ハルに「あと何分?」って聞いた。
ハルが二つ折りの携帯をパカッと開いたので、反射的にのぞき込むと、
私と同じ待ち受けになっていた。
飛行機と、飛行機雲の写メ。
一瞬ハルは体を揺らして、すぐさま携帯を閉じた。
「ハルも待ち受けにしたんやー」って声をかけた途端、
無言でサッと顔を反対側にそむけたハル。
それから微動だにしない。
あ、照れてるのか。
少し気持ちは高揚したけれど、
「私より乙女だなコイツ」って冷静に思ったりもした。
勉強の息抜きしようって、四人で雪の家に集まった。
夏と雪のお母さんがすっかり仲良くなっていて、
それは夏と雪が上手くいってることを象徴していた。
もうムネは痛まなかった。
雪の部屋でお菓子を食べながら、みんなで怖いDVD観てた時のこと。
私は本当にホラーが苦手で、序盤から一人でガタガタ震えてたんだ。
あまりの怖さに涙目になってて。
そしたらハルが、「今だけ」って耳打ちしてきて、
手をギュッて握ってきて。
パチパチ瞬きしながらも、絶対に画面から目を逸らさないハル。
また照れてるのか、って思ったけど、私も照れていた。
男の子と手を握るのなんて、中2以来で。
しかも、それがハルで。
18歳にもなるのに、手を繋いだくらいで、ドキドキしていた。
夏にずっと片思いしてたから、私の恋愛経験値はあまりにも低かったんだ。
結局、一番怖いシーンは全然怖くなかった。
手の方に神経が集中してたから。
離す瞬間、にやけたハルと目が合って、私もにやけたw
そしてハルがトイレに行って、三人でだらだらと話していたんだ。
すると、ドアが開いたと同時に、何かの破裂音がした。
何事かと思いきや、ハルがクラッカーを鳴らしていた。
そして、ハルと夏と雪が、ハッピーバースデーを歌ってくれた。
もうすぐ、私の誕生日だった。
雪にカードを手渡されて、
中を開くと三人からのメッセージが書いてあった。
どれもこれも嬉しい言葉ばかり並んでて、
でも、その中でも一つ、嫌でも目に付く文章があって。
「付き合ってください」
夏と雪の感動的なメッセージの下に、ポツンと。
顔を上げたら、雪と夏がニヤニヤしてて。
ハルは照れくさそうに笑っていた。
メッセージカードを直したw
ハルが「ちょ」とか言ってて面白かった。
そこからパーティーを再開したけど、
私は「付き合ってください」の文字を反芻していた。
その日はまともにハルの顔を見れなかった。
そして誕生日当日。
ハルがアポなしで地元にやってきた。
急にメールがきて、「少し会える?」って。
なんだかドキドキしていて、走ってハルを迎えに行った。
「どっか二人で話せる場所ない?」ってハルが言うから、
いつもの公園へ向かった。
ハルの口数は少なかった。
公園について、沈黙を避けるようにブランコへ直行した。
「ハルも来い」って言って、ちっさいブランコにでっかいハルが座った。
私もブランコに座って、大きく漕ぎ出そうとした瞬間、
「アキ」って呼ばれた。
「返事は?」って言われた。
メッセージカードの「付き合ってください」が頭に浮かんだ。
「やっぱ俺じゃ駄目?」と、小さくブランコを漕ぐハル。
私の気持ちは決まっていた。
「ごめん。無理です」
「わかった」って細い声で呟いたハル。
「うん、ごめん、今は無理」
私のその言葉に、ハルの動きが止まった。
「今はってなに」いつもの淡々とした口調で訊ねるハル。
「だって受験生ですもの」と答える私。
「じゃぁ受験終わったら?」と、みるみる笑顔になるハル。
「それまで私のこと好きでおれるん?」
「当たり前やん!!」
ッシャ!って小さく拳を揺らしたハルが愛しかった。
ハルと過ごす毎日が続いて、ハルがいないと駄目になってしまった。
可愛いな、愛しいな、そう思ってドキドキできるのは、
ハルに恋をしたからだと気付いた。
「チューしていい?」って、縦に大きい18歳男子がモジモジしながら言った。
「え、初めてなんやけど!!」って言ったら、
「まぁじぃでぇぇぇ?」って、
見たこともないフニャフニャの笑顔でハルは喜んだ。
そして、公園の隅の方に行って、初めてのチューをした。
目をつぶるタイミングが難しかった。
夏と雪には「ハルとは3月頃に上手くいく予定です」と告げた。
「あ、もうハルに聞いた!」って夏がニヤニヤして言うから、
スパーン、と頭はたいといた。
それから受験のことはもう思い出したくない。
血反吐を吐くような日々。
ということで、あっという間に二月へワープ!
お互いの受験も終わって、残るは卒業式となりました。
当日まで、私たちの仲に進展はなかった。
チューも私の誕生日からお預け。
ちょっと遠くにハルが見えて、ちらちら振り向いてた。
途中でハルが私に気付いて、慌てて目をゴシゴシしていた。
泣いていた、のか?w
遠かったから解らなかったw
夏を追いかけてこの高校へ入学。
寝ても醒めても、夏のことばかり考えていた。
二年生になって出逢った、大切な親友、雪。
一緒に沢山泣いて、雪は夏の彼女になった。
そしてヌボーっとした印象しかなかったハル。
開き直ったハルに、年がら年中「アキ、アキ」と呼ばれ続けた日々。
こんな密な時間を過ごせて、幸せ者だ、と思った。
チラッと夏を見たら、凛々しく校歌を歌ってた。
うん、そんな夏が好きだった。
やっと過去形になれた。
雪は席の関係で見れなかったけど、退場の時、赤い目で手を振ってきた。
卒業生でにぎわう渡り廊下。
ハルは私にボタンを差し出した。
「これ受け取った時点で彼女になります」
ハルが淡々とそう言った。
私は何度かフェイントをかけながら、ハルの第二ボタンを受け取った。
ハルが「ありがとう」と笑った。
お礼を言うのは、私の方なのに。
少しだけ周りにギャラリーが出来ていて、
夏が「よっ熱いねっ」って茶々入れてきた。
ハルと顔を見合わせて笑った。
ハルは、今も私の彼氏です。
こんな青春が羨まし過ぎて、太陽を浴びた吸血鬼みたいに溶けそう
おつ、おめでとう
スレ立てって大変なんだね(´・ω・`)
ほぼ私がピーチクパーチク語ってただけでごめん(´・ω・`)
よく解らんとこあったりしたらごめん(´・ω・`)
これからも四人でいたいと思ってます。
夏と雪にはヒヤヒヤするけどw
自己満足に付き合ってくれてありがとうございました(`・ω・´)
ほんと羨ましいくらいの青春だな
これからも四人で仲良くな~
>>233ちょうど雪と高校の話しして、
ややこしかったねーって盛り上がったから(`・ω・´)
文章にしたらどうなるかなーと思った、てのもある。
面白かった!今も幸せそうでなにより
自分も高校の時片思いしてたの思い出した
なるほどー
てか、乙!
おもしろかったよ
夏と雪にヒヤヒヤするというのは?
乙でした
四人はおんなじ大学?
ちなみに、なんで夏と雪は別れたりくっついたりしてるの?
両思いのラブラブカッポゥみたいなのに
でもビップラって全レスしちゃいけないんだよね?
疑問系のだけ返すね(´・ω・`)
レスくれた人ありがとう^^*
>>235何回か別れては戻ってを繰り返してるから><
>>240夏とハルが同じ大学だよ
>>242んーまぁマンネリからくるものじゃないかなぁ
あと雪がモテるww
夏に告白させられる(?)とこで泣けたわ…
ハルよかったのう!
目から汗が止まらなかった…