母「おかしいじゃない!」
父「とにかく!とにかくですだ!」
とにかくですだ!ってなんだよwwwwww
父「随分小さいのに頑張ってるなと思って…」
母「それがきっかけなのね」
父「…手を振ってくれたんだよ、俺に」
母「そんなの観客たくさんいるんだから、あなたに振った訳じゃないでsy」
父「いいや!父さんに振ってくれてたよ。分かるんだ」
何が分かるのかよく分からないけど、またウチワのしんごを見てニヤニヤしてるオヤジ。
おふくろも、もう呆れて何も言えないようだった。
ニヤニヤwwwwwwwwww
こ れ は 流 行 る
とにかくですだ!
父「お前達家族の事は一番に愛してる」
母「……」
父「趣味は趣味だ。お前達が一番に決まってる」
母「……」
父「だから、しんごを二番目に愛する事を許して欲しい」
母「…あ、愛する…」
俺「wwwww」
父「いや、だから、しんごを応援する事を許して欲しい」
母「お父さん、正直に言って。お父さんは…その…アッチじゃないわよね?」
父「アッチ?」
母「男の人しか好きになれないとか…」
父「いやいや。いやいや。 い や い や 。私は女の人がだぁーいすきですぞぉ」
オヤジのキャラがどんどん変わっていってる。
もう意味わからんwwwww
やっぱりオヤジはホモなんだろうな、と俺が勝手に確信したのはここだ。
だから俺は、「オヤジ、無理すんなよ」と言った。
おふくろもちょっと泣きそうだったけど、「あなたの為なら乗り越えるわ」とか言ってて、オヤジは一人でテンパってた。
母「いいのよ、大丈夫」
俺「みんなで支えるよ…俺、一人っ子だけど」
父「いや、違うんだ」
母「大丈夫。無理させていたらごめんなさい」←おふくろ泣きそう
父「待て、誤解だ。父さんは男の人が好きな趣味はない。本当だ」
母「でも…」
父「本当だ。例えタッキーが目の前にいても何とも思わないぞ」
母「……」
父「山下くんがいてもだ。父さんはお母さんを愛してるからな」
俺「むらかみしんごでも?」
父「そ……しんご…」
俺「……」
父「……」
俺「……」
父「…いや、大丈夫だ。落ち着いてくれ」
お前が落ち着けよ、と。思わずツッコミたかった。
ついでにオヤジのスペック
54歳 会社員
ひょろひょろハゲ眼鏡
八神の父さんというよりは、うすたのジャガーさんのピヨひこの父さんの駄目バージョン(長)だ。
分かる人だけ分かってくれ。
それからオヤジは自分がいかにホモじゃないかを必タヒに弁解していた。
長澤まさみに興奮するとか、コンビニではついグラビアを覗いてしまうよね☆とか。
痛々しいくらいのオヤジに、おふくろはついに泣いてしまった。
母「もういいから!責めたりしてごめんなさい」
父「いや、ちが…」
母「受け止めるから本当の事を言って」
父「違う。本当に違うんだ」
母「…言い難いなら、待つから」
父「だから違う!!」
母「だって、この子と付き合えるなら付き合ってみたいんでしょ!?」
俺「そうだよ!オヤジ、しんごと付き合ってみたいなって思わないのか!?」
父「思う、思わない!」
どっちだよwwww
父「付き合うとかじゃない!!しんごは俺のアイドルなんだ!!!どうして分かってくれないんだ!!」
ウチワを胸に抱いて熱く叫ばれても、何の説得力もないんだよ、と。俺は言いたかった。
アニオタだけど
親父の気持ちよくわかるわwww
俺漏れも
父「ジャニーズが好きなわけでもないし、ジャニーズなら誰でも好きというわけでもない!!」
父「父さんは、しんごが好きなんだ!!しんごしか好きじゃない!!分かってくれ!!!」
オヤジは言った。
最近のしんごは、男性客に優しい、と。
父「男の人、もっと声出して下さいって言うんだ」
父「きっと、父さんみたいなファンを大事にしてくれているんだよ」
俺「…オヤジは、しんごのライブで叫んだりするの?」
父「ライブじゃなくてコンサートな」
どっちでもいいよwwww
父「しんごの名前を呼ぶよ。応援してるから。振り返ってくれたりもする」
母「あなたに振り返ったわけじゃないでしょ」
父「いや!!俺を見てくれていた。間違いない」
何でそんなに必タヒなんだよハメ次郎www
だけど、オヤジを見ているとジャニオタってこうなんだろうな、と思ったよ。
いついつのコンサートwでは、自分を見て笑ってくれたとか、手を振ってくれたとか。
父「しんごと同じグループの横山くん(?)も、父さんによく声をかけてくれるよ」
父「『お父さん、何してるんですかーwww』って言って、お父さんにサインをくれた事もある」
俺「サインなんか凄いじゃん」
父「だろ?wwww」
HAHAHAと笑うオヤジは、俺の知ってるオヤジじゃない。
もはやただのジャニオタだ。
いや、しんごオタか?
完全に侮蔑してるwwwwwwww
しんご「またオクレさん来てるwwwwまじバロスwwww
父「…書斎にあるよ」
俺「へー見たいn」父「駄目だ。手垢がつく」
家族が受け入れモードに入ると、オヤジはひたすら語り始めた。
今まで誰も話す相手がいなかったんだろうな。
12年分の、むらかみしんご君への愛だ。それはもう、熱く熱く語ってたよ。
父「しんごは可愛さもあり、かっこよさもあり、そして何より頑張りやさんなんだ」
父「知ってるか?レコメン(?)。しんごはもう何年もラジオをやってるんだぞ」
父「大阪でもラジオをやってるから、父さんはいつも大阪の友達に録音してもらって送ってもらうんだ」
父「もちろんテレビ出演も時間がある限りチェックしてるよ」
父「大分体つきも男らしくなってきたんだ。あんなに小さかったのに…」
父「お前が女の子なら、婿にもらえるのになぁ…」
父「父さんは、しんごを息子にする夢を年に一回は見るよ」
俺は泣いた。
言ってやれよ
しんごじゃなくて俺を見てくれって
おふくろは、金の事とか、オヤジの性癖とか、まだまだ突っ込んで聞きたい事はたくさんあった様だけど、その時は黙ってオヤジの話を聞いてた。
俺もオヤジがこんなにイキイキしてるのは初めて見たからな。何だか驚いてしまって、相槌だけはちゃんと打ってたと思う。
しんご
し ん ご
し ん ご
俺は今日、何回その単語を聞いただろうか。
やがて、引いてる家族にやっと気付いたのか、ヒートアップしてたオヤジが「すまん…」と謝った。
俺「別にいいよ…それだけ好きなんだって事が分かったから…」
母「……」
父「あ、あぁ…」
テーブルの端で何も知らず、ウチワの中でににっこにこ笑ってるしんごが憎らしくなるほどだ。
オヤジの気持ちも、分かろうと思えば分かる。(ホモという訳じゃなくて、アイドルしんごが好きという気持ち)
俺の家は、まもなくリフォームして、綺麗な大きい家になってな。ずっと一人暮らしだったばーちゃんと一緒に住むんだ。
元はといえば、俺が話しを大きくした責任がある。
この空気を変えるのは俺しかいない!!!
と思った俺は、必タヒで考えて、オヤジにある提案をした。
俺「だったら、みんなでコンサート行こうぜ!」
母「!!」
母「いやよ、いい歳してアイドルのコンサートなんて…」
父「○○(俺)、しんご、じゃなくて、しんご君と呼びなさい」
俺「(どこに突っ込むんだよ、このオヤジwwww)いいじゃん。みんなで行けば」
母「疲れちゃうもの。ずっと立ってるんでしょ?ああいう所って」
俺「なぁ、オヤジ。みんなで行くのいい案だよな?」
父「……」
俺「理解するには一番それがいいよ。オヤジだっていつも一人で行ってたんだろ?(多分)」
父「でもなぁ…」
なんだよ、何がいけないんだよwwww渋ってんじゃねーよオヤジwwww頼むよwwww
空気最悪なのにもう耐えられなくて、何とか和やかムードに持っていこうと奮闘する俺。
父「…しんごに、こんな大きな息子がいるのかと思われたら…」
何処で見得張ろうとしてんだよwwwwww
そんなの気にしねーよwwwww
だけどな、これでついにおふくろが切れちゃったんだよ。
「いい加減にしてよ!!!」って怒鳴って、「いい歳して何考えてんのよ!!」って大声でオヤジを怒鳴ってた。
おふくろがこんなに怒る姿を初めて見た俺、かなりビビる。
和やかムードに戻そうと思ったのに、火に油注いだ?と思って、何だか情けなくなった。
母「趣味なんでしょ!?趣味でこの子が好きなんでしょ!?」
父「違う!そうだ!」
だからどっちだよwwww
母「だったら、入れ込み方を考えてよ!!!若くないし、もう定年前なんだから!!」
父「……」
母「家族とこの子どっちが大事なの!?」
父「それは家族に決まってるだろ」
母「だったら、限度を考えてよ!!!」
もう父芸人になって大阪行けよwww
いかん、俺記憶が曖昧になってる。さっきまでしっかり覚えてたんだけどな。脳内補足が増えたらスマン。
母「いくらなの!?このウチワ」
父「ご、500円」
母「一枚?」
父「…あぁ」
母「この下敷きみたいなのは?」
父「クリアファイルだ」
母「どっちでもいいわよ、これはいくら!?」
父「…覚えてない」
じゃあこれは!?これは!?とおふくろがテーブルに散乱したグッズを取り上げて、オヤジに値段聞いてた。
俺もよく覚えてないけど、高ぇえええ!!!って思ったのだけは間違いない。
そして俺は見逃さなかった。
正座してるオヤジのケツに、恐らく大事なのであろうウチワを数枚隠している事を。
これだけは見つからないようにとばかりに、座布団で必タヒにウチワを隠すオヤジ。
俺は、本日何度目かの涙を流したかった。
お前はいつ泣いても問題ないw