託児じゃないけど、放置子がらみなのでここへ投下。
先日読んだ話で昔の出来事を思い出したので吐き出し。
Kがらみなのでフェイクを沢山入れたけど、関係者ならばピンとくると思う。
万が一わかっても、人名や地名のヒントを出さないでね。
最初に説明しておくと、昭和の高度経済成長期に住宅地として開発された町。
開発前から代々住んでいた家
数は少ないが、多くの土地・アパート・マンションを所有
政治に関心が深く、結束が固い
新住民=
開発後、家やマンションを買って移り住んだ家族
長距離通勤が多く、地元への関心が薄い
賃貸=
マンションやアパートを借りて住んでいる人々
地元に関心がなく、数年で多くが入れ替わる
娘が小学校1年生の時の話。
我が家は、娘が小学生になるのに合わせて家を購入した新住民。
PTAのクラス役員の作業をおえて、同じ役員のママ友と一緒に帰る途中、
騒ぎに出くわした。
Kの前には、頭も気も弱そうな青年(以後A)と、
大声で怒鳴る町内会長さん(以後B会長)がいた。
「こんなキチ、なんで刑務所に入れとかないんだ!」
「こんなやつ、生きてるだけで迷惑だろう!」
先に来ていたご近所さんに聞くと、Aが幼稚園児を連れ去ろうとしたそうだ。
といっても誘拐ではなく、家の玄関脇で遊んでいた女の子に声をかけ、
手をつないで数10m歩いただけだった。
確かに、小さな子を勝手に連れ歩こうとしたのは悪いことだが、
あのB会長の言い方はひどいだろうと、ママ友と話た。
やがてA父が駆けつけ、A親子はパトカーに乗せられて行った。
夕方、スーパーへ買い物に行くと、
駐輪場にB会長の娘さん(以後Bママ)と数人のママ達が集まっていた。
そこで話を聞いて吃驚仰天。
少し知恵遅れで、小学校は地元校の特殊学級、中高は養護学校へ行った。
養護学校を卒業して間もなく、小学生の女の子にいたずらする事件を起こした。
この事件は報道されることはなかったが、地元ではみんな知っていた。
A父が多額の慰謝料を払い、被害者家族(賃貸)はどこかへ引っ越した。
Aは、少年院ではなかったが、どこかの施設へ入った。
これが、数年前の出来事。
そのAが、数週間前に戻ってきた。
旧住民の間では、Aは地元を追放ということになっていたらしく
戻ってくるのは許さない、とA父に抗議した。
旧住民のB会長は抗議の先頭に立っていたのだが、
A父は遠縁の市議を担ぎ出して、旧住民を押さえつけていたのだ。
娘はまだ小さいので、いつ被害に遭うか分からない。
B会長のことを悪く言ったのを反省し、一緒に騒ぎをみたママ友へ電話し、事情を話した。
他のママ達もそれぞれ友人に話したらしく、
あっという間に話は幼稚園・小学校じゅうの親に広がった。
Aは、結局Kで注意を受けただけで、その日のうちに戻ってきた。
B会長は、回覧板で注意喚起しようとしたが、相談にいった交番で
名誉毀損になるからやめろと言われた上、A遠縁市議にも脅されたそうだ。
夜11時頃、PTAの緊急連絡網が入った。
小4の女の子(以後C子)が帰って来ないので
家を空けられる人は探すのを手伝って欲しいとのことだった。
夫がまだ仕事から帰ってなかったので、私は参加しないで家にいたのだが、
間もなく近所にパトカーと救急車のサイレンが鳴り響いた。
とても気になってのだが、寝ている娘を置いて行くわけにもいかず、
翌日お向かいのスピーカー奥に聞いてみた。
女の子が行方不明と聞いたBママとB会長が、数名の旧住民を連れて
A宅へ凸し、離れのAの部屋でその女の子を発見したのだ。
女の子は救急車で運ばれ、Aは手錠をかけられてパトカーで連れていかれた。
驚いてBママに電話したが、
「ごめんなさい。何も話せないの。わかるでしょ。」
といわれたので、それ以上聞けなかった。
A遠縁市議からの緘口令は厳しく、凸した旧住民は固く口を閉ざした。
後日、PTA会長から
「先日は、ご協力ありがとうございました。
女の子は知り合いの家で遊んでいて、何事もなく無事でした。」
とのおしらせが配られたが、信じる人はいなかった。
四円。
C子と同じクラスの子のママに事情を聞いて納得した。
Cパパは夢を追う人で、資格の勉強をしたり友人と事業を立ち上げたりして
一家の生活費はCママが稼いでいた。
Cママはバリバリに仕事のできる人で、帰宅は真夜中、休日出勤もよくしていた。
家事も育児も外注が多く
3年生になってからは、夕食はお弁当を買いなさいとお金が置いてあった。
C子が遊びに来ると、夕方になっても帰らないで、
「パパは9時過ぎまで帰ってこない。」
と言うので、夕食をあげるお宅も多かったのだが、
だんだんお出入り禁止になる家が増えていった。
やがてどこにも遊びに行けなくなると、スーパーやコンビニをうろつくようになった。
知らないお兄さんやおじさんのお家に行くこともあったが、
それまでは親切な人ばかりだったようだ。
外をうろつくようになる前の段階でC親に注意する人もいたが
Cパパは我関せず、Cママは余計な御世話だと拒否したので、
C家にかかわるといやな目に遭うと言われるようになった。
それで、「Aに注意」という話が伝わらなかったのだろう。
「ママ友って必要でしょうか?」という相談と「必要ない」という回答を見かけると、
もやもやする。
ランチやお茶をするべったりとした関係は必要ないけれど、
大事な非公式情報を流してくれる程度のママ友はいた方がいいよと思う。
で、後日談。
C子は事件後一度も顔を見せることがなく、転校した。担任は、
「ご家庭の都合で、おばあちゃんの所へ引っ越しました。」
とクラスのみんなに説明したそうだ。
身の回りのものだけ持って行ったらしく、
家財道具を運び出してマンションを引き払ったのは、2ヶ月後だった。
Aはその後どこかへいなくなった。
裁判がなかったので、事件なんかなかったのだとA家関係者は口を揃えて言っていた。
A宅は母屋も離れも取り壊され、アパートが建てられた。
市内の別の所有地に、屋敷を新築したそうだ。
A遠縁市議は、翌年の選挙で落選した。
B会長の根回しが成功したとの噂がたった。
今だったらネットで全部暴露できるんだろうけど
文うまくて臨場感があった。