私(32)
元嫁(34)
先輩A(34か33、誕生日知らない。まあ、年度末だから34。あれ浪人してたら35かもしれない)
元嫁間(50いくつか)
学生時代のサークルの先輩後輩。2つ上。
姉さんタイプだが、少々天然のところあり。
ボケと突っ込みのコンビで姉弟のようだと評判だった。
じつは、その1週間前のサークル追いコンで告ろうと決意していた。
いつまでも弟じゃいやだ。でも、女の子とつきあったことなかったし、告白の仕方もわからなかった。
先輩Aが気づいて、「酒の力借りる」って言ってくれたので、コップ酒をあおる。
もともと強いほうじゃないし、緊張して前の晩は寝れなかったから、撃沈。
で、卒業式当日。元嫁、きりりとハイカラさんしてた。イカしてた。サークルでの姉御肌は消えていて、これからの社会人の不安をかかえた顔をしていた。
元嫁は俺が守る、DTちゃんが変に決意した。
元嫁の前にたった。
でも、言葉がいえなかった、1週間ずっと練習していた言葉が。喉と唇がかさかさだ。
ででてきたのが、
「僕のお嫁さんになってください」。
支援はしてやる
私、へなへなと座り込む。「えへへへへへ」言葉にならない。
先輩Aが駆け寄ってきて(玉砕と思ったそうだ)「元嫁。こいつ真剣に告白してんのに、断り方があるだろうが」
元嫁「何いってんのよ。お付き合いOKしたんだけど」。
元嫁は就職した。家からでてマンションを借りた。こっちは学生だ。すぐ同棲が始まった。料理の腕前があがった。
まだ、元嫁も仕事が見習いなので、土日はヒマだった。いろんなところにデートした。お金は彼女もちだった。
職場では、つらい先輩もいるようだ、女に何ができる、という雰囲気もある。
彼女は泣いていた。私は髪をなでてあげることしかできなかった。
そして、2年後。自分の卒業式。たしか金曜日だった。
元嫁「卒業のお祝いは仕事で行けないけど、次の日の土曜日、いくところあるので、2次会、3次会とかいっちゃだめよ。どうせお酒も弱いから行かないか」
朝、元嫁に起こされて(寝てたのは自分のアパート。元嫁が迎えに来てた)、就活スーツ着せられて、電車にのった。
私「(二日酔いで気分が悪い。今どこだ。そういや、元嫁の出身は○○県って言ってたな。げっ、そっち向かっているじゃん)
僕どうすればいい。お父さんになぐられればいいんだね?」
ピンポーン。のちの義母登場。
元嫁「あたしの婚約者、私くん。あ母さんに紹介する」。
私あげてもらう。
私「(私をなぐるべき父親いない。ひょっとして「息子」と会うの逃げたか)
あのう、お父さんは?」
元嫁、小学校低学年で父とタヒ別していたことがわかる。
同棲中とか、お互いの家族の話とかあんまりしてなかった。
それで卒業後の3年目の秋、めでたくゴールイン。私幸せ。
>>809さん
そうですよね。いちいちダイレクトに書いてたら、みなさん待ちくたびれますよね。また、明日出没します。
黙れ、ボケ!
アップする際に、固有名詞変えたり、気持ちのところけっこう削除したりして手間取ったのは事実。
隣の部屋にいる元嫁に気づかれないというのが肝心。
では、始めます。結婚式までは書きました。
結婚3年目の春。彼女30の大台こえた。
私「そろそろ子どもほしいよね」
元嫁「ごめん、まだ働きたい。やっと周りから一人前扱いされてきた。ここで休んだら、また女のくせにって言われちゃう」
私「ごめん、子どもはまだ先でいいや。でも、元嫁が高齢出産になると、そのほうが身体が心配」
しばらく日がたって
元嫁「やっぱり子どもつくろか。保育園だってあるし、お母さん手伝ってくれるって」
私「僕だって育児は手伝うよ。同棲してた時料理の腕あがったでしょ。僕にその方面の才能があるかも」
で、しばらくして、
元嫁「できちゃったみたい。どうしよ」
私「どうしょじゃないでしょ。やっぱり子どもいらなかった?」
元嫁「ごめんね。やっぱり仕事続けたい。ううん。この子がいらないわけじゃないのよ。赤ちゃん楽しみ。でも、仕事失いたくない。毎日悩んでばっかり」
そりゃそうだ。自分もそうだったけど、入社7、8年というのは、それなりの仕事とか部下とか任せられて一番しゃかりきになる時期だもんね。
元嫁「取引先の課長(このときはまだ間じゃなかったようだ)が私の仕事気にいってくれて、たくさん仕事くれるのよ。この前なんか、”課長、私にばっかり仕事いただくんでしたら、今度から指名料頂きます”って言っちゃた。でもひどいのよ。枕って噂する馬鹿がいて」。
私「ふーん。自分では仕事とってこれない馬鹿のいいそうなことだよね」。
私は生半可で答えた。頭のなかでは、生まれて来る子どもの名前とか、家族が一人増えるんだから新しいマンション探さなきゃとか、いっそ家買っちゃうかなんてことばっかり考えてた。
すれ違いが始まる。
妊娠初期にそんなことして身体にいいわけはない。赤ちゃんの心音が止んでいた。
元嫁「ごめん、赤ちゃんタヒんじゃってた」
私「あんなに働いてちゃ、そりゃそうだろ」
自分も、与えられた仕事から責任ある仕事がだんだん多くなってきたので、やさしい言葉の一つもかけてやれなかった。
元嫁、ますます仕事にのめりこむ。私は、赤ちゃんのこと忘れるためだと思っていたので、仕事をセーブしろとも、赤ちゃんは今度でいいとも言わなくなった。
自分も仕事が忙しくなってくる。出張も多くなった。でも、元嫁のほうが大変みたいなので、炊事当番(といっても朝だけ。昼と夜はそれぞれ外食とか私だけは自分の分を自炊)を私がひきうけた。朝もぎりぎりまで寝かせてあげた。
それがやさしさだと思っていた。でも、会話らしい会話がもうなくなっていた。
どんどんすれ違いが大きくなる。
元嫁はけっこうお酒が強いし好きなんだが、自分は弱いので、お酒で気分転換という発想もなかった。
同棲中や結婚初期のような、お出かけデートもなくなった。
いつしか、レスになった。レスといっても、2月に1度くらいはしていたし、キスとはハグは毎日だった。
でも、元嫁はあまりその気にはならないようだった。私は、そんなに赤ちゃんのことが気になるのかな、という具合にしか考えていなかった。
元嫁と課長間がホテル街にいるのを先輩Aが発見した(もちろん、この時点では、先輩Aは相手が元嫁の会社の取引先の課長であることを知らない)。
ちなみに先輩Aは車で2時間くらいかかる地域の工場勤務。寮に住んでいる。たまにこっちに出張がある。
偶然をよそおい前回りして、出会う。「えっ」て顔。
元嫁「あなた(先輩A)もいい年こいてフー俗なんてしているのでおあいこでしょ。旦那(私)には言わないでね」
先輩A「お相手だっていい年の人だろ。不倫だろ、だったらヤメロ。一回だけは見逃してやる。自分で考えろ」と忠告したそうだ。このことは後で知った。
ある日、泊まりこみを覚悟していた仕事が早目におわったので、元嫁の職場ビルへ向かう。たまには一緒に外食しようと思った。
私「まだ仕事? どう、切り上げてたまにはイタリアンとか食べにいかない」(どこにいるとは言わなかったはず)
元嫁「ごめん。まだ終わんない。先に帰ってていいよ」
私、帰ろうとする。と元嫁のオフィスの電気が消えた。
そのとき、通用口の少し先に止まる車。通用口をでて、小走りに走り、私のほうではなく、車に乗り込む元嫁。
私「えっ、なんで」。電気が消えたのは、窓から私の姿を認めたからではなかったんだ。
先輩「実は」とホテル街のできごとも報告してくれた。
先輩「まあ、俺もそうだけど、ホテル街歩いてたって、みんながみんなホテルとかフー俗とかじゃないし。で、どうする」
私「話し合います。もし、浮気していても、そんなおじさんのどこがいいんだ。やり直せると思います」。
そのときになってはじめて、嘘をついている、私を避けている、浮気が進行中だ、と確信した。納期前に7時にオフィスの電気が消えるわけはない。
話し合いなど、どうでもよくなった。そのうち、不倫には疲れるだろう。私に戻ってきてくれるだろうと思っていた。
私は、月曜から木曜までの出張がはいった週のことだった。お詫び行脚みたいな出張。もっとも私が土下座することはない。土下座は役員とか上司の仕事。私はスケジュールとか宴席の手配、話題のネタ集め(先方の趣味とか)、お土産の用意。
先輩「おお、元気か」浮気の後始末はどうしたとかは聞いてこない。忘れたか。
私「僕、来週、出張なんですよ。そうだ、たまには、先輩と元嫁でサークル同窓会しませんか」
先輩「いいよ、木曜がいいかなあ」
私「いいですよ。木曜は出張帰りですし。元嫁は大きな仕事を抱えていて、その納期が火曜日だと言ってたましたから。納品の日はいつものように打ち上げがあるみたいですが、その週の後半はいくらなんでも残業とかしないでしょ。」
なぜか、ぴんときた先輩A。有給とって探偵ごっごをはじめた(これも後で聞いた)
受付?「元嫁は。明日と明後日は、お休みをいただくことになっております」
先輩は、お泊まりだと直感。夜、両社の打ち上げから尾行。
3次会にいきたそうなメンバーと別れ、課長が帰る。そっちは駅じゃないよ、てなところで、課長の隣に現れる元嫁。
でホテルへはいる。先輩、写真パチリ。その日はホテルには泊まらないだろうと踏んだ先輩は、私の自宅に先回り。
元嫁、でてくる(先輩「普通、不倫って、スーパーの駐車場とかが待ち合わせじゃないの? わけわかんね」)。高速のる。途中まで車で尾行したけど、怪しまれそうなんでやめた。先輩、元嫁に電話。
先輩「ひさしぶりに、こっちに来た。夜とか時間取れない?」(と元嫁の職場の近くにいるふり)
元嫁「私くんは出張でいないし、二人はいやだよ。実はプロジェクトおわったので旅行している。そうそう、あなたの工場この辺だったよね。行き違いじゃん。○○山きれい。」
先輩ぴんとくる。この近くで○○山が見えるホテル、女の子が女の子らしい気分になるホテルってあそこしかない。
先輩と彼女、探偵ごっこに酔って、ブログの写真とるふりして、食事中の元嫁と課長をパチリ。
夜、先輩は駐車場に追い出され、窓を狙う。カーテン越しにハダカの女性。後ろから男。かろうじてパチリ(私も見たが、角度悪いし逆光だし、全然元嫁にはみえない)。
元嫁からメールあり。「仕事でトラぶって、私くんの出張帰りだけれど、おかえりなさいませができないよ。ごめんね。」
女の子から報告あり。ホテルチェックアウトしてそのままモーテルへ。車の中でのキス盗撮成功。ハッピータイム終了の夕方ぎりぎりにご出立。でも、高速、事故で渋滞しているみたいよ。
先輩「今日も仕事? 私くんも出張終わって帰ってきたというし。3人で会えないか」
元嫁「仕事片付けなきゃいけないから出れない」でもバックにFMの道路交通情報のラジオが流れてた。録音したのを、先輩は聞かせてくれた。先輩は放送時間を見計らって電話したみたいだ。
先輩は、証拠写真を机に並べ始めた。私、ようやく事態のみこめる。