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:忍法帖【Lv=12,xxxPT】2011/09/08(木) 12:41:17.91 ID:sDW+XZlQ0買い出しを済ましてからは佐倉先生と一緒にキャンドルを作った
しかし、佐倉先生は売れ残るとかそういうことを気にしないでたくさん作っていたので、俺は数を調整するために飲み物等の買い出しに走ることもしばしばあった
調理部の試食もした、といっても佐倉先生への差し入れを頂戴しただけなのだが
そんな感じで夏の後半は佐倉先生と二人で学園祭の準備を頑張った
同級生達の黒い肌とチャラくなった頭髪、楽しかった夏の思い出が聞こえてくるたびに俺の心は締め付けられた
ガリデブの頭は以前にもまして鋭く尖り重力に逆らい、肌は真っ黒でこの夏の充実を見せえつけられているような気分になった
俺はこの日久しぶりに寝たフリをして午前中を潰した
授業が終わるといつものように昼飯を食べ図書室にもいった
図書室につくと田村さんが合宿での集合写真と俺と佐倉先生のツーショット写真をくれた
俺は嬉しくなり久しぶりに火の鳥を読んだ
先生としてはダメな先生なんだろうけど
佐倉先生がキャンドルを作っていたので一緒にキャンドルを作った
特に会話はしなかった、黙って二人でキャンドルを作り続けた
佐倉先生に写真も渡した、なんか嬉しそうだったから後日部室に飾ることになった
そうこうするうちに学園祭前日を迎えた
そのため、俺は朝学校に行くと教室にはいかず部室に荷物を置きに行った
教室ではクラスのやつらがクラスの出し物を準備しているだろうから行かなかっただけだ
俺がいても邪魔なだけなのはわかっていたのでこの判断に至った
天文部が使う空き教室に行くと、誰もいなかったので一人で準備を始めた
先生は俺を見つけるとびっくりした顔をしていたがすぐに
「相変わらず一人かよww」
と笑って作業を手伝ってくれた
俺も「相変わらずってなんですかww」とか言って笑って対応しながら作業を続けた
作業と言っても教室中に暗幕を張って、机を並べてテーブルクロスをかけるくらいだからすぐに終わった
内装を準備し終えてからは試しにプラネタリウムをつけてみた
本物には負けるけど結構綺麗で感動をしたのを覚えている
今思うと佐倉先生は黙って手伝ってくれたけど、本当は教師がするような仕事ではなかったような気がする
二人で不器用に看板を作ったけどなんか楽しかった
看板が完成してからは翌日の学園祭に向けて練習をした
調理部と合同ではあるもののあちらはお菓子の製作担当なので、接客に関しては天文部が担当しなければならなかったからだ
俺と佐倉先生は似合わないエプロンをつけて二人で客役と店員役を回して下校時間まで練習をした
学園祭に参加するのははじめてだったし、学校でなにかをするのも初めてだったからだ
その日は久しぶりにSOS団もこんな感じに文化祭を迎えたのかなぁ、とラノベ脳明日の楽しい一日を考えながら妄想して寝た
翌日は学園祭初日の校内発表、俺の人生で忘れられない一日が始まろうとしていた
学校にはすでに生徒が溢れていていつもと違う空気を肌に感じることができた
その空気に俺も自然と浮足だったが、まずは義務的にホームルームを受けなくてはならないのでクラスに向かった
クラスに行くといつの間にかクラスの内装が段ボール張りの小汚い喫茶店に早変わりしていた
俺の机は撤去されていて仕方がないので床に座ってホームルームを待った
なんかクラスのやつらが俺を見てヒソヒソ悪口を言っていた
普段は関わろうともしないくせにイベントごとでさぼられるのは気に食わないらしかった
俺が関わったら関わったで悪口を言うだろうに、そんな感じで俺は寝たフリをして時間を潰した
ホームルームが終わると、俺は荷物をまとめ足早に部室に向かった
クラスを出るときクラスのやつらの悪口がまた聞こえたが気にせず教室をあとにした
今思うとこれが原因で佐倉先生を悲しませることになるのだが、俺はこの時気づきもしなかった
部室からキャンドルを運んだり、少し接客の練習をしたりとまあそんなところだ
それからしばらく教室で待機していると、佐倉先生が来たので一緒にエプロンをつけて準備をした
佐倉先生が来てからは調理部のお菓子を運んだり、ジュースとコーヒー等の飲み物類の準備を済ませた
かくして、天文部の学園祭初参戦は始まった
佐倉先生が大きな声を出して接客を始めた
「い、いらしゃー…」
俺は良く分からない言葉で接客をした
校内発表なので本来皆身内なのだが俺にはそんなもの関係ない、全員他人だしほぼ女子だから全員宇宙人だ
声をあげて接客なんてできるわけもない
そうなると二人しかいないので自然と分担をすることになり、佐倉先生がウエイトレス役となり俺はお菓子の盛り付けやジュースの準備、キャンドルの販売係に落ちついた
どうやら聞いていた通り佐倉先生は生徒から人気があるらしく、「さくちゃんきたよー」とか声をかけられながらドンドン客を拾いバンバン客をさばいていった
調理部のお菓子も盛況で午前中はなかなかの客入りとなった
キャンドルも女子が多いうちの学校なので「可愛い!」とかで結構売れた
そのためお昼になるころには客足も落ち着き、俺も接客に慣れてきたことから一人で店をやりくりしていけるくらいにはなっていた
そこで俺は佐倉先生に「さくちゃん、休憩してきたらどうっすか?」とか祭り効果で浮かれて提案した
腕つねられたけど
そんな感じで佐倉先生は休憩がてら昼食をとってくることになり、店には俺が一人残ることになった
クラスのやつらが俺を良く思っていないことを