前記事⇨爺さん「君…写真が好きなのかい?」ぼっち俺「あ、はい…」→ この出会いがきっかけで人生がガラッと変わった!!【1/6】

57:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/20(金) 05:33:54.15 ID:pt3yoC7U0
ワイワイみんなで笑いながら食卓をかこむ
おいしい料理があって、酒があって、

何年も東京で一人で働いてた俺にとってはこれが本当に嬉しかった
涙が出そうになるくらい素敵な時間だったと思う

なにより奥さんに「おかわりいる?」
って笑顔で聞かれた時はマジで泣きそうになった
もう何年もそんなこと言われたことなかった
いろんなこと思い出したよ

http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1334844646/
58:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/20(金) 05:37:47.08 ID:pt3yoC7U0
晩ゴハンが終わったあと俺は気を使って食器洗いに勤しんだ
さすがにタダ飯なんて悪すぎると思った

俺はポロッと
「みんなで食べると食器の量が多いっすね〜w」って言ってしまった
すると奥さんが
「寂しかったらいつでも来ていいのよ」
みたいなこと言ってくれた 何か見透かされたのかねw

59:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/20(金) 05:39:00.39 ID:pt3yoC7U0
ひと通り片付くと、
みんなでリビングでお酒飲みつつまったり
俺と爺さんは大好きな日本酒でマッタリと。
旦那さんや女性.陣はワインなんかを飲んでいた

そして話は囲碁トークに。
話を聞いていると、みんな俺より棋力が高そうでびっくりした

それにしても家族みんなで囲碁が好きなんて面白いなあって俺は関心してた

60:名も無き被検体774号+2012/04/20(金) 05:51:14.69 ID:UWns/pdb0
いい家族だ
支援
62:名も無き被検体774号+2012/04/20(金) 09:42:04.30 ID:FswKV8W2i
追いついた。久々にほのぼのする話だ
70:名も無き被検体774号+2012/04/20(金) 14:15:27.67 ID:FXogEuNg0
1は仕事中なのかなぁ。
71:名も無き被検体774号+2012/04/20(金) 15:27:50.96 ID:ttUCJ8ETi
平日だもんね
仕事だな。
85:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/20(金) 23:32:05.50 ID:pt3yoC7U0
みんなありがとうな。
さっき帰宅したので一段落したら書いてこうと思う
もう少し待ってくれ
87:忍法帖【Lv=3,xxxP】2012/04/20(金) 23:37:22.93 ID:cMIE1i2lO
おかえり〜

まったりと待ってる

90:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 00:24:43.51 ID:88mOtjmX0
再開します〜

その後はみんなでマッタリ話しながら
爺さんがアコギを持ってきて音を奏で始めた
リビングにはピアノもあって、娘がピアノを弾き始めた

目の前に広がるあまりの「古き良き家庭」っぷりに
俺は驚きと、憧れと、とても不思議な気持ちだった

93:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 00:28:55.49 ID:88mOtjmX0
とても楽しそうに無邪気に、爺さんはギターを鳴らす
それを肴に楽しそうに酒を飲む旦那さんに奥さん

爺さんはチューリップやフォー・セインツと言った往年のミュージシャンの曲を好んで弾いた
みんな酒の影響もあって出来上がっていた

その時聴いた曲で俺も唯一よく知っているのは「青春の影」だけだった
みんなと一緒になって歌った
懐かしい気持ちと無邪気な気持ちでいっぱいだった

94:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 00:34:25.04 ID:88mOtjmX0
笑顔と懐かしい音楽で場が満ちていった
人生30年余を生きてきたが、こんな家族には初めて出会った
暖かくて、幸せそのもののように思えた

今まで所帯を持つことに否定的だった俺も、この時ばかりは家族っていいものだと思った
その日は遅くまで爺さんの家にいた
忘れられない一日だったな、今となっては
終電に乗るためにみんなに凄い急かされたっけ

俺飲み過ぎてフラフラになっちゃってさw

96:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 00:36:52.72 ID:88mOtjmX0
俺はそれから、毎週とは言えないが
頻繁に碁会所に顔を出すようになった
仕事の状況によっては平日の夜も顔を出した

職場と家の往復だった毎日に、なんとなくだけど
ハリと楽しみができた気がした
「次はいつ碁会所に行こうか」
そう思える好きな事ができたことが何より嬉しかった

101:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 00:43:17.52 ID:88mOtjmX0
碁会所に通っている内に、
爺さんは決まって端のテーブルを確保して待ってくれているようになった
灰皿と煙草を準備していて、俺が着くとニコニコしながら
「コーヒー飲むかい?」って言ってコップを持ってきてくれた

完全に友達のような感覚だった
俺も爺さんが迎えてくれるのが嬉しくて
碁会所に通うのが楽しくなった

週末や休日には旦那さんや娘さんがいることもあって
他のお客さん含めみんなで囲碁に打ち込んだ

102:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 00:47:49.84 ID:88mOtjmX0
週末や休日の日には、
碁会所からそのまま爺さんに連れて行かれて
爺さんの家に行くのが恒例になっていた

「どうせろくな物食べてないんだろ?」
爺さんは決まってそう言って俺を連れて行ってくれた

碁会所に行かず、じかに爺さんの家に呼ばれて碁を打つこともあった
そうすると爺さんより奥さんが俺と打ちたがって、
爺さんは隣でNHKの囲碁トーナメントを見てる、といった感じだったw

103:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 00:51:59.79 ID:88mOtjmX0
たびたび訪れる俺を煙たがるどころか、
いつも本当に楽しそうに迎えてくれる家族だった
まるで俺をもてなすことを楽しんでいるかのような

爺さんの家は本当に楽しくて大好きだったな
そんなこんなしてるうちに、あっという間に夏になったんだよな
出会ったのが春だったから、本当にあっという間に感じた

106:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 01:14:33.81 ID:88mOtjmX0
夏になると、通っている碁会所で旅行が企画されている話を耳にした
なんでも毎年行ってるものらしく
碁会所のお客さんを集めてみんなで伊豆に行き
そこで観光したり囲碁を打ったりマッタリ楽しむものということだった

俺は吉本ばななの「TUGUMI」を読んでから
一度は伊豆に行ってみたいと思ってたので、行こうかと考えていた
でもきっと周りは年齢層も違うし、悩んだな

109:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 01:47:40.20 ID:88mOtjmX0
でも通ってみて気づいたが
碁会所には案外若い人も多かった
同年代のリーマ/ンから大学生の子まで

マスターさんの娘さんたち(大学生と高校生)もいて
そこまで閉鎖的なコミュニティでもなかった

爺さんの一家も伊豆旅行に行くというので
俺はそれにあわせて仕事の予定を調整した
何かのために休みを調整するなんて、もう何年もないことだったし
すげえウキウキしたなw

112:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 01:58:46.79 ID:88mOtjmX0
前日は久々に修学旅行に行くようなテンションだった
社員旅行に行っても荷物持ちで
上司の相手をするのにウンザリするのに

どうしてかこの旅行はとても楽しみだった
同じものを好きな人が集まっているからかな

こんな気持ちになることは二度とないと思ってたもんな
大学時代に行った夏祭りが最後の夏だと思ってたし
何歳になっても夏は来るんだなあって感じてた

113:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:01:43.24 ID:88mOtjmX0
バスに乗って、俺はカメラを首から下げてワクワクしてた
隣には旦那さんが座った

奥さんと娘さんと爺さんもいて
マスターの子どもさんたちもいたし、案外学生の人も多そうだった
とはいえお年寄りはやっぱ多くて
車内は和やかながらもなんとも言えない雰囲気だったw

114:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:07:00.12 ID:88mOtjmX0
何時間か車に乗ると海沿いの道に出て、旅行って気がしてきた
いい感じの旅館(民宿?)に着くと、学生に混ざって俺は率先して荷物持ちになった

やっぱりお年寄りが多いしこういうとこで若いもんが頑張らないとなw
部屋は、奥さんと爺さん 旦那さんと娘さんが一緒で
俺は碁会所で顔見知り程度だった大学生の男の子と一緒になった

あまり知らない若い人と一緒って少し身構えたけど
旅行のテンションもあったしその時はあまり気にならなかったな

115:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:12:41.77 ID:88mOtjmX0
午後からはしばらく各自自由な時間になり
俺は大学生君と海に行くことにした

爺さんたちはと言うと、宿でマッタリしたいとのことだったw
やはり長距離移動はなかなか体力をもってかれるからな

俺は柄にもなくテンションが上がってて、はしゃいで大学生を海に引き連れた
クソ暑くて、泳ぐでもなくカメラを抱えてネ果足で浜をフラフラした

116:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:15:17.41 ID:88mOtjmX0
俺は色々と思う所があって、大学生に色々とはなしかけた

俺「ここTUGUMIの舞台なんだよね。知ってる?」
大学生君「あ、知ってますw俺もあれめっちゃ好きなんすw」

この大学生、妙に話が合う子で一緒にいて面白かった
まだ若いのにしっかりしてて気が利く人で
偉そうで申し訳ないけど、よくできたヤツだなあ〜って思ってた

118:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:23:22.34 ID:88mOtjmX0
そのあと、宿に戻ると夕飯まで対局タイムとなった
広間みたいなとこ借りて、板碁盤を何枚も広げる
ますます修学旅行っぽさが増した

大の大人たちが畳に板碁盤ひろげて笑いながら碁を打ってんだ
見てるだけウキウキして恥ずかしい気持ちになってくるw

俺は色んな人と打った
大学生君、見知らぬじいちゃん、マスターの娘さん…
みんな一様に囲碁が好きで
打った後の検討とか楽しかったなあ

119:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:27:19.80 ID:88mOtjmX0
俺はカメラ係の役も担っていて
旅行後に写真を編集してDVD作ったりしようと考えてたから
みんなのいい表情を捉えるのにも必タヒだった

だからこそだろうな、今でもあの楽しい雰囲気をよく覚えてるよ
爺ちゃん同士が談笑してたり、若い女の子と婆ちゃんが楽しそうに打ってたり

俺は色んな瞬間をカメラに収めようとしてた
まあ、もともと写真が好きだったしなw

120:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:32:07.04 ID:88mOtjmX0
その後は皆で大浴場に風呂へ
俺は爺さんの背中を流してあげた

何年ぶりだったろうな、人の背中を流すなんて
その背中がすごく大きなものに感じたよ
色々寂しい気持ちにもなった

そのあとは夕飯。
何を食べたかもう良く覚えてないんだけどw
とても美味い酒と飯を食べたってことは記憶してるw

122:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:37:18.26 ID:88mOtjmX0
夕飯からそのまま宴会場みたいなとこで
皆で酒を囲んでワイワイやってた
俺は爺さんや旦那さん、大学生君と一緒に飲んでた
日本酒を次から次へと口に運んで
俺はすっかり出きあがってたw

爺さんとフォークソングについて熱く語った
9時を過ぎた辺りから宴会場からも人が減り
俺たちもそろそろ部屋戻ろっかーって雰囲気になった

でもこの日の夜はここからが長かったな

123:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 02:46:30.27 ID:88mOtjmX0
部屋に戻ると、大学生君が勢い良く話しかけてきた

「力を貸してくれませんか…?」
一体なんのことだ?と思った
よくよく話を聞いてみると、この大学生君
マスターの娘さんに想いを寄せているんだそうなw

すっげえ面白くてむず痒くて、俺は一気にテンションが上がった
「マジか!?」なんつって声を上げて
俺も一気に若返った気がしたw

126:名も無き被検体774号+2012/04/21(土) 03:09:18.07 ID:NUZvSOHo0
いいなー青春だな
歳とってからそういう経験ってなかなか出来ないだろうし
文章も見てて面白いよ
127:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 03:17:33.27 ID:88mOtjmX0
なんとなくテンションが上がっていたたまれなくなった俺達は
とりあえず宿の外にでて散歩でもするかってことになった

「飲み足りないね〜」なんつって、コンビニへ
缶ビールを飲みながら歩いて宿に戻りながらも俺らのテンションは変だったw

「確かにな〜いい子だもんな〜」
なんて俺がニヤニヤしながら突っ込むと
大学生君は恥ずかしそうに
「そなんす…もうすごい好きで…」
みたいに嬉しそうに言ってた

全てが瑞々しくて羨ましいなあと思った

128:1 ◆yT5YRa9V0k2012/04/21(土) 03:22:27.22 ID:88mOtjmX0
宿に戻ると、玄関脇でじいさんが一人でパイプをふかしてた

「お、夜遊びかい?若者たちよ」
なんて言われた
俺は面白くなって事のいきさつを爺さんに話した

すると爺さんは嬉しそうに笑って
「そういうことか、頑張れよ〜」と楽しそうに言った
爺さんも愛嬌に溢れていて
「これからあの娘の部屋に行こうか」なんて言い出したw

すると大学生君は全力で拒んで、「明日!明日!」
って必タヒになってたなw

・次回記事更新後、リンクを貼りますので今しばらくお待ち下さいm(_ _m)

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