前記事⇨父「…」私「お父さんなにしてるの?」→子供の頃に恐ろしい出来事が起きた…【1/3】

48:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:23:20 ID:HS2
翌日には弟の合格発表があって、無事志望校合格。
嬉しくて嬉しくて、その翌日には3人でお墓参りに行った。
私はお墓参りもやっぱり嫌で、霊園を散歩してた。
帰りに弟が大好きなオムライスを食べに行った

http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1531304052/
49:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:29:47 ID:HS2
翌朝、母がお腹が痛いと言い出した。
動けないほどではないらしいが、倦怠感もあり、排便しても変わらないとのこと。話を聞くと、ここ数週間の間、食欲もあまりないと言う。思い返すと前日のオムライスもほとんど残して弟にあげていた。元々少食のため自宅ではあまり食べないが、外食では残すことはなかったのに。
50:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:32:57 ID:HS2
普段、風邪や頭痛の時でも母はそのことを口に出さない。
そんな母が自分から腹痛を訴えるのはよっぽどだなと思い、病院へ連れて行った。
検査入院が必要だと言われた。
この時で3月半ば。一人暮らしの準備でマンションも契約していたが、事情を話して破棄してもらった。知り合いのツテと言うことで、無料でキープしておいてくれるとのことでこれまたラッキーだった。
51:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:36:40 ID:HS2
母の検査入院の間は、私は勤める予定の保育園で研修、
弟は同級生と遊んでいた。
私は何事も無いことを祈りながらも母の死を覚悟していた。
あんなに痛がってしんどそうにしている母を見るのは初めてだったから。
帰宅すると、弟と2人。弟もある程度察しながらも普段通りを装っていたように思う。
52:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:39:34 ID:HS2
検査結果が出たのでとのことで病院へ呼び出された。
私は当時20歳であったが、童顔なためか、
医者から気まずそうに「できれば成人の方が良いのですが…」と言われた。蹴りそうになった。
53:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:44:05 ID:HS2
母は末期ガンだった。聞いても驚かなかった。
「ですよね」って返事した気がする。
この報告を聞いて真っ先に浮かんだのは、母の死ではなくて弟の将来だった。
弟はもうすぐやっと高校生になる。私はもうすぐ就職で生活がガラッと変わる。
親戚はたくさんいるけどみんな遠くに住んでいる。みんな良い人達で金銭面は父の死から後よくしてくれているが、直接的な援助は受けにくい。
54:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:48:06 ID:HS2
色々なことを一気に考えた。母が死んだと仮定してたくさん考えた。今思えばその時にそんなこと考えなくても…と思うくらい。
もし2人で暮らすとして、弟は未成年。児童相談所が絡むこともあるのか?そうなれば施設入所?もしくは遠くの親戚に預けられ、弟と離れ離れに?せっかく努力して合格したのに転校の可能性も?など。
55:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)21:52:22 ID:HS2
余命はよくて数ヶ月でしょう。と言われた。
お母様やご兄弟にはお伝えしますか?と聞かれた。
母はこの時まだ結果を知らされていなかったが、おそらく予感しているだろうと思った。知らない状態で病気が進行する方が怖いだろう、母にはすぐ伝えたいと思った。
弟へどうするか悩んだ。
57:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:00:14 ID:HS2
弟は、父のジサツ、兄の事故死という2人の突然死を乗り越えてきた。もうすぐ高校生で、大人と同じように物事を考え受け入れる力は十分備わっている子である。
でも今このタイミングでそんなマイナスな報告をするのはどうなのか。新しい生活を楽しみにしている様子は、今まで見向きもしなかった学園ドラマを夜な夜な1人で見始めた姿からよく分かる。
その気持ちのまま、高校生活をスタートさせてあげたい。そう思った。
弟には末期ガンで余命数ヶ月であることは伝えないことにした。
初期のすい臓がんで治療すればよくなると伝えた。
担当の医者や看護師もそう合わせてくれた。
後から聞いた話、母と同じ病室の患者さんも合わせてくれていたみたい。
58:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:08:30 ID:HS2
翌日、職場の園長と主任に事情を説明した。泣いていた。
すぐに他の先輩職員や同期にもそのことを話してくれた。
私はまだ新入りで、関係を築けていないのに
「〇〇さんが良い子ってことがよく分かった!いっぱい手伝うよ!」「悩みのはけ口にして!」と声をかけてくれた。
59:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:14:20 ID:HS2
弟は中学時代に引き続き、高校でもバスケ部に入りたいと言っていた。それなりの強豪校ということも志望した理由の1つ。
それもあって、転校は絶対にさせたくないと思っていた。
そのことも職場の人たちに話すと、
「強豪のバスケ部ならきっと朝練がある
弟くんを起こして見送らせてあげたい
早出出勤になると、きっと〇〇さんの方が早く出るから、弟くんを送り出せないよね
よし、〇〇さんは早出出勤無しで!」
みたいな感じですぐに勤務形態まで考えてくれた。
60:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:18:01 ID:HS2
弟は私たちがついている嘘を信じて毎日楽しそうに高校へ通った。部活ももちろんバスケ部に入り、先輩達の予想通り朝練があった。
母は日に日に弱っていった。薬は治療というより緩和が中心。
弟には副作用で一時的に弱っていると伝えていた。
61:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:25:01 ID:HS2
5月の半ば、私は職場の人間関係に恵まれ、母の弱っていく姿に苦しさがあるものの、仕事は充実しており楽しさを感じていた。
弟には彼女ができた。バスケ部のマネージャーで、可愛らしい子。
父の死について、身内以外のほとんどの人には母も私も弟も心筋梗塞で亡くなったと伝えていた。みんながみんな理解してくれるとは思わなかったから。
でも弟は彼女に本当の死を伝えていた。それほど信頼している。
なんでもありのまま話せる相手だと嬉しそうに言ってた。
62:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:27:51 ID:HS2
彼女=なっちゃん
で。
63:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:31:49 ID:HS2
仕事帰りにちょうど弟の高校を通る。
なっちゃんが私に会いたがっているとのことで、何度か高校の近くで3人でおしゃべりした。
ある時なっちゃんが、「次は弟くんのお母さんにも会ってみたい。いつか一緒にお見舞い行けたら嬉しい。どんな病気なの?」と聞いた。弟は、母が入院していると伝えていたが、病名は言ってなかったよう。
64:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:33:28 ID:HS2
「すい臓がんだよ。末期の。」と弟が答えた。
「そうなんだあ…」と気まずそうに下を向くなっちゃん。
なんで末期って知ってるの!?私も気まずかった。
65:名無しさん@おーぷん2018/07/11(水)22:36:34 ID:HS2
私は先に帰宅して混乱。
思い返してみても絶対に末期って言ってない。
あたふたしていると弟が帰ってきた。
私と目が合うとすぐに「やっぱ末期だよね?w」と笑った。
なんで末期って分かったのか尋ねた。
 

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