行ったら右腕と右足首、後はよく分からない肉塊だけしたなかったよ…(´;ω;`)
あれを親御さんに「息子さんです」
なんて言えないよ。
ただ、防水性はそこそこなんだがジッパーからの汁漏れだけは気を付けないといけない。
新人「サッサと閉じちゃいましょうよ!」
俺「まあ待て、このままでは閉まらん」
御遺体の両腕は苦しんだかの様に天を掴もうとするかの様に硬直していたからだ。
先輩「折るか?」
新人「!」
皆さんの誤弊がないようにしたいのだが、納棺する際には収容出来る様にある程度関節を曲げたり折らなくてはならない場合があるんだ。
俺「仕方ないですね、まぁ原型はありますが関節は腐敗してるでしょうし」
先輩「新人、やってみろ」
新人「」
ゔぼぇれれれれれ…。
吐いた。
うん、よく頑張ったwww先輩とどめ指すの早すぎwww
納体袋に収容出来た所で移動を開始する。
先に述べた様に頭部が重いので移乗と同じ人員配置で移動を始めた。
納体袋には取っ手が付いており、運び易い型になっている。
勿論先頭は新人、後方で重い頭部を二人で引き上げながら移動する。
(思ったより内部腐敗が進んでるな。さっきも軽く腕が曲がったし…)
階段に差し掛かった。
(どうしよう。新人と代わるか?)
と考えていると、
先輩「甘やかすな、そのまま行け」
心読まないで下さいw
一段、二段と階段を新人が降りる。
徐々に納体袋が縦に傾き始めた。
階段を数歩降りた所で異変は発生した。
傾いた納体袋の中身(ご遺体)が腐敗のせいで骨以外の部分(恐らく肉体であった所)がズルズルと骨から剥がれ落ちて新人の手元に流れ落ちた。
(こっちは軽くなったな)
下膨れした状態の納体袋を持って新人は泣きながら階段を必タヒに早足で降りようとする。
残念ながら急ぐと骨が納体袋を突き破って地獄絵図になるのでもう少し我慢して頂きたい。それでも構わないなら急いでもいいがw
俺「騒ぐな!溢れるぞ!」
新人 ビクッ
先輩「急ぎたいなら構わんがwww」
あんた、鬼やwww
流石の新人も観念して柔らかい感触と異臭を全身に浴びながら階段を降り切った。
俺「いや、予想外に腐敗が進んでたすまん」
先輩「これで俺君にも偉そうに言えんだろwww」
新人………「助かりました」
俺「何せ焦らない事が一番大事だ。非日常に触れたら特にな。」←俺が言うなw
先輩「俺君かっくいーィwww」
茶化さんで下さいwww先輩www
そうして下膨れした納体袋を何とか納棺し、白ガムテープで継ぎ目を目張りして会館まで運び込んだ。
その日の夕飯は俺と先輩の奢りで焼肉に行きました。
終
火葬場は前にも書いたけど完全予約制なんだ。それまでに通夜葬儀をするんだが、今回の場合は斎場(火葬場)の日取りが決まるまではオカルトで書いた休館に一日泊まって頂いたよ。
腐乱タヒ体でも土左衛門でも斎場の時間予約は覆らないんだ。要は順番先着順なのだ。
次第です…
そうそう、タヒんだあとの事なんて知るかと思っていたが、ちょっとだけ考え直した。
完全に寝坊です(´;ω;`)
会社間に合うかな…。
文才がないのでしりすぼみし勝ちで本当に申し訳ない(´・ω・`)
こんな拙い文章でタヒに際を考えて貰えたら書いた甲斐があったのかも。
では、③か④を書こうかな。
腐乱タヒ体よりは短い話になりそうだ。
夜中の搬送係で起きた話
搬送係は電話が鳴るまでは自宅待機。
酒さえ飲まなければ自由である。風呂に入って一服していると待機用携帯が鳴った。
先輩「一本入ったぞ。メモしろよ」
俺「お疲れっす、ちょい待ちです。」
先輩「あー、密葬になりそうだからメモいいわw」
俺「なんとなくわかりましたよ…(´・ω・`)」
先輩「じゃあ会館にFAX入れとくから地図と合わせて持って行け。あと首吊りな」
俺「はい…。」
という事で、今回は単独引取りになります。
念のため納体袋とゴム手袋を用意してから地図とFAX内容を確認する。
(ん?ウィークリーマンションか?)
繁華街に程近い雑居ビル群が再開発された地域のはず。どう見ても自宅や公園、山林ではない。
(初めての地域だな。身元不明みたいだし。)
市からの要請で今回は引取りに向かう事になっていた。
(面倒ごとは勘弁だわ、首吊りだけでも回収大変なのに…)
ウダウダ言っても仕方ない、行くか…。
場所は繁華街から筋二つ程入ったウィークリーマンションとは見えない程しっかりした造りのビルで、エントランスには自動演奏ピアノが置いてあった。
(こんなとこで身元不明の首吊り?犯罪臭が半端ないんだか…。)
取りあえず到着した旨を市の担当者に連絡し、エントランスまで迎えに降りてもらった。
市の担当者はよゐこの有野そっくりで冴えない印象の関西弁だった。以下有野で。
有野「すんません、えらい早くきてもろたみたいで…」
俺「構いませんよ、まだ検タヒ中ですか?」
有野「いや、検タヒは済んだんですがまだ検分が終わってないみたいなんですよ」
俺「でも、犯罪性は低いから私を呼ばれたんでは…」
有野「はぁそんなんですけどねぇ」
(歯切れわるいな~吊りだけじゃないのかな?機材のチョイス間違えたか?)
どのみち全て終わらないと中には入れないので外で煙草を吸いながら時間を潰していた。何故か有野も一緒に。
到着してから何本目かの煙草を消した時だった。
俺「わかりました。有野さん行きましょう」
有野「はぁ」
(首吊りとか初めてなのかな、あまり期待しないでおこう)
エレベーターを登りながら確認をする。
お、流石に新しいビルだけあって棺用に凹みがあるな。
最近のエレベーターは常識だが、人員搬送用のエレベーターには腰より下位に棺用に凹みがついているんだ。
平常は腰板やカバーで見えないけどね。
俺「失礼しまーす○○会館の者ですが」
管理人「はい、こちらです、宜しくお願いします」
どれどれ…。
はは、これは凄い。
(馬鹿にしたわけじゃないよ)
そこに横たわっているご遺体は、余りにも美しかったからだ。
後にも先にも首吊りでこんなご遺体に出会ったことはない。
それは正に神の子と呼ばれたイエスキリストの様に安らかに横たわっていた。
(ちなみに俺は無信教、無神論者だ。)
通常、首吊りタヒ体の場合舌根が縄で締め上げられ、口から長いものなら胸元まで伸び、眼球と顔面の血液は行き場を失い腫れ上がり、飛び出す。
神経が遮断された事により、内容物は全て垂れ流しとなり床や衣類はグチャグチャなのだ。これは男女の差は一切ない。
しかも最後の晩餐をした首吊りに至っては目も当てられないのが通常なのに…。
彼は美しかったのだ。
警官「我々も来た時に自杀殳の偽装を疑った位だよ」
俺「舌根も眼球も出てませんが…」
警官「どうも無一文で衰弱していたようだね、吐瀉物や排泄物の一切がなかった」
警官の話によると身元は確認できたらしく、詳細は語れないが身内はなく、事業に失敗して借金苦からの自杀殳らしい。
衰弱して瀕タヒの状態、身体はほぼ骨と皮で髪の毛も長く伸びきっていた。
縄から降ろされ、着衣を切られて寝かされた彼はそんな背景を感じさせない位に安らかなタヒに顔をしていた。
合掌
何故か納体袋に入って貰うには申し訳なくなり、急いで棺を取りに行き現場で納棺をしようと思った。
本来、現場ですることはない。俺もこの一件以外で記憶がない。
現場に立ち会った全員が快諾してくれた。
本当に静かで厳かな納棺だった。
終
追記
有野さんは警察の自杀殳鑑定を信じていなかった為、最後まで怪しんでいたからあんな態度だったようだ。
春うららかな昼下がり先輩、古株さんと
三人で霊柩車を洗車していた時だった。
パトカーと救急車が会館の前を何台も通り過ぎ、少し過ぎた川縁の路地に消えていった。
先輩「まさか事故体とか来るんじゃないだろーな、俺」
俺「なんでなんすか!この場合は古株さんに振る所でしょ⁉︎」
古株「もう変タヒ体専属は俺君に看板譲ったからなぁ若いもんの勢いにはおっちゃん負けてまうわwww」
先輩「免許皆伝だなwww」
俺「ぐぬぬっ…」
古株「まあまあ、そんなに気にする事あらへんてw先輩君も一発引いたらデカイの引くしなwww」
先輩「くっ!」
俺「www」
バシャッ
水かける事ないじゃないですか…
(´;ω;`)
連絡を受けたのはその日の夜、そろそろ仕事もなしに定時で帰れるかな、どうかな?なんて話しながら飲みに行く相談をしていた時だった。
先輩「それみろ!今日の飲みは無しだ!俺、お前行け!」
俺「行きますけど、俺のせいじゃないですよ~(泣)」
古株「まさかホンマに入るとはなwww」
先輩・俺「笑い事じゃないですよ!」
仕方なく内容の詳細FAXを見ながらふと声を上げてしまった。
俺「享年21歳⁈」
先輩「は?若すぎだろ、見せてみろ」
古株「それホンマに変タヒ体か?本部にちゃんと内容再確認せなあかんちゃうか」
皆さん、年齢と性別に反応しまくりですwww変な意味はないけど珍しいからねwww都会じゃないし(´・ω・`)
自宅にて自傷自杀殳、検タヒ済み。
先輩「飲みも無くなったし担当もねーし付き合ってやろう。有難く思え」
古株「わいも暇やしな~最近変わった仏さんと御対面してないから行こかなw」
先輩「あんた明日四十九日の訪問あるだろ、適当な事行ってんじゃねーよ!」
古株「ええやんけ~お前ら最近仲良過ぎやから俺君先輩君に取られたらワシの事務処理誰がしてくれんねんな」
自分でして下さいwww
という事で古株さんは渋々帰って行きました。
後日、若い女体が見たかっただけだと聞いた時は、この糞じじいと思ったのは内緒の話。
ホント御遺体に失礼な方ですが、腕前は会館随一で上手すぎて特筆することがない人なんです。古株さん、すんません。
今回は新車の寝台車!でも車で2分と掛からなかった…(泣)
現場は古びた平屋の一軒家、広い庭が特徴の家だ。
先輩「おい、この家噂のあの家じゃね?」
俺「なんすか?噂って俺知らないっすよ」
先輩「噂だけだから真偽の程は知らんが…どうも遊び人で有名な娘がいると最近な…」
(うわーなんすかそれ、今言わなくてもいいじゃないですか~)
と思いつつ、ご近所様の評価は葬儀屋の首元に匕首を突きつける様なもの。しっかりしなければ!
先輩「こんばんは、○○会館でございます、この度は御愁傷様でございます。」
「はーい。今開けます」
(えらい陽気な返事だな)
ガチャ、ガラガラ
俺・先輩「⁈‼︎‼︎⁈」
なんじゃこら!
そこには廊下全体、壁に至るまで血糊がありとあらゆる所についていた。
しかも手跡で…。
どんだけ出血してるんだ。という程に。
メンヘラ恐ろしす
ていうかこの血糊のなかどんだけ笑顔なんだ…。
母親「すいませんねーこんなに汚れた家で」
まぁ汚れてるのに違いはないが…
⁈
母親は玄関マットを両手で持ち、雑巾掛けの要領で廊下を疾走して行く
先輩「おい、帰っていいか?」
俺「担当なくて暇なんでしょ?付き合ってくれるっていったじゃないですかw」
先輩「ぐぬぬっ」
久しぶりに先輩をやり込めた気がした。
というか現実逃避だね、お互い。
俺(血糊が筋になってますけどー)
言えない…。靴下一足安いもんだ、行っちまえ‼︎
先輩「俺こういうの無理…」
は?
先輩「タヒ人や現場の惨状は慣れてるが基地外の生きた人間は無理だわ…」
何を今更…あんたも大概の基地外ですよw
などとは口が裂けても言えないが、招き入れられたものは仕方ない。
嫌がる先輩を引き摺り、いざ突入。
(先輩より上目線とか超楽しい)
母親「こちらです~」
自室かよ…。
そこは年相応の女の子の部屋だった。
血糊と刃物で切り裂いた様な傷まみれの襖さえなければ…。
まずは御遺体の状態を確認しなければ、この先の方策も決まらない。
先輩も流石に今回は役立たず感がすごいし…。
まずは確認させて頂きます…。
合掌
全身白布の掛かった状態でベッドに横たわる彼女。周りのシーツや床は血糊で赤黒くくすみ始めていた。
(検タヒの時もう少し綺麗にしろよ…(泣)
検タヒ済みという事は、毎度お馴染みハサミチョキチョキ。
うら若い女性の半ネ果を見るに耐えないが致し方ない。
ハラリ。
先輩「すんげーかわいいな!」
母親出て行ったから良かったけどタヒ体にかわいいとか、あんたも中々変ですよw
先輩wwwwwwwww
俺「確かに言われてみれば」
本来葬儀屋は当家や御遺体の事情は斟酌しない。しかし玄関先からアレでは気にならない方がおかしい。
乗り気でない先輩が真面目な顔になり
先輩「噂は本当だったのかもな」
御遺体を指差しながら言い放った
綺麗なタヒに顔で見落としていたが、手首や脇、内腿に無数の切り傷かわあった。
両手に至っては爪が剥がれてなくなっていた。
(なるほど、血塗れの原因か)
母親「娘はどうでしょうか」
どうでしょうかと言われても…。
俺「御遺体の湯灌をお勧めしたいのですが」
母親「湯灌?」
俺「はい、このままでは我々が納棺する際に簡単な化粧と御髪を直前す程度ですが湯灌なら生前に近い状態で最後のときを迎えるられます」
母親「お高いんじゃないんですか?」
俺「確かにそれなりの値段はします。ですので強制はいたしません」
実際10万前後は貰うし、その道のプロを別途呼ぶからだ。
(出来たらした方が血塗れ解消の早道なんだが…)
そうなんだ。知らなかった。
葬儀屋は全てが終わった状態で引き受けるので詮索できないんだよね。
首吊りも行ってからのかなりのタイムラグがあったし実際はウチに連絡来るまでに色々な事があったんだろうな。
どう考えても実の娘が自杀殳した母親の対応とは到底思えなかったんだ。
俺「無理にとは言いませんし、会葬客を取るかどうかにも関わって来ます」
要は会葬客を取るなら湯灌はして欲しい、
密葬にするなら要らない。
それ以外の返事が来たら母親がおかしい。
という次第だ。
本来は第三の返事があって然りだが、今回は余りに対応がおかしかった。
何か引っかかる。葬儀屋としての勘がそう言っている気がした。
(特定されかねんので割愛)
なるほど。要は自分は可哀想で全てが娘のしでかした事、だから私を悲劇のヒロインで見て欲しいと…。
(主観ではなく本人がそう言った)
ふざけんな。
確かに娘は先輩の言う様に遊び人だったのかも知れない。
でも、それとこの娘のタヒに様とは違うだろ。
商売を抜きにして腑が煮え繰り返る気持ちだった。
お前のその態度が娘を自杀殳に追いやったんじゃないのか⁈
そんな考えをしながら見積りを始めた。
本当に葬儀屋失格ですよね。