超長文なので苦手な人はスルーしてください。
昔、とある小さな町に小さな中学校がありました。
彼は小学校の頃から野球をしており、中学も野球部に入りました。
そのAと同じ野球部に入部したBという男がいました。
Bは小学校でAと同じチームで野球をしており、キャプテンを務めていました。
Bの野球の実力は県内でも有名。
それに加え、かなりのイケメンで忽ち学校内の女子の間で噂に。
Bの他に、県内の他の地域からやって来たCとDも入部。
彼らもまたイケメンで女子の間で人気となり、学校内ではイケメントリオと呼ばれていました。
大人しくて体も小さく、女子からの人気はさっぱりでした。
Aは、BCDの噛ませ犬のような存在になってしまいました。
練習には、三人を目当てに大勢の女子が見に来るのですが、紅白戦で野手のAを無理やりマウンドに行かせ、棒球を投げさせてBにホームランを打たせたり、
Bが生徒会長に立候補すると、周囲がAを強引に立候補させ、大差でBに当選させるなど。
BCD達は学年を巻き込んでAをいじめていました。
酷いときには、学年一の美人と評判だったとある女子がAに告白。
Aが戸惑っていると、隠れていたBCDなどの男子が爆笑しながら登場。
その女子も「あんたなんか好きになるわけないでしょ?世界中の女子はあんたなんか好きにならない。女子はみんなBくんCくんDくんが好きなのよ?」と罵倒されたそうです。(聞いた話)
監督に干されてしまったようです。
「お前なんかボールもバットも触らなくていい!ずっと走っとけ!」と言われたんだそう。
試合の日も球場に連れていってもらえず、グラウンドでいつも一人走っていました。
ちなみに噂ですが、Aが干されたのは、監督とBのお父さんが煎餅で、この二人がAのお父さんを勧誘したものの断られ、その腹いせじゃないかとのことです。
そうこうしてるうちに中3の夏も終わり受験の季節になります。
この町では、小学校、中学校、高校が一つずつあり、この中学校の生徒の全員が同じ町の高校に進学します。なので、高校受験なんてあってないようなもの。
しかし、Aは同じ町の高校に進学できませんでした。
いや、進学させてもらえませんでした。
この中学校の監督が結構な権力者だったようで、同じ町の高校に
「Aを進学させないように!」と圧力をかけたんだそうです。
これは、実際に監督がAに、
「お前はあの高校に行かせなくしてやった。内申書に色々書いて県内の高校にも行かせなくしてやるからな!覚えておけ!」と信じられないことを言われたそうです。
結局、Aは県外の高校に進学してしまいました。
とにかく、校長が甲子園に対する情熱がすごい。
グラウンドなどの設備は超豪華でした。
それだけならよいのですが、
例えば、
・野球部の練習の邪魔になるという理由でそこそこ強かったサッカー部と陸上部を廃部。
・全校集会で「わが校は野球部の為にある」などと発言。
・夏の野球応援に参加しない生徒はどんなに偏差値が高くても単位を認めない。
などなど。
ありとあらゆる事が異常極まるほどで、よく生徒が野球部に対して不満の声が上がっていました。
しかし、教師や保護者といった大人達は、何が怖いのか誰もなにも言わず、改善されることはありませんでした。
そんな野球部ですが校長の情熱(笑)が実を結んでるのか、常に県大会の上位につけ、いつも甲子園を狙える位置にいました。
そんな時にBCD達の進学です。
中学はこの三人が主力となって全国大会に出場。
他の高校からも誘いが来たようですがそれを全て断ってこの高校に進学しました。
これには校長も大喜び。
県内でトップクラスの選手が三人も入ってきたんですから。
田舎の小さな学校が甲子園です。
町中が大騒ぎになりました。
しかし、地獄はこれからでした。
野球部以外の生徒は毎日応援練習。
朝から体育館に集められ、体育館が蒸し風呂状態の中、声を張り上げて練習の日々。
せっかくコンクールが決まり、努力してきた吹奏楽部は野球部の応援の為に辞退させられました。
一、二年生はまだいいとして私達三年は受験が控えています。
生徒の一人が「受験勉強したいから休みたい!」と校長に詰め寄ったそうですが、校長は「野球部が甲子園に出たんだぞ!今でも野球部は練習をしている!それを応援しないとはお前はそれでも人間か!」と言われ全く話にならなかったそうです。
本気で練習してたのはBCD達のファンクラブに入ってる10名程度の女子だけで、他の生徒は嫌々でした。
野球部の壮行式では駅で全校生徒が万歳三唱させられました。
しかし、どんなことされても私達は野球部に文句が言えませんでした。
というより、言ってはいけないという空気になってました。
プロ選手を何人も輩出し、甲子園での優勝経験が何度もある、そんな学校です。
しかし、驚いたのはそれだけではありませんでした。
なんと、そのX高校の主将がAだったのです。
Aは、県内の高校に進学できないと知った上で
「同じ試合に出れないなら、弱小校で三年間スタンドなんかより、甲子園で優勝狙える高校で三年間スタンドの方がいいや!強い高校のユニフォームを着よう!」と悟ったA。
部員が多すぎて試合どころかロクに打撃練習すらさせてもらえるか分からない、皆が知ってる関東の強豪校に敢えて進学したのでした。
で、いざX高校の野球部に入部したいと申し出ると、推薦以外の一般生徒は入部テストがあると言われ、テストを受けると見事合格。
元々BCD達以上の能力があったAは練習でみるみる頭角を現して監督に認められ、二年の夏に上級生を押し退けてベンチ入りして甲子園出場。
三年になったAは主将としてX高校を引っ張ってました。
中学の頃の面影はなく、体も大きくなり、もはや別人となってました。
こちらの主将のBも始めは誰か分からず。インタビューでAの凄く珍しい名字を聞き、さらに「中学まで住んでた県の高校と対戦できるとは思わなかった」と語った時にAと気がつき、ひきつった笑顔でAと握手してました。
わが校の対戦相手に地元出身のAがいる。
この噂は忽ち学校に広まりました。
BCD達のファンクラブの女子達はAの事を「Bくん達から逃げたダサい男」と書いた壁新聞を貼り付け、校長も「地元を捨てた裏切り者」と言い、中学の頃の監督も「あいつがX高校のキャプテン?X高も弱くなったな」と言ったりしてました。
当然ながら全校生徒が甲子園へ向けて前日の深夜からバスに揺られて行きました。
ちなみに直前まで応援練習でした。
甲子園に着くと、皆はその球場の凄さに圧倒され、テンションが上がり、「俺たちは勝てるぞ!」「Aなんか倒してしまえ!」と言ってる人もいました。
スタメンが発表され、相手のX高校にAの名前がコールされると、ファンクラブの女子達がブーイングしてました。
試合開始。
早速牙を剥くX高校。
Aもヒットを何本も放ち、どんどん点を取られ、BCD達野球部は三振の山。終わってみれば記録的な大敗で一点も取れませんでした。
試合終盤、Aがマウンドに立ち、Bを3球三振に。
試合が終わると、生徒達は野球部に向かって労いの言葉をかけることはありませんでした。
「バカヤロー!」「夏休み返せ!」「ふざけんな!」と怒号が飛び交い、ファンクラブの女子達はただ泣いてました。
偶然とはいえ、結果的にAがBCD達と学校と地域に対して復讐になったのでした。
今その高校は統合されて名前が変わってしまいました。
そんな私はAの嫁です。
BCD達のその後は知りません。
Aは高校を卒業したあとに東京の大学へ。
しかし怪我でなかなか試合に出れず、今は仕事をしながら少年野球の監督をしています。
今年の春の甲子園に旦那が野球を教えた子が出れそうなのでお祝いカキコ。
長文すみませんでした。
田舎の陰湿根性をいい感じにスカッと飛ばした爽やかなスッキリ話ですね
なんか教わって楽しい少年野球のコーチが想像できてスッキリしました
これはいい復讐
スカッとさせてくれてありがとう
早速まとめに載ってたり、レスが付いてたりして凄く嬉しいです。
ありがとうございます。
iD変わってるかもしれませんが>>260です。
旦那にこの書き込み見せたら何故か爆笑されました(笑)失礼な男ですよね(笑)
旦那が少し語ってくれたのですが、対戦相手が私達田舎高校に決まった時、旦那は嬉しかったんだそうです。
X高校の監督に
「知ってる奴いるのか?」
と、聞かれた旦那は
「全員自分と中学の時同じチームでした!」
と、答え、ビックリされたそうです。
そこで旦那が田舎高校のメンバー全員の弱点、ピッチャーであるCの配球等を伝えたそうです。
しかし旦那は自信がなかったそうです。
そのデータはあくまでも中学時代。
高校生になってどのくらい成長してるのか見当つかなかったそうです。
そこで私の出番。
この話をするとネタに聞こえるかもしれませんが、実は私は田舎高校の女子マネでした。
私はイケメントリオの一人であるDに付きまとわれ、甲子園が決まった時は
「甲子園でお前の為にAからホームランを打つ」等と供述。
心底キモいと思った私はAの実家に連絡を取りました。
段ボールに練習試合や公式戦のビデオテープ数本、スコアブック数冊をつめて旦那の泊まる宿舎に手紙を添えて送りました。
旦那はその映像を見たとき、「あ、こいつら何にも変わってない(笑)」と思ったそうです。
旦那は田舎高校の全ての弱点を教え、試合ではその弱点を徹底的に突いたんだそうです。チームのエースからは
「恐ろしくデータ通りだった」と言ってたとのこと。
試合前、チームメイトから
田舎高校の連中はどんな奴らだったのかを聞かれ、いじめられてたから覚えてないと言うと、そのいじめの内容を聞かれたそうです。
いじめの内容を聞いたチームメイトは
「よしA!復讐してやろーぜ!」と気合いが入り猛打爆発。
大差のついた試合終盤に本来野手の旦那がマウンドに行ったのも、監督から「恨みを晴らしてこい!」と言われたんだそうです。
三者連続三球三振なんて初めて見ました(笑)
試合翌日に旦那から「非常に助かりました」とのお礼の手紙が来た所から文通が始まり、同じ大学で出会った話はスレチなので辞めておきます。
そりゃそーですよね。
甲子園が決まって約2~3週間。毎日朝から晩まで応援練習。
吹奏楽部は目標にしてたコンクールを強制的に辞退させられ、私達受験生は勉強が遅れ、深夜から翌朝まで10時間バスに揺られて見せられた試合が二桁大量失点の完封負け。
野球に興味がなくて無理やり連れていかれた人はきっと野球が嫌いになったでしょう。
私達の地元では「旦那という凄い選手がが地元を離れて関東の強豪校に進学したのはなぜか!」
「きちんと捕まえて田舎高校に進学させておけばこんなことには!」と苦情の電話がいくつかかかってきたとの噂です。
野球部も「相手がAだから、X高校でも楽勝で勝てる。次の@高校(関西の名門)と対戦になったら本気出す」とか言ってBCD達は全く練習に参加しなかった事。
それを同じクラスのスピーカー女子に「ここだけの話だよ?」と言って話したのに何故か広まり窮地に立たされてました。
野球は団体競技ってこと、全国から選手が集まり、旦那以上の猛者がX高校に居ること、そもそもX高校が強豪校だということを知らなかったようですね。
また長くなってしまいました。
すみません。
それでは皆さん、よい一日をお過ごしください。
うそつき。
データベースで調べたけど該当なし。
それならそうと先に言ってくれないと
・関東強豪は甲子園複数回優勝
・試合から最低五年(大学四年+社会人一年+教え子が甲子園にのっかるまで)
1991年 帝京 13 – 0 坂出商(8月14日)
該当試合は以上一試合だが、坂出商は抽選シードなので、
対戦相手が帝京と判明するのは8月11日。
中二日で、学校中に噂が広まり、壁新聞が作られ、校長が罵倒し、
ホームランを誓われ、攻略情報を宿舎に送ったのか。強行軍だなー。
ちなみに、この町唯一の高校らしい坂出商業の向かいには坂出高校、
はす向かいには坂出第一高校がある。不思議だなー。
よく調べたねご苦労
ケータイ小説よりは読みやすいだろ
中身はそれ以下だけど
そして>>280 GJ
もう雲隠れするか惨めな後釣り宣言しか選択肢残ってないな
スパイもびっくりやわ
これ一歩間違えれば無関係の高校やそこのキャプテンに風評被害いくよな