私たち夫婦は子供ができず子供はいませんが、私の妹夫婦の子供たちが月一くらいのペースで泊まりにきます。
上の甥っ子はしっかり者だけど、実は怖がり屋の小学三年生。以下一郎。
下の甥っ子はマイペースで恥ずかしがり屋の小学一年生。以下次郎丸。
先月の話ですが、二人が泊まりにくることになって、いつものように駅三つ離れたところへ迎えに行って三人で電車に乗って並んで座っていました。
次郎丸のリュックに黒い体をして赤いほっぺたがついているクマの形をしたゆるキャラのストラップがついていました。
私「かわいいね、これどうしたの？」
次郎丸「旅行に行った友達のお土産だよ」
たわいのない会話をしていると、私たちの正面に座っていた幼稚園と思われる制服を着た女の子がこっちを指さしている。以下マス子。
隣にいる母親だか祖母だかわからないような女はある事件の女に似たようなかんじ。以下マスミ。
分けます。
マスミ「お兄ちゃんにフジコって言えばもらえるんじゃない？ﾌﾌﾌ」
マス子が次郎丸の前にやってきて手を出しながら「お兄ちゃん、それちょうだい！」
次郎丸は目が点になっていてオロオロしながら「ヤ、ヤダよ」
ニヤニヤしながら様子を見ている一郎。
私「これはお友達からもらったものだからあげられないの。ごめんね」
すると、座っていたマスミが立ち上がりこっちにやってきた。
マスミ「小さな子供が欲しがっているのよ！？そんないくらもしないものくれたっていいじゃない！」
マス子は次郎丸のリュックについているクマに手をかけようとしていた。
ニヤニヤしていた一郎も顔が真っ青になり顔がひきつっていて、次郎丸も泣き出しそうな顔になっていた。
二人とも私にしがみついている。
車内は波を打ったように静かになっていて、みんな関わりたくないのか下を向いていました。
私「やめてください。子供が脅えているじゃないですか」
内心こっちもチビりそう。
一つ手前だけど次の駅で降りようと思ったら、マスミが「ケチババアに粗チン野郎！見せびらかしてんじゃないわよ！」と怒鳴り出した。
マスミはマス子に「この人たちケチだから諦めなさい」
マス子「えーっ！なんでー！？」
マスミ「自慢したがりのバカたちだからしょうがないんだよ！」
そう言い残して二人は到着した駅で降りていった。
途端にざわつく車内。みんなこっちを見ている。
マスミたちの隣に座っていたカップルは「なにあれこわい」とか話していた。
自分のふがいなさにショックというか、なにもできなかったことが申し訳なかったなと思い、一郎と次郎丸に謝ると、突然次郎丸が「ねえ？ソチンってなに？」と聞いてきた。
カップルが吹き出した。
「わ、わからない、なんだろうね？日本語じゃないんじゃない？」とごまかしました。
反論したら、逆上して暴力を振るわれて甥っ子たちが怪我をする危険もあったし、羽交い締めにして駅員に突き出してやるとかそんなことは思いつきもしなかったし、対処法がわかりませんでした。
実際、取られたわけじゃないし。
特にオチのない話で失礼しました。
相手にしないで正解
オチとかいらないよ。
被害なくて何より
ありがとうございます
一郎と次郎丸に怖い思いをさせてしまったことに本当に申し訳なくて
見ず知らずの他人にあんな因縁をつけられたのは生まれて初めてだったので、私も相当マヌケな顔をしていたと思います
マス子の行く末が心配ですね
