360:華丸 ◆vk8BsG8fow2011/12/13(火) 01:16:14.07 ID:i8RmR7sP0
バイクで自損事故を起こした。
帰らぬ人になってしまった。
俺は信じられなかった。
高校の連中からメールやら電話が来る中で、
俺は段々と事態を飲み込んでいった。
一体、何が起きているというのか?
まったく分からなくなった。
なんとなく何が起きているか分かった。
嘘だと思った。嘘なら良かったな、本当に。
俺が信じられないくらい泣きわめくので、
多分周りにいる人ドン引きだっただろう。
どうしていいか分からなくなった。
俺はそれから一週間近く家を出なかった。
何も食えなくなって、
ひげだらけになっていた。
一緒に合同誌を出すって約束していたこと。
そに子と一緒に板尾の美大を巡る予定だったこと。
そして、板尾にいつか追いつきたかった……
すまんダメだ今
俺もボロボロ泣いてる。
少し遅くなるかも、すおまん
俺も悲しい・・・
ば本当にダメだった
彼には感謝してもしきれない。
いや、もう感謝とか
そんなんじゃなかったんだと思う。
アイツがいなかったら俺は、
どうなっていたんだろう。
俺は板尾を見返すと同時に
色々恩返しもしたかった。
いつか、いつか…と。
そんな存在が
急に目の前から消えてしまった。
ポッと。突然、なんの前触れもなく。
夢を見ているかのようだった。
この歳にして親友を失うとは、
思ってもみなかった。
スカイプを開いて、
つい板尾にチャットを送りそうになってしまう。
そうすると、途方もなく虚しくなる。
これは、今でもたまにやってしまうんだが…
一旦シャワー浴びるから
30分くらい時間空けるね。
眠い人は寝てください。
付き合ってくれる方はよかったらお願いします。
見てくれてる人はどれくらいいるんだろ?
これでやっと全体の半分…
もしかしたらまだ5分の2くらいかもしれない。
まだ続くけど、よろしくです。
>>1辛いだろーけど頑張れ!
もうしばらくは起きてるし
が、涙がとまらん…
自分も音楽だけどがんばってる。
続けるって難しいし大事だよな
うわあ…みんなありがとう。こんな時間なのに…
なんとか完結まで持っていけるように頑張ります。
それじゃ、ぼちぼち再開しますね。
落ち込んだ時だったかもしれない。
そに子いわく、
俺はほとんど笑わなくなったらしい。
辛くて辛くて、
もちろんそに子に弱音も吐いた。
そに子は全部受け止めてくれた。
この時も、そに子の存在は大きかった。
でも、それ以上に俺を助けてくれた奴がいる。
それが、市原だった。
俺をケアしてくれたのは大きい。
それは俺にとって本当に生きる支えだった。
でもこういう時は得てして、
男友達の支えというのも非常に重要だった。
メシとかを食べる気力を無くしていた俺を、
市原は率先して自分の家に呼んだ。
そして市原鍋を振舞った。
(白菜と豚肉をごった煮しただけ)
市原は高校時代3年間クラスを共にした男だった。
一緒にいると本当に落ち着いたし、楽だった。
市原の家に行くのは、
自分の実家に帰るような感覚だった。
市原はよくオレに夢を語った。
市原「俺は獣医学を専攻して、動物の研究をするのさ…」
俺「へー…それって面白いのか…?」
市原「面白いとか面白くないとかではないんだよ。それが夢なんだから。」
夢。よくよく考えたら俺の夢ってなんなんだろうか。
まだまだ19の少年だったから、
目先の事に頭が一杯で、
将来の話をする機会はあまりなかった。
その時板尾はポロッと言った。
板尾「俺は美術教師になる、絵の楽しさをダイレクトに伝えられるから」
俺は夢なんてまったくなかったし、
「すげえなあ」
くらいで流してしまった気がする。
夢。美術教師。
この頃からそんなワードが俺の頭をかすめるようになる。
冬に板尾と一緒に申し込んでいた
コミケの当落発表があった。
結果は落選。
なんということか。
俺はそに子と一緒に何か本を出すつもりでいた。
目的を失った気がした。
そこに、去年の冬のコミケで
一緒にサークル参加した板尾の友人から連絡があった。
俺も漫画家目指して漫画アシしてる。
読んでてすごく元気になったし楽しみにしてるよ!
俺「いや、落ちちゃったよ…ダメだった。」
友人「そっか…それなら前回と同じように僕のとこで本を出しなよ」
なんと、またしても板尾の友人が俺を助けてくれた。
これには俺とそに子は二人して大喜びした。
本が出せる。コミケで。
いいひとたちに囲まれてる
ぼちぼち大学に通いながら
コミケに向けた絵を描いていく日々だった。
そに子は一緒に合同で
イラスト本を出すと言っていたが、
まだデジタルで彩色が上手くできないという事で
駄々をこねられた。
なので、結局はそに子はコピーの折り本を、
俺は個人誌を出すことにした。
彩色以外は、綺麗な線を描くし、
正直俺と対して変わらなかったんじゃないだろうか…
あと、書き忘れてたけど
そに子は俺と同じ美術部に入部しています。
でも、特に部活で書くようなイベントがなかったので
割愛してしまいましたw
振り返ってみて改めて思うけど
俺は本当いい人達に囲まれて生きてきたなって思うよ。
ずっと描き続けて、
いつかイラストレーターみたいになれたら…
そんな甘美な夢を見ていた。
でもこの頃から
明らかに意識は変わっていたと思う。
よく分からないけど、
コミケのイラスト集の絵はただひたすら
集中して描いていた。
それでもたまにそに子から絵の相談を受けたりするので、
そんな時は楽しく絵チャとかやったりして、
マッタリ絵を描くこともあった。
よくも悪くも俺を変えた。
もう自信作を描いても、
「いいじゃんそれ!」
と言って笑う板尾はいないんだから。
コミケの原稿も一段落した8月の初旬
、俺は美術部の合宿に行った。
もちろんそに子も一緒に。
夏合宿。まあ、楽しいレクリエーションだ。
みんな夜通し語り明かしたりもする。
俺はこの合宿で相談したい相手が居た。
お前の優しさとか人格がこの文章からよく伝わってくる。きっといい絵を描くんだろうなって思った
この話を最後までみんなにできたら、
うpもいいかもしれない。
ただ、本当に期待しないほうがいいよw
俺まったく上手くはないから。
部長は、芸大受験の経験もある、
かなりアーティストな人だった。
そう、俺はこの時決心していた。
東京学芸大の中等美術科に行って、
美術教師になってやる…
そのためには大学を辞めることや
仮面浪人もいとわなかった。
夢が、見えた気がした。
芸大や美大受験とはさすがに勝手が違うが、
それでも部長の意見を聞いてみたかった。
一旦今日はここで休憩にします。
見てくれた人、本当にありがとう。
また明日の夕方〜夜あたりに続き書きます。
落ちたりしないよね?
+だからそうそう落ちたりしないんじゃないかな。
もし落ちてたら同名で立ててくれれば探すよー
おつですー
今日一日深く考えさせられましたわ
自分も昔漫画家目指してたからなぁ。。
ゆっくり休んでください
本当に大事なものって
なくなった後からじゃないと気付かないんだよな。
それでもうダメだ、生きれないよと感じるけど
やっぱり前を向いて
その人がいない日々を
一生懸命生きていかなくちゃいけないんだよな。
こんな時にアクセス規制くらって、
どうしようかめっちゃあわてた。
なんとか2ちゃんビューアを導入して戻ってきた。
ここまで読んでくれてありがとう。
これを読んで何か感じてくれたなら嬉しい。
時間があったら是非最後まで付き合ってください。
話は折り返し地点くらいまできました。
みんな浮かれ気味である。
俺たち美術部一行は、
とある片田舎の避暑地に行った。
バスでは、俺とそに子は隣に座らなかったが、
それをひたすらにブーイングされた。
なんだかんだで遠藤と仲よかった俺は、
何故か遠藤の隣だった。
遠藤「今年の一年女子をこの合宿で見極める…」
俺「がんばれよ」
でも遠藤は途中からバス酔いしたので
静かで楽だった。
高原に行くか半々くらいだった。
女子が多い部活。
俺は正直海に行きたくて仕方なかった。
でも行き先は高原だった。
俺「着いた〜バスって楽しいねえ修学旅行みたい」
遠藤「水…水…」
コテージ?ログハウス?
なんて言うんだろうそんなとこに皆で泊まる。
でも管理人の老夫婦がいたし
民宿にも近いのかな。
遠藤「バスケしようぜ〜」
近くには牧場もあったり、
自由にスポーツできたり。
緑が綺麗でとてもいいところだった。
そに子「華丸さんバドミントンしようよ〜」
俺「遠藤、そういうことだから。」
遠藤「いやいや混ぜてくれよ」
青春ってやつだったかもしれない。
今思い出すとむずがゆい、でも楽しかった。
明るいうちはみんなでバドミントンとかして、
近くの小川に行って裸足で入って足怪我したり。
食べれる野草を見つけてみんなで騒いだり。
夜には肝試しでお化け役になって
樹の枝に腕ひっかけてすりむいたり。
けっこう怪我したwでも楽しかった。
夕飯も終わってみんなマターリタイムである。
俺は建物の外で
まだ吸い始めたばかりの煙草を吸っていた。
そうすると、部長がきた。
部長「くさいよ、それ」
俺「あ、すいませ…部長相談があるんです。」
部長「何よw 改まっちゃってw」
俺「俺大学多分やめます」
俺「いや、だから…俺は美術教師になりたいんですよ、はい…」
部長「初めて聞いたな」
俺「そのためには、今の大学じゃ絶対無理じゃないですか。
やめて、今から美大は厳しいですから、学芸の中等美術科に…」
部長「うんうん、分かった分かったちょっと待って。」
俺「はい…」
部長「華丸は中高で美術部の経験があった?」
俺「いえ、まったく…高校では一度も美術の授業すらなかったです…」
俺「まあ…そうなります…」
部長はいつになく真剣だった。
部長はスタイルがよくて、
ハキハキしていて、出来る女性って感じだった。
だから尚更気迫があった。
部長「華丸がなんで急にそんなこと言い出したのかは分からない。
まあ、なんとなく察しもつくんだけど…
よく考えた方がいいよ。
そんなに甘いもんじゃないよ。」
俺「で、でも…」
部長「こんな言い方してごめんね。
でももしそれで大学やめて
美術の先生になれなかったら?
なれたとして、一生続けられるかな。」
部長は芸大受験に何回か失敗してからうちの大学に来ていたから、
学年一個上とは言え、歳は離れていた。
「頑張れ」とか「応援してる」とか
そういう言葉を期待していたのかもしれない。
学芸の受験自体は、
実技がそこまでできなくても
勉強をめっちゃ頑張ってセンターでいい点をとれば
可能性はあるかもしれない
ということも分かっていた。
だから部長みたいな人に
背中を押して欲しかったんだろう。
俺は落ち込んだ。
一歩踏み出す、きっかけを与えて欲しかった。
期待していた夏合宿は終わりを迎える。
俺はここで心機一転するはずだったのに…と
落ち込んでいた。
完全に他人に頼っていたと思う。
でも俺は挫けなかった。
夢を追えなかった板尾のことを思うと、
美術教師は諦められなかった。
この時の俺は本当に取り憑かれたように
美術教師になる、って言ってたんだけど
それが本当の自分の気持ちだったのか、
板尾に対する自分の想いだったのかは、
未だによく分からない。
助けを呼ぶ声があった。
コミケで本を置かせてもらうことになっている板尾の友人だった。
友人「華丸君、今ヒマかな?原稿がやばいんだよ、手伝ってくれないかな…」
俺「おお、いいよいいよ。そんなにやばいんか。」
夏のコミケの締め切りギリギリ。
まさに友人は修羅場状態であった。
そして、この一本の電話が俺にとって
大事な分かれ道だった。
友人「ごめんねー手伝わせて」
俺「いいよいいよーそれより聞いて欲しいんだけど」
俺たちは作業しながら会話をした。
友人「どうしたの?」
俺「今から、学芸行って美術教師になりたい、それって難しいのかな」
友人「そんなことないんじゃないー?」
軽い。予想外の反応だった。
友人「俺の友達で学芸とか教育系の美術科?受けてここに来た子とかいるよー」
俺「え、本当に?」
俺は記憶の糸をたぐりよせた。
確かに去年はよく板尾の美大に潜り込んで、
色んな人と関わった。
俺「なんて子?」
友人「石田だよ、石田。」
俺「あ、俺その子知ってるよ……」
その子は石田ゆり子にちょっぴり似ているので石田と呼ぶ。
そに子と初めて会う前から面識があった。
大学1年の5月くらいに
もう会っていた気がする。
板尾が美大の連中を色々紹介してくれた時に、
その中にいたって感じだった。
まだまだ異性に距離を置いていた時だったし、
もちろん連絡先も知らなかった。
会ったことも4,5回あるくらいだった。
美大に遊びに行った時に、
構内で出くわせば、
「あ、ども…」くらいの感じだった。
それでもだんだん慣れて話すこともあったが、
とにかく「板尾ありき」の存在だった。
板尾が亡くなってからは会ったことはなかった。
美大の連中のことはほとんど忘れていた。
この友人を除いて。
顔くらいは覚えていたが、
名前までハッキリ覚えている人なんて
ほとんどいなかった。
ただ、俺は石田さんのことは覚えていた。
俺は石田さんを初めて見た時から、
なんとなく「可愛い」とは思っていた。
好きとかそんなんじゃなく、
外から傍観する感じで。
だから記憶にも割と残っていたのだ。
石田も呼んで、話聞く?
そのついでにさ、ほら、美大の中色々見たりする?」
俺「それはいい考えだね。じゃあそに子も連れてくるよ。」
友人「きっと彼女も色々話聞きたいかもねwできるだけ友達呼ぶよw」
そう、板尾の友人は、
俺とそに子と板尾が美大巡りの約束をしたことを
知っている唯一の人間だった。
あの時の計画が、こんな形で実行されるとは。
でも俺は楽しみだった。
そに子もきっと喜ぶだろう。
お盆にあるコミケの後にするか、前にするかで、悩んだ。
でも善は急げだって言って、
コミケの前に行くことにした。
そに子にも話すと、
そに子「え、今なのww でも嬉しい、すごく」
と言ってくれた。そに子も、
板尾の死にはショックを受けていたから。
そに子「どうしよう。スケブ持ってくよね?あとは…」
そこまでワクワクしてくれると、こっちも嬉しい。
良かった。
そして美大に行った。
俺はそに子と二人で向かった。
正門の前に友人が立っていて手を振った。
友人「こっちこっちー」
さすがに夏休みだし予定がw
でも石田は来てくれたよー良かったね」
石田「久しぶり!」
二人はニコニコしてなんだか楽しそうだった。
俺「久しぶりだね。今日はありがとう。」
自分でも分かるくらい
もう女性に対しての苦手意識はなくなっていた。
俺はとにかく早く学芸受験の相談も聞いて欲しかった。
最後まで付き合うぞ
ほとんど建物の中入れないけど
色々見てまわろうかー」
美大の中を歩いていると、
色々思い出した。
よく板尾に案内してもらった。
一緒に歩いた、
去年のコミケのことも思い出された。
この計画も本当は…なんて思った。
なんだかとっても辛くなった。
そに子がずっと笑っていたのが救いだったかもしれない。
板尾のおかげでこの子にも会えたし…
そんな感傷モードに浸っているうちに
美大探訪は過ぎていった。
ごめんなんだか書くの辛くて少し遅くなるかも。
許してくれ。
友人「ほんじゃ、そろそろゆっくり話とかもしたいし、
俺の家に行ってゲームでもやろうよ」
友人はゲーム好きだった。
確かにゆっくり話もしたいとこだったし、
家に行くってのはみんな賛成だった。
石田「あたしなんか作るねー」
そに子「わ、わたしも…手伝います…」
そに子は実家暮らしなので
そこまで料理はできなかった。
俺は、女性陣は可愛いなあ、なんて
心のなかで思っていた。
そに子も少しは頑張ったらしいw
美味しかった、なんか感動した。
同級生の女の子が作った料理…
その後そに子は友人とゲームを始めた。
俺は色々と石田さんに話を聞くことにした。
石田「らしいね。聞いたよ。あたしも受けたよ〜学芸」
石田「現実的に考えるなら
母校の高校の美術の先生とかにも相談したら…?
あたしも高校の時は受験のために
美術の先生と仲良くなったよw」
石田「田舎だから予備校も長期休暇とかしか行けなかったし」
俺「なるほどなあ。」
この日話していて分かったんだが、石田さんと俺は
地元が一緒だということも分かった。
これには本当に驚いた。
まず勉強頑張ればセンターで差がつくし
受験は大丈夫。あたしは応援しちゃうな〜」
これが美大生の思考なのだろうか。
迷わず応援してくれた。
俺は自分の補って欲しいところを補ってくれるような、
そんな存在が現れた気がした。
石田「華丸君絵を描くの好きなんだね。板尾も上手かったもんね」
話は板尾の話にもなった。
同じ地元に受験、板尾の話…共通の話題が尽きることはなく、
石田さんとは本当に長い時間話している気がした。
そに子に帰り道でちょっとすねられた。ずっと話していたせいだ。
そに子「でも学芸受験のこと相談できる相手できてよかったね。
わたしはそういうの全然分からないし…」
あんたはエライ子だよ。
そして、このすぐ後にコミケが来る。
楽しみ半分、不安半分。
去年のことが懐かしく感じられた。
夢を追おうが、捨てようが、自分の選択次第だし、自由だった。
この時までの自分はある種幸せだったなあと思う。
悩んで、苦悩して。
色んな人に迷惑かけてみて。