思い出してちょっと辛くなってきたwww
1日中ベッドから出られなかった。
夜、長井に電話を掛けたが着信拒否にされていた。
メールも同じだった。
今日から学校が始まる。
休もうとベッドにこもったのに母に叩き起こされた。
学校に行くと、長井がすでに来ていた。
朝のホームルームが始まる前、長井が俺の机の上に小さな袋を置いた。
中を見るとゼルダのソフトが入っていた。
俺が確認すると長井は何も言わず自分の机に戻っていった。
俺は謝ろうと立ち上がり、長井の背に向けて声を出そうとした。
でも、出なかった。
まさにこの時の
俺の心の弱さを象徴する出来事だな。
こっちまで辛くなってきたwww
約束していた野郎共でまた街に集まってカラオケに行った。
楽しい雰囲気を壊さないために常に明るくふるまった。
今だけでも長井のことを忘れようと夢中になって歌った。
しかし無理だった。
辛くてまともに歌えない。
音痴の俺がさらに音痴になる。
唯一70点を超えるくるりの『ばらの花』でさえ60点そこらだった。
今日は本屋へ行く必要はない。
俺は真っ直ぐにバス停へ向かった。
途中雪が降ってきた。
まさにあの日みたいだったけど、あの時とは気持ちが真逆だ。
あんなにきれいに見えた雪が今はうっとおしく思える。
まわりではたくさんのカップルが空を見上げていた。
普通にカップル以外の人もいるはずなのに、
なぜか俺の目にはカップルしか入らなかった。
それらを見ないために下を向いてバス停まで急ぐ。
気持ちを切り替えようと耳にイヤホンを差し、適当にiPodで音楽を再生した。
しかしiPodまで俺を追い込みたいのか、
流れてきたのはクラトゥの『December Dream』という今の俺にピッタリの悲しい曲だった。
この胸の苦しさは一生続くのか?
それならいっそ死んだ方がましだ・・・。
生まれて初めて死にたいと思った。
学校でも極力明るくふるまった。
みんなに変な心配させたくなかったし、何より長井に俺の弱いところを見せたくなかった。
プライドってやつだと思う。
放課後、ハマーにラーメン屋へ行こうと誘われた。
あまりにもしつこく誘うのでしぶしぶついていった。
なおちゃんとも行ったラーメン屋。
俺たちの行きつけだ。
昼時だけどこの日は珍しく空いていた。
そこで俺たちはいつものカウンター席ではなくテーブル席に座った。
それでも一杯目をなんとか食べきった。
ハマー「すいません、替え玉ふたつ」
店員「はい!」
俺「ちょっと待って!俺のはいいです。こいつのだけお願いします」
店員「はい!替え玉いっちょう!」
ハマー「いいのか?お前いつも替え玉してんじゃん」
俺「腹いっぱい」
長井とけんかしてからずっと食欲がない。
というよりすべての欲が失われた感じだった。
ハマー「ならいいや。で、お前長井とは距離を置けたのか?」
分かっていた。ハマーが俺をラーメン屋へ誘った理由。
これが訊きたかっただけだろう。
予想と違ってすまんww
でもこれが現実なんだ
でもすごく今1と長井が結ばれればよかったのにとまじめに思ってるw
ハマー「マジか・・・。その、ごめん安藤」
俺「え?」
ハマー「俺が関わらない方がいいって言ったから・・・。まさかお前がここまで長井のことを思っているなんて・・・」
ハマーはすごく申し訳なさそうにしていた。
俺「何言ってんだよwwハマーはまったく悪くないよww全部俺がしたことなんだから・・・」
ハマー「そうは言ってもな・・・。とりあえず今日のラーメン代はおごる」
俺「さんきゅ」
私はいい仲間を持った
俺「いや、謝れなかった。最初チャンスがあったんだけどな、それを逃してからさらに声をかけづらくなって・・・もう無理だなww」
ハマー「無理じゃないぞ。一つだけ方法がある」
俺「なんだよ」
ハマー「手紙だ」
俺は長井から手紙をもらった時のことを思い出した。
すべてはそこから始まったんだ。
ハマー「それしかないんじゃないか?お前にできることは」
俺「・・・そうだな」
俺は手紙を書くことにした。
『俺に勇気がなかったから手紙にした。
文章がおかしいかもしれないけど読んでくれたらうれしい。
長井は自傷行為とかをすることを自分の欠点だと思ってなかったんだよね。
それなのに俺は自分の価値観を押し付けて、ましてやそれを悪いことって決めつけて止めようとしてた。
すごく迷惑だったと思う。ほんとうにごめんなさい。
もうその時の感情だけで何かをしようとしない。
だからもう一度俺と友達になってくれ。
電話待ってる。 安藤』
ほんとはもっと長いけど、だいたいこんな感じのことを書いた覚えがある。
学校の休み時間、俺は長井のもとへ手紙を渡しに行った。
読んでくれるだろうか。そもそも受け取ってくれるだろうか。
たぶんこの時が長井と出会って最も緊張した場面だと思う。
俺「長井、これ」
四つ折りにされた手紙を差し出すと、長井は無言で受け取った。
俺「・・・じゃ」
そのまま教室にいるのは嫌だったからトイレへ行った。
ハマー「よう、渡せたな」
ハマーは嬉しそうだった。
俺「見てたのかよ」
ハマー「もちろん。ってなんだよ安藤。もっと喜べよー。これで長井と仲直りできるかもしれないんだぜー」
無駄だ。
実はハマーから手紙を書くことを提案された時から思っていた。
いや、もっと前から。最後に長井に電話を切られた時から思っていた。
もう長井とは仲良くなれない。
長井が出会ったころ言っていた男友達がいい例だ。
俺「・・・かもね」
俺は教室へ戻った。
長井に手紙を渡してもうすぐ2週間がたつ。
予想通り、長井から電話はかかってこない。
俺は何を迷ったか、少しでも今の環境や自分から抜け出したくて、
17年間連れ添った黒髪を茶色に染めた。
結局、何も変わらなかった。
高2と言えば、そう、修学旅行だ。
お決まりのコースをクラスや男グループでまわった。
某テーマパークにも行き、友達もみんな楽しそうにしていた。
俺も「最高!」なんて言って無理やりにでも楽しもうとした。
しかし心の中ではそんなこと思ってないからちっとも楽しくなかった。
常に頭の中は長井のことでいっぱいで、無意識に長井を探してしまう。
ただただ疲れた3日間だった。
続きは今夜書くよ
ちょっとショックww
ちょっとおそくなっちった
気が付かなかった
続き気になる
風呂落ちw
たぶんみんなが思ってるような展開じゃないよ
なおちゃんとカラオケに行った。
なおちゃんと遊ぶ時は基本カラオケか、なおちゃんの家だった。
もう俺の部屋は汚くなっていたからな。
何曲か歌った後なおちゃんに言われた。
なおちゃん「ねえ安藤さん、楽しくないの?」
俺「えっ!?いや、楽しいよ」
なおちゃん「安藤さんたまにすごく悲しい顔してるよ」
俺「マジで?・・・ごめん」
長井のことを考えている時だろう。
俺「はあ?なんでそうなるんだよ」
なおちゃん「私ずっと思ってたんだよ!私がいくら楽しそうに話していても安藤さんまったく楽しそうじゃないもん!」
俺「そんなことないって」
なおちゃん「私のこと好きじゃないの!?」
その言葉に俺は異常に反応してしまった。
俺「好き?俺が一度でもなおちゃんに好きって言ったことあるか?」
なおちゃん「ないよ!でもわかるの!」
俺「意味わかんねえ、さっきと言ってることが逆じゃねえか!だいたい俺はなおちゃんのこと好きじゃねえよ!」
なおちゃん「・・・ひどい!なに!?私今まで安藤さんにいろいろやってあげたじゃん!」
俺「やってあげたってなんだよ!誘ってきたのは全部なおちゃんの方からだろ!!
だいたい俺は一回もなおちゃんを恋人だなんて思ったことねえよ!!」
なおちゃん「・・・最低。帰る」
そう言うとなおちゃんは荷物を持って部屋を出て行った。
思ってもないことを言いすぎてしまった。
だけど俺にはもう反省する気力もなかった。
終業式
高2最後の日。
終業式が終わった後、教室でクラス最後のホームルームがあった。
担任「今日は最後だからな、一人ずつみんなに一言だけ言っていこうか」
来ると思った。
みんなは慌てて何を言うか考えていた。
担任「じゃあ、まず安藤から」
一番前の端っこの席だから俺からなのは当然だろう。
俺「えーと・・・」
担任「立って言おうか」
俺「はい」
俺はだるそうに立ち上がった。
俺「えーと、この一年間、楽しかったこともあれば楽しくなかったこともありました。結果的に見れば楽しかったです。ありがとうございました」
適当に流した。