俺の仕事は、転勤の多い仕事で3年位で移動するから
出会いは職場しかないので社内結婚が多い。
次も同県内の転勤で、嫁との交際は続いて結婚した。
結婚後すぐに県外転勤の辞令が下りる、しかし嫁は地元に残ると言う。
結婚した女子社員は、旦那についていくため退職するのが当たり前の職場。
転勤当たり前なので、単身赴任手当などもないし、そこそこ給料は出してくれている。
それなりの給料は貰っていても、2軒分の生活費を出す気もないので嫁を説得するも
嫁祖父(嫁実家は3世代同居)が県外に嫁に行かすのは反対。
嫁実家から嫁祖父が病気で長く持たないから、嫁を一番可愛がっている祖父の為に
その間だけ実家に置いてほしいと頼まれる。
嫁は地元の喫茶店で、アルバイトして実家に残ることになった。
新婚だったので、月に3,4回は嫁実家に顔を出して、たまに嫁の喫茶店に手土産持って挨拶にも行った。
転勤先の外回り中に、休憩で入った有名なK温泉地近くの道の駅で、温泉地のPR誌を手に取った。
その中の記事で温泉地のあるガラス工芸館の入場者10万人目のプレゼント企画があり、
K温泉H旅館ペア宿泊券が当たった夫婦のインタビューが載っていた。
「昨日、同じH旅館に泊まって来たところで、すごく良かった、今度は母と来ます」(S県 N夫妻)
N夫妻と伏字になっているが、明らかに嫁とバイト先の喫茶店のマスターだった。
取り敢えず、PR誌を数部持ちかえり、週末に嫁実家でいつも通り過ごして、
帰りに興信所に2週間尾行とマスターの調査を依頼。
マスターは既婚者で嫁の学生時代からの知り合いで、子供が2人いて別の浮気が原因で別居中
嫁との不倫関係も俺達の結婚前から続いている。
ある程度、俺は証拠が揃って弁護士と契約して、準備が整った所で
離婚を切り出す機会を待った。
何時のように週末に嫁実家に行って、例のK温泉地の話題を振ってみた。
嫁母に「日頃の疲れを癒すためにK温泉なんか行ってみたらどうですか?
いい旅館もあっていいですよ」
嫁に顔を向けて 「H旅館ってよかったんだろう、今度お義母さんと行くって言ってたよな」
嫁が、えっどういう事と、もごもご言いながら挙動不審になった時に例のPR誌の記事の所を開いて、
俺は、月曜日に弁護士から連絡が来ますので、離婚をご了解くださいと言って
嫁一家が記事を見て固まっている間に嫁実家から逃亡、勤務先に戻るまでメールや着信が鳴るが無視。
後はよくある浮気の言い訳テンプレを聞きながら、両方から慰謝料を貰って離婚。
学生時代から、不倫をしていた事を嫁実家に話して、喫茶店でも逆上した振りして
マスター、従業員、お客さんがいる前で洗いざらい喚いて来たせいで
嫁が実家にも地元にも居場所が無くなったのはやり過ぎたかもしれない。
マスターの嫁さんにも、嫁とマスターとの長い不倫を話したせいでマスターも
地元にいられなくなった。
二人とも地元大好き人間だったのにね。
PR誌に載った事は、本人たちは知らなかったようだけど
いくら宿泊券が当たったからって、舞い上がって不倫なのに写真撮らせるなよ。
偽名使っても知人が見たら、ばれると考えないのか。
この馬鹿達、興信所で調査中に当たった宿泊券で旅行しようとしてたので
旅行行く寸前に離婚を切り出した。
なお、嫁祖父は今も元気です。