そのジムの人ではなく、色々なジムに行ってレッスンをするフリー(?)のインストラクター。
ものすごく優しい人で、教え方も丁寧で、おばさま方にも大人気の好青年だった。
私も同じジムに通っていたので、「実は最近付き合いだした」と聞いて
「彼がジムで会うのは嫌だからやめてほしいって言われたから、やめる」と。
まぁこれは確かにそうだなって。
仕事柄女性客に話しかけられても無下にできないし、それを見る友人もつらいだろうし。
でも彼はずっとそのジムにいるわけでもないのに、なんだかな…と思ったりもした。
そこからメールの返信も滞りがちになり「忙しいのかなー」と思ってた。
実は彼が私生活ではDV男だと知ったのはそれからさらに半年後で、
友人は家にまで襲撃され、母親と一緒に(友人父は故人)シェルターに避難していた。
しかし私は何も知らないので、ごく当たり前にジムに行って、友人彼にも挨拶をしていた。
おそらく友人彼は友人を探していて、私にも目をつけていたけど、
あまりにも私が普通に接するので「こいつは何も知らないな」って分かったんだと思う。
友人彼はDV被害の女性を支援する団体があることを知り、友人がそれに匿われているだろうと思ったらしく、
その団体を探そうとしたけど見つからず、市役所に
「支援団体の名簿を出せ、運営者の連絡先を教えろ!」と乗り込んだ。
「教えられない。もし市から情報が漏れたなんてことになったら大変なことになる」
と拒否したんだけど、そこで
「納税者のお願いが聞けないなんて、自分の立場分かってますかぁ?」
「え~~どうしようかな。僕すごく困るんですよ。公務員が市民を困らせるのってどうなの?」
「苦情窓口に連絡したらあなたの事叱ってもらえるんですかね?」
とかねちねちネチネチと3時間居座り、応対した人が席を立とうとすると
「話してる時に立たないでください。困るんです!困るんですってば!も~~~~!」
(周囲に「この窓口担当が仕事できなくて参るよ」アピール)
と友人のこともこうやって追い詰めたんだろうな、とモラハラ行為。
なぜこんな詳細が分かるかと言うと、私は市役所の窓口で働いていて目撃したから。
(公務員ではない。外部団体の職員)
ジムではスッピンだけど、仕事中は制服&化粧&パソコン用眼鏡なので気付かれなかった。
最初窓口に友人彼が来たのを見て「あ、友人彼さんだ~」と思ってたらそれが始まり唖然。
職員の人が「DV加害者が被害者を匿ってる団体を聞き出そうとしてる」と話しだしまた唖然。
友人の携帯に連絡するもメールも電話もつながらなくて「まさか…」と。
職員さんに「私あの男ともその恋人とも知り合いなんです…」と事情を話したら「奥に行きなさい!」
と窓口から外してくれた。
それでも仕事はしなくは行けないので窓口から死角になるところに座ってたけど、もの凄く怖かった。
ちらっと見ると友人彼の顔はジムでの優しそうな顔と正反対の、なんというか「嫌な顔」で
でもニヤニヤヘラヘラ笑っていて「僕は彼女を探してるだけなんですよ~~~」凄く怖かった…。
いつ「あ!」ってこっちを見て言うかと思うと…まさに修羅場。
最終的に「つっかえねぇ!つかえねぇ!!!!!つかえねぇえええええんんだよおおおおお!」
と絶叫し、椅子を投げて帰った。
が、3時間も市役所の窓口でやってたので、ジムの客の目撃者は私だけではなかった。
ATMやカフェもあるので余計。噂が徐々に広がっていき、おばさん情報網で
「他のジムでも教えていたが、女性インストラクターと付き合って暴力をふるい
その系列のジムでは出入り禁止になっている」ことも判明。
誰かがジムの経営者に「知っていて契約してるのか」と問い合わせたら、なんと知っていたと。
狭い世界だからか、この地方のフリーインストラクターたちは皆知っていて、
ジムの人にも忠告していたんだそうだ。なんで契約してんだよと…。
彼は姿を消したが、それでも他が見つからないからか、切りがいい月末までは普通に来ていて
「僕のレッスンは今月までになりますので」といつもの笑顔でニコニコ言ってたそうだ。
もちろん彼のレッスンはガラガラ。事情を知らない人も「何で皆こないの?」と聞いたりして
最終週は事情を知らないままの客5人くらいしかいなかったらしい。
私は怖いので、彼が来る時間というか曜日は絶対行かないようにしていた。
ていうかやめて、彼が出入り禁止になっているというジムに通いだした。
友人からはその後メールで「事情を知らせると、巻き込んでしまうと思い言わなかった」
と謝罪があったけど、「今どこにいるの?」と聞いても「元気にしてるから」としか返信がなく、
それっきりそのアドレスも使えなくなってしまった。
友人が今も元気でいることを祈ってる。