実家に帰ってきた。
失態帰りでカッコ悪い帰り方になったけど母ちゃんのご飯は今まで母ちゃんに反抗した事がある全ての事柄を反省しないといけないくらいうまくて、そしてありがたい物だと実家を出てみて初めて知った。
隣の隣に住んでいて意識しない訳がない
あれ?今、帰って来た物音菜穂かな?今、隣の隣の家で菜穂何してんのかな?
そんな事考えて目一杯意識してしまっているけど。
メールか…一通目はなんて送れば、直接か…なんて言えばどうすればいいのか
菜穂は何を知ってるのか何からどう話せばいいのか
そんな事がわからなかったから連絡はしなかった、というかできなかった。
こんな風に僕を悩ませる菜穂はロクなもんじゃない
そうは行っても家は隣の隣。会わない訳がない。
ついに菜穂に会う。そんな瞬間が来た。
僕が実家に帰って一週間ほどした会社の帰りの家の前だった。
家の前に自転車を止めようとすると菜穂が出て来た
2年半ぶり。2年半ぶりの再会だった。
菜穂「ねぇ?」
2年半ぶりに見た菜穂はやっぱり可愛いかった。
いやまた可愛くなったかな。菜穂だぁ。倒れるほど可愛かった。
またお○ぱいがでかくなったかな。どこまででかくなるんだ
恥ずかしいのであぁ菜穂?そんなヤツいたなぁみたいな感じで「よぅ!!」って言った
でも隠しても顔はニコニコして仕方なかったと思う
こんな心にもないリアクションをさせる菜穂はロクなもんじゃない
菜穂もニコニコして小走りて近づいてきた。僕はもっとニコニコしてただろう
菜穂「ねぇ?」
僕「ん?」
菜穂「あのー帰って来てるのはわかってるんですけど?帰って来たら普通あなたから私に連絡くれるよね?」
僕「あー、そうそう今日!今日連絡しようと思ってた」
菜穂「もぅ。せっかく帰って来たんだからうちでご飯食べて行きなよ」
僕「あ…うん」
そうか何も気を使う事もなかったんだ、それでよかったんだ
こんな風に帰省した僕に気さくに声掛けてくれる優しい
菜穂なんてロクなもんじゃない
なほ?
菜穂の家でご飯を食べました。
菜穂の父ちゃんも母ちゃんも久しぶりでワイワイと楽しかったです
菜穂の父ちゃんに「カッコよくなったな」って言われ
菜穂にも「うん、またカッコよくなったね」って言われた
そういえばスーツ姿見るの初めてだったけ?カッコいいのはスーツの事?
いや、菜穂はもっと可愛くなったけどそれは恥ずかしいので言いませんでした。
仕事の話はしたけど、彼女との暮らしの事は聞かれなかった
気のせいかどことなく気を使ってくれてるのかな?と言う感じがした
菜穂もニコニコニコニコして楽しそうで目一杯、可愛かった。
こんな風に優しい家族を持ち笑顔が可愛いなんてロクなヤツじゃない
ご飯を食べ終わる頃、菜穂が「部屋に行こうよ」って誘ってくれた
僕「わかった!ゲームしようよ!」って実家から弟のゲームを持ってきた
菜穂の部屋かぁこの広い部屋で勉強したっけって懐かしかった。
僕がゲームを取りに行ってた間菜穂は着替えていてタンクトップだった
胸がめちゃデカかった。菜穂どうした。何があった?
すごい事になってるんだけど?気になる気になる気になる気になる
特に僕は昔から菜穂の女性っぽい所はとことん気になり打たれ弱いフシがある
こんなに気になるなんて菜穂はロクでもないやつだ
菜穂はやっぱり僕が幼なじみだからって警戒はしてないようですね
ソファーに二人並んでゲームした。
菜穂はスト∥が下手で、手を抜いてないフリしながらも絶妙に負けてあげるのに苦労しました。
やたらボディタッチが多くポンポン人の腕を叩いてくるので嬉しくなってポンポンポンポンとやり返した時。
お○ぱいが大きくて視界に入って来て気になったので
できるだけ見ないようにしたけど楽しくて楽しくて楽しかった。
昔の思い出話したり。
「菜穂彼氏いるの?」
菜穂「いません。」こんな話もした
こちらもあれこれ聞かれると困るからこういう話はこのへんにしようと思った
こんな風に気を使わせる菜穂なんてロクなもんじゃない。
遅い時間までまぁワイワイと遊んだ、童心に帰れたような時間でとても短く感じました。
菜穂が「あー眠たい」と言い出した
菜穂「あー眠たい…寝るよ?」
俺「??」
…寝るよ??もしかして「一緒に寝るよ?」って事?
でもここで「なんだよ、一緒に寝る訳ないよ」みたいなリアクション取ったら余計恥ずかしがりみたいになるのが恥ずかしくて「あ、あぁ、寝よう、うん寝よう」と、菜穂がベッドに行くのに着いて行った。
菜穂は掛け布団をめくり中にチョコンと座っている
僕もベッドに入り座ってる菜穂を横から抱きかかえベッドに倒し菜穂を腕枕した
え?これどんな展開?菜穂を抱っこしてる僕。幼なじみだよ。え?菜穂だよ
菜穂は白くて細くて柔らかくていい匂いがした。
そして僕の体にピッタリですごく落ち着いた
何かあるのかと言う期待?とは裏腹に菜穂はすぐに寝てしまった
こんなに抱き心地がいい女にはロクな女がいない
菜穂寝ちゃったかぁ。なにもしないんだな。そういう事ね。
菜穂可愛いなぁ、キスしたい。この大きな胸を触りた…
いやダメだ。菜穂は幼なじみだからこうやって懐かしくてこうしてるかもしれない
相手がなんとも思ってないのに僕だけ発情してどうする。
とても落ち着くけどその落ち着きの中で邪心を捨て修行僧のように寝よう
…眠れない。当たり前だ寝れる訳がない。寝たのかなんなのか浅い睡眠だった
2時間くらい経った頃だろうか。異変が起こった。突然、菜穂が「うーん」って動いて僕の上に乗っかり僕のほっぺに手を当て…そしてキスをしてきた。…な!なにこれ!?
菜穂とキス?菜穂だよ!?というかシャレにならないくらい可愛い
一生懸命キスのお返しをして頭をよしよしした。胸触りたかったのにおしりを触っていた
要するにテンパっていた。
菜穂は次に僕の下のほうをゴソゴソしてきた
え?これ始まっちゃうの菜穂
僕を戸惑わせるなんて菜穂はロクでもない
そんな行為のあと菜穂はすっと布団に潜った。え…な、め、た?
その時、何かハッとした「これは止めないと」って。
「俺、菜穂に何させてんだって。」家を出てクズになってしまった自分じゃ
菜穂に申し訳ないって。
菜穂は何も知らないかも知れない。
菜穂みたいな子を僕みたいなクズに引きずり混む訳には行かない。
それと…少し女が怖くなっていた…。
菜穂をそっと引き上げた
「もう寝るよ」って言って菜穂の頭をよしよしってした
僕が見たあれは気のせいじゃなかったなぁ、うん…菜穂は泣いていた
それは見ないフリした。なんで泣いたんだろう。そんな事考え少し眠ると6時だった
菜穂が寝たままこっそりと着替えて家を出て仕事に向かった
なんか悲しい朝を迎えたそんな菜穂はロクなヤツじゃない
仕事は珍しく手につかなかった。1日中ぼんやりしてた。
何回も怒られたが怒られた事すら上の空だった。
菜穂の事ばかり考えていた
「どうして泣いたんだろう」家に帰り12時を越え深夜4時になっても考えてた
そんな時、ごく自然な一つの答えに当たった「菜穂は俺の事が好きだからあんな風にしたかもしれない」
菜穂が好きでもない人にそんな事するって考えは菜穂に失礼すぎる。菜穂はそんな子じゃない
それ以上にわかった答えがあった。
僕は菜穂がずっと大好きだったって事
小学校の時もみんなに菜穂が大好きだと言ってやりたかった
中学校の時も菜穂が大好きだから一生懸命マラソン走った
勉強は嫌いだったけど大好きな菜穂といれる空間が大好きだった
高校の時には菜穂が大好きだから勉強中にキスしようとした
大学の時には少ないバイト代崩してマフラーをあげたかった人は大好きな菜穂だった
それどころか彼女がいてもいつも意識しているのが大好きな菜穂一人だけだった
他にあれもこれも思い返すと菜穂が大好きで大好きで仕方ない過去ばかりだった
ただ認めてなかっただけだった。
よし今からでもいいからメールしよう
こんな大好きで大切な気持ちに気付かせた菜穂なんてロクでもない
まずとりあえず心配で仕方なかった。謝ろう。あわてずにしっかり送ればいい
「こんな朝方にごめんなさい。昨日は一緒に寝てくれたのに何も言わずに帰ってごめんなさい。また起きたらメールください」って送った。
返事はいつ返るのかもう返って来ないかもしれない
そんな事を考えてたら10分くらいでメールが返ってきた
きっと菜穂も同じような気持ちで眠れずに起きてたんだ
メールは「ねぇ?なんで起きてるの?明日。ってか今日仕事だよね
女の子にフラれて情けなく返って来るような人が
なにを人の心配してるの?ありがとう。ちゃんと寝て仕事行って
おばちゃん安心させてあげるんだよ。メールいつでもしておいでね。てかするからね」って
やっぱりフラれたって知ってて聞かなかったんだ。
菜穂が一番たまらない気持ちでいただろう自分が泣くような事はそっちのけで自分よりも僕や母ちゃんの事を先に考えてくれる
菜穂が優しいからまた涙が止まらなかった
そんな優しい子だから僕は一番に菜穂の事を考えてあげたかった
大好きだ「会いたい」とメールしてその日仕事が終わったら会う事になった
菜穂の家でご飯も用意してくれるって。
菜穂は一つ一つが優しいから見逃さないようにするのが大変だロクでもないくらい優しかった
菜穂の事大好きなんだ。
ただそれをちゃんと素直に伝えられればそれでよかった。
菜穂に言わせようとするんじゃなくて自分からちゃんと。
フラれたらもうちょっと離れた所で暮らせばいいか。
そして相変わらずの毎日を過ごせばいい。
その日、仕事が終わると菜穂に会った。
帰ると菜穂は家の近くの曲がり角で待っててくれた
「おーい」って手を振ってくれた。
一昨日の事はまるで何もなかったように接してくれた
菜穂の家族とご飯を楽しく食べた、その時も菜穂はずっと明るくしてくれた。
ご飯が終わり菜穂の部屋で菜穂と並んでソファーに座り長い沈黙が続いた
僕は切り出した
僕「昨日は…勝手に帰ってごめんね」
菜穂「うん…いいの」
僕「うんごめん」
ここで予想もしていなかった答えが返ってきた
菜穂「いいの…起きてたから」
起きてたんだ。
起きてたのに声掛けれなかったんだ。切なかっただろうな。
と、考えさせる菜穂はロクなもんじゃない
菜穂は続いてこう言った「わかってないなぁ」って。
わかってない。
菜穂の事はわかってない、そうやって言われても仕方ないかもしれない
僕がわかる事と言えば僕が菜穂の事が大好きだって事くらいかもしれない
だから「わかってるよ」って言った。
菜穂「何をわかってるの?」
僕「俺は…菜穂が好きなんだ。大好きなんだ、それは自分でわかってる」
菜穂は信じてくれなかった。
「何を言ってるの?からかってるの?」って。
僕が菜穂の事好きだなんて今さら気付いて口にしても信じてもらえないくらい
時間が経ってたのかな。少し残念な気持ちでいると。
菜穂がこう言った
「あなたじゃなくて、ずっと好きだったのは私のほうだよ」って。
え?今、聞き間違えたかな?
そうやって聞き間違えを疑いたくなる菜穂なんてロクでもない
菜穂は泣いていたけどちゃんと言った「ずっと、ずっと好きだったんだよ!わかってるの?」って
でもそう言われてさっき菜穂が僕の言う事信じなかった気持ちがわかった
菜穂が俺をずっと?いや、え?信じられない。
僕「でもさ、大学の時彼氏いたよね…」
菜穂「はぁ…いません。見た人の事でしょ?あの人はサークルの人。もぅ、絶対勘違いしたと思ってた、結局告白はされたけどお断りしました」
僕「え?じゃぁ高校の時は?…好きだったの?」
菜穂「好きに決まってるよ、学校違うのにマフラーあげたじゃん。なんでマフラーのお返しが塩ようかんなの?」
僕「あ…仏壇の前に置いていたので」
違うよ菜穂。
俺だってマフラーあげたじゃないか、大好きだから
マフラーのお返しが塩ようかんだと思ってるとかでも言い訳はしなかった
菜穂はロクでもない。
ずっと…ずっと…彼氏もいなかった…あれ…ひょっとして…え?
僕「あれ?菜穂…変な事聞くよ…菜穂はキスした事ある?」
菜穂「うん、あるよ」
僕「あぁまぁそれくらいはあるね、普通、うん」
菜穂「あなたとだけ」って指さされた
マジで?この子、初めてさん?
こんな可愛い、菜穂が、あんな人気者で告白ばっかりされてた
菜穂が初めてさん?
菜穂はヘナチョコの僕なんかが敵わないくらい意思が強くて偉大だった
可愛い過ぎてロクなもんじゃない
菜穂はボロボロ泣きながら「ほんとにわかってくれてるの?
小さな頃から小学校の時も中学校の時も高校も大学も今も大好きなんだよ?」って言った
ただただ驚きで僕はどうやって答えたらいいかわからなくなってた。
すると菜穂は席を立って机の引き出しをあけて何かを取り出して僕に見せた
「はい、恥ずかしいから今日は隠してたけどいつもは飾ってる」って
それは俺と菜穂が5歳くらいに撮った二人がニコニコして手をつないでる写真だった
それを見た瞬間、涙が止まらなくなった。
5歳の二人がニコニコ手をつないでる写真
その二人はお互いの事が大好きだから大好きと言い合い当たり前みたいに一緒にいる
僕は大人になるにつれそんな当たり前ができなくなってしまってた
菜穂の事をみんなが好きって言うから自分は遠慮しておこうとか、自分にはお高い人だとか
菜穂はあの頃と変わらずずっと真っ直ぐに見てくれてた
菜穂がよく言ってた「好きな人」「あなたがよく知ってる人」それは他の誰でもない僕でした
それなのに菜穂の事好きで好きで仕方なかったのに自分をごまかしては逃げてばかりで
僕ばっかりが曲がり続けて当たり前から目を反らしていた。
[好きだから好きと言って一緒にいる]そんな当たり前の事を写真の中の二人が今の僕に教えてくれた。
僕は菜穂の手を取り抱きしめてもう離さないようにして
「もぅねずっとずっと一緒にいるから僕の彼女になって下さい」って言ったら
菜穂は「…はい…じゃぁね今日を記念日にするんだよ」ってやっと笑ってくれた
そしてキスをした
僕を泣かせる名人の菜穂なんてロクなもんじゃない
ただの幼なじみだった僕と菜穂は彼氏と彼女になりました。
菜穂は僕の事をダーリンって呼ぶ事に決めたみたいです。
早々に菜穂と菜穂の両親には結婚しますと伝えました。
菜穂だからもうちょっと落ち着いたお付き合いになるのかと思いきや。
毎日毎日大好きと言ってくれるので嬉しくて負けないように言い返すのが大変です
いつもしっかりしてたお姉ちゃんみたいだった菜穂ですが最近はちゃんと甘えてくれるから
ちょっと僕もお兄ちゃんになったのかなと調子に乗ってしまいます
今まで男の子とお付き合いした事ない菜穂だから学生時代にできなかった事を全て取り返してやろうと思い、遊園地にも水族館にもカラオケにも色んな所に行きました
菜穂はほんとロクでもないヤツです。
可愛くていい子で誰からも好かれて天使のような笑顔で僕の事を誰よりもわかってくれて誰よりもいつも優しくしてくれるロクでもないイイ子です
僕にとっては世界中探してもこれ以上の人はいない、ロクでもないくらい大切な人だから
こうやってしてくれたロクでもない菜穂の素晴らしい仕打ちに対しては
一緒にいてクリスマスにはプロポーズして結婚して一生かけて
一番幸せにする事で仕返ししてやらないと気がすまないのです。
菜穂が僕の幼なじみに生まれて来てくれた事はほんとロクでもないくらい幸せな宝物です
【終わり】
下手くそな文章でしたが読んでいただいてどうもありがとうございました
【おしまい】
次回作に期待
妄想乙、自演乙も含めて
また、書き直したい、書き加えたいがあればまた次回書きますね
その時はお手柔らかにww
別の所で書いた「菜穂と付き合ったから殴らせろ」と電話があったと言ってた人は
中学の時に僕の失言で菜穂に告白した方でここにも登場していました
と言う事です
皆さまありがとうございます