立ったら詳細
スレタイ通り、電話で父さんが結婚をしようか考えていることを聞いた
ちょっとびっくりした
一人でなんだか心細い
父さんは今44歳で、男手一つで私を育ててくれた
私が産まれた時、母さんは私と父さんを置いて違う男の人と出ていったらしい
当時の父さんは、私を刹そうとした
だけど思い止まったらしく、私を連れて実家に帰った
だけどどこも不採用で、じいちゃんの知り合いの人が雇ってくれた
その間、私はじいちゃんとばあちゃんに面倒を見てもらっていた
バタバタして、ふと気付いたら私は一歳に成長してた
父さんは、私のことが嫌いだったそうだ
出ていった母さんの残した子供で、本当に自分の子供かわからなかったから
なんやかんやで、小学校に入学した
私はまだ父さんに嫌われていて、入学式にはじいちゃんが来てくれていた
ばあちゃんは、私が嫌いだったみたいで行事とかには参加することはなかった
私は全く気にしてなかった
じいちゃんっ子で、周りの目に気付かないまま成長した
家であんまり父さんと顔を会わすこともなく、2年生になった夏休み。
じいちゃんが交通事故でタヒんだ、とばあちゃんから聞いた
じいちゃんは結構歳で、車の運転も危うかったからか、山道のカーブで。
私と、一緒にお出かけするために道を確認しに出掛けた先で、じいちゃんは帰ってこなくなった
お腹が空いてたから、冷蔵庫を開けたら切ってあるスイカがあった
スイカ食べや、とメモが貼ってあって取り出していくつか食べていたら車の音がした
父さん達が帰ってきたんだと分かって、玄関に行って鍵を開けた
「じいちゃん!」
そう言って開けた先には、怖い顔をした父さんがいた
そう聞いた私を睨み付けて、父さんは言った
「じいちゃんはタヒんだよ」
家の中に入った父さんは、ばあちゃんの旅行鞄に荷物をつめてすぐにまた車に乗った
「戸締まりしてシャワー浴びて寝てろ」
車が出るのを確認して、戸締まりをしてから泣いた
じいちゃんタヒんじゃったの?
じいちゃん帰ってこないの?
暗い家ん中一人で寝るのが怖くて、じいちゃんの部屋に行って泣きながらじいちゃんと私用の布団を出して寝た
朝起きても、じいちゃんも父さんもばあちゃんもいなかった
自分で冷凍ご飯をチンして、じいちゃんと作った梅干しを食べた
連絡手段なんかなかったし、ひたすら父さん達が帰ってくるのを待ってた
父さん達が帰ってきて、あっという間にじいちゃんの葬式があって
父さん達と全然会話しないまま、じいちゃんは骨になった
その間、なんでか私はずっと泣かなかった
んで、じいちゃんがいなくなってから学校が始まった
先生達が妙に優しくて、ちょっと怖かった
その時期に撮った写真は全部、どこの化け物だよってくらい怖い顔をして写っていた
ばあちゃんは話しかけても話さないし、父さんは相変わらず顔を会わさないままだった
私は自分で握って作っておいた梅干しのおにぎり2つを一人で食べた
家族がたくさんきてるとこに居づらくて、私は駐輪場に座って食べてた
その時、久しぶりに泣いた
「じいちゃん、じいちゃん」って声出して泣いてたら先生に見つかって保健室につれてかれた
その日、私は早退することになって午後の運動会に参加しなかった
そしたら、父さんが部屋に入ってきた
父さんは、大きな声でこう怒鳴った
「じいちゃんはもうおらん!
学校の行事さぼるな!」
先生から電話がきたらしい
その時に、私の中で先生は”敵”だと認識された
泣きながら謝って、自分の部屋の布団に入って寝た
なんだかどうしようもなく体がしんどくて、朝起きても体が重かった
それでも学校に行ったんだけど、熱があってすぐに家に返された
先生に「大丈夫やからお父さんに言わんでね?」と言った
「お前また早退したな!」
先生裏切ったな!とわかった
けど熱があったから、父さんはすぐに部屋を出てった
この時、心底じいちゃんに会いたくなった
熱があったからか、思考がおかしかったのか
食べちゃ駄目、と言われていたホウ酸団子を食べた
ホウ酸団子って名前でしょ?
団子は美味しいから…
起きたら病院だった
父さんが泣きながら私の名前を呼んでいた
台所にぶっ倒れていた私をすぐに見つけたらしく、救急車で運ばれてた
泣いてる父さんを見て、ぶっさいくな顔…って言ったら怒られた
久しぶりに、「おい」とか「お前」とかじゃなくて名前を呼ばれた
んで、なんやかんやで家に帰ったら父さんはまた冷たくなった
父さんもばあちゃんも冷たいまま、私は小学5年生になった
校舎裏で自分で作った具が卵焼きのおにぎり2つと、余った卵焼きを食べた
冬になりかけの時期に、生理がきた
生理がきたことに動じなかった私は保健の先生に
いろいろ教えて貰って生理用品をドラッグストアで買い込んだ
恥ずかしいとかは思わなくて、堂々と生理用品をトイレにおいていた
父さんもばあちゃんも何も言わなかった
そして6年生になって、卒業式。
女子が泣いてることがわからなかったし、することもないからさっさと家に帰った
仏壇に手をあわせてじいちゃんに報告した
「じいちゃん、次は中学生になります
制服、じいちゃんに見せたかったです」
父さんは帰ってこなくて、ばあちゃんとご飯を食べてた
うっかりお茶を溢しちゃって、拭こうとしたらばあちゃんがいきなりキレた
何がなんだかわからなかったけど、取り敢えず謝った
そしたら、机の上にあったものを片っ端からぶつけられた
ご飯まみれになった私はばあちゃんを宥めて、すぐにお風呂に行った
鏡を見たらご飯まみれになった自分がいて、笑った
中学時代は飛ばした方がいいかな
制服の採寸も親子がいっぱいいる中で一人で行ったら、ジロジロ見られているような気がした
中学の入学式も終わって教室で自分の席に座っていたら
後ろに座っていた他の小学校からきたの女の子話しかけられた
中々にフレンドリーな子で、すぐに仲良くなった
怒ったら物を投げる人だったから、後片付けが大変だった
父さんは、たまに難しい顔をするだけだった
部活はその子…Aに誘われて美術部に入った
中学生になってから半年。
なんだかよく分からないままいじめが始まった。
私が何か気にくわないことを仕出かしたのか、たまたまいじめの標的になったのかは分からないけど
いじめの主犯はAだった
靴が隠されてる時もあれば、びっしり虫や画ビョウが入ってる時もあった
別に気にしなかった
虫は出せばいいし、画ビョウも同じ
隠されたら探せばいいし、陰口を言われても気にならない
部活はそのまま続けて、いじめられたまま三年生になった
私は自分の学力でついていける学校を選んだ
三者面談に父さんは来なくて、二者面談をして決めた
三年生の体育祭が近付いていた時のことだった
ふざけていた男子に押されて、ずっこけた
ずっこけた先には、ブロックが積んであった
左目の上にブロックがぶつかったらしく、ぱっくりと割れていたらしい
パニックになる先生に、救急車をよんでくれと頼んだ
眉毛の真下に、三針縫う怪我をした
先生いわく、割れた所から白い何かが見えていたらしい
これが本当の血眼、と治療中に考えていたら吹き出しかけた
治療が終わると、きったない泣き顔の父さんが転がり込んできた
先生がいない時に父さんにこっそり聞いた
「私父さんにわれてるんじゃないの?」
回りくどい言い方を考えたかったけど、頭がふらふらして考える力がなかった
「嫌いじゃない、愛してる」
父さんはそう言ってまた泣いてた
私は、泣けなかった
ふざけんなよ、と思っていた
毎日毎日ばあちゃんに理不尽に怒鳴られているのも止めないくせに
滅多に私と会話なんかしないくせに
一度だって私の学校行事に来なかったくせに!!
父親らしいことしてくれたことないくせに!!!
父さんは、凄く悲しそうにして先生に私を預けて仕事に戻った
私は先生に家まで送ってもらった
けど、こんな時間に帰ったらばあちゃんに何をされるか分からなかった
財布は持っている
ふらふらしながら歩いて、家から離れた山に入った
…けど、今ここで首を吊ればじいちゃんとこに行けるんじゃないかと思った
本当はいじめられていたのがキツかった
気にしないようにしてたけど、凄く悲しかった
なんで私がこんな目に…とマイナス思考になっていた
けど、学校の終わりのチャイムが聞こえた
山から降りて、家に帰ってすぐに部屋に隠れた
手鏡で自分の顔を見たら、血の気がなくて目が虚ろで
まるで幽霊みたい、そう笑った
ふと気付いた
私、いつから泣いてないんだっけ
出たら私にぶつかった男の子と、その子のお母さんだった
玄関で土下座するんじゃないかってくらいの勢いど謝られた
男の子は泣きながらひたすら謝っていた
そしたら、ばあちゃんが気付いて出てきた
もういいから、と言ってドアを閉めた瞬間真っ白になった
玄関にあった傘で、頭を殴られていた
「もしかしたらタヒねるかな」
そう思いながら玄関で倒れた
思わず「これでもまだタヒねないんだ」と口にしてたかも
傘をなおして、自分の部屋に戻ってお父さんのお古で貰ったパソコンをつけた
自刹 方法
そう検索して、必タヒに確実に一人でタヒねる方法を探した
疲れたからパソコンをつけたまま布団に転がると、寝てしまった
何か物音が聞こえて起きると、父さんがパソコンの画面を見ていた
せかしたりしないからゆっくり休め
…典型的な毒親な祖母だな
休憩終わり、パソコンから続き書きます
なにかわかんないことがあったら聞いてください
結構はしょって書いているので
勝手にパソコン見るなと言うべきか、なんと言うべきか混乱してた
そしたら父さんは私を見てまた泣きながら言った
「ごめんな」
何がだよ、そうやって聞く前に父さんは部屋から出て行った
血が足りなくて呆然としてたら、物凄い怒鳴り声が聞こえてきた
父さんが、ばあちゃんにむかって怒鳴っていた
何を言っているかはよく分からなかったんだけど
私のことについて怒っていることは分かった
「明日、学校休んで遊びに行こう」
思わず自分の耳を疑った
どつかれてとうとうおかしくなったのかと思って、適当に返事して寝た
朝起きたら本気で学校に休みの電話を入れていた
台所には重箱が出ていて、何をしてるのかを聞いた
父さんは普通に「お弁当作ってる」といって、おにぎりを握っていた
お弁当の中身を見ると、まだおにぎりしかできてなかった
しかも形がめちゃくちゃ歪で、笑いをこらえたら鼻水が出た
今自分の目の前にいる父さんが父さんに見えなくて
現実を受け止めきれてなった
父さんの後ろで立っていると何をトチ狂ったのか
卵をボウルにわって、酒とみりんと納豆を入れようとしていた
慌ててとめて何を作るのかを聞いた
「玉子焼き」
ご飯食べてお腹下したくない一心で無理矢理座らせて材料を奪い取った
あと調味料おかしいww
小学生の時から成長して、玉子焼きも綺麗に作れるようになった
タコさんウインナーに、ほうれん草の白和えにからあげ
にんじんの花の形にだってできるようになったし
魚だって焦がさず焼けるようになった
父さんが作るつもりだったものを全部作り終わると
父さんはニヤニヤしながらお弁当をデジカメで撮っていた
作り終わってから無性に恥ずかしくなった
「納豆入り玉子焼きは邪道」
とだけ言って部屋に戻ろうとしたら、肩を叩かれた
「どこいきたい?」
・・・先に考えてろよ、とか思った
じいちゃんがタヒんでから、遠足以外で出かけたことがなかったから
行きたいなんて思う場所が思いつかなかった
素直にそのことを伝えたら、動物園に行くことになった
車に乗って、弁当を置いて一息ついてもリラックスはできなかった
父さんの運転する車に乗ったのは、片手で数えるくらいでしかなかったから
なんとなく居心地が悪くてもぞもぞした
後部座席に座って、そわそわしてたら父さんが運転しながら一生懸命会話しようと話しかけてきていた
…けど、家で口を開くことなんて滅多になかったし
学校でも友達がいなかったから話すことが苦手になってた
「友達いない」
これで会話が終わった
ちょっと素直に答えすぎたかな、と後悔した
そのまま会話せずに、動物園についた
でかい荷物を持っていろんな人が
お弁当広げているところに向かうのは気が引けた
お弁当を他の誰かと食べることをしたことがなかったし
人がたくさんいるところに行くのも気まずかった
けど父さんは会社の人達と出かけたりしていたからなのか
気にせずに場所をとっていた
父さんも何も言わずにもくもくと食べてた
うんともすんとも言わないまま、ご飯を食べ終わった
「ごちそうさま」
そういえば、父さんと同じご飯を食べたの初めてだな・・って気付いた
気付いたらなんだか複雑な気持ちになった
何でいきなり出かけようとか言うんだろ・・・
そんなこと考えて自分の世界に入ってたらいつの間にか父さんが消えてた
いないことが当たり前だったから、ちょっとだけホッとした
父さんがいなくなって10分くらいしてから、女の人を連れて父さんが戻ってきた
父さんの嬉しそうな顔を見るのはやっぱり違和感があった
父さんじゃないみたいで、気持ち悪かった
「初めまして、マリコです」
「・・ども」
とてつもなく無愛想な私にもマリコさんはニコニコしていた
先生とばあちゃん以外の女の人とも初めて会話した
なぜかそのまま私と父さんとマリコさんで動物園を見て回った
正直、一人で見て回りたかったけど最後まで三人で見て回った
なにも物は投げてこなかった
動物園にいってから、父さんがたまに一緒に晩御飯を食べるようになった
怪我もまぁマシになって、ドタバタしたまま卒業式を迎えた
なんとも思わないまま入場したら
スーツを着た父さんとマリコさんが保護者席にいるのを見つけた
驚きすぎて自分の足を自分で蹴ってこけ掛けた
で、卒業式が終わって花道を歩いてさっさと帰ろうとしたら父さんとマリコさんに捕まった
捕まったまま写真をたくさん撮られた
私はいきなり父親面しだした父さんに苛立ちを感じてた
なんでやねん!そう思いながら入学式が終わって教室に行って、挨拶が終わって・・・解散になった
案の定2人に捕まってまた写真を大量に撮られた
やっぱりそのことに慣れなくて、お腹がキリキリとして痛かった
結局いろいろ連れまわされて、家に着いてドアをあけたらばあちゃんが倒れてた
マリコさんは叫んでて、父さんは携帯でどこかに電話してて
私は、きっと笑ってた
5人とも男子で、先輩達も全員男だった
そのせいか、またいじめられ始めた
「男に囲まれてチヤホヤされたいから入部した」
だのなんだの言われていた
気にしないようにしながら地道な練習を重ねて
夏休みに入る前に防具をつけて練習に参加できることになった
この頃にはちょっとずつ打ち解けて方向が一緒の人と帰るようになっていた
同じ方向の一年男子のテツジ。
話し方が上手で、私みたいな話下手な奴とも長く会話が続いた
夏休み、部活はほぼ毎日あった
お盆の3日間だけ休みがあるだけで、後は全部部活だった
それでも楽しいから気にせず毎日部活にいって必タヒに男子と同じメニューをこなしていった
八月の終わり頃、顧問の先生から言われた
「明日は休みにする。
けど、一年生は全員宿題をもって集合すること、勉強会をする」
とのことだった
私は夏休みの最初の一週間で終わらしていて、暇だったから得意分野の国語を教えていた
一年の中で国語が苦手なのは、テツジだけだった
必然的に、テツジに付きっ切りになって勉強を教えていた
休憩時間にはいって、トイレに行って帰ろうとしたらテツジが廊下に座り込んでいた
「どうしたの?」
そう声をかけると、いきなり腕を掴まれて抱きしめられた
「入部したときから好きやった、付き合って」
照れるとかはなく、とりあえず汗臭かったから力を込めて離れた
「無理」
そういうと、テツジは走って道場に入っていった