5年前、27の時に
元々体が強いわけではなかったけど、心筋梗塞でいってしまった
二十歳の時、バイト先で出会って24の時に結婚した
26の時に生まれた娘は1年しか母親といれなかった
それにくらべれば
もう、気持ちの整理はついてるの?
なんと思われるかはわからんが、再婚の報告をしてきたんだ
そうか
いい人に巡りあえて良かったな
良かった良かった
嫁さんも安心してるよ
そっか
ええ人なんか?
子供は馴ついとるか?
色んな経緯があったんだけど、俺の幼馴染と結婚する
娘はなついているよ
嫁さんも、幼なじみも仲良かったし
喜んでくれているかな…とは思う
なんか吐き出したい事でもあるのか?
ここに至るまでの話聞いてもらいたかったんだけど
聞かせてよ
それは本当に救いだった
お盆は出張のからみで行けなかったんだよ
そうなるかと思ってたし、そうするつもりだったんだけどな
なんていうか逆だけどね
近くの公園で砂場いじってた俺に幼なじみが砂かけたのが多分最初
30年近く前の事だけどやたら鮮明に覚えてる
すぐに近くにいた幼なじみの母ちゃんが謝りに来て幼なじみに怒ったんだけど
これまた近くで見ていたうちの母ちゃんが何故か俺の頭を引っ叩いて
「男の子なんだからメソメソすんじゃない!」って怒られた
いない、初婚だよ
その日から俺と幼なじみは所謂公園友達になった
幼稚園は違ったけど近所だし多分毎日遊んでた、しばらくしたら将来結婚するとか
お互いに言ってたみたい
ちょっとたって小学校にあがると、今度はケンカ友達になった
ちょっかい掛けて、追っかけっこするとかそんな感じ
高学年くらいになるとお互いに異性を意識する感じになったのか
全然喋らなくなったけど
なんか漫画みたいやね。
殆ど無かった。たまに外で親絡みで話すくらい。
でも中学二年の時に起きたあることをきっかけに、また幼なじみとの交流が始まった
バレー部のエースで学年一のイケメンに告白されたのに振ったことが
原因で学年中の女子から総スカンくらったみたいだった。
当時、幼なじみと俺はクラスも違ったから全然その辺りは気づかなかったんだが
どこからか情報を仕入れてきたうちの母ちゃんからその話を聞いた
俺「いや、知らん…いつから?」
母ちゃん「4,5日前からみたい、そっかあんた知らなかったか」
みたいな会話だった
母ちゃんの雰囲気からなんとなく体調不良で休んでるわけじゃないってのは
わかったから、幼なじみと同じクラスだった部活の友達に色々と聞いてみた
んでわかったのは、学年中女子からいじめられてるってことだった。
なにより中学校に入ってほとんど喋ってないんだし、向こうが俺のことを
友達って認識してるかすらわからなかったし。今思えば冷たいと思うけれど。
要件は幼なじみの家に配布物を届けて欲しいって事だった。
「普通こういうのって同じクラスの人が持ってくんじゃないっすか?」って聞くと
「俺くん彼女の幼なじみなんでしょう、だったら持ってってあげてもいいんじゃない?」とか言われた
あっ、この野郎幼なじみがイジメられてる事も、その理由も分かってやがるなって中学生の俺でもわかった
幼なじみの母ちゃんもだいぶ憔悴してたな、なんか俺の顔見て泣きそうになってたし。
んでしばらくすると幼なじみがリビングに降りてきた
俺「おう…ほらプリントとか持ってきた」
幼なじみ「クラスのやつじゃなくてあんたか…」
俺「なんかごめんな」
幼なじみ「なに、わざわざ同情しに来たの?」
俺「そういうわけじゃないけど、こんなことになってんの気付かなかったし」
幼なじみ「別にクラスも部活も違うししょうがなくない?」
多分こんな会話したと思う、2年ぶりにしたまともな会話だった
いたらしいんだが、学校側がとり合ってくれなかったらしい
当時はまだまだそんな時代だったのかね
と言っても小さいころの思い出話がほとんどだったけど
幼なじみの母ちゃんはわざと席を外してくれていたみたいだった
俺「そんで、やっぱり学校には来たくない」
幼なじみ「そうね、いや」
俺「お前、こういっちゃなんだけど女に総スカンくらったくらいで学校休むタイプじゃないだろ?」
幼なじみ「うん、自慢じゃないけど」
俺「なら、なんで来ないのさ」
幼なじみ「私の仲良しまでいじめられちゃうじゃん?」
俺「は?」
いや寧ろ、子供の頃から超がつくほどのドSで男女年齢問わず喧嘩したら相手が
泣くまでやめないような女だった
幼なじみはこんな感じの性格。
痺れを切らしたイジメの中心グループが、幼なじみの親友をターゲットに変えて
いじめ始めたらしかった
その子を守るために自分から学校に行かないという選択肢をとったみたいだった
俺「そっか…それでお前はいつになったら学校くんのさ」
幼なじみ「さぁ、わかんないよ」
俺「ずっとこない気なのかよ」
幼なじみ「かもしれないねぇ」
俺「親友がイジメられるから?」
幼なじみ「も、あるけど…親友にシカトされるのわかってて学校行けるほど強くないよね」
俺「わかった、なんとかしよう」
ただなんとかしたかったんだと思う。
翌日からは虱潰しに学年中のやつらに声をかけこんなことやめるように言っていった
罵られて一向に相手にされなかった
仕方ないので幼なじみが子供の頃、俺にしてきたことを淡々と話し、あいつがどれだけ
やばい女かということを説明した
その場ではだからなんだよだの、脅しになってねぇぞとか言われたが
見てわかるくらいに彼女たちの顔が青ざめていたのを覚えてる
どうやらイジメグループの女から謝罪の電話があったらしかった
「やたらビビってたけどあんた何か言ったの?」って聞かれたから話したことをありのまま教えた
直後後頭部をかばんで思いっきりどつかれた。
多分ナグられたのは小学生以来だった
高校も同じ高校に進んだが、別に付き合ったり二人きりで遊んだりすることもなかった。
お互いに付き合う相手ができて、たまに一緒に帰るとお互いの恋愛の近況報告をするってな感じ。
大学生活はとにかく楽しかったんだが、遊びすぎて稼いだ分消えてく始末…
飲食店のバイトと派遣のバイトをやってたんだがもう少し食い扶持を増やさねばと
塾講師のアルバイトも掛け持つことにした。
いつしか幼なじみの存在も中学生にはいった頃のように薄くなっていった。
チェーン展開しているようなところでもなかったから自由だったし。
そこに入ってから半年ぐらいたった時、嫁さんがアルバイトとして入ってきた
続き待ってる
明日また書いてくれよな!
塾のバイトは学生バイトの場合は意外と入れ替わりが激しいし、
あぁまた新しい人が来たんだなぁぐらいの感じ
ほっぺたが特徴的な女の子だった
目が合うと元気よく挨拶してくれたし、多分性格もいい子なんだろうな
なんて思った
生徒にも明るく丁寧に接するし、中の人間にもとても気が使える
授業の前の準備なんかも一生懸命やってるし、仕事に慣れてくると後から入った
先生へのフォローなんかもしっかりしていた
可愛いなんていうこともあって、多分目で追っちゃってたりはしたと思う
たまに目が合うとニコって笑ってくれて柄にもなく照れてしまったのを覚えてるし
普段なら二人の内、一人は社員さんなんだけどその日は用事があるとかで
アルバイトの俺達二人でやることになった
彼女は高校生、俺は別の部屋で中学生向けの授業をやっていた
毎度中学生の授業となると悪ガキどもと授業終わりにくだらん話をしていたので、この日も事務室に
戻るのは結構遅くなった
事務室に戻ると、机に突っ伏してる嫁さんがいた
違うようだった
おもいっきり鼻水すすってる音がしたからだ
嫁「大丈夫です…」
俺「いやでも、そんな感じだし…なんかあったんすか?」
嫁「生徒の親御さんに怒られたんです」
子供の親が教室に押しかけてきたらしい
平たく言えばうちの子の成績が上がらないのはあんたのせいだ、この給料泥棒なんてことを
2,30分玄関先でずっと言われ続けたみたいだった
塾の講師やってる奴はなんとなくこういう親にあたったことあるんじゃないだろうか
普段なら社員が対応してくれるんだが、この日に限っては嫁さんが直接応対するはめになった
話を聞いてみれば、嫁が泣いていた理由は怒られたからってだけではなかった
みたいだった
思うと悔しかった
あぁ悔し泣きだったのか…これ
何故かその日の俺はちょっと大胆だった
俺「この後飲みに行きませんか?愚痴聞きます」
嫁はちょっと驚いた表情だったけど、すぐに椅子から立ち上がると
「じゃあ顔洗わなきゃですね!」なんて元気よく言って洗面所に入っていった
ほんのちょっと、でも知ってる人が見たらわかるかもね
最初の一時間は愚痴を淡々と聞いた、ひとしきり嫁さんの気持ちが落ち着くと
今度はお互いの話を始めた
大学のこと、地元のこと、友達のこと、家族のこと
なんていうとうちの方はほとんど標準語ですよなんて言ってた
家族はおばあちゃん、お母さん、お姉ちゃん、お父さんは若い頃に
亡くなったらしかった、その話を聞いて神妙な顔をしたら
「でも、みんな仲良いからお父さんいなくても寂しくないんですよ」なんて彼女が逆に気を使ってくれた
ただ本当に友達として、付き合うでもなく
多分心地よかったんだと思う
いつもならお酒飲んでニコニコっとするぐらいなのに
様子がおかしいなと思ったら、ベロッベロに酔った嫁から急に告白された
付き合ってくれ―って
あまりに驚きすぎたので瞬間断ってしまい、その日から急激に嫁とは距離感が生まれた
書き溜めしてない、本当につらつらと書いてる
嫁の方もそんな感じ、必要以上に明るく接してきたりとか
でもそんな時タイミングよく、二人で塾の子供向けのパーティーの
幹事を二人ですることになった
必然的に二人での作業も増える
後から分かったことだけど、これ塾の社員さんの差金だった
そして俺と嫁さんの仲はこれを機に一気に縮まった
二人でご飯行くとかだけじゃなく、映画館とか、遊園地とか所謂デートって奴を
するようになった
いや思えば告白されたあの日には好きだった気がする、驚きすぎてわけのわからない
対応をしてしまったんだと思う
嫁は満面の笑みで応えてくれた
乙
結構長そうだ