その後は三人で外で星を見ながら
買ってきた缶ビールをマッタリ飲んでたな
まさに、星見酒って感じだ
最高だったなあ。

一回り世代が違う男が三人。
爺さんは奥さんとの馴れ初めを無邪気に語り
大学生君は顔を真っ赤にしてマスターの娘さんへの想いを語り

俺は大学時代最後に行った夏祭りの事を話したなあ
それが最後の夏になると思ったのに、こうして今また夏を堪能してることを噛み締めてた

http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1334844646/
131:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 03:43:46.65 ID:88mOtjmX0
そうこうしてると、華のある声がした

「こんなところでなにしてるんですか」
そこにいたのはマスターの娘さんだった
といっても大学生君の好きなお姉ちゃんの方ではなく
妹の高校生の方だった

俺はしめた、と思ってニヤニヤして
「お姉ちゃん呼んでこれる?」って言った
そしたら大学生君がやたらてんぱってたな

132:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 03:47:55.54 ID:88mOtjmX0
大学生君は本当に焦ったのか、「お腹痛い」
って言って部屋に帰ってしまった
お前のために機転をきかせたのに!

マスターの娘さん二人が来た時は、そこには俺と爺さんしかいなかった
なんとも不思議な構図だよw

爺さんと30のオッサンと大学生と高校生w
およそ普段生きてる日常では考えられない状況だったな

133:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 03:52:50.58 ID:88mOtjmX0
娘さん二人はすごい美人、ってわけではないけど
可愛らしくて、今時めずらしい落ち着いててて素直な子たちだった

そのまま話してたんだけど、お姉ちゃんの方は酔ってたこともあって饒舌だった
俺が昔の恋バナをしてみせると、彼女も恋の話をし始めた

爺さんは笑って静かにビールを飲んでたな

134:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 03:58:26.82 ID:88mOtjmX0
でも彼女の口から出たのは苦い一言だったなぁ
「大学に好きな先輩がいる、振り向いて欲しい」

うん…大学生君には申し訳ないけど、なんというか青春の甘酸っぱさを感じたよ
その瞬間、すごくいたたまれなくなった
好きな人のことを語る彼女はとても嬉しそうで可愛かったし
でも大学生君の想いも知っていたし

まさかこの歳にしてこんな想いができるとはねw
高校生にでも戻った気分だったよ

136:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 04:02:19.53 ID:88mOtjmX0
その後、娘さん二人は眠くなって部屋に戻って
また爺さんと二人きりになったんだけど

この話どうします…?w
ってコソコソ話して、爺さんは終始笑ってた
「あとは彼らを見守るだけだよ。若いってのはいいね」
って嬉しそうに言ってた

俺もそう思ってた
若いっていいな、俺もまだまだ色んなことできそうだって思えた

135:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 04:01:17.84 ID:XbuRf8Hi0
おーお疲れ

無理せずに

137:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 04:03:38.49 ID:88mOtjmX0
>>135
ありがとう。
需要があるか分からんが頑張るよw
138:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 04:13:45.58 ID:RVbp+ICa0
需要ならあるよ
とてもほっこりしてる
140:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 04:16:20.79 ID:XbuRf8Hi0
>>137
かなり最初からいてるからな
まつのは慣れてるが続きはみたいってとこだね
147:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 08:42:19.96 ID:EmR4lHrl0
こういう経験に嫉妬してしまう俺ってちっさいよな
148:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 09:05:59.66 ID:hRq9Zg+H0
>>147
同じところに止まらず新しい世界に飛び込む少しの勇気がドラマを産むのかなぁ。なかなか踏み出すことは難しいけれど。
153:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 13:18:04.49 ID:DyGtlDQg0
追いついた

多摩川って、色んな人との出会いがあるよね
このスレ読んでると30年前の上京した時のことを思い出してノスタルジックに…

>>1マッタリと支援

154:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 13:26:14.96 ID:L+Lke5z60
こういう出会いもあるんだなってしみじみ思う
俺もたまには家から出てみるか
160:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 14:58:21.34 ID:YSiFy/rKi
多摩川行ってくるわ…
161:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 15:32:47.17 ID:X9N5R4wEO
じゃ自分は信濃川…
162:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 16:45:05.66 ID:AnXo/Zbmi
俺は鴨川行くわ
163:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 17:05:20.45 ID:G78jQzrDi
か、神田川…
185:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 23:08:48.55 ID:88mOtjmX0
こんばんは、遅れて申し訳ない
ちょっと今帰って来たから
しばらくしたら書き込んでいこうかと思います
189:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 23:30:32.01 ID:G78jQzrDi
おかえりっ★
190:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 23:34:44.89 ID:X9N5R4wEO
みんなー!主が帰ったきたから川から戻れ!
200:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 01:03:45.45 ID:UyFGhznT0
続き行きます

爺さんと笑いながら穏やかに話して
「俺君も頑張りなよ。」って楽しそうに言われた
爺さんはいつも俺のことを
「若いのに見所がある」「面白いやつだ」って気に入ってくれてた

「独身には独身の楽しみがあるけどね」
「家族がいるってのも楽しいんだ、私はね」
っていつも言ってた

「爺さん見てるとそう思います」って俺はいつもそう答えてた

202:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 01:09:03.87 ID:UyFGhznT0
部屋にもどると、大学生君がちゃぶ台にもたれかかってビール飲んでた

「おかえりです」
なんだか俺は顔を合わせられなかった
さっきのお姉ちゃんの言葉がこだましてた
大学生君は俺の方を見ないで話続けた

「俺明日思い切って気持ちを伝えようと思います」
不思議なことに俺はあまり驚かなかった

「いいことだと思うよ、手伝えることがあったら言って」
最後までこの若い青年の恋を見届けようと思った

204:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 01:22:29.35 ID:UyFGhznT0
次の日は
午前中は各自自由行動で
昼食食べたらそのあとはマッタリして帰る流れだった

朝からとてつもない暑さで、俺はふらふらだった
昼食のあと、大学生君が宿の裏にお姉ちゃんを呼び出した
俺はバドミントンをするふりをして、陰からそれを見ていた

といっても、妹さんの方が気になって覗いていたので
俺も一緒になって見ていたのだがw

205:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 01:27:33.27 ID:UyFGhznT0
最初は、そのへん散歩しつつ写真でも撮ったれ
と思ってフラフラとタオルを首に巻き、麦わらをかぶって
完璧な夏スタイルで出かけようとしていた

すると玄関先で妹さんに会って、元気な声で
「バドミントンしませんかー!」
って言われたので、こんな機会はないな、と思って快諾した

失敗するたびに「うけるーw」と煽られて、楽しかったけど
若者の体力には勝てず、元気な妹さんに追いつけなくなった俺は
自販機でジュース飲もうって言って二人で宿から離れようとしたら、大学生君に呼ばれた

207:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 01:35:14.11 ID:UyFGhznT0
大学生君「どうしましょうか…もう時間が…」
俺「決心したなら、勇気出さないと…」

そこで、大学生君が妹さんにお姉ちゃんを呼ばせようとしたので
俺はそれを遮った

「だめだよ。自分で呼んできなよ。頑張ろう」
結構強い口調で言ったと思う

そう言うと大学生君は頷いて、宿の中に走っていった
妹さんに「なになに?どうしたの?」
みたいに聞かれたから、笑って「見てれば分かるよ」って答えた

208:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 01:41:51.36 ID:UyFGhznT0
そのあとしばらく妹さんと二人で
宿の入り口から少し離れた自販機でジュース飲んでた
額から汗が滝のように流れて来て、やかましいくらいにジワジワ蝉が鳴いてた
「夏だねー」なんて言い合ってた

宿題とかやってんの?って聞くと
全然wやばいなーwとか言われた
二日目ともなるとお互い慣れてきていて、リラックスしていた

210:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 01:58:31.13 ID:UyFGhznT0
確かに話せば話すほど
マスターの娘さん二人は魅力的な子たちだった
今にしては素直で明るくて、いい子たち
大学生君が好きになる気持ちも分かる

そうしてると、宿の中から大学生君がお姉ちゃんを連れて出てきた
妹さんが「あ、出てきたよ!」と言うので
二人してバドミントンのラケットを持ったままついていった

「シーッ」って言われながら後をついていって
まるで中学生が何かいたずらをするかのような
すごく微笑ましくてワクワクした

214:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 02:34:09.77 ID:UyFGhznT0
むせ返るような暑さの中で
俺はもうろうとしながら妹さんと二人で陰から大学生君とお姉ちゃんを見ていた
すごく印象的な光景で
今でもよく覚えてる

大学生君「あのさ…聞いて欲しいことがあるんだよね」
お姉ちゃん「どうしたの…?」

頑張れって心の中で思った

217:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 02:38:53.63 ID:UyFGhznT0
大学生君「ずっと…好きだった。良かったら俺と…付き合ってください」

お姉ちゃん「ありがとう。でも…私今好きな人がいるんだ、ごめん」
お姉ちゃんは笑っていた、けどどこか寂しそうだった

大学生くんの恋は終わった
俺と妹さんは、黙ってただ眺めていた
すっげえ蝉が鳴いてた

しばらく大学生君とお姉ちゃんはその場で話していたので、俺達はそこを離れた

218:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 02:45:37.66 ID:UyFGhznT0
妹さんはもっとはしゃぐかと思ったけど、とても神妙な表情で黙っていた
俺が「青春だね」って言うと

「そうだね、いいなぁ」ってゆっくりと言った

その後、また二人でバドミントンを始めた
ラリーを続けながら妹さんは俺に叫び始めた

「私も」「えー?」「今度ねー」「うん」
「好きな人に」「うん」「告白することにしたー」「まじかー!」

きっと妹さんにとって俺は「なんでも話せる気のいいおじさん」
だったんだろうな
そんなこと言ってくれるのが素直に嬉しかったよ

219:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 02:52:03.68 ID:UyFGhznT0
ラリーが終わると、してやったって顔で
こっち見て笑うんだ、可愛いもんだよ
きっとこの子ならたくさんの人に好かれるだろうな、とか思って安心した

帰りのバスで大学生君が明らかに落ち込んでいたので
隣に座ってオロナミンCを差し出した
そんで俺のipod貸してあげて音楽を聴かせてあげた
終始涙目になってて
俺が話しかけることはなかった

222:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 02:58:17.70 ID:UyFGhznT0
この頃から俺の中で色んな価値観が変わり始めた
一所懸命自分の恋を走った大学生君
快闊な態度で俺に告白する決心を話した妹さん
そして幸せそうな爺さん

今まで、これでいいと思っていた自分の価値観が
とても不安定なものに思えてきて
それでいてとても前向きな気持ちになってきている気がした

もうとうに諦めていた青春が、自分の目の前で駆け巡っているのを感じた

223:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 03:02:41.54 ID:UyFGhznT0
そして決定的な出来事が起こる

旅行も終わってしばらく経った夏の終わり
久しぶりに碁会所に行くと、とても嬉しそうにしている爺さんに会った

「久しぶりだなあ、聞いてよ」といって笑って俺に話しかけてきた

なんと、旦那さんと娘さんの間に子どもができたんだそうな
娘さんが妊娠したらしい。
とてもおめでたいことだった

224:忍法帖【Lv=5,xxxP】2012/04/22(日) 03:12:07.12 ID:7pPgejJoO
大学生君の行動が、昔の自分を思い出すように切なく感じるなぁ…
225:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 03:23:00.19 ID:UyFGhznT0
その日、俺は久しぶりに爺さんの家にお呼ばれした
娘さんも旦那さんも本当に嬉しそうで
爺さんと奥さんもとても上機嫌だった

幸せな家庭の、幸せな瞬間、俺はただそれを
素敵なものだ、と思って眺めているだけだった

それは本当に素敵だった すごく羨ましかった

その日の帰り、爺さんが家の外までついてきてくれた
俺「素敵ですね。羨ましいです。」
「俺も…爺さんみたいな素敵な家庭が築きたいです」
爺さん「君にだって思い残している人がいるはずじゃないか。」
「勇気を出してごらんよ」
爺さんはあの笑うと線になる優しい目でそう言った

227:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/22(日) 03:26:11.67 ID:UyFGhznT0
旅行で話した事だろう
俺の大学時代の夏の思い出を爺さんは知ってる

俺はその日の爺さんの一言で決心した

今日から、変わろう
そう決心した

231:名も無き被検体774号+2012/04/22(日) 07:09:38.97 ID:HS/MSUFLr0
>>1
話が進むにつれて、あなたの紡ぎ出す言葉の一つ一つが輝きだしてきたように感じるよ。
234:名も無き被検体774号+2012/04/22(日) 09:54:31.27 ID:tDmxpEGR0
俺も今年30だから希望持たせられるような気持ちで読んでるよ
245:名も無き被検体774号+2012/04/22(日) 17:44:01.00 ID:GkVYsLKM0
>>234
よう同級生
無理せず自然体でいこうぜ

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