149:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 04:25:52.14 ID:qY+2iS770
すみません…
本当に、すみません;;
遅くなりました。

161:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 04:55:39.12 IDqY+2iS770
続きです。

19歳大学1年生。2月下旬

雪が降る日だった。

許可をもらい、俺とカーチャンは、散歩に出た。

実は、外に出た時はいつもカーチャンの足の方が早かったんだ。
でも…今日は、カーチャン、すごい遅かった。
俺は何度も立ち止まり、カーチャンを待った。
こんな、何気ないことで、”病気なんだよな…”って
感じてしまうところが、つらいんだ…。

カーチャン「ごめんね」
俺「仕方ないさ。しかも、いつもは俺が遅いしw」
カーチャン「カーチャンがスタコラ歩くからねw」
俺「急ぐ必要なんて、ないさ。今日の目的は、散歩なんだからさ。」
カーチャン「ありがとう。」

162:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:05:03.97 IDqY+2iS770
途中の自販機で、あったかい紅茶を買った俺。

俺「紅茶、飲もう。あったかいよ。」
カーチャン「ありがとう。」

チラチラ雪が降る日。寒かった。

公園に入って、会話がはずんだ。

163:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:11:24.30 IDqY+2iS770
俺は、最近学校であったこと、バイトの経験など話した。

普段はこんなこと、あんまり話さない俺。

でも、こんな散歩の時間や、いつもとは違う環境の時は、
普段の俺のことを、語ってしまう。

でもカーチャンは、親身になって聞いてくれた。

カーチャン「俺(孝行)、頑張ってるんだね。」
俺「ううん。目の前にあることを、やってるだけって感じかな。
それ以上の工夫が、できてないんだ。」
カーチャン「どういうこと?」
俺「『やって下さい』、って言われたことはやってる。
でも、それ以外のことはやってないんだ。
『やらなくてもプラスでできるようになりたい。』」

164:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:18:06.89 IDqY+2iS770
カーチャン「お、ちゃんと成長してるんだねww」

俺「いや、全然してないw
こんなこと言ってるけど、実際は本当に、それ以外のこと、できてないんだ。
例えば、学校で勉強と、バイト。
でもこれ以外に、家で何かの目標のために勉強するとか、
何か違うこと始めてみるとか、やってみたいなって。」

カーチャン「そうなんだ。
でも、今は新しいことを始めて間もないから、つらいかもね。
人間は、慣れたら簡単っていうじゃない。
今は大学も1年生だし、バイトも新しいこと始めたばっかりだから、
それに集中しても良いんじゃない。」

165:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:21:10.04 IDqY+2iS770
俺「そっか。まだ最低限のこともままならないのに、
他に手を出さない方がいいねw」

カーチャン「自分を下に下にみることはないよ。
でも、向上心は、大事。
その気持ちがあれば、徐々に頑張れるよ。」

俺「…うん。ありがと。」

雪はしんしんと降り、まわりは静かだった。

166:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/07(日) 05:26:45.39 ID:
しえん

167:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:32:57.25 IDqY+2iS770
部屋に戻った俺は、カーチャンに聞いた。
俺「カーチャン、退院とか…目途たってない?」
カーチャン「うーん…早ければ今年度で退院できるかも…?
順調に治っていけば、いいな。
みんなに迷惑、かけるから。」
俺「そんなことないさ。
カーチャンの元気な顔を、みんな見たがってるよ。」
カーチャン「うん。頑張るね。」

 

俺は、なかなかこの言葉が言えない。
でも、どうしても伝えたかった。

俺「カーチャン…」

カーチャン「うん?どしたのw」

俺「……カーチャン…。

いつも、ありがとう。」

カーチャン「………うんw」

それ以外、何も言わないし、聞いて来なかった。

なんとなく…このことが言いたいって、通じたみたいだ。

169:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:38:58.48 IDqY+2iS770
早くて3月下旬ということは…俺は大学2年生になるのか。

よし。頑張ろう。

今よりずっとずっと成長して、カーチャンと家で会おう。

俺はそう決心して、家に帰った。

170:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:42:00.70 IDqY+2iS770
カーチャンが退院して間もなく、俺も新学期でバタついている
ことを予想し、俺は『温泉旅行』の目標を、夏に定めた。

忙しいなかで無理やり行くより、本当に落ち着いた環境で
旅行した方が、楽しめると思ったから。

そしてそれまで、ひたすら頑張ろうって、決めた。

171:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/07(日) 05:46:33.44 ID:
隆行おかえり~

174:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:48:24.69 IDqY+2iS770
>>171
ただいま。
いつも見てくれて、ありがとう。
そして、こんな時間ですみません。

172:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:46:57.41 IDqY+2iS770
19歳大学1年生。3月上旬。

ホワイトデーのことを考えていた。

カーチャンへのお返しにあげるのはいいんだけど…
問題は、あげるものだった。
カーチャンに、食べ物は気を使ってしまう。
できれば、避けた方が良いだろう。
かと言って、高価なものも、カーチャンが遠慮してしまうだろう。

やっぱ食べ物以外で、形に残るものがいいな…

そう思った。

177:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:54:59.28 IDqY+2iS770
俺は買い物に繰り出した。

でもプレゼント選びが苦手な俺。
しかも女ものってなると、どんなものが良いんだ…?

買い物は困難を極めた。

178:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 05:59:14.48 IDqY+2iS770
初めは、カーチャンとの大きなできごとだけを、書いてましたが、
この頃は、小さなことでも書いちゃってます…。

ダラダラなっちゃうことはわかってるんですが…
毎日読んで下さってる方もいらっしゃって、嬉しくて、
このような書き方になっちゃいました。

なるべく急ぐようにはします…すみません。

179:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/07(日) 06:01:21.15 ID:
急ぐ必要はない
好きなように書くのだ!

180:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 06:03:25.55 IDqY+2iS770
街で散策を続けた俺は、おしゃれな雑貨屋に入った。

ここなら、良いのが見つかるかもしれない。

そう思った。

いつも持ち歩けるようなのがいいなぁ。
いつも使うものがいいなぁ。

そんなことを考えているうちに、鏡を発見した。
外出して、化粧なんかを直す時に使えるような、
折りたたみ式の手鏡。

これは良いんじゃないかと思った。
バッグにも入るし、いつも使うものだ。

あと色…実にいろいろな色があって迷ったが、
結局俺は黄緑色を選んでいた。

181:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 06:06:08.48 IDqY+2iS770
後になって思ったが、この色は俺が好きな色であって、
カーチャンが好きってわけじゃない。

でも、こんなに優しい色なんだ。
きれいな色をしてた。
これなら、きっと気に入ってくれるはず、と思った。

182:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 06:12:36.70 IDqY+2iS770
これだけじゃ寂しいので、他にもプレゼントを探した。
だけど、雑貨以外って言ったら、すごい難易度が上がった。

俺はバッグ屋に入り、バッグ選びに入った。
そうしたら、ディスプレイに飾ってあるバッグが、目に入った。

「これなら、気にいってくれるかな…?」

直感的に、そう思った。
ベージュ色よりもっと濃い色の、ちょっぴり流行りのデザイン。

店員さんに聞いてみたら、「今売れてて、お母さん世代でも
気に行ってもらえますよ♪」

と言ってくれた。
ホワイトデーでって言って、きれいに包んでもらった。

きれいな仕上がりになって、嬉しかった。

183:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 06:22:36.68 IDqY+2iS770
プレゼントを渡す日、俺は早速渡した。

カーチャンは、すごい喜んでくれた。
なぜか、そーっと慎重に開けてた。

カーチャン「ありがとう!!」

俺「カーチャンにプレゼントって、どれにしようかなって
悩むんだけど、いろいろ回って選んだんだ。」

カーチャン「嬉しいw毎日、使わせてもらうね!
でも孝行が、こういうの買って来るなんてねw」

184:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 06:25:10.52 IDqY+2iS770
俺「苦戦したよww
でもカーチャンにお菓子系は、やめておいた方が良いかなって、思ったんだ。」

カーチャン「ごめんねぇ…
退院したら、おいしいもの、食べよう!」

俺「うん。待ってるよ。
治療、がんばれ!きっとすぐ、治るよ。」

カーチャン「…気をつかわせて、ごめんね…。」

最後だけ、声が小さかった。
少し聞きとれなかったんだけど、こんな事を言ってたと思う。

俺「またみんなで、早くドライブ行こうw」

そう言って、家に戻った。

185:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 06:32:09.16 IDqY+2iS770
夜、トーチャンと少し話した。

トーチャン「孝行、今日お母さんとこに行ったんだってなぁ」

俺「うん。お見舞い。」

トーチャン「プレゼント、ありがとうな。
お母さんに用意してくれて。」

俺「え?バレたのかw」

トーチャン「俺が行った時、扉を開けたら、お母さんが
包み紙とバッグを抱きしめてたからな。」

俺「…え?」

トーチャン「プレゼントの包み紙とバッグ、
お母さんが嬉しそうに持ってた。
どうしたのって聞いたら、孝行がくれたって。

お母さん、ちょっと目が赤かったから、俺が来る前……」

俺「………」

俺は、途中からトーチャンの話が聞こえてなかった。
カーチャンいつもありがとう、それだけ考えてた。

233:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/07(日) 22:36:29.48 ID:
孝行はきちんと休日取ってるのか?
カーチャン大事にする前に自分自身を労らないとそれこそカーチャン泣かすからな

237:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 22:44:09.91 IDqY+2iS770
皆さんお気づきかもしれませんが、
今日は日曜日なので、仕事はお休みでした。
ただ、ちょっとやらなきゃいけないことが多くて…
この時間になっちゃいました。

239:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/07(日) 22:55:29.86 ID:
日曜も用事か。お疲れ様。

242:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:02:47.44 IDqY+2iS770
>>239
“用事”に関しては、この話の最後で、語ることになると思います。
俺、やれることやりたいなって、思ってて…。

241:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 22:59:17.09 IDqY+2iS770
続き行きます。

トーチャンは、最近忙しくなった。

トーチャン「世の中の不景気が大きくてな。
お前も、学生生活が終わる前に、就職活動が始まる。
すごい大変みたいなんだ。大変なのは、俺も仕事で感じてる。
でも、お前は良いところをいっぱい持ってる。
お前ならやれる。信じてるぜ。」

俺「ありがとう。俺も今のうちから、何かできることを始めた
方がいいかもな…。危機感もっとくよ。」

トーチャン「ああ。それにお母さんが元気になって、
お前が成長してたら、喜ぶぜw」

243:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:09:28.86 IDqY+2iS770
それから俺ら家族は、バラバラでお見舞いに行ったり、
時には家族で行ったりと、カーチャンを元気付けたり、
励ましに行ったりした。

カーチャンは、すごく喜んでくれたんだ。

俺らにとって、本当にかけがえのない、家族なんだから。

看護師に呼び止められた。

看護師「みるみる良くなってますよ!
皆さんお見舞いに来て下さるから、それが一番のお薬になっているんでしょうね!
まれに、医学にはかなわない、不思議なこともあるんです。
気力によるものだったり、周りの環境だったり…。
ほとんど、お見舞いがない方は、すごく寂しくしているんですよ。」

ということだった。

でも俺たちにとっては、お見舞いなんて当たり前のレベルだった。

当時の俺たちは、”ほとんどお見舞いに来ない”というのが、信じられなかった。

244:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:16:02.42 IDqY+2iS770
それからのカーチャンは、元気を取り戻していった。

カーチャン、知恵の輪、解いてた。

俺「お!カーチャン、知恵の輪、解いたんだ。すごいすごい。
俺、これ解けなかったwww」

カーチャン「うん。ずっと寝てばっかりだから、楽しかったよw
ルービックキューブも遊んだよ!
本もいっぱい読んだしね。それなりに何かしてるw」

俺「カーチャン、良くなっていってるって。
本当に良かった。俺、どうなるかと思ったよ…。
早くまたみんなで、でかけよう。
みんな、待ってるよ。」

カーチャン「うん。頑張るよ。
それにお母さん、動きたくてうずうずしてるからねww」

245:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:23:10.71 IDqY+2iS770
19歳大学2年生。4月。

待ちに待ったカーチャン退院の日。
俺らはすぐにお迎えに行った。
カーチャンは、とっても嬉しそうだった。

病院の医師や看護師で、お世話になった方々にも挨拶をした。
俺は、心から病院の職員の方々に感謝した。

カーチャンを治してくれたから。

俺の、たった1人のカーチャンを…。

本当に良かった…。

助かったんだ。また一緒に暮らせるんだ。

またカーチャンの笑顔が、見られるんだ…。

カーチャンの、とびっきりおいしい、手料理、食べられるんだ…。

俺は、家族がいれば何だって頑張れる、そんな気さえした。

246:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:30:42.74 IDqY+2iS770
カーチャンは、シチューを作ってくれた。

カーチャンのシチューは、結構ドロッとしている。
でも俺ら家族には、その濃さが”シチュー”という食べ物なんだ。

俺たちは、ご飯ができるのを、今か今かと待ちわびた。
みんな、あっという間に完食した。

家族に、また明るい笑顔がもどってきた。

こんな、普段『当たり前』と思ってることが、こんなにも大事な
ことだったなんて…。

俺は、夜、散歩にでかけて、夜空を見ながら、深く感謝した。

247:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:36:35.98 IDqY+2iS770
それから俺は大学とバイトを頑張った。

大学が2コマ程度の日は、

午前大学

学食にて昼食

4時間バイト

急いで帰って別のバイト5時間

というのもザラだった。

でも、俺はこんな日でさえ幸せに感じた。

当たり前の日々、帰って来たから…。

「いつもの日々」が、とっても幸せだった。
どんなに忙しくても、幸せだった。

248:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:43:13.55 IDqY+2iS770
だけど、後遺症だけは、消えてなかったんだ。

やっぱり後遺症は後遺症。

カーチャン、すっごいつらそうにしてた。
見てられないんだ。
冬だったとしても、汗びっしょり。

俺も、つらかった。
何もできないのが、尚更…つらい。

なにかできないんだろうか…俺でもできる、なにか…。

249:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:48:36.70 IDqY+2iS770
なかなか、後遺症への対策案はでなかった。

医学的に一生治らないことは、病院から言われているから…。

やっぱり、俺らにできる最善のことは…
家事などの手伝いしかないのかって…悔しながら感じた。

せめて、お守りだけでも…買って来ようかなって、思った。
カーチャンから前に2つ、お守りをもらった、あの時のように…
今度は俺から、プレゼントしなきゃな。

250:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/07(日) 23:55:52.73 IDqY+2iS770
19歳大学2年生。6月。

『温泉旅行』の日程を考え始めた。
いよいよ、この時が来たんだ。

カーチャン、喜んで、くれるかな。

一緒に行って、くれるかなぁ。

楽しみな気持ちと、少しの不安を抱きながら、俺は本屋へ向かった。

旅行ブックはたくさん並んでいて、俺はどれもこれも読んでしまっていた。
今回のイベントだけは、どうしても力を入れたかったからだ。

『カーチャンに、心の底から思いっきり楽しんでもらいたい』

絶対、達成させたかった。

温泉と言えば、湯布院…。

俺は、目的地の標準を、定めた。

251:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 00:00:29.31 IDu9N0Qxiq0
次は、日程だな…。

8月にしよう。8月なら、今から予定を空けていてもらえそうだ。

俺はひとまず、立ち読みでは決められそうにないなと思い、
じっくり厳選して1冊、雑誌を買った。

いろいろ、宿以外にも、観光名所とか載ってる雑誌。

楽しみな計画だけに、妙に浮かれていた。
帰りがけに、スキップしていたかもしれない。

252:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 00:07:13.34 IDu9N0Qxiq0
その日のバイト中ですら、ずっと旅行のことばっかり考えていた。

俺は数日かけて考え、1つの宿を厳選した。

クチコミなんかも読み、選び抜いた。

カーチャンに、旅行、行こうって伝えた。

カーチャン「そんな計画…してくれていたの…?」

俺「うん。行こうよ。絶対、楽しいよ!」

カーチャン「……。」

俺「……あれ?もしかして、行けない…?
ごめん、何か用事とかあるかな…」

カーチャン「ううん、ちょっと、ビックリして…。
ありがとう。ありがとう。ありがとう…。」

俺「ううん…ありがとうは、俺の方だ。
こんなことしか、できなくてな…。」

カーチャン「………」

そのあと、カーチャンは、弱く首を横に振った…。

260:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 01:09:58.13 ID:
これは映画化されても不思議じゃないレベル

264:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 01:43:40.85 ID:
このスレまじであったけぇ・・・

265:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 01:46:17.12 IDu9N0Qxiq0
ただいまです。
みんな、こんなにレス、ありがとう。
すごい嬉しいです。
俺、スレ立てて良かった。
みんなに、カーチャン…両親のあったかさを伝えたかったから。
みんな、毎晩毎晩…ありがとう。

268:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 01:55:48.22 IDu9N0Qxiq0
19歳大学2年生。7月。

夏休み直前。期末試験の時期がやって来た。

バイトも忙しくやっていて、正直なところ…あまり自信がなかった。
でも、こんなところで負けるわけにはいかない。

両親がまじめで、そんな環境に育った俺も、単位はキチンと履修していた。
つまり、履修科目は多かった。他学科科目も、空いてる時間に履修していた。
必然と試験も多くなる…すべての試験対策は、困難を極めた。

そこで俺は、弱点科目だけを勉強し、それ以外の科目は、
前日のみに、バイトが終わってから勉強した。

269:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 02:01:17.32 IDu9N0Qxiq0
カーチャン、勉強のたびに、夜食を持って来てくれた。

アツアツのおにぎりと、あったかいお茶。
それとたまに、あったかいコーンポタージュ。

俺は、コーンポタージュが大好物だ。

カーチャン「勉強も大事だけど、健康を、第一にね。
くれぐれも、身体、壊さないようにね。
お母さんにとって、勉強なんかより、孝行の身体の方が大事なんだからね…。
『勉強なんかより』って言っちゃダメだねw
でも、それぐらい、大事だからね。

お腹空いたね。夜食、作ったんだよ。
あったかいうちに、食べなさい。
じゃぁ…頑張って。」

いつもこんなこと、言ってくれてた。

あんまりうまく言えないんだけど…

「いつもいつも、ごめんね。ありがとう。」

270:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 02:06:18.58 IDu9N0Qxiq0
俺は、試験勉強を頑張った。

たまに…おにぎりを食べながら、涙しながら勉強したこともあったんだ。

『カーチャン…ありがとう…』

独り言で、声に出して言ったこともあった…。

たまに、カーチャンも俺の勉強に付き合ってくれたこともあった。

カーチャン「今日は一緒に起きてても、いい…?」

俺「うん。でもどうしたの?カーチャン、眠くなるよ。」

カーチャン「たまには一緒に起きてようかなってw
お母さん、本、読んでるね。」

俺「わかった。俺も頑張るよ。」

271:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 02:10:49.06 IDu9N0Qxiq0
カーチャン「孝行は、こんなに難しいこと大学でやってるの…?」

カーチャンが俺の教科書とノートを見に来た。

俺「うん。でも、言うほどそんなに難しくないよw
カーチャン大げさだなぁw」

カーチャン「孝行も、成長してるんだねぇ。
どんどん、私が知らない孝行になってる。
立派になっていってる…。
親にとって、1番の嬉しさだねw」

俺「そう…?
そうかなぁ…。
でも、ありがとう。」

カーチャン「邪魔しちゃったねw本の続き、読むね。
頑張って!応援、してるよ。」

272:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 02:16:05.54 IDu9N0Qxiq0
俺にとって、何よりも強い味方だった。

きつくても、つらくても、バイト帰りで眠くても、頑張れたんだ。

試験は、落ち着いて、落ち着いて…。

前にカーチャンからもらっていた、学業お守り…持って行った。

『試験、開始!!』

周りの鉛筆の音が、怖くなる…周りが優等生に見える。

でも俺は、何とか冷静に問題を解いた。

273:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 02:19:16.22 IDu9N0Qxiq0
結果…全ての履修科目の単位を取ることができた。

しかもほとんどA判定をもらうことができた。

嬉しい…そしてそれ以上に、感謝の念でいっぱいだった。

すぐにカーチャンに報告したら、すごく喜んでくれた。

温泉旅行…これで安心して、気兼ねなく楽しめるね。カーチャン。

274:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 02:20:57.23 IDu9N0Qxiq0
ごめんなさい…今日はここまでで…;;
6時起きなので、寝ようかと思います…。

みんな、レスがあったかくて、嬉しくてたまらないです。
ありがとう。

277:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 02:26:07.19 ID:
お疲れさまです、また続きを楽しみにしてます!

>>1のカーチャンみたいな人になりたいなぁ。。。

331:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:31:06.59 IDu9N0Qxiq0
俺、今日はとってもツラいことがあったんだ。

取り返し、つかなくなるかもって思った…。

大丈夫かどうかは、数日たたないと、わからない…。
でも、今は何もできないんだ…。

334:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 22:33:15.29 ID:
大丈夫?

335:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:34:23.64 IDu9N0Qxiq0
人生の窮地かと思った…。
実際そうなるかもしれない。

でもトーチャンに電話したら…

「心配すんな…何とかする」って言ってくれた…

つい10分前のことだ。

336:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:36:30.28 IDu9N0Qxiq0
ごめん、心配かけて…。
今日は、早めに寝ようと思う。

でも、話を続けてから寝ようと思う。
みんなと語るの、楽しみにしてたから。

339:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:41:10.44 IDu9N0Qxiq0
みんなには、長い間お世話になったから、あったことだけを
報告させてもらいますね。

今日、度は浅いけど人身事故を起こしたんだ…。

340:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:46:42.31 IDu9N0Qxiq0
俺は車で相手はバイク。
相手がスピード出しすぎで、相手が悪いって認めたんだけど、

悪いのは必ず

車>バイク

人身事故にするか物損にするかも、今は相手にゆだねられているんだ。
相手のスピードは早くて、車がメッコリいっちゃった…。

それだけでも、何10万円か、かかりそうなんだ…。

みんな、頼む、事故には気をつけてくれ。
法律的に不条理なこともたくさんある…。
思い知ったよ…。

341:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:50:33.95 IDu9N0Qxiq0
トーチャンに電話したら、

トーチャン「それは…法律上、孝行が悪くなってしまうだろうな…
日本で車を運転している以上、仕方がないんだ。
もう起きたのは仕方ない。『これから』気をつければいいんだ。
これからの出方次第では、俺が何とかしてやる。心配すんな。
でも、くれぐれも安全第一にな…。孝行の身体が一番心配なんだ。」

っていうやり取りで終了した…。

342:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 22:51:47.32 ID:
金が掛かるって相手のバイク?相手が怪我したとかか?
任意保険に入ってれば、相手の修理代だって補えるんでない?

>>342
相手のバイクは…保険証書によると、無制限みたいだけど…
相手の怪我と、自分の車の費用が半端ない。
法律上こちらが悪いから、十中八九、ほとんど出さないといけないみたい…。
しかも人身扱いされたら…。

343:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 22:51:57.96 ID:
警察には言ったんでそ?
民事になるのか

345:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:54:59.75 IDu9N0Qxiq0
>>343
警察には言いました。
あとは被害者の出方待ち、みたいです…。

346:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 22:55:19.67 ID:
そもそも交通弱者が調子に乗りすぎである
自転車漕ぎながらメールとかテレビみてるし
単車も横着こく人多いしな見てるこっちが怖いよ

349:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 22:59:17.45 IDu9N0Qxiq0
物的証拠により、相手に分が悪いことは証明されたんだ。

でも…

車>バイク

の法則により、ほぼ無効になった。

頼む、みんなも気をつけてくれ…。
心からのお願いだ。
俺、みんなのこと大好きなんだ。

348:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 22:58:43.94 ID:
孝行大丈夫だ、保険入ってるからなんとかなる
相手だって重症じゃないんだ、大丈夫

351:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:00:36.49 IDu9N0Qxiq0
>>348
ありがとう…ありがとう…ありがとう…。
本当に、励まされます。
家に帰って、泣きそうでした…。

352:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:03:36.32 IDu9N0Qxiq0
ごめんね…スレチで…。
ありがとうみんな、聞いてくれて…。

353:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:07:59.66 IDu9N0Qxiq0
少し、続きを話して、寝ようと思います…。

みんな、少しの間…付き合ってもらえますか…?

355:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 23:09:05.44 ID:
孝行きてたー! 
ゆっくり読ませてもらうぜ

356:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:12:43.45 IDu9N0Qxiq0
ありがとう…。
いつも来てくれて、嬉しいです。

ここにいると気も晴れるので、書いて行こうと思います。
みんな、あったかいです…。

357:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:22:45.14 IDu9N0Qxiq0
19歳大学2年生。8月上旬。

俺は温泉旅行の段取りをしていた。
すっごい、楽しみだった。

旅行は好きだけど、俺は準備も大好きなんだ。
わくわくしながら、「どこへ行く?」「これ持ってこうかww」
っていうのが、たまらなく好き。

カーチャンと旅行するのが、嬉しい。
楽しみなほど、荷物も増える…。
ダメなスパイラルだ。

でもカーチャンも、楽しそうに準備してくれた。
むしろカーチャンの方が楽しそうだった。

カーチャン「ぜったいココいこココ!温泉の名所だって。
あ、このどんぶり屋さん、おいしそうだよー。
あっ、城島高原とかどう…?」

俺も心が弾んだ。

俺の企画で、こんなにも喜んでくれるんだから、めちゃくちゃ嬉しかった。

358:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:26:20.58 IDu9N0Qxiq0
俺「城島高原は、乗り物が怖いで有名だけど平気?www」

カーチャン「うん平気w孝行が、やばそうなんだけど…」

俺「う…」

俺は絶叫マシーンが苦手なんだ…

カーチャン「ああ、この水族館とか、高崎山とかもあるね!
楽しみだねぇ~~♪」

もう待てないくらい楽しみだった。

359:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:34:13.03 IDu9N0Qxiq0
旅行の前々日…カーチャンは後遺症で苦しんだ。

俺「か、カーチャン…大丈夫…?じゃないよね…
すごい汗だよ…」

カーチャン「うん…ちょっと痛いけど、平気だよ…。
旅行、楽しみだね…w」

顔が平気じゃなかったんだ…。

俺「旅行、行っても平気なの…?
中止も考えた方が、いいんじゃ…。
俺、身体の方が、心配だよ…。」

カーチャン「だめ!!絶対いく…。
行かなかったら病気もひどくなるんだよ。」

俺「そ、そうかな…。
身体あっての、カーチャンだよ。ほんとうに…。」

カーチャン「いつも心配かけ、て、ごめ…」

カーチャンは寝てしまったんだ…
気絶したかにも、見えた…

360:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:38:36.94 IDu9N0Qxiq0
俺はカーチャンの額の汗をぬぐってあげた。

俺はカーチャンの容態が心配だった。

もう「幸せな毎日」が崩れるのはイヤだったんだ。

俺はとんでもない過ちをおかしてしまうんじゃないのか
やってはいけない失敗をしてしまうんじゃないのか

最もな安全策は、安静にして寝ていさせることだったんだ。

361:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:41:16.54 IDu9N0Qxiq0
『カーチャンを想うなら、この決断はどうするのか?』

俺は悩みに悩んだ。

身体に大きな負荷がかかるんじゃないのか…
後遺症が進行してしまうんじゃないのか…

取り返しの効かない、決断をせまられているように感じた。

362:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/08(月) 23:45:39.81 IDu9N0Qxiq0
翌日、カーチャンは少し元気になっていた。

朝食を作ってくれていた。
ハムエッグにスープにパン。
俺はこの日の朝食を覚えている。

カーチャン「早く朝ご飯食べて元気になろう!!
今日も頑張ろうね!」

カーチャンが言った。

俺はこの言葉を聞いて、すっごい元気が沸いてきた。

何にでも立ち向かえるようなこの感じ、嬉しかった。

俺はおかわりしてご飯を食べて、バイトにでかけた。

364:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/08(月) 23:52:03.86 ID:
読んでるよ。しえ。

自分も事故した事あるから気持ち分かるよ。凹むよな。

366:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/09(火) 00:02:45.85 ID9J/JSmfD0
いつもありがとう!
今までも、つらいことも乗り越えてきました…
結構、つらいこと起こってるけど、俺なりに頑張ってるよ。
本当にありがとう。

365:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/09(火) 00:00:49.99 ID9J/JSmfD0
この日のバイトは、元気モリモリだった。
なんかカーチャンに励まされると、すごい元気になるんだ。

俺は次々と仕事をこなし、疲れることを知らなかった。

昼食は、カーチャンにおにぎりを持たされた。

少しの塩と、のりがきれいに巻かれたおにぎり。
おれの大好物だ。

カーチャンは、俺の好物をわかってて、作ってくれる。
泣くほどうまかった。

俺が思うに、カーチャンの作るお手製おにぎりは、最強だと思う。
おにぎり見るだけで、涙が出てくるほど、嬉しいものなんだ。

マジで泣くほどうまいんだ…。

367:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/09(火) 00:07:02.18 ID9J/JSmfD0
でも俺はバイト中も、カーチャンのことが心配でならなかった。

でも、カーチャンの心配していたら、カーチャンが悲しむかなって思った。

カーチャンは、きっと俺に、頑張ってほしいんだって。
そう思ったから。

頑張って、考えないようにしてバイトを続けた。

369:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/09(火) 00:16:01.88 ID:
自分もリアルタイムで読めて嬉しい。
孝行、無理せず頑張れ!

370:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/09(火) 00:16:36.32 ID9J/JSmfD0
俺は帰る時、カーチャンの容態がまた心配になった。
最近調子も悪かったから、気が気じゃなかったんだ。

俺「ただいま!」

ところが帰ってみると、カーチャンはすごく元気そうにしていた。

カーチャン「おかえり!!
ホラ早く、準備しないと!明日は早いよw」

俺「え…?あ、うん。」

カーチャン「何か足りないもの買いに行こうかw」

俺「うん。行こう。お菓子とかいるかもねw」

カーチャン「もちろん!
あとジュースと水筒と帽子と…」

カーチャン、子どもみたいだった。

俺はここまではしゃぐカーチャンを久しぶりに見た俺は、
不謹慎ながらテンションが上がった…。

371:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/09(火) 00:25:04.25 ID9J/JSmfD0
俺とカーチャンは買い物にでかけた。

カーチャンは、メントスが大好き。
特にグレープ味を食べてた。

カーチャン「メントス買おうwww」

俺「それ、好きだなカーチャンwww」

カーチャン「あとチョコレートと…」

カーチャン「あ!!!」

俺「え!な、なになになに??!」

カーチャン「ホラ、ぶどうグミがある!グーチョキパーの伸びるやつ!!
懐かしいーww」

俺「ああ、俺も食べたなぁ」

カーチャン「うんw孝行の遠足の時に持たせたりしてたw」

こんな感じが続いた。

375:孝行 ◆Ivd48xjRdA2010/11/09(火) 00:31:10.84 ID9J/JSmfD0
カーチャンと俺は、ペットボトルのジュースを2本ずつ買った。

カーチャンは、お茶系。
俺は、炭酸系…。

俺らの気合いの準備は、遅くまで続いた。
カーチャンは服装も、動きやすい服装に気合を入れると言っていた。

帰ってトーチャンに、「遅いぞ」と言われたのは思い出。

帰ってからカーチャンは、ご飯の支度が遅れていた。

376:名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/11/09(火) 00:37:00.98 ID:
カーチャンもトーチャンも最高だよな…
だから孝行もいいやつなんだな!
あんま話に出てこないけど妹さんもいい子なんだろうな

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