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:名も無き被検体774号+2012/07/02(月) 14:27:38.80 ID:aFMMewx00『大丈夫よ、ゆみはいい子だから、いい人きっとみつかるから。』って頭なでなでしてくれた。
ジュース持ってきてくれて、部屋で二人で飲んでた。
『あのねお母さん、私彼氏できた』というと、お母さんはリアルにオレンジジュースを噴出した。
ほんとに、ブッーーーって噴出したwww
それを見て私は爆笑した。
『なんでそんな態度なん、もうーーーー』
って言いながら噴出したのを掃除したあと、満面の笑みで部屋から出て行った。
『妹もいっちょまえに大人になったな。写真みせろ、写真』と満面の笑みで言ってた。
卒業アルバムを見せたら爆笑して『お前は私と違ってめんくいじゃないんやねー』といってどこかに行った。
次に弟がきて、『今度うちにつれてこいよ、一緒にゲームしようぜー』と言ってた。
ジュースのコップを下に持っていくと、お父さんがしかめっ面になってた。
お母さんにも卒業アルバムみせたら、『あら、味があってかわいい顔ね』と言ってた。
でも、お父さん以外みんな笑顔だった。なんだか祝福されたみたいでうれしかった。
予定どうするって健介に聞いても、何が?としか言わない。
いろいろ探ってみると、健介はどうもクリスマスは恋人同時の一大イベントだって事がわかってなかったw
なので、一生懸命説明したが、あまり理解してもらえなかった。
たしか普通に近所で過ごしたと思う。
健介らしいなと思って、これはこれで楽しかった。
そんなアナタもいいお父さんなんでしょうね(^0^)
つきあって1ヶ月足らずでうちに呼ぶことになった。
健介さすがに早すぎでいやかなって思ったら二つ返事でOKだった。
たしか正月の3日に家にきたと思う。
私はむちゃくちゃ緊張したけど、健介は普通だった。
やっぱりバカだ。普通緊張ぐらいするやろ・・・
玄関先でお母さんが出迎えてくれた。
『はじめまして、健介と申します。今日は呼んでいただいてありがとうございます。』
大きな声で挨拶をしていた。さすが生まれついての体育会系だ。
お母さんに催促されると、『おじゃまします。』とまた大きな声で挨拶をして家に上がった。
姉 『あんた、ヤンキーなん?ケンカつよい?』
健介『ちがいますよ。ケンカは普通です。』
姉 『うそやん、強そうやん。ゆみのどこがよかったと?いい筋肉しとうなー』
と、姉ちゃんが健介の腕、肩を触りだした。
私もまだ偶然を装ってしか触ったことないのに・・・・
と思ってみてると、
姉 『ゆみが怖い顔してるから、このくらいにしとくよ。今度、私の彼氏も一緒にあそぼうな。』
と言ってた。ちなみに、姉ちゃんも姉ちゃんの彼氏もバリバリのヤンキーだ。
姉ちゃんは当時工藤静香意識しまくってて、髪型もまねてた。
美人だったから、かなりもててたみたい。
そのあと、弟がきて、共通の知り合いの事で健介と盛り上がって話してた。
健介は弟と話してたけど、お父さんに気がつくと、弟に少し待っててな というと、
立ち上がりお父さんの傍までいって、
『はじめまして、健介と申します。』とまた大きな声で挨拶して、深く頭を下げていた。
何度か見たことあるけど、健介なりの礼儀の示し方みたいだ。柔道で身についたのかな。
頭を上げない健介をみて、お父さんは健介の肩に手を置いて、
『よくきてくれたな。腕相撲するか?』っと笑ってくれた。
私は心底ほっとした。
お母さんと弟はお父さん、私と姉ちゃんは健介を応援した。
『俺に勝ったら、娘と付き合うの許してやる』
と、お父さんがいつも見せないようなイタズラっぽい顔で言った。
『ういっす!がんばります!!』と健介は腕をまくった。
秒杀殳で健介の勝利だった。
お父さんが負けるの、あまり見たことなかった。
姉ちゃんの彼氏も弟も親戚の人も誰一人勝てなかったし。
健介はやっぱり強いんだな・・・
姉ちゃんが一人で興奮して、『お前つえーな』って健介をバシバシ叩いてた。
お父さんは負けたけど、なんだかうれしそうだった。
『男の約束じゃ、ゆみとの事は認めてやらぁ』って言ってた。
そして、『おう、お前ものめ』って健介にお酒を注ごうとしてたけど、お母さんに止められて怒られていた。
なにより、みんなを一瞬で笑顔にさせるこいつはやっぱりすごいって思ってた。
お母さんと姉ちゃんが健介に話し掛けまくり、弟がのけ者にされてるのを遠めにみてたら、
『お前、まあまあ男みる目あるな。』ってお父さんにいわれた。
かなりうれしかった。
健介はチョコもらった事がないらしい。でも、別にチョコすきじゃないからいらないって言ってた。
じゃあ、食べ物何がすきか?って聞いたら、カレーと答えてた。
なので、家に呼んでカレーを食べることにした。
お母さんに話すと喜んで協力してくれるって言ってた。
健介は2月が誕生日なので、こっそりその時に一緒にお祝いすることにして、
ケーキも用意した。
お母さんと健介の事話しながら、一緒に作り方を教えてもらいながらカレーを作った。
いつも料理なんてしたことなかったから、楽しかった。
お母さんも楽しそうだった。
カレーを3杯たべて、4杯目おかわりしようとしたけど、ご飯がなくて食べれず、へこんでた。
こいつは、どんだけ食うんだ?って思った。
その後ケーキをみんなで食べた。
健介はカレー食べ過ぎたのか、甘いものはあまり好きではないのか、ケーキはなんだか無理して食べてた。
健介の顔みてたら、そういえば、チョコいらないっていってたな、と思い出した。
甘いもの自体あんまり好きじゃなかったのかな・・・私、気がつくの遅すぎる・・・
『なんだか、家族が増えたみたいでうれしい。ありがとうございます。』
と半泣きで健介は言ってた。泣き虫は小学校の時から相変わらずだ。
それ見て、お母さんのほうがなぜか泣いていた。
圭子に報告の手紙書かなければ・・約束してたんだった。
私は毎日が楽しくて舞い上がってたので、そのままの勢いで圭子に手紙を書いた。
健介と付き合うことになった事
告白すると、あっさりOKしてくれて信じられなかった事
うちの家族とも仲良くなってくれて、うちに2回遊びに来た事
なんだか毎日楽しい事
全部圭子のおかげです。ありがとう
という内容の手紙を出した。
健介君との事、ほんとによかったね。
こっちにまで楽しい様子が伝わってくるよ、おめでとう。
私はあのあと、彼氏と別れてしまいました。
こういう事もあるよね、しかたないね。
次の人見つける気にまだなれなくて。
でも、そのうち私もいいことあると思う。
もう返事はいらないよ。健介君と仲良くねー
そういう内容の手紙だった。
健介にひどいことした事を。
結果圭子も彼氏と別れて今は一人になってしまった。
あの時健介と圭子が会ったら、きっと二人はうまくいったような気がする。
でも、それを無理やり引き裂いたのは、この私。
そして、私だけ毎日楽しく暮らしてる。人の気持ちも何も考えずに。
圭子に振られたあとだから寂しかったのかな?
圭子は私の事どう思ってるんだろう?
圭子も実は健介に会いたかったんじゃないかな?
私さえいなければ、二人はうまくいったのかな?
なにより、自分の好きな健介の気持ちを踏みにじってるのは、私だ。
私は自分の事だけ考えて、周りの人をみんな不幸にしたのかな?
そんな事を圭子に手紙もらった日、考えて夜なかなか寝れなかった。
健介の男らしさは立派だ
なかなか真似出来るものじゃない
もう引き返せない。私はこのまま健介と仲良くなるんだ。
健介と一緒の時間はもう失いたくない。
と開き直ってしまった。
もう、悩んでもしょうがない。このままいこう。
健介もいつも楽しそうにしてるから、私の事きらいじゃないはず。
そう自分に言い聞かせて無理やり納得させた。
土曜日はまだ午前中は学校がある時代だったので、昼から会った。
二人とも、バイトもしてない高校生なので、お金はなく
出かけるのも月に1回遠出するぐらいで、あとは近所散歩したりとかしてた。
一緒にいるだけで、いつも楽しかった。
私のうちから歩いて10分で海につく。
寒いときはあまり行かなかったけど、少しあったかくなってくるといつも海岸で
座り込んで話してた。いろんな話しした。
ずっと海岸で話してるだけで1日終わるときもあった。でも、いつも楽しかった。
話すことない時は、海岸で二人して寝転んでた。話さなくても心地よかった。
道歩いてて、綺麗な花が咲いてて、私が
『ねえねえ、あの花きれいやね。たまには私にお花とかプレゼントしたくならん?
すぐ近くにキレイなお花が咲いてるよw』っていうと、
『あいつも種から必タヒこいてやっと花が咲くまでになったんやろ。
枯れるまで咲かせてやっといてやっとこうぜ。花欲しかったらお店に売ってるやんか。』
とか笑顔で言われて、
道端に咲いてる花にまで優しいのか・・・って、感動した記憶がある。
それで、次会う時には花を買ってきてくれた。こっちにも感動した。
今考えると、健介ものすごくクサイな健介wwww
ある日、健介と二人で近所を歩いてると、高校生3人に取り囲まれた。
高校生だって事は制服でわかった。
相手は完全なヤンキーだ。みただけで、悪そうってのがわかる。
でも健介なら3人でも勝てるんじゃないかな?って勝手に思った。
3人はあきらかに健介を挑発してた。
険しい顔をして、私をかばうように自分のうしろに手で押しやった。
そのうち3人は財布だしたら許してやるって言い出した。
健介がこんな奴らに財布なんて出すはずがないって思ってたけど、あっさり出した。
少ない中身を小銭まで全部とられた。『それでいいやろ、通してくれ』
といっても3人は通さない。健介は土下座を要求された。
健介はいつだって、正しいことしてきた。
弱い人を助けて悪い奴をやっつけようとしてた正義の味方みたいな奴だ。
なんでこんな奴らに・・・って思ってると
健介は土下座した。
土下座した健介を3人は何回も蹴った。
こいつおもしろくねーな、なんかしらけたな・・・
って言いながら3人はどこかに消えた。
健介の口からは血が出ていて、シャツも血で汚れていた。
自分で血に気がついて、『ちょっとついて来て』といい、すぐ近くの公民館の横の公園で口を洗ってた。
その後、いつもの海岸へいった。
隣同士座ってたけど、私はずっとだまってた。
健介も私が下むいて何も言わないから、話しかけるのやめて、隣で寝転んだ。
健介、あんな奴らに絶対負けないはずなのに、戦わないのも悔しいし、
あの場にいて怖くて何もできない、言えない自分にも悔しかった。
健介だけ痛い思いしてるのもイヤだった。
いろんな感情で、涙がでてきてとまらなくなった。
健介は一言『ごめんな』って言ったまま、それから何もいわず、私の横で寝転んでた。
私は健介の顔を見れなかった。でも、どうしても言いたくて、
何もできなかった自分に悔しいのも全部健介にぶつけた。
目の前の海を見ながら大きめの声で言った。
『どうして戦わなかった?あんな悪い奴らの言いなりになって、お金とられて
土下座までして、結局蹴られて怪我までして。
同じ負けるなら、戦ってほしかった。健介情けないよ・・・』
言ってるうちにまた涙が出てきた。最後のほうは泣きながら言った。
いつもより距離が近かった。
いきなり私の肩を両手でつかんで、自分のほうに私を向けた。
私の目を見ながらゆっくり話してくれた。
ゆみがどうやったら無事にこの場を抜けれるかだけ考えた。
走って逃げようかと思ったけど、女の子の足じゃつかまりそうだし、俺も走りは遅い。
ケンカしようかとも思ったけど、3人いると俺まけるかもしれないと思った。
だから、あいつらのいう事全部きこうと思った。
お金だせばどこかにいくかと思った。
いう事きいて土下座すればどこかに行くかと思った。
でも結局蹴られた。でも、蹴られたのは俺だけだった。
ゆみは怪我してないし、さわされてもない。
だからよかったと思った。
俺はゆみの彼氏だもんな。あんな情けない姿は見たくないよな。
俺、頭わりーから、あんな行動しかとれなかった。ごめんな、泣かせて。
ゆみの気持ち全然考えてなかった。ごめん。』
今はもう記憶がうすれて思い出しながら書いてるので、
はっきり覚えてないけど、たしかそういう事を言ってくれた。
私の肩を両手でつかんだまま、目線をあわせて、ずっと目を見て言ってくれた。
健介、ちょっと力が入ってた。肩が少しだけ痛かった。
健介は私の無事だけを考えて、あんな奴らにお金とられ、土下座までして、怪我させられても
我慢してた。
あの負けず嫌いの健介が・・・
学年で自分より腕相撲が強い人がいると、何ヶ月かトレーニングして必ず倒してきたし、
授業中もよく空気イスしてたし、
体育の時間のサッカーでもバスケでも、負けると泣きそうになって本気で悔しがってた健介が。
私の為に、私の無事だけ考えて
なにもかも我慢してくれた。
自分が情けないのに、守ってくれた健介を責めた。
責めた私にまで、ごめんって言ってくれた。
健介にはほんとにかなわないし、私という人間がいやになった。
自然とまた涙が出てきた。
俺がむちゃくちゃ暴れてたら、そっちのほうがゆみに嫌われたと思うぞwww』
と笑いながら最後に言った。
その笑顔みて、私も泣きながら笑った。
健介がどうしようもなく好きだって思った。
目の前の健介がまっすぐこっちを見て笑ってくれてた。
私が泣き止んで、笑って、やっと肩から手を離してくれた。
今度は私が健介の両肩を手で捕まえた。
すごく太かった。
でも、しっかり掴んだ。
私は自分から目を閉じて健介にキスをした。
先に目を閉じたから、ぶつかるような感じになった。
結構長い時間したような気がする。多分10秒ぐらいしてたと思う。
健介を見ると、笑顔で口から血を流していた。
私が勢いよくキスをしたから、血が止まってた口からまた血が出だしたw
『痛かった?ごめんね』っていうと、健介は笑いながら私の唇を手で触ってくれた。
健介の手には血がついていた。
さっきの変な味の正体は、健介の血だった。
私のファーストキスの味は、血の味だった・・・wwww
そして二人で大笑いした。
健介もファーストキスだったんだと思うと、うれしくなった。
そういえば、健介はずっと圭子好きだったから、ほかの人とかキスするはずないかってあとで思った。
寝る前にその日の事いろいろ考えた。
あんなマンガの主人公みたいな事、平気でやってしまう。
自分が痛いのに、人の心配ばかりする。
どう考えても私のほうが子供なのに、そんな私にも悪かったごめんってあやまってくれる。
私みたい何もとりえがない、忄生格がまがった女がこのまま健介と一緒にいていいのかな?
健介の幸せをうばったのは実は私なのに、私にやさしさを向けてくれる。
ほんとの事全部話したら、多分私は健介にきらわれるだろうな。
健介、私の事本気で怒るかな?
でも、健介とは一緒にいたい。
でも、あんなまっすぐで一生懸命な健介にはやっぱりうそついたままはダメだ。
健介に本当の事を話そう。
健介から手紙もらった圭子は、あの時あなたに会ってみたかった。
だけどそうさせなかったのは私だと。
今度あったら健介に圭子からの手紙を見せて全部はなそう。
全部話すと全部おわる。
でも、健介には言わなくちゃいけない。あんな人騙したままじゃいけない。
結果私と別れても、私の事怒っても、それはしかたない。
全部自分がしてきた事だから。
布団の中で泣きながらそう決意した。
その日の夜、本当の事を全部健介に話そうときめた。
ここまでにしようと思います。
結構グダグダでごめんなさい。
質問あればどうぞー
健介の人柄や自分自身がよく描けてて読ませる内容だよー
それは質問ではないような・・・w
ありがとう
文章とか書いたことあまりないので、多分読みにくいと思いますけど、
そう言ってもらえるとうれしいです
このスレってほっといても明日まで残ってるもんですか?
続きが気になるお
これでいいのかな?
でも、健介はいつもの笑顔で、結局私はいえなかった。
次もその次も・・・言えないままずっとすごした。
でも、私は前ほど健介と一緒にいるのを楽しめなくなってしまった。
罪悪感から、まともに顔をみれない事もあった。
健介から、『今日は具合い悪いのか?』って心配される事もたまにあった。
いつものように会うと、健介の様子がなんだかおかしかった。
なんだか、しかめっ面で考え事してるみたいな。
もしかしたら、健介、前からそうだったかもしれない。
私も会ってるときいろいろ考えてたんで、健介の様子に気がつかなかったのかも。
健介がいきなり頭を下げた。
『ごめん、ほんとにごめん!!』と言っていた。
わからないので説明してっていうと、
同じ高校に好きな人ができてしまった。だから別れてほしいって言ってきた。
最近は私も一緒にいるのが楽しいよりつらいのほうが大きくなっていた。
『それじゃしょうがないね。楽しかったよ。ありがとう。』
そういって、その場で別れた。
健介との7ヶ月ほどのつきあいはあっけなく終わった。
なんだか、毎日ぼーっとしてたような気がする。
始まったのもあっけなかったけど、終わりもあっさりだった。
なんだか、あの楽しかった7ヶ月間がうそみたいに思えてきた。
私の前に座り込んで、頭をいきなり一発はたいた。
『妹、ウジウジしてないで全部話せ。』って言ってきた。
一度言い出したらきかない忄生格なので、この工藤静香に全部はなそうと思った。
曲がったことが大嫌いなので、最後には怒られる事はわかってる。
でも、話したかった。話して、誰かに自分の事怒ってほしかった。
私がいかにずるいかって事も全部話した。
私にはもったいないくらいの人だったから、これでよかったんだって言った。
最後のほうは、泣きながら話した。
姉ちゃんはずっとだまって聞いてくれた。
全部聞いた後、下を向いて泣いてた私に『顔上げろ』って言った。
顔をあげると、いきなりビンタをされた。
痛いというよりも、びっくりした。
座ってたけど、ふっとんで倒れたぐらいのビンタだった。
姉ちゃんが私を引きずり起こして、また座らせて語りだした。
そんなんじゃ、うまくいくはずない。
それはお前もわかったろ。
でも、お前の気持ちは本物だ。
そこまでしても、あいつと一緒にいたかったんだ。
やり方は間違ってたけど、気持ちの強さは間違ってない。
たしかに、あんな男はなかなかいない。お前の気持ちもわかる。
だから、私が今お前をビンタした。痛かったろ?
その痛いので全部終わりだ。全部忘れろ。もう全部忘れろ。
お前もいろいろつらかったんやなぁ・・・・』
なぜか姉ちゃんも泣きそうになっていた。
少し落ち着いてから姉ちゃんから聞かれた。
姉 『これからどうしたい?』
ゆみ『私なんか、やっぱりあの人には無r』
姉 『やかましい!』バシッ!
今度は頭をはたかれた
あいつに相応しい人間になってもう一回出会って来い。
縁があれば、いつかかならず何処かで会える。
その時今のままのお前で、好きになってくれると思うか?
その時まで少しでもあいつに近づけるように、お前もがんばれ!
好きなら簡単にあきらめるな!!』
姉ちゃんは半泣きのまま、そう私に言ってくれた。
私の頭をくしゃくしゃしながら言ってくれた。
男の子同士ケンカしてたら、この姉ちゃんは絶対とめないで、
笑ってみてるような気がする。。
こんな姉ちゃんは幼児をちゃんと教育でいたのか、
保護者さんともめたりしなかったのか、心配で仕方がないwww
この日も考えた。
姉ちゃんが言ってたこと・・・
姉ちゃんが私をビンタして今までの事全部終わりにするとか、
いつか必ず会えるとか。
言ってることむちゃくちゃだって気がついたw
だけど、不思議と説得力はあった。
なにより、本気で私に言ってくれた。怒鳴ってくれた。
それが一番うれしかった。
どうやっていいかわからないけど、健介みたいな人間になりたい。
ウジウジするのは今日で終わりだ。
次に健介に会う時の為に、明日からがんばろう。
姉ちゃんはもしかしたら、健介と忄生格あうのかも。
姉ちゃんも普段はバカなふりしてるけど、健介みたいにいろいろ考えての
行動をとってるのかな?
とりあえず、健介と姉ちゃんの行動を真似してみよう。
健介みたいに、まわりの人の事を考えて行動しよう。
そう思いながら寝た。
特になにがあるわけでもないけど、毎日の小さな事に気をつけて行動した。
困ってる人がいたら今まではなんとも思わなかったけど、
自分から関わってなにか力になれないかとやってた。
うまくいかない事のほうが多かった。
でも、うまくいった時は、これで健介にひとつ近づけたのかな・・って思った。
つねに、明るく、でも人に対しては優しくするように心がけた。
お調子者の忄生格だけは真似しないように気をつけた。
正直健介と会いたいって思いたいっていつも思ってた。。
でも健介もほかの人に対して、ずっとこんな思いして片思いしてたのかって思って我慢した。
健介にふられて、多分1年ぐらいたった時、
(もうはっきりとした時期は思い出せない・・・)
たしか、高校3年生の時だと思う。
姉ちゃんの言ってた事は本当の事になって、健介と会える事になる・・・
健介に偶然あった。電車の駅から出て行くところで。
お互い目が合って、久しぶり・・って話した。
『なんか久しぶりやけん、久々に話そうかー』と健介が言ってくれた。
なので一緒に帰ることにしたけど、そのまま家まで帰ると、そこで終わりになってしまいそうで、
『どうせやったら、海いって話そうよ』というとOKしてくれた。
『その後、その好きになった人とはどうなん?』と
健介『どうもこうも、なんもない。』
ゆみ『なんもないって?』
健介『あんまり話したことないんよね・・・』
なぜだか怒りがこみ上げてきた。
ってか人の事ふっといて、自分が行動しないってなんなん?』
とかいろいろ勢いに任せて言ってしまった。
本当は、あんまり話したことない人に自分が負けたのが悔しいのをぶつけたんだと思う。
健介が少し話してくれた。
みんなを笑わせたりしてる。
相手の女の子はおとなしい子なので、そんな俺がいきなり話しかけたりすると、
周りからからかわれたり、ひやかされたり、迷惑がかかる。
俺みたいな人間が、迷惑かけちゃいかんやろ。
って言ってた。
って思った。
なんだか、上からで申し訳ないけど、かわいそうに思えてしまった。
なんで自分が人と話すだけで迷惑だって思うのか。
健介は実はいつも人に気を使って話してるのは知ってたから、
迷惑とか、そんな人間じゃないのに、なんでこうも自分の事だけは自信がないんだろう。
って思って、かわいそうに思えて。そして、納得もいかなかった。
その前の怒りの感情もなぜか収まらなかった。
自分だけ何もしないってのはおかしいよ。きちんと、告白して。
結果どうだったとしても、いいも悪いも先に進まないと。』
そういう事を健介に伝えた。
『そうやな、俺自分の事しか考えてないな。ごめんな。
たしかに筋が通ってない。ゆみの言うとおりだ。
俺、その人に告白してみるよ。』
告白したら結果連絡するって約束して、その場は解散した。
うまくいってほしいって思うのと、ふられてくれないかなという気持ち。
3:7ぐらいで、ふられてほしいって思ってた。
もちろんふられてほしいのが7のほうで。
最近人間的に成長したかなって自分で思ってたけど、結局私はこんな人間だ・・・
結局自分の事だけかわいい人間なんだ・・・
って少し落ち込んだけど、でもふられてほしかった。
いきなりあんな約束させてしまった。
自分がむかついた気持ちを伝えて、無理な約束させてしまった。
あんな約束したら、健介はある程度仲良くなってとか、そんな事はきにしないで
すぐに告白すると思う。
健介のペースでやったほうがよかったね、やっぱり・・・
私はまた、健介に対してとんでもないことしたんじゃないか?って思った。
やっぱりあの約束はナシにしようって思った。
家族の誰かがでたけど、その後部屋のドアが開いてねえちゃんが子機を持ってきた。
電話にでると、健介からだった。
『おう、電話で告白したら、振られてしまったぜ。
まあ、あんまり話したことないのにいきなり電話したし、当たり前か。アハハ』
と普段より勢いがない声で言っていた。
私がごめんって言うと、
『いや、でもゆみのおかげでなんか吹っ切れた。。
今からやろ、がんばるのは。だから、ごめんとかいうな。
まー俺の人生すんなりうまくいく事なんて今まで一回もないし、このくらい慣れとるよ』
って笑いながら言ってた。
どうやら、ふられたことがスタートで、そこからまだ諦めないでがんばるらしい。
それと、わかってた事だけど、1回振られたぐらいであきらめるような奴ではないな・・
って改めて再認識した。
なんか、久しぶりにせっかく健介に会えたのに、
このままもう連絡なくなるのはいやなので、
なんか相談とかあったらいつでも聞くから、連絡してね
って事を伝えて電話きった。
健介がふられればいいとか思ってた自分に。
あとから考えてみると、ああいう言い方をすれば私との約束を健介は断れない。
全部私が、健介がうまくいかないように無意識にしむけたのかなと思った。
今回は昔の手紙の時みたいに、意図的ではなかった。
でも、結果的に自分の都合がいいように健介をうごかしたような気がした。
私は、自分が意識しなくてもずるい行動をとるのか・・・と自己嫌悪になった。
相変わらず、久しぶりにあった健介は、まっすぐでバカだった。
でも、バカもここまでくれば立派だって思った。
というか、こいつはバカなんかじゃない。誠実な人間なんだって思ってた。
むしろバカでダメなのは、私のほうだ・・・
その後、ずっと健介から連絡はなかった。
健介からいきなり電話かかってきた。
ちょっとあって話がしたいから、明日いつもの場所で久々にあおうと。
次の日、ちょっとウキウキしながらいつもの海岸にいった。
あの女の子に振られたあと、その女の子と学校で会うたびに話しかけたけど、あまり反応がよくない。
そのうち卒業してしまった。
でも、このままじゃいかんと思って手紙書いた。
こういう所を見てて好きになった。
自分の事はあまり話したことはないと思うけど、一度あって話してくれませんか?
という手紙を送った。
その手紙に対してきた返事がこれだった。
そういって、私に手紙を渡してくれた。
いいから、読んでくれって険しい顔で言ってた。
中をあけると、
女の子特有の丸い文字ではなく、きれいな、きちんとした感じの文字で書かれていた。
おひさしぶり。
手紙読みました。
健介君は私の事勘違いしています。
私は健介君が思っているような人間ではありません。
健介君は、ほんとうにすてきな人みつけてください。
たしかそういう感じの文章だったと思う。
読み終わった後、健介の顔をみた。
健介が話しはじめた。
こういう、避けるんじゃなくて、せめて本心聞きたかった。
これなら、『あんたみたいな奴大嫌い!』といわれたほうがまだマシだ。
なあ、どう思う?
俺だったら、こんな事しない。
俺に本気で話しかけてくる奴いたら、本気で答える。
そう思うから、だからどうも納得がいかん。
でも、相手に迷惑だから、これはこれで終わりだ。
逆に考えると、相手にとって俺は本気で話すほどの人間じゃなかったんだろう。
実際今の俺はそのくらいの人間なんだろう。
まだまだ修行がたりんなーーー』と複雑な表情で笑っていた。
なんだか、こっちが泣きそうになった。
そんな私を見て、健介はアタフタしながら、
『ごめんごめん、ゆみが泣くなよ・・・俺は大丈夫だからw』って言ってた。
なんで、そんなに前向きで強くなれるのかって純粋に聞いてみた。
起こった事はしかたない、そのあと自分がどうするかで成功か失敗か決まる。と。
なんの事いってるのかわからなかったので、
全然意味がわからんよ・・・ってしつこく聞いてみた。
たとえば俺が高校卒業する時に東大を受験したとする。
東大受けたけど、落ちました。
結局2年かかっても東大には入れなかった。
これは世間的にみたら失敗だ。
けど、この精一杯がんばった2年のおかげで
俺はこれから先の人生つらいことも耐えれるかもしれない。
今回も女の子に振られた。
俺がしょうもない人間って事を叩きつけられた気分になったけど、
でも、そこからまた何かがんばるきっかけにすれば、それは失敗じゃなくなるんじゃないか?
たとえは下手だったような気がするけど、言いたいことは伝わった。
健介はこういう風に考えて生きてるのかって少し感心した。
健介のオヤジさんは、この健介を育てたから、りっぱな人なんだろうなって思った。
『しっかし、俺の恋愛はいっつもうまくいかんなー・・・俺はいつもマジなんやけどな・・・』
笑いながら健介はうしろにゴロンとねっころがった。
この人の前に健介がマジだったのは、多分圭子。
そうだ、圭子の事はまだ健介はまだ知らない。
『今度は私の話しを聞いてくれん?』
私がそういうと健介は体を起こした。
私は全部話した。
健介が本気で好きだった圭子とやりとりしてた事。
圭子に、健介には会わないでと言ったこと。
あの時健介と圭子は私がいなければ、多分会ってたこと。
私のせいで、健介は幸せを逃がしたこと。
私はずるい女だということ。
健介の何年間もの思いをダメにしたのは、実は私で、今までずっとそれだまってた事。
はなしながら、頭の中がわからない感情になってしまった。
『ゆみは、それ言えずに、今までつらかったんやね。』
そういって、私の頭を鷲づかみし、くしゃくしゃしてくれた。
それで自分の何年間もの思いがダメになったんよ?なんで怒らんの?』
健介『ほんとにずるい奴はそんな事いわねぇよ。ずと隠しとくやろ。
俺が怒るかもってわかっときながら、言ってくれた奴はずるくない。
ゆみが今まで言えずにすごした、つらかった時間で全部チャラだ。』
本日2回目の、頭をくしゃくしゃしてくれた。
俺にとってはこっちのほうがうれしい。
あの時圭子ちゃんと会ってても、高校生やし距離遠いし、絶対うまくいってないって。ガハハ』
と健介は豪快に笑った。
圭子より私のほうがよかったっていわれたような気がして、うれしかった。
実際は私に気を遣って言ってくれたか、本心かは今でもわからない。
そういえば、昔健介は自分をいじめた奴でさえ、許してた。
私の事も許すのは当たり前だな。人間の大きさがちがうんだなって思った。
このままだともう会えなくなる。なんとかしてつなぎとめたかった。
なので帰ろうかという健介にもう少しだけ話があると伝えた。
暗くなるとあぶないからと健介が言うので、家の近くの公園にいった。
公園につくまでは何も話さなかった。なので、必タヒで考えた。
前のように健介とつきあうのはどうすればいいか?
考えたけど、どう考えても無理そうに思えた。でも、ここで終わりだけはイヤだ。
ここだけはあんまり思い出せない。
多分必タヒで言ったから、自分で覚えてないんだと思う。
でも、必タヒで思い出してセリフにしてみる。