立ったら書く
立ったら書く
俺は昔から母の愚痴の聞き役だった。
父が恋しい恋しいや、
兄の塾などの習い事の不安など
色々と聞いていた。
そう。俺には優秀な兄がいる。
兄は中学から希望して塾に通った。
勉強で負けたくないと、撒けず嫌いな兄は塾には絶対行きたいと無理やり言った。
費用はすごかった。
その愚痴を俺は聞いてた。
私の婚前預金を使い込み、勝手に二世帯を建てやがった。
私はウトメ会社にパート勤務していたが、
不況でウトメに「時給を下げさせてほしい」と頭を下げられた。
私自身はローンなしの持ち家で、夫の稼ぎがあるから、
パート給料が多少下がっても何とかやっていける。
でも社員さん達は子供もいるし、生活がかかってる。
パートさんだってその給料で子供を私立大に通わせてる人もいる。
経営者一族として、そこは我慢しようと思った。
(元々稼ぎたいのならよそで働いた方がまし)
承諾したらウトメは喜んでくれたし、私もそれで良かった。
ウトメもこれから節約して、今は会社の事だけ考えて行くと言った。
そして会社も創立ウン十年にもなれば昔からの従業員さんも定年が来る。
新しい人を入れるが、すぐに勤務何十年の人と同じように働ける訳じゃない。
と言う訳で、私の仕事も増え、安い給料で必死に頑張った。
無給の早出残業もし、今までしていなかった仕事もこなしつつ、
新人さんに仕事を教えた。
トメはそんな私に何度もお礼を言ってきた。
所が節約すると言ったウトメは生活を変えず、
次々と欲しい物を買い、一つ一つは数万程度でも
「その家電一つ買うのを我慢したら、私に今までと同じ給料払えるじゃないか」、と
会社の為を思って安い給料で社畜の様に働く私にはムッと来る。
まあ単純にそういうものでもないので、思っても言わず、
夫にも愚痴はこぼさなかった。
その代り会社の事での無駄使いは一切許さず、それにウトメがイラついてきたらしい。
父がDVでよく姉・兄が殴られてた俺はまだ低学年だったんで暴力とかは無かったけど
精神的?な暴力で口とかで「死ね!」「お前は産まれたのが間違いだ!」とかずっと言われた
その度に姉・兄が慰めてくれてた。
母はもう他界してたので姉が料理してた、ある日のの晩飯時に例の如く父のDVが始まった
「この料理に毒入れたな!」から始まって姉に暴力、それを止めに入った兄もボコボコにされた
俺は家の隅で膝を抱えて震えてたよ。
でもその夜はいつもと違ったんだ父が台所から「包丁」を持ってきたから・・・・姉と兄は必死に
父の腕にしがみ付いて「お父さんやめて~」等を言ってた、それを聞いた近所の人が助けに来てくれて
事なきを得たけどもうあんな思いはしたくないと心から思った。