どうやら本堂で平岡祐太扮する義経様が儀式的なものを行ってる模様
終わったところにちょうど出くわしたようで、義経が本堂前に出てきた
義経が通る道の両端にはロープが張られ、入れないようになっていたので、思うように動けなかった
弁慶は義経よりちっちゃかったけど怖い顔してた
そのまま3人はすぐ隣の池に向かい、船首が龍になっているボートで池の中心に造られた祭壇のようなところに行っていた
そこでもまた儀式をするようで、人々は池の周りを囲んで見入っていた
一部は「祐太くーん!」とやや場違いな黄色い声援を飛ばしていたが
きい「うん、顔ちいさいw」
るり「実際見ても似てるよねw」
きい「うん、ほんとねw」
俺「!!!!??」
もしかしてからかってるのか?
またもや返答に困っている俺を尻目にるりは続ける
るり「ね、もうあんまり見えないから外で行列待ちしよw」
きい「そうしよっかー、ここにいる人全部出ちゃったら大変だもんね、先に行こっかw」
俺「・・・・・(毛越寺全然見てない・・・」
るり「やばーいw」
きい「遅かったかなw」
俺「ここら辺人少ないからここで待ってようか」
るり「そうしよー」
10分程待つと門が閉まり、20分程待つと開門した
あー義経来るんだーと思ったらまさかの馬が出てきた
るり「馬ww」
きい「え、めっちゃでかいよ!w」
確かに馬ってこんなでかいのかってくらいでかかった
良い位置に陣取っていたので、目の前1mちょいくらいを馬が歩いていく
どんどん続く
まだ来るのかよってくらいめっちゃ続く
数十人が過ぎた頃、入り口の辺りから黄色い声援が聞こえてきた
俺「(あ、祐太きおったわこれ」
一瞬で分かるくらいにきゃーきゃー言ってた
祐太くーん!きゃー!こっち向いてー!祐太くーん!
そればっかりで、行列を普通に見に来ていたと思われる爺さん達は諦めて後ろへ行ったようだ
祐太くんは優しいので、馬に乗りながらニコニコして手を振っていた
目の前に来たとき、2人もきゃーきゃー言って手を振っていた
その時るりはチラッとこっちを見て
るり「やっぱ似てるw」
俺「!!!??」
ここでも周りにイケメンスマイルを振りまきながらずっと手を振っていた
そして俺と目があってニコッとして手を振ってくれた気がした
俺に向かって
気のせいだと思うが、俺が女だったらこれは絶対に惚れてまうやろ
そう思いながら隣を見ると、るり&きいがめっちゃ可愛い顔になって祐太くんを見つめていた
ここで事件が起きた
なんと祐太くんが乗っていた馬がう○こをし出したのだ
そう、我々の目の前で
きい「わー、すごい臭うw」
周りからもうわーとかきゃーとか声がする
しかしながらこれは動物であれば仕方がない
ちょうど止まったところで便意を催したのだろう
祐太くんもそれに気付き、苦笑いをしながら手を振っていた
ここで行列は動き出し、また排便中だったお馬さんはう○こを振りまきながら進んでいった
上ではイケメンが笑顔で手を振り、下ではう○こしながら歩く馬
かつてない程シュールな絵にココロオドってしまった
ちなみにこれに続いていた弁慶さんは華麗にう○こを避けながら怖い顔をして徒歩で進んでいった
車に乗り込み義経堂へ出発すると、どうやらそこ辺りにも義経一行は来るようで、入れないように道路を規制されていた
諦めて先に中尊寺へ向かうことにする
中尊寺へ到着するとここもやはり混んでいた
第3駐車場までたらい回しにされ、やっと停めたところは中尊寺からは結構離れていた
少し歩くことになるが、車に乗りっぱなしで身体が固まっていた俺たちにはちょうどいい運動になった
中尊寺はしっかりと見ることが出来て、本堂にお参り、金色堂を見学、松尾芭蕉の石像の頭を撫でて、奥のレストランに向かった
森の中にあるレストランで雰囲気は結構良かった
ここでは季節限定で葉わさびの蕎麦があったが、先ほども蕎麦を食べた俺たちはちょっと躊躇した
しかし季節限定という言葉に弱い我々は、愚かにも2食連続で蕎麦を食べることにした
やっぱり蕎麦はとってもおいしかった
ごめん、そっち側には行ってないんだ
高速から降りたのは平泉だけで、そこは内陸だからね
そこで言うなら、被害という被害はなにも感じられなかったよ
なんだなんだと思っていると、馬に乗った義経様が光臨なされた
どうやら一行のルートは毛越寺→義経堂→中尊寺になっていた模様
そうとは知らずに暢気に毛越寺から中尊寺まで来た俺たちは、知らぬ間に祐太くんの追っかけみたいな状態になっていた
るり「ここにも来るんだw」
きい「ね、追っかけみたいw」
るり「あーやっぱ似てるw」
きい「笑った顔とかそっくりだよねw」
俺「!!!!??」
るり「俺さんモテますよね?」
俺「は?え?いや全然・・・(DTです」
きい「うそだよ!絶対モテるw」
俺「いやいやほんとw そもそも似てるとかも初めて言われたよw」
るり「えーすごい似てますよw 髪型もそうですけど、笑った顔が可愛い感じそっくりw」
俺「!!!??」
そこで俺たちは引き返し、中尊寺を後にした
さっきは行けなかった義経堂へ向かい、階段を上った先では平野が広がっていた
そこから向かって右側に石碑があり
『夏草や 兵どもが 夢の跡』
という有名な句が彫ってあった
勝手な解釈だけど、この眼前に広がる青葉で茂った平野を見て、芭蕉はこの句を詠んだのではないかと感慨にふけっていた
女性.2人は全く興味がないようで、学校の話をしていた
俺は資料館を見て、2人は景色を見ながら話し込んでいた
桜も咲いていたので、なんか雰囲気は良かったな
毛越寺と中尊寺は騒がしかったから、それもあってここはすごくいい雰囲気だった
ここで風呂に入るため、公衆浴場というかスパというか
温泉施設を探していた
近くに平泉温泉なるものがあり、○○の湯(名称はすっかり忘れた)という公衆浴場を見つけたのでそこに向かう
温泉は時間制で、3時間いくら、6時間いくら、という感じだった
値段は100円ほどしか変わらなかったので6時間にして、ゆっくりと過ごすことにした
俺は男湯で久しぶりの一人の時間を堪能し、ゆっくり温泉に入った
超気持ちいい
一人旅に来たのに全然一人じゃないな・・・とか思ったけど、何だかんだ楽しいのでちょっとニヤけた
それを爺さんに見られてニヤけ返された
俺が出ると2人はまだのようで、座敷のくつろぎスペースみたいなとこで2人を待つことにした
そこで横になると、なんか久しぶりに横になった気がして少し眠ってしまった
俺「あぁごめん、寝ちゃってた」
るり「あ、いいですよ、ゆっくりしてください」
きい「そうですよー、ずっと運転してもらってるんですから」
俺「じゃーお言葉に甘えて横になっとくよw」
俺は仰向けに寝て、その横に2人が座っている
何だろう、なんか知らんけどちょっと幸せな気分になった
どうやら俺は30分程寝てしまっていたらしく、温泉を出る頃には2時間が経過してすっかり夜になっていた
3時間コースで良かったじゃないかと思ったけど、時間に追われたくなかったのでこれでいいのだ
車に乗り、とりあえず高速に乗りたかったのでさっさと近くのICから高速に突入する
岩手をある程度進み、9時頃になったところでSAに停車する
そこにもレストランがあったので、夕食を済ませて土産コーナーを3人で回っていた
2人はキーホルダーみたいのを買っていたみたいだけど、俺は旅のお供でもあるブラックブラックを購入した
俺がトイレから帰ると、2人は外に出て何か話してた
俺「寝ないの?」
るり「あ、えっと・・」
きい「あの、今日も運転席で寝るんですか?」
俺「だねー、でも昨日よりちょっとだけ席倒させてw」
るり&きい「(ヒソヒソ」
俺「ん?なに?」
きい「やっぱり座ったまま寝るのって疲れますよね?」
るり「ずっと運転してるのに寝るときも横になれないってやっぱり辛いと思います」
きい「温泉でも寝ちゃってたし・・・」
俺「まぁ・・でもそこで横になったし、ある程度寝たから大丈夫だよ」
るり&きい「(ヒソヒソ」
俺「なによw」
るり「後ろで3人で寝ません?」
俺「!!!!!!????」
きい「えーだってさすがに・・・2日連続は悪いですし・・・」
るり「2人でも余裕あったから大丈夫ですよ!」
俺「いやいや、結構狭いしさ・・・多分ぎゅーぎゅーならない?」
きい「大丈夫!1人分くらい余裕ありました!」
るり「ね、だから今日は普通に寝ましょ!」
俺「・・・いや2人がいいなら助かるけどさ・・・」
るり「よし、決定ー!w」
そう言うとるりは先に乗り込んだ
きい「じゃ、どうぞー」
俺「!!!!??」
俺「いやいやお先にどうぞ・・・」
きい「い・い・か・らっ!早くw」
そう言いながら押し込まれた
きい「お邪魔しまーすw」
俺「・・・・・(なんだこれ」
るり・俺・きいの順で文字通り川の字になった
俺は仰向けに寝てる
というか横向けないし、どっち向けばいいのよこれ状態
しかも狭いし・・・言ってることちゃうし・・・めっちゃくっつくし・・・
きい「大丈夫、結構あったかいしw」
俺「・・・・・(いい匂いする」
2人は仰向けだと肩が車の外側に当たって気になるらしく、更に2人で会話することもあってそれぞれ内側を向いていた
2人は俺越しに会話を続け、ごそごそ動くたびに俺に身体が当たってくる
大変刺激的な状況に童/貞の私は成す術がない
相変わらず2人の会話は留まる事を知らず、たまにお互いに手を伸ばして突っ込みのようなことをする
お気付きかもしれないが、俺を超えて手を伸ばして片方に触れようとすると、手を伸ばした側の胸が俺に当たるのだ
そんなことを知ってか知らずか2人はきゃっきゃきゃっきゃと俺を挟んでじゃれ合い続ける
一方、俺はタヒ人のように両手を組んで腹の上へ置き、ぴくりとも動けずにえも言われぬ恐怖に似た何かに包まれていた
ぴくりと動くのは俺の息子さんだけだった
それに挟まれている最早タヒ人同然の俺は耐え切れずに言ってしまった
俺「場所・・・変わろっか?」
きい「あ、すいません、うるさいですよね・・・」
俺「いや、て言うか2人隣同士の方がいいんじゃないかなーって」
るり「疲れてるのにすいません・・・」
俺「あ、そう言うことじゃなくt」
きい「よし、寝ましょ!」
るり「明日で着いちゃうんだねーw」
きい「だねー、おやすみ!」
るり「おやすみなさーい」
俺「・・・・・(聞いちゃいない」
いつか寝れるだろうと思っていた俺に更なる恐怖が押し寄せる
2人は車の外壁にぶつかるのが嫌なのか、それともそちら側が寒いのか分からないが、中心に身体を寄せてくる
俺の頭の少し下、肩の辺りに2人の頭がくるので、さっき入った温泉でのシャンプーの香りが俺の眠りを妨げる
ほぼ完全に2人とも横向きに俺に身を寄せる形となって落ち着いた
恐らく既に寝ていて、寝相でそのような状態になったと思われるが、こちらとしては大変困った状態
起こすと悪いので動けず、タヒ人スタイルで俺の形は固定された
ひたすら目を瞑って寝れるのを待っていると、どうやら俺も眠りにつけた模様
ふと目が覚めると、外は少し明るくなっていた
俺の体勢は全く変わっていない
2人もほぼ変わらず、変わっているとすれば2人して俺の二の腕を掴んでいたことだけ
いや、眠れているのかもしれないけど、目を覚ますときは決まって「・・スーッ」とゆっくりと目を開けるだけ
パッと目が覚めたり、ウーンムニャムニャみたいに伸びをしながら起きるなんてことはないんだ
寝ていた体勢のまま、「・・スーッ」と目が覚めた
そのお陰で2人を起こすことはなかったが、この状態は俺も起きれない
スマホは助手席にあるので時間を確認することも出来ず、とりあえず2人を起こしてしまうのを覚悟で身体を起こす
うまいこと起こさずにスマホゲットで時間を確認すると、朝の5時半
なかなかいい時間に起きることが出来てちょっとだけ嬉しい
外に出て身体を伸ばしたかったので、新たなミッションに挑戦することになる
起こしてしまっても問題なさそうだけど、なんとなく気持ち良さそうに寝てるのを起こすのは忍びない
俺はきいを跨いで外に出ようとするのだが、狭いので立つことが出来ない
そこで両手両足をついた状態、つまり四つん這いで跨いでいこうとする
するとどうでしょう、俺が四つん這いになっている下にスヤスヤ寝ている女子大生
これは今起きられると非常にまずい気がする
第三者が見たら完全に女の子を襲おうとしているおっさんの図
だがしかしこの状況に俺の身体が少し硬直してしまった
なぜならちょっとドキドキしたから!
車のドアを締めた後、カーテンの隙間から中を見ると、どうやら起こさずに脱出することに成功したらしい
一晩振りに開放されて、背伸びをすると朝の冷え込んだ空気と相まってとっても清清しい
そのままトイレからのコーヒータイムといういつものパターンで15分程過ごし、車に戻る
さすがにあの中に戻るのは辛いものがあるので、運転席で時間を潰すことにする
こっちで寝た方がすっきり寝れたかもしれないな・・・なんてことを思っていると、るりが起きた
るり「あれ?あ、おはようございます」
俺「おはよー」
るり「もしかしてそっちで寝ました?」
俺「いや、さっき起きて外に出てたんだよね。起こすと悪いからこっちに戻っただけだよ」
るり「そうですか、なら良かったw ちゃんと寝れましたか?」
俺「あー・・お陰さまでぐっすりです(嘘」
るり「良かったw ちょっとトイレ行ってきます」
まだ車の中は片付けず、そのままにしてちょっとゆっくりすることにした
きい「今日で着いちゃいますねー」
るり「ねー、すごい楽しかったw」
きい「ほんとねw お祭りもあったし、川もキレイだったし、温泉入れたし!」
るり「それ!温泉入れるとかすごい嬉しかったーw」
俺「寄り道はしたけど楽しんでくれたんなら良かったよw」
るり&きい「「楽しかったですよー!」」
きい「俺さんもすごいいい人だったんで、めっちゃ楽しかったです」
俺「いやいや、乗せただけだからねw」
るり「だけじゃないですよ、ほんと!」
きい「ほんとそれw」
お礼とヨイショタイムに俺氏照れっぱなし
車の中では相変わらず賑やかに話が盛り上がっていた
俺の仕事のこととか、これから行くところ
2人の過去の話や、今回の思い出話
色々話してるうちに八戸到着
実家の近くだと言うコンビニで2人を降ろし、外でまた話をするが、話すのはやはりお礼のことばかり
ひたすらお礼を言われてヨイショされ、俺は車に乗り込む
手を振りまくる2人をミラー越しに眺め、車を出す
コンビニから出ても2人はずっとこっちに手を振ってる
俺も走りながら窓から手を出し、パタパタと手を振る
少なくとも2人は見えなくなるまで手を振っていたと思う
ここから俺の旅はまた一人旅に戻ることになる
もうこのまま帰ろうかとさえ思うほどだった
なんだかんだでやっぱり楽しかったなーと思いながら大間へ向かう
道中、コンビニに寄って、助手席に置いてあった荷物を後部座席で移動させようとしたら何かを発見した
書き置きだった
2人が1枚の紙にお礼の言葉を書いていた
『ありがとう、ほんとに楽しかった。東京に遊びに来ることがあったら連絡ください』
みたいな内容だった
下の方に2人のLINE IDとメールアドレス
もう会えないと思っていたのでちょっと嬉しかったけど、俺は当時LINEを登録してなかったのでとりあえず置いておいた
家に帰ったら連絡だけはしようと思って財布の中に畳んでしまっておいた
なんか寂しい気分で大間に向かっていたけど、これがまた遠い
青森に入ってしまえばすぐだろうと思っていたけどとんでもなかった
地図ちゃんと見れば良かった
いや、遠いと感じただけかもしれない
一人でずっと運転していると長く感じるのかもしれないね
これまではそれが普通で当たり前だったけど、今回の出来事でやっぱり数人で旅行するのもいいのかななんて思ったりした
そんなこんなで大間に到着
多分1時間はかからないと思うけど、もし見てくれてる人がいるならちょっとだけ待っててください
ちなみに書き溜めしてるのはまだ半分もいってない模様
まってるぞ。