住所がなく私への宛名だけ書かれており切手もなく、明らかに直接ポストに投函されたもの。
便箋には癖を隠して書いてるのが丸わかりな字体で
〇〇さん(夫の名)は不誠実な男です。付き合いは止めたほうがいい。
傷つくのはあなたです。・・・と言うようなことが書かれていた。
真面目が服着て歩いてるような人で、高校時代には歩く生徒手帳とまで言われた人だ。
なので誰かの嫌がらせだと思ってスルーを決め込んだ。
それから2年ぐらい経って私も彼も25歳になって婚約したんだが、
式の半月ぐらい前に又封書が届いた。
前回同様に直接投函されたもので、字体も前回同様にわざとらしく変な書き方してた。
せっかく忠告してあげたのに無視するなんて絶対後悔しますよ?
彼には隠し子がいることをご存知ですか?何も知らずに結婚して後で泣いても知りませんよ?
・・・と、再び彼を中傷するような内容だった。
当時の私は純粋に真っ直ぐに彼を信じてたので、その手紙も破り捨ててスルーした。
そして結婚し、ふたりの子宝にも恵まれ、義父母にも可愛がってもらってる。
毎日幸せでそんな手紙のことなんてすっかり忘れてた。(続きます)
忙しくて一年ぐらい会ってなかったけど、Aからメールがきて
入院しちゃった。暇で暇で死にそうだからお見舞いにきて〜との事で
ビックリしてお見舞いに行ったら、一年前に会った時より
決して大袈裟ではなく半分ぐらいに痩せこけてて息をのんだ。
そしてあの2通の封書を出したのが自分だってことを告白された。
「あんなに見事にスルーするなんて、私が犯人だって分っちゃってた?」って言われた。
全然分からなかった。思いもしなかった。
Aもずっと夫の事が好きだったそうで、2度目にスルーされたときに
ああ、負けたなって思って諦めたんだって。
当時一番仲が良かったのはAだったし、誰かに相談するとしたらAだったと思う。
でも私は誰にも相談しなかった。
A、余命宣告されてるそうで最後にこのことだけは謝っておこうと思ったそうだ。
裏でそんなことして私の結婚披露宴に出席して、友人代表でスピーチしたのか。
Aのスピーチで涙ぐんでしまった自分が馬鹿に思えた。
だけど、事実を教えてもらえたおかげで、いつかふいに思い出した時に
あれが何だったのか分かってるのはかえって良かったと思うことにする。
Aは先日亡くなり、おばさんから連絡を貰って葬儀に参列してきた。
何とも言えない複雑な気持ちだった。
リアルでは死んだ人のことは言いにくいので、こちらで吐き出し失礼しました。
亡くなった人に悪い気持ちって持ちにくいよね、
でも隠し子とかが嘘だって分かって良かった。