俺たちはそれぞれ行きたい場所があったので別行動をとっていた。
しかしかなり方向音痴な俺は道に迷ってしまった。
そこにたどり着けそうもなかった。
なので携帯で友人に電話をして迷子になった旨を伝えた。
友人が「お前が今いるところの周りに何がある?」と訊いてきたので
「えーっと、周りに何があるかっていうと…」と言いながら俺は辺りを見回していた。
そしたらいきなり思いっきり肩を叩かれたのでめちゃくちゃびっくりして振り向いたら、
見知らぬおばさんが立っていた。
全然状況が理解出来なかった。
するとそのおばさんはある建物を指差して、
『Y・M・C・A』というふうに腕というか体全体を使って表現し始めたww
ますます状況が理解出来なかった。
おばさんは3、4回『Y・M・C・A』を繰り返し、
しびれを切らしたように「だからっ!近くに目印になる物が何かないか探してたんでしょっ?
YMCA(ビルの名前)があるから教えてあげたのよっ」と言って去っていった…
電話の向こうまでそのおばさんの声は聞こえたらしく
友人は爆笑していたが俺は言葉を失ってしまったわ。
おばさんは俺が電話中だからってことで声を出したら悪いと思って体を使って表現してくれたんだろうけど、
ちょっとあんまりにも衝撃的すぎて怖かったわ。
まぁおかげで迷子から無事脱することが出来たわけだが。
その時は驚きの方が大きすぎて、感謝の気持ちが訪れたのは旅行が終わってからだったな
いい意味でだよ。
ある程度の年齢だとMくらいまで来たら頭の中で音楽が流れ出すだろう
そこのすぐ近く、愛知県美術館へ行った時美術展を見に行った時
チケット買おうと鞄ごそごそし出した瞬間におばさまが
「あなたチケット買うの?なら、こな招待券あげるわ、余ってるからいいのよ、もらって」
と言われてなんやかんやでいただいた。
特別若くも老けても見られないから普通に二十代の貧乏そうなこに見えたんだと思うけど衝撃やったな
徳川美術館行った時も駅前あたりてま迷いぎみにうろついてたらおばさまとおじさま数人グループが
「あなたも行くんでしょ?相乗りしましょう」→「お金はいいわよ、ついでなんだから、楽しみましょうね」とタクシー代おごってくれた
名古屋って意外と突然のフレンドリーに遭遇する場所かも
喫茶店の支払い時おばさんたちの伝票争奪戦は、つとに有名。
「ええて、ええて」「ほんまええて」が、やがて「あかんて」に変化する