ある日後輩が真っ青になって私のところに飛んできた。
なんでも、取引先である女性の娘さんが来社した時「母が亡くなりました。これから葬式です」と言ったらしい。
母が亡くなりました=お得意様が亡くなった。
私も応接間に飛んで行き、娘さんにお葬式の場所など聞いてすぐ上の人たちに連絡。
ところが社長が行く前にお得意様の自宅に連絡したところ、亡くなられた筈のお得意様ご本人がお出になられる。
社長パニック、「死んだんじゃないんですか」とは聞けないのでなんとか探りを入れたところ、「あらー!亡くなったのはうちの姉よ!?」。
で、話を整理すると、アンジャッシュのコントみたいなことが起きていた。
この時少し娘さんが噛んでしまって「お母さん」に聞こえたらしい。
後輩「まあ!お母様が!?」
娘さん「はい」
後輩「お母様のお葬式が、これから!?どちらであるのでしょうか、すぐ上の者に伝えます…」
私登場。
私「お母様が…本当にいつもいつもお世話になっておりましたのに…なんと申し上げたら….なんとか最後、ご挨拶をさせて頂きたく…」
娘さん「…(あ、お母さんと間違えてるわ。まあいっか、話合わせとこ)母の葬式は、ここで行う予定で…」
という流れ。
後で娘さんから「母と間違えてると気づいたんですが、急いでるしまあいっかと思ってそのまま話を続けてしまって…まさかお葬式に来ようとすると思ってなかったんです」と電話があった。
もう後輩真っ青。
「申し訳ございません、お得意様に頭を下げて謝ってきます。とんでもないご無礼をしてしまいました。」とパニクって出かけようとするのを「私も間違えたから!」止めたり、お花の発注をキャンセルしたりとまた大騒ぎになった。
後日お得意様が元気な姿で来社し、お詫びの品までくれて、土下座せんばかりに謝り倒す後輩にも「そんな落ち込まないで!娘には親戚一同しっかりお説教しておきましたわ!本当にすみません」と声をかけてくれた。
真面目で、ミスしてるところを見たことも無いようなできた後輩だったから、よりにもよって人の生死のことでミスしてしまったなんて大変な修羅場だっただろうなと思う。処分も致し方なしと落ち込む後輩を社長や私で励ましていた時も(できる後輩が辞めてしまうのでは)と修羅場だった。
というか、間違いに気づいたなら訂正してあげて欲しかったよ…