俺「どうしました?」
嫁を発見。なにしてんだろ?と見ていると目が合って、話を聞くと、
チケット記載のゲートに来たが、閉まってて入れないとの事。
俺「チケット見せてもらえる?」 とりあえずカウンターに行き、
正しいゲートを確認したところ、印字ミスが発覚し、再発行。
新しいチケットを嫁に渡し、事の仔細を説明した。
泣きそうな顔→笑顔になったところで、いろいろ話をしてくれた。
今は、祖母と一緒に、オレゴンの叔母の所へ行く途中だということ。
寒い日だったし、おばあさんも一緒だというから、俺は残った小銭で、
紅茶を買い、ついでに「Seattle」と書いてある、帽子を買って、
嫁に渡した。
嫁はやっと堅い表情が取れて、帽子をかぶって笑ってた。
嫁「一緒に写真とって下さい。」
俺「いいですよ。」
で、お互いの住所を交換して、俺は帰国した。
しばらくしたら、手紙が送られてきて、あの時撮った、
写真が入っていた。
手紙には、お礼と、旅行での楽しかった事、
帰国してから、親戚のペンションでバイトしてる事と
そこの電話番号が書いてあった。
電話してみたら、ちょうど嫁が出たので、手紙が着いたこと、
写真のお礼等言って、それからやりとりが始まった。
大学が俺の家から近かった事もあって、街の案内を
する約束して、駅で待ち合わせ。
当時は携帯なんかなかったから大変だった。
数年後、嫁の実家に挨拶しにいき、結婚する事になった。
あの時の帽子は、今、子供の机においてある。
物を買わない嫁だったんで、結局、子供への形見になってしまった。
以上。
詳しく聞こうか。
嫁は、子供が5歳の時、交通事故で死んだ。
実は土曜日が命日で、墓前に行く前に、スレを見て、
初めて妻と交わした会話を思い出した。
最後の会話は出来なかった。
子供は、今年から小学校生になったが、
今でも母がいないことを上手く理解できないようで、
帽子が見えるところにないと、ひどく寂しがる。
寝言で、母の事を言う子供をみるにつけ、
俺もつらくなるが、二人分の愛情をこめて、
育てていければ、と思う。
チラシのウラ、スマン
以上。
俺も肩を抱いてやる