3年前のある日曜の事。
2ヶ月程抱いていた疑念を確信に変えるべく嫁の携帯を盗み見た。
午後から友達と出かけると予め聞いていた。
フォルダに残っていた着信メールを順に読んでいくとやはりあった。
その発信先のメールはそれだけだったが内容からして初めての
メールでない事は明らかだった。無用心にも削除してなかったようだ。
嫁を見送り、急いで息子を近所の実家に預け、女性名義のメールにあった
5つ先の駅近くの喫茶店まで車で飛ばし目立たないところに停めた。
待ち合わせ時刻までは10分程。喫茶店の出入りロを
注視していると嫁が入っていくのが見えた。
俺とほぼ同年代と見られる男に肩を抱かれて楽しそうに歩き出す。
方角は駅裏手のホテル街。途中のコンビニで買ったのはビールの様だ。
暫く歩いて一つのホテルに入る。嫁は戸惑い一つ見せなかった。
歩いてつけてきた俺は車を取りに戻り、ホテルの前に停めた。
二人が入って約2時間、それまでの事を思い出していた。
つきあい始めてから結婚、息子の誕生、それなりに幸せだったと思う。
悔しいとか腹が立つといったものも沸く事無く、
今後の事を淡々と考えていた。
突然二人の前に現れた男を見て嫁は最初キョトンとしていたが見る見る顔から
血の気が引いていくのがわかる。嫁の様子から俺が誰であるか男にもわかったようだ。
数秒間嫁を眺めたあと普段の口調で「帰ろうか」と言った。
修羅場になるとでも思っていたのだろう、嫁は「えっ?」とだけ発して
俺に手を引かれるままにその場を離れた。男がどんな表情をしていたかは見なかった。
「晩飯の買い物をしていこう」と3人でよくいくスーパーへハンドルをきった。
入店して数分経っても嫁はカゴに何も入れようとしない。
「今日は外で食べるか」といって嫁を促して車に乗せ、
実家に預けた息子を拾い、隣町のファミレスに入った。
箸がすすまない嫁に「ママ食べないの?」と言った息子に、
「ママお腹の調子が悪くて。食べていいよ」と返す。
無邪気に息子は嫁の皿にフォークを伸ばしていた。
家に帰り、息子にとってはいつもの調子で俺にじゃれ付くが、
息子に対しての俺の感情が明らかにそれまでと違っていた。
一緒に風呂に入った。これが最後だろうと思いながら。
翌朝も普段どおりに出勤した。只一つ違うのは、昨晩のうちにまとめた
着替えなど当座の生活に必要なものをつめたカバンを持っていた事。
その日から俺は実家で生活するようになった。
突然の事に両親は驚いたが「珍しく喧嘩でもしたのだろう」程度に思っていたようだ。
居間に俺の両親とともに嫁がいた。
「ただいま」とだけ言って俺は風呂にむかった。
湯船につかっているとドアの開く音がし、脱衣所で
土下座している嫁の姿が磨りガラス越しに見える。
「ゴメンなさい。本当にゴメンなさい。」
俺は無視して体を洗い始めた。
暫くして男との経緯を話し始めたようだ。
と言っても上の空の俺には内容なんて記憶に残っていない。
一通り話し終えた様でまた「ゴメンなさい」と繰り返す。
さすがに鬱陶しくなって「後で居間にいくから」と嫁を出て行かせたが
風呂から出た俺は誰に告げることもなく外出して車で一夜を過ごした。
嫁は晩のウチにマンションに帰ったようだった。
尋常ではない事を悟った両親は、出勤の準備の為に翌朝帰宅した俺を
問いただしたが「帰ったら話すから」とだけ伝えて家を出た。
謝罪と帰ってきて欲しいとの言葉が泣き声とともに入っていた。
全て消去した。
嫁と付き合い始めた頃に交わした会話の中にこんなのがある。
浮気したらどうする?
嫁は泣いて暴れる、と言ったが
俺は「怒りはしないだろう。ただ冷めると思う」
「寂しい人ね」と嫁。
その言葉の通り俺は既に冷めきっていた。
客間に上がるなり嫁の両親が手をついて平謝りに謝った。嫁も涙目でそれに続く。
俺の両親も「もう許してやりなさい」と俺を促す。
俺の意思は固まっていたがいきなり離婚を切り出すのも相手の両親に申し訳なく、
1時間ほど会話を交わしたが最終的に俺の離婚の意思が固い事を告げた。
息子についても俺が引き取る様子を全く見せない事に嫁が「本当にいいの?」と問う。
「僕の子かどうかわからないからね。」周囲は言葉を詰まらせた。
箸の扱い、近所の人にも率先して挨拶出来るようにもしつけた。
最近ではキャッチボールが一番のお気に入りになっていた。
あっさりあんな事が言えたのは今から思えば驚きだ。
俺の言葉を両親はたしなめたが俺は全く意に介さなかった。
愕然とした表情の嫁に俺は、
「あの日まで僕の子である事に何の疑いも持ってなかった。
君がした事の意味がわかった?
君がした事が僕の気持ちにどんな変化をもたらしたかわかった?」
「君」「僕」等と二人の会話で使った事がない言葉がその時は自然と口から出た。
嫁は嗚咽をもらし顔を伏せた。
しかし仕事も手につかず、食事も息子に食べさせるのが精一杯で嫁自身は喉に通らず、
次第に体を壊し会社も退職し実家に引き上げ、入院したと義父に聞いた。
嫁には兄弟が無く、それだけに息子が出来たと義父は結婚を喜んでくれていた。
孫もとても可愛がってくれた。
仕事中にも「○○を買って来たから晩飯一緒に食べよう」とよく携帯に入った。
と言っても仕事で帰りが遅い俺は待っていた嫁と二人で食べる事が殆ど。
俺より先に嫁と来ていた息子とさっさと食事を済ませ、風呂に入れ、
居間で目尻をさげっぱなしで息子と遊んでくれているのを、
嫁とともに笑ってみていた。
義父には本当に感謝していた。
時折義母も電話に出た。電話の度に二人が発する謝罪の言葉に「もういいですから」と返す。
だが段々義父の声に元気がなくなっていくのがわかった。
陽気だった義父の声から全く覇気が失せていた事が辛かった。
「もう電話しないで下さい。義父さんの声聞くのが辛いです」
「そうだな、悪かった。これで最後にする。○○君、本当に申し訳ない事をした」
「すみません、義父さん。本当にすみません」
電話越しとはいえ義父の前で初めて泣いた。
嫁に対しては何の思いも無い。もう冷め切っていたのだ。
でも嫁のご両親がやつれていく様子が俺には辛かった。
嫁の家族が引っ越したらしいと聞いたのは去年の事。
今どうしているのか全く知らない。
俺なりの仕返しだったかな。
長文駄文失礼しました。
頑張って下さい。
お疲れ様でした。
読んでてなんか悲しくなってしまった。
レス有難う。
明日も出勤なのでもう寝ます。
たぶん、うちの旦那よりは良い旦那だとはおもうんだけどな・・・
私も、仕返しはしたいとは思うけど、何が仕返しなのかは
最近わからないな・・・浮気でもと思ったこともあったけど、旦那と同じ
仲間になりたくないから、してないよ。するなら、離婚が先だよね。
ここに来て皆同じだなーと答え見つからず・・・
32さんの書き込みに引き付けられました。
32さんは男だからアッサリ奥さんに子供を渡せたと思う。
女はそうはいかない。環境の変化*子供の将来や自分の仕事。ひきっとった後の不安
など簡単な問題ではない。だから簡単に離婚も出来ない。32さんの奥さんはメチャ
メチャ後悔したと思う。32さんはそれで満足?子供の事はどうも思わない?
なんだか仕返しと言うより冷めすぎていてチョッと怖い。今まで子供にも妻にも愛
が有ったのならホテルで待っている間の2時間でそんな冷静な態度は取れないと思う。
32さんは本当に後悔は無かったの?今は幸せ?チョッと厳しくなってゴメンなさい。
でも私は仕返しした後の32さんの気持ちを知りたい。是非返事下さい。
が、ちょっとまて。
32は、嫁の事嫌いだったんじゃないか?
後、家族を持つ事も嫌だったんじゃないか?
運良く 奥が不貞してくれたので別れたのでは?
昨日のを見直したら全部ageてたんで一寸焦りました。
ここで書き、頂いたレスを読んだ事で当時の事をもう少し冷静に考える事が出来たようだ。
帰宅して考えをまとめている間にこんな時間になってしまった。
で、これははっきりしておきたい。
当時は仕返しだと思って離婚したのではなく、スレタイを見て
「俺なりの仕返しだったのかな」と思ったんです。
>>43
浮気の原因については脱衣所で多分話していたと思う。
ただ、書いた通り俺が聞く耳を持ってなかった。
俺の側に全く非は無いと思い込んでいたのだろうね。
内心、浮気の原因に俺に対する不満があるんじゃないかと思って、
聞きたくなくて耳を無意識に閉ざしてしまったんじゃなかろうか。
全く覚えていないんだよ。
何らしか至らない点はあったと今は思う。
ちゃんと聞いていればもう少しマシな人間に成長したかもしれない。
貴方と同じで俺も浮気に浮気で対抗するなんて考えもしなかった。
大袈裟だが、そんな事をすれば俺の信義に反するなんて思っていた。
また周囲の女性に嫁以上の魅力は見出せなかったしね。
>>44
ごめんよ。
満足したかと言われればしていない。結婚における最悪の結末を迎えたわけだからね。
「僕の子かどうかわからないからね。」
これに対しては後悔している。思っていても言ってはいけない最悪の言葉だと思う。
事実、記憶を辿っても懐妊の頃で疑惑を抱く事象も思い出せなかったわけだしね。
また結果的に離婚後に息子に会う糸口を自ら潰してしまった事になった。
だからと言って会いたくて仕方が無いというわけではない。
自分で断ち切ってしまったが故の自業自得と納得させている感じかな。
反対にもう一度やりなおしたとしたらどうなっていただろう。
存在したか否かも分からない間男の影を息子に見て虐待に走らなかっただろうか。
仮にDNA検査にかけて生物学的に実子であると証明されたところで
一度あんな疑念を抱いてしまったら以前の通りにいかないんじゃなかろうか。
そんな事を考えている。
>>今は幸せ?
いいえ、離婚2ヶ月前に戻れるなら戻りたい。男36歳独身です。
>>そんな冷静な態度は取れないと思う。
これは>>47へのレスとも重なるんだが、
冷静だったかと言えば違うかも知れない。
書いたとおり疑念を抱いてから約2ヶ月だからね。
その間に疑心暗鬼にかられ嫉妬心を抱いていたと思う。
徐々に嫌いになっていったのかもしれない。
ホテルの前で淡々と考えていられたのも
最悪でありながらも2ヶ月間の疑念に一つの決着を見たことに対する、
何というか、テストの出来に自身がなくて結果が出るまで不安で仕方ないんだけど
結果を見たらやはり予想通り、それでもそれまでのイライラは一応の終わりを
むかえるわけで、うまく表現出来ないが一応は解がわかったわけなんだよ。
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/couple/1125153090/
こんなスレがあるんだけど、懐妊の時にこの板を知っていれば
俺もスレを立てたかもしれない。
帰宅して先に寝ている息子の顔を眺めているのが好きだったなぁ。
一寸違うかもしれないけど、
*母親が赤ん坊に母乳を与えている時
*泣いている幼子を「ハイハイ、大丈夫、大丈夫」などと母親が笑いながら抱いてあやしている
この2つに対してこんな思いを持っている。
「この世にこれほどまでに美しい光景があるだろうか」と。
それが例え見ず知らずの親子であろうと。
事実息子と嫁との様子を眺めているのが好きだった。
ぼ~っと眺めているので「変なパパでちゅねぇ」と嫁によく笑われた。
いや勿論俺も育児には参加していたよ。
ただ、深層心理どうこうとなったら一寸わからないな。
ええっと一応全部答えたつもりなんだけど
見落としているかもしれないのでご指摘下さい。