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:usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 03:01:51.54 ID:zEEsm5BO0俺はその年もプレゼントを2つ用意した。
クリスマスプレゼントと誕生日プレゼント。
聞こえると言っていたから。
お年玉貯金などを使い果たし、購入した2つをもって病室へ。
去年は喜ぶ顔を見せてくれた。
今年は寝たままの彼女。
誕生日おめでとうとサキの両親と妹たちが言う。
「おめでとう。今年はこれ持ってきたから」
そういうと、少し血圧があがった。
「喜んでるw」
とサキ母が言う。少し照れくさくなった。
2月の終わりになると最初はもう駄目だといわれていた彼女も持ち直し
医者ももう危険域は抜けたと診断を下した。
そして、俺は小学校の卒業式を迎えた。
「卒業おめでとう」
と言うとまた血圧があがった。
そして俺は中学生になった。
けど
安息できる日は長くなかった。
そのクラスには同じ小学校の出身者は
H、N子、L美、そしてKとなった。
Hは「お、またよろしくな!」
といってくれた。
Kはあれ以来話しをしていないが、今はこちらを睨み付ける事はなくなっていた。
中学では新しい友達グループを作ったらしい。
サキが目を覚ましたと連絡を受け俺は教室を飛び出した。
それよりも何よりも
目を覚ました と言う報告が嬉しかった。
授業担当の先生が何か言ってたが良くわからない。
ただHの
「早く行け!」
という声がしっかり届いた。
ぬこを膝で寝かしつつちゃんと起きてるぜb
がんばれ
ベッドのサキと視線が合った。
どう声をかけようかあわあわしてると
「ちょっと、変わりすぎ?」
と掠れた声でサキが言った。
俺は病院中に響くくらい泣いた。
お弁当の事を伝えては泣き、
こんなに人は泣けるんだというくらい泣いた。
サキはそんな俺を見て笑っていた。
少しやつれてしまって居たが、ずっと見たかった笑顔だった。
自分のペースでいいので頑張れ(・ω・´)b
俺は大いに学校をサボった。
毎日朝、バスに乗り病院へ行き、一日中サキと話した。
今までの分一気に話しつくすように。
幸せな気分で一杯だった。
俺が教室を飛び出して、一週間サボったあと久しぶりに学校へ行くと
教室の空気が違った。
Hは「良かったな!」
と声をかけてきていつもと変わらなかったが
他の空気は違った。
別のクラスの全く知らない不良っぽい奴にいきなり声を掛けられた。
「お前、人殺しかけたんだって?」
俺は何がなんだかわからなかった。
いわゆる イジメ というものが始まった。
どういう経緯でどんな話が伝わったのかは知らないが
イジメの始まりに理由はあっても、その後は惰性で進むものだ。
一年の半ばには最初の理由なんてわからないのに
イジメの対象になっていた。
で・・・Kがそんなこと言ったのか?
どこまでも邪魔なやつだな・・・
俺が教室を飛び出した後、何がなんだか分からないクラスで
L美達が事情を話したらしい。
最初はドラマのようだとか女子が話し始めたが、それを気に食わない
連中も居たらしい。
そこにKが以前と同じ様な事を触れ回った・・・
というのが始まり。
けど、イジメが後半に差し掛かるとそんなのはもはや形も無い状態だった。
しかし、Kは最低だな。
こういう奴は何かしらのしっぺ返しを喰らうはずだ。
お見舞いに行く度声にハキが戻ってきていた。
でも、こちらの変化には敏感に感づいたのか
「どうかしたの?」
と聞かれる事が多くなった。
その度
「ん?なにが?」
と素っ気無く返すのが決まりになっていた。
そしてこれから先にかかわる重大な事実が発覚した。
サキは一生歩けないかもしれない。
ということ。
でも、俺はここで決めたんだ。
なら、俺が一生支えてやる
って
まだ、なんも知らないガキだったけど、この時本当にそう決めたんだ。
だから、俺にとってそんなに重大な印象はなかった。
でも
「生きてるだけですごいよね」
とケロッとして言ったらしい。
「お父さん、お母さん、迷惑掛けるかも、でもよろしく!」
って。
本当は誰も居ないとき泣いてたくせに。
>>1無理するなよ。起きたら保守するから
学校のイジメは日に日に限度がなくなってきた。
経験した人なら分かると思う。
上履きなんて序の口、給食ないとか当然ってな感じ。
でも、屈しないと決めた。
ここで負けたら、駄目だと。
知らなかったがこの頃Hはかなりフォローをしてくれていたらしい。
小学校時代のクラスメイトや野球部のなかで動き回って。
事件は起きた。
その日は雪が積もった日。珍しく積もった雪に興奮する生徒が多くいた。
その日の昼休み。
俺は背後から雪だまを投げつけられた。
犯人は別のクラスのいわゆるDQN
最初は一人だったが段々人数が増えていく。
最終的には雪じゃなく氷球を投げられた。
額に当たって血が出た。
女子の誰かが
「やめなよ!しんじゃう!」
と叫んだが
「別にいいじゃん!」
と続けられた。
反撃をしようと思ったとき、間に割ってはいる人がいた。
Hだった。
HはDQNに殴りかかり、ボコボコにしてしまった。
この事が原因でHは停学処分を受けてしまう。
学校での肩身が狭くなってきた。
学校に行きたくない。
そう思うようになってきた。
でも行かなきゃ
という思いも強かった。
しかもボコボコとは・・・DQN哀れww
結果、俺は転校する事になる。
きっかけは、じいちゃんから家に来ないかという誘い。
じいちゃんの家は10駅くらい離れているので、
サキに会いにくくなると渋ったが、心配を掛けたくないと転校を決意した。
「今迄みたいに頻繁には来れない。けど休日は絶対来る。」
というと、
「いや、むしろ今まで来過ぎw」
と返されたw
Hに伝えると
「友達なのに、力になれんでスマン」
と大真面目に言われた。
そんな事は無い。
俺は君にすごく、すごく助けられている。
俺は人生で君のような人物が友達であることが何よりの誇りだよ。
この場で言わせてくれ
ありがとう。
転校先の中学はかなり少人数で、全員が同じ小学校出身。
という状態。
しかし、転校生の俺をあっさり受け入れてくれた。
そして、サキと約束したように休日は会いに行く事を欠かさなかった。
そして、中学を卒業するときにはサキも退院していた。
本心では地元に戻ろうとしたが、この頃祖父母も高齢の
二人暮らしは心配だったのでこっちで決定。
ただ、16才になった時は誕生日に原付の免許を取ってきた。
これで、サキのところまで通えると。
学校の許可をとり、平日は学校行って放課後バイト。
休日は朝から原付でサキのところへ
という感じで。
高校では友達も増えてきて充実した生活を送るようになっていた。
彼女は通信の高校課程を受けていた。
最初は、会いに行ったときに高校生活を楽しそうに俺が語るから
その事が無神経だったかと思い、話すのを控えたが
それは違うのか、時折哀しそうな顔を見せるようになった。
何か言いたいけど我慢しているようなそんな感じだった。
サキの誕生日。
この日俺はまたプレゼントを2つ持って出かけた。
ネックレスと彼女のお気に入りのアーティストGacktのDVDを持って。
「メリークリスマスとお誕生日おめでとう」
最初はありがとうと微笑んでくれたがその目には涙が浮かんでいた。
俺には彼女が泣いている理由が分からなかった。
彼女は俺にそう告げた。
「私はもう歩く事は出来ないし、あなたの人生で荷物になる。
あなたは私に縛られないで自由に生きるべきなの。」
サキは泣きながら思いを打ち明けた。
自分は普通の人とは違う。
これから先、一緒に人生を歩むには負担が大きすぎる。
今まで私のわがままみたいなもので一緒に居たけど、これからのあなたの人生は自由にして欲しい。
ということをいわれた。
「さようなら。」
俺は頭の中が真っ白になり気がついたときは実家のベッドの上で泣いていた。
何で彼女の苦しみを理解できなかったのか。
何で彼女がその事を気に病んでると見抜けなかったのか。
どうしてあの時何も言えなかったのか!
俺には、本当に人を支えるということが解っていなかったのかもしれない。
子供の発想をそのまま引きずって今まで来た事が彼女を苦しめていたのかもしれない。
俺はまた自分が嫌いになった
ばあちゃんにいわれた事がふと思い出された。
そうだ。これから自分はどうしたいんだ?
結論はすぐに出た。
俺はサキとずっと一緒に居たい。それでいい。あとは知らない。
中学の頃と全く進歩していないが、それでも今回は違う。
サキの妹だ。
「お姉ちゃん、これ聞いてずっと泣いてた。。昨日は部屋から出てこなかったから心配で・・・」
渡されたのは
GacktのLastsong
だった。
この曲を聴いて自分の心情と重ねてしまったのだろうか。
でも、おかげで彼女の心に近づいた気がした。
サキに届けてくれと。
内容ははっきり言って覚えていない。
必死に
ただ、待っていてくれと伝えた気がする。
高校ではまじめに勉強していたおかげで、国立に合格する事ができた。
一流大学じゃないが自分は満足するレベルの大学だった。
成績は上位をキープする事だけを目標にした。
この頃はサキとは携帯メールでやり取りをするだけだった。
以前に比べるとやり取り自体はかなり減った。
彼女は服飾のデザインの仕事を始めていた。
そう、すべての準備が俺の中で整った。
俺は再びサキの元を訪れた。
以前のように2つのプレゼントを用意して。
一つは、コート
もう一つは
指輪。
この日、俺は彼女にプロポーズをした。
そんな、本当に自分の中のこれだけの気持ち。
今まで言えてなかった一番、自分の根幹にあるありったけの気持ちを彼女に。
今年の 12月24日
彼女と結婚します。
今年のクリスマスプレゼントは
ウエディングドレスとLoveLetter
になりそうです。
終わり。
>>1よくやった。こんなに貫き通せる愛があるなんて…
お前すごいよ。サキちゃん、絶対幸せだぜ。
久々に気持ち良く眠れそうです、ありがとう
素晴らしい人生をこれからも2人で築いてください
おつかれ、おやすみノ
本当の愛がここにある
ところでサキちゃんの卵焼きの味は昔と変わらず!?
昔のサキちゃんが作った卵焼きぐらい甘い生活送ってね!
長時間にわたり支援してくださった皆様。
拙い文ですがここに謝辞を。
結婚まで二週間と迫り、自身の過去と決意を改めて振り返るつもりで
スレ立てさせていただきました。
本当にありがとうございます。
頑張って起きてた甲斐があったよ。
サキさんもだけど、>>1もこんなにも想える人に巡り逢えて幸せだね。サキさんと末永くお幸せに!おめでとう。
心からおめでとうを言わせてくれ。
そして必ず幸せに成ってくれ。
幾つか人物のその後を
>>1:一年の新入社員という期間を抜けた後転属で昇給。一応計画通り?誤算は残業時間Up
サキ:デザインの仕事が楽しい毎日。卵焼きは大甘。たまに氷砂糖入れようとする。あのスレいくかも知れん。
母:最近の悩みは目元の小じわ。今から孫の話で大盛り上がり。
姉:殺人カレーに磨きがかかるがその味を理解してしまった賢者と2年前に結婚。一男二女をもうける。
サキ母:結婚報告の席で孫マダー?の催促。最近の趣味は嵐のコンサートツアーへの参加
サキ父:結婚報告の席で号泣。会うたびに孫催促。何だこいつらwww
じいちゃん:年をとっても若々しい。最近農協に表彰されたのがご自慢。
ばあちゃん:サキに料理の秘伝を伝授しようと最近ノートかいてるらしい。
父:禿進行がやばい。
義理妹:大学1年。合コンを最近経験し、カルチャーショックを受けたとか。
義理弟:アニメ専門学校へ。絶賛オタク街道まっしぐら。 まいんはヤメロ。
H:高校卒業後プロ野球の世界へ。某球団の2軍で1軍めざし奮闘中。でも最近お好み焼きややりたいらしい。
K:L美と交際していた!らしいが破局。現在中国に居るらしい。
監督:今も母校で現役。メタボってきてる。
父の描写カワイソスw
Hすげーな
やっぱデキる奴はデキるんだな
私の人生はサキのためにある。
と断言できます。彼女とともに一生を歩く事を誓います。
さぁ、式の前にGacktのLoveLetterを思いっきり練習してきますねw
私にピッタリのいい曲ですw
皆さん本当にありがとうございました。
過去話は聞かせてもらった。
これからは今を、未来を作っていけ!
頑張れよ。