私は現在アラサーの女。中高一貫の女子校出身なんだけど、そこで嫌いで嫌いで仕方のない子が二人いた。
一人はA子。彼女は非常に気が強く、勉強が出来てしっかりした子だったのだけど、何かと私に絡んでくるので苦手だった。
『何しに留学行くの、ねえ?今どき外国語喋れるようになるだけじゃ意味ないよ、それ以外に学ぶものなきゃダメダメ。…え、考えてないの?見通し甘いなー』
…憧れて何となく発言したのに、そこまで言わなくても…と落ち込む。
みんなで理想の彼氏について語っていると、何故か私にだけ
『は?そんな人捕まえられる?そういう人をゲットするのにあんたはどう努力するの?考え甘過ぎ、人生舐めすぎ!』
と説教する。
また、私も成績良かったのだけど、テスト前になるとわざわざ
『あんたには負けないよ??』と宣言し、テスト返却されると結果を嗅ぎ回ってくるのが嫌だった。
しかし、親友の親友で、何故かいつも同じクラスになるため、避けたくても避けられないし、絡んでくる。何か言い返しても、恐ろしく口達者で言いくるめられるので関係を絶てなかった。
でも、やたらと人の髪型や持ち物にうるさくて、かつ馬鹿にしてくる子だった。
気に入って購入した小物に対して
『これ他の色もあるよね。何でこっちにしたのダサくない?』
髪型変えると
『切りすぎ、似合ってない、ダサい!』
等々、頼んでもいないのに、チェックされ、皆の前で罵倒する。やめてくれと言っても
『本当のことじゃーん』
とヘラヘラ笑って言うだけだった。
第一志望の学校に落ちてしまったこと。
そして、その大学にA子は合格、通うことに。
『あんたとまた戦えると思ったのに。受験対策のやり方が悪かったんだよ』とため息をつかれた。
B子には『えー、落ちちゃったの、意外!私子ちゃんの行く大学って地味だよね。私には無理!』
と笑われた。
この二人の発言を聞いて、自分の中の何かが破れて、どす黒いエネルギーな湧き出るのを感じた。
絶対にこの二人より上になって、いつか嫉妬される立場になってやる、そう決意した。
大学四年間は滅茶苦茶勉強し、かつ遊び、かつバイトもし、留学もして、とにかく自分を磨けることは何でもやった。
賢くなろう、技能を習得し、社会をちゃんと知って、でも女性として着飾り方も覚えて、異性との付き合いも学ばなくちゃ!と常に動き回り、休むことはなかった。
某資格職を目指し、その知識を磨くために留学をした。その資金を集めるためとメンタル鍛えたいがためバイトも頑張った。
芋臭いとダサいと男性から、世間からの扱いが悪くなることを痛感し、流行に敏感になった。
色々と失敗したり辛くなったり、行き詰まると、
A子B子が『見通しが甘いんだよw』『ダサーいw』
と嘲笑する様が浮かんできて、憎しみと憤怒の力で頑張れた。
リアルの二人には卒業後から二回ほど会ったけど、
A子は弁護士を目指し勉強中、B子はオシャレなキャンパスライフを楽しんでた。
二人とも新しい世界に夢中で、その話ばかりで、私に絡むことはなかった。
私も多くは語らず、『社会人になったら見てろよ…』と内心メラメラしていた。
A子B子とはSNSで繋がってたけど、どうもA子は弁護士の道を諦めたらしく更新されなくなり、B子は大自然の田舎に配属されたらしく、食べ物のことしか上げなくなっていた。
早く二人に会いたい、会って今の私を見せびらかしたいと足踏みしていたのだけど、中々同窓会の調整がつかなかったり、流れたりして…
同窓会が開かれ、二人と再開出来たのはこの間、30間近になってからだった。
弁護士を諦めて普通のOLになったA子は私を見て、悔しそうに粗を探すのだけど、上手く突っ込めず嫌味を言うも空回り!
B子は見違えた私を見て驚愕し、いいなー、それどこのブランド?え、本物、嘘、いいなーと嫉妬剥き出して叫ぶ!
…はずだった
私に対しては『◯◯やってるんだ。いいね!私もお世話になろうかな!』と笑顔で言い、
『私子、昔から真面目でしっかりしてるから向いてると思う、お互いに頑張ろう』と握手された。
B子、プクプクまん丸の幸せ一杯のお母さんになっていた。田舎なんてダサいと騒いでいたのに、そこが気に入って現地の人と結婚。夫と農業しながら3人の子どもを育ててるらしい。今はインスタにはまってるらしい(結婚とか子どもの様子はそっちにあげてるらしい)。
『いやー、本当にご飯おいしいよ、あそこ。太っちゃったw』
『私子めっちゃオシャレじゃーん。元々スタイルいいから、本当にそういう格好似合う!いつか化けると思ってたの!』
と朗らかな笑顔で言われた。
結果的に同窓会ではちやほやしてもらった。
見返すという長年計画してきた復讐は確かに果たせたのかもしれない。
でも、A子B子のパンチの効いた変化と、あまりの二人の純粋に優しい態度に、なんと言うか気が抜けてしまった。私は一体何を憎んで、何に突き動かされていたのか。
書きながら気付いたけど、別に二人に大した酷いことされていないんだよね。
嫌いだったわりに、A子とは二人で遊びに行ったり、学校休んだらノート貸してくれたし。
B子も可愛い小物くれたりしたし(いつぞやかもらった髪留めは、上品でシンプルなデザインだからまだ使える)
最近、まわりに穏やかになって良いと思う!前はちょっとギラついてて怖かったと言われて、困惑している。
以上、私の空回りした、仕返しの話。
似たような嫌な奴なんだろうな
思い返すと別に虐められてはいなかったんだよね。
当時は被害者意識満載だったけど。
彼は私の傲慢さを受け入れてくれる、いい人だよ。
今度結婚します。B子見て家庭築きたいという思いが強くなって。
同窓会行って良かった。
それでは消えます。
経緯が何にせよ彼女らが嫌だという気持ちを原動力にして
10年以上も目一杯頑張れたことがこれからの人生にも活きてくるだろうさ
あのときぼんやりやり過ごしてたら今もぼんやりした人生を送っていて
今の彼氏にも出会えなかったのはもちろん
今のA子B子に対して改めてコンプレックスを持つことになったと思うよ
いい感じの原動力になってるじゃん
まあ良かったんじゃね