行けなかったんだけどね
燃え尽きたように、二人とも壁にもたれかかって、廃人みたいになってた
たぶん会社からだろうけど、二人の携帯がけたたましく鳴ってた
二人ともまったく携帯を触ろうとしないから、俺が電話に出て、『夫婦揃って急な熱発です。友人の俺が面倒見てますけど、今日はおそらく無理だろうと思います』と断り入れた
俺の友達夫婦なんだけど、俺が言った一言を皮切りに、目の前で修羅場になったことがある
まあ大した落ちもないから、暇つぶし程度で聞いてくれ
まず俺の友人夫婦
A 小中高同じ学校に行った腐れ縁の友達。俺は高校卒業後に就職したけど、Aは大学に行った
今でもよく飲みに行く仲
A嫁 Aの大学時代の同級生。2年の交際を経て結婚
かなり美人。気立てもよく、物腰も柔らか。Aの自慢の嫁で、二人の仲はかなり良かった
俺は結婚前からA嫁のことはよく知っていた。Aの家に行った時にA嫁も含めて三人で飲んだりしてた
結婚が決まった時もAが真っ先に俺に電話してくれたし、婚姻届けの立会人(だったかな?)にもなった
でまあ結婚してからもオシドリ夫婦として友人間で有名だったA夫婦
俺もあんな嫁さん欲しいなと思うくらい羨ましかった
……と、前置きはここまで
ことの発端は、A夫婦の旅行がキッカケだった
大学時代の同級生が、美少女だった。
芸能人みたいなものすごい美形というほどでもないが
雰囲気や立ち居振舞いもあいまって、目立っていた。
美少女と私は仲良かったし、どっちも真面目で図書館好きだったので、
毎日つるんで図書館こもってたり、授業のこともお互い教えあったりしていた。
店主さんに「なんでこんなに美味しいんですか?
やっぱり高級なお醤油とか鰹節とか使ってるんですか?」と聞いてみたところ
「ワインを使ってます」と言われてビックリした
夕方、Aがまだ帰らないって電話来たけどお前知らないか?と母に言われたけど
先に帰ってきたから知らないと答えた。
Bに電話してAちゃんの事聞いてみたら、動揺してて、
あんたのせいだしって意味不明な事言われて切られた。
ブランドにこだわってたわけではなく
ああいうデザインのブレスレットが欲しかったので
「え!じゃあ作って!」と言ったら友達が
「作り方教えてあげるから材料一緒に買いに行く?」と提案してくれて
その足でパーツ買いに行ってカフェでやり方を教わって
家に帰ってからもくもくと作り続けて夜中に出来上がった。