その頃彼氏にフラれたばっかりだったことや
仲の良かった友人が立て続けに結婚したことで正直焦ってた時だったから
母の友人経由の見合い話に飛びついた。
勤め先は誰もが知ってる企業だったし、次男だったし、実家は結構な不動産持ちと
条件としては良かった。
会ってみたら思ったより爽やかな感じがしていいなと思ったのでOKした。
彼からもOKが来て、付き合いが始まった。
お見合いしたのが正月明けだったので、しばらくはお互い年度末で忙しくて
週1ぐらいしか会えなかった。
それが3ヶ月ぐらい続いたんだけど
ある日彼と一緒にいても全然ときめかないことに気付いた。
でもお見合いだからこんなもんかなと思ってた。
田舎のお見合いだったから3ヶ月も経つと結婚するかしないかの決断を迫られる。
でも私にはまだ決められなかった。
彼の方は結婚を前提にと思ってたようで
一体何が引っかかってるのかとよく聞かれるようになってきた。
とにかくもう少しだけ待ってとしか言えなかった。
紹介してくれた母の友人からも返事を急がせる電話が頻繁にかかってくるようになったけど
有難いことに母が「一生の問題なのでゆっくり考えさせてやってほしい」と盾になってくれた。
そしたらお見合いしてから4ヶ月ほど経った頃に彼の方から
「その気がないようなのでこちらも結構です」と断りの電話が入った。
正直ホッとした。
それから半年ぐらい経って、勤務先に転勤で今の夫が異動してきた。
変な言い方だけど、初対面で「あ、この人と結婚するかも」って思った。
その後なんだかんだあって付き合うようになって
3年目に再び辞令が出た時にプロポーズされて結婚。
地元から飛行機の距離に嫁いだ。
そして結婚から丸一年が経った頃のこと。
ひとりで実家に帰省することになって
羽田の搭乗ゲート前で時間待ちで文庫本を読んでいたら
肩を叩かれて振り向いたらあの見合い相手だった。
結婚指輪をはめた私の指を見て「結婚したん?」と聞いてきた。
隠すことでもないし「はい」と答えた。
そして「俺まだひとり」って言われたけど、だからなに?って感じだし
何をどう答えていいのか分からないから黙ってた。
「なんでここに居るん?」「今どこに住んでるん?」と色々聞いてきたけど
適当にぼかして答えた。
そしたら私の斜め後ろの席に座って、私の隣の席の背もたれに腕を乗せて
ニヤニヤしながら私の顔をずっと見てた。
「いいねーひとりだけ幸せそうで」「俺なんて振り回されただけだもんねー」とか
小さな声だけどハッキリ聞こえるようなトーンでずっと話してた。
搭乗時間までまだ15分ぐらいあったから搭乗ゲートを離れ
ギリギリまでウロウロして時間をつぶした。
幸い機内での座席がかなり離れていたのは良かったけど
到着まで落ち着かなかったし、到着後は一番に脱出した。
お見合いして付き合っていた間は、あんなネチネチしたところも
嫌らしいところも見せなかったけど、きっと何処かでだだ洩れてたんだと思う。
鈍感な私だけど、どこかで警報が鳴ってたんだろうな。
警報装置が壊れてなくて良かった。
しかしいくら小さな日本と言ったって、地元から離れたあんなところで再会するなんて
本当にビックリしたし、やつの顔を見た時は心底怖かった。
これが私の衝撃的な体験。
突然元彼(ってほどでもないけど)が現れてネチネチやられたら
そりゃ怖いわ
しかしこの男にプライドはないのかw
見合い相手と結婚しなくてマジよかったね
勘の鋭さに感謝だな