全然ハッピーエンドじゃないので悲しいお話が嫌いな人はスルー推奨です。
大筋は実話ですが、会話に関しては私自身が体験したことじゃないことも多いのでその部分は創作になります。
登場人物
俺(ゆうすけ)
フツメン
背高い
サヤカのことを小学校の頃から好きだがなかなか言い出せずにいる。
サヤカ
アイドル事務所にスカウトされるほどの美少女
時期はモー娘、アクターズなどの全盛期
背ちっこい 多分Cかっぷぐらい
話は小学校6年生のころまで遡る。
サヤカは当時から相当な美少女で同学年の男子からもモテモテだった。
俺が記憶しているだけで5人から告白されるほどだ。
だがサヤカは全て断っていた。
俺はというと、俺もサヤカが好きだったが告白することで毎日一緒に帰る間柄が壊れてしまうのが怖くて言い出せなかった。
しかし女子には異常なくらい嫌われていた。
まぁありがちな話だと思う。
可愛い女の子への嫉妬心ってやつだ。
だから俺といつも一緒だった。
家が近いというのもあったが、昔から町内会の行事なんかも全部一緒だったし、毎日一緒に通学、遊ぶ時は大体二人で遊んでいた。
サヤカの家はお父さんが早くに亡くなって、お母さんと二人で暮らしていたんだけど2年前ぐらいにお母さんは5個ぐらい下の男の人と再婚したって聞いた。
サヤカの義理のお父さんはタクシーの運転手で平日の昼間家にいることもあった。
ある時期からサヤカは頻繁に帰り道に寄り道しようって言ってきた。
俺はあんまり遅く帰るとかーちゃんに怒られるので気乗りはしなかったがサヤカがへそを曲げると面倒なことを知っていたので渋々つきあっていた。
「はぁ?そんなの無理に決まってっぺ!テツヤたちに女子を家に泊めたなんて知られたらなんて言われっかわかんねーし。何よりかーちゃんがダメっていうべ」
「………もういいっ」
そういうとサヤカは走って行ってしまった
「あ、おいっ!…ったく」
ただ事じゃなさそうだなって思った。
家に帰ってかーちゃんにサヤカを泊めてもいいか聞いて見ることにした。
「あらぁ久しぶりにいいんじゃないの?」
「だよな、聞いて見ただk……っていいんかい!!」
「だって私さやかちゃんみたいな娘欲しかったものぉ。さやかちゃんの親御さんがいいってんならうちは大歓迎よ」
なんとも奔放な親だ。
とりあえず許可がおりたのでサヤカを迎えにいってやることにした。
「はい」
お父さんだ。
「あ、ゆうすけっていいますけどサヤカちゃんいますか?」
「ちょっと待ってね……」
しばらくするとサヤカは左の頬あたりを赤くして出てきた。
「おう。どうした?そのほっぺ」
「別に。転んだだけ。どうしたの?」
「あ?あぁ。なんかかーちゃんが泊まりにきてもいいってよ」
「本当にっ!?」
すっげー嬉しそうだった。
「おじ……お父さんに言ってくる!!」
そういうと家の中に戻って行った。
10分後。
サヤカは涙目になりながら出てきた。
「いこっ」
「え?大丈夫だったの?」
「いいの!急いで!!」
俺の手をとって早足で俺の家まで向かった。
家につくと早速かーちゃんが出迎えた。
「あらぁサヤカちゃん久しぶりだごとぉ!また一段と可愛くなったんじゃない?」
「おばさんお久しぶりです。今日は突然すみません。」
「なぁんもいいのよぉ。自分の家だと思ってくつろいで行ってね」
「はい!ありがとうございます」
出来た子だったなぁと今思い出しても思う。
その晩はかーちゃんがサヤカにベッタリで俺は全然話せなかったので一人でスーファミでドラクエ5のレベルあげをしていた。
「じゃあサヤカちゃん空いてる部屋に布団敷いてあげっからね」
あ、俺の部屋じゃないんだ。
まぁ当たり前かww
「あ、ありがとうございます」
そしてみんなが寝静まった頃
コンコン
俺の部屋のドアがノックされた
to be contenued
「ゆーすけ起きてる…?」
「んあ…なに?」
なに?じゃねーよ当時の俺
「なんか寂しくなっちゃったから遊びに来て見たw」
「なんか漫画かしてやろうか?ラッキーマンとかおもせーぞ」
「いやw漫画はいいかな」
「…そう?」
「今日はありがとね。私あんまり家にいたくないんだ。」
「………そうなの?」
「うん。新しいお父さんね。なんか気に入らないことあるとすぐ暴力振るってくるの。」
そういって俺にお腹のあたりを捲って見せてきた。
「うわ、アザ…」
「毎日怖くてさ、、今日お母さんが会社の旅行で夜いないから本当に家にいたくなかったんだ。」
「そっか。早く言えばいいのに…。俺が明日サヤカのとーちゃんにヤメろって言ってやっから!」
「いや、いいよ。お母さんに心配かけたくないし…。」
「でも…」
「私がちょっと我慢すればいいだけだから」
「ねぇ。ちゅうしたことある?」
「ば、ばか!あるわけねーべ!!」
「してみよっか?」
「」
「なーんて冗談ww初めては好きな人とって決めてるもんねーだっ」
「お前からかうなよー!!」
「きゃー!あはは!」
ドタバタしてたらかーちゃんが起きたらしくこっぴどく叱られた。
仲が良いまま俺たちは小学校を卒業した。
小学校編終わり
暇だったら見てやってください。
なんか中学生になると一緒にいることが恥ずかしいってのもあったが、先輩たちに目をつけられそうでサヤカと距離をおくようになっていた。
サヤカはやはり先輩たちにも人気で、よく不良っぽい先輩にちょっかい出されていた。
サヤカは一人でいることが多かったので半ば無理やり連れ去られていたが、俺は厨房なりたてで怖くてなにも出来なかった。
「え、と。。困ります。」
「いいからいいから楽しいことして遊ぼうぜぇぇぇぇぇ」
「おい、オメーラ!」
!?
現れたのはうちの中学校の番長のリュウジさん。
ここらへんの中学校で彼に逆らうものはいない。
「よってたかって下級生にすっかけてんじゃねぇよ」
「すませんっす………ウッ」
サヤカに絡んでた不良たち一人一人にボディブローかましていた。
「あーえっとサヤカちゃんだっけ?わりーな。こいつらにちゃんと言っとくから、次こういうことされたら俺にいえよ。」
「は、はい。ありがとございます」
サヤカ!目がハートになってる!!!
遠巻きで見守る俺。
…マジでチキン
サヤカは中学校に入るとクラシックバレエを始めた。
どうやらかなり素質があったらしく学校そっちのけで練習に励むようになっていった
どうやらかなり素質があったらしく学校そっちのけで練習に励むようになっていった。
一回見にきてって言われたけど行かなかったな。
サヤカは学校にまったく来なくなった。
バレエをしていない時はリュウジさんたちと遊んでいるようだった。
直接は聞かなかったけど付き合っていたらしい。
可愛い女の子に限っておっかない先輩の女になってたりすんだよなぁ。
ほんとありがち。
ある日。
学校でリュウジさんが荒れに荒れていた。
「あの野郎!!マジでぶっ頃す!!!」
学校の備品や壁を蹴りまくっては壊す壊すww
学校にいる人全員が怯えまくっていた。
どうやらリュウジさんの彼女であるサヤカがリュウジさんの一個上の先輩に無理矢理されたのだと言う。
しかもそれが初めてはだったということでリュウジさんも我を忘れるくらい怒り狂っていた。
その抗争の部分は俺はチキンだったためよくわからないが、リュウジさんは顔面がわからないぐらい殴られたうえ、停学。
相手も相当ボッコボコにされたという噂だ。
俺はなんか蚊帳の外キャラになってるけど、内心はかなり怒りを覚えていた。
全く学校に来ないサヤカが心配だったということもあり、俺はサヤカの家に行ってみることにした
「はい」
サヤカの声だ
「おう、俺。ゆーすけ」
「…なに?突然?」
「いや、たまには学校にこねーのかなぁと思ってさ」
「………あんたに関係ないでしょ」
「まぁ……でも俺もお前いないとなんだかんだ寂しいからさ」
「会いたくない」
「そっか。まぁまた来るわ」
そういって振り返り帰ろうとするとそこにはリュウジさんが。
あ、俺おわた。ぜってーぶん殴られる。。。
ずんずんとこっちへ近寄ってくるリュウジさん
「は、はひぃ!」
「お前なんなんだよ!?」
「え、えーとですね、、あのぉ小学校からサヤカさんとお友達をさせていただいておりまして」
「…………そっか。心配して来てくれたんか」
「まぁそのような感じです、はい。」
「俺もさぁ、サヤカには出てきて欲しいんだけど全然出てきてくれねーんだ…」
普段大きく見えるリュウジさんがなんだか小さく見えた。
「そのうち必ず出てきますよ。リュウジさんもサヤカのこと支えてやってくださいね」
「ば、バカヤロウ!当たり前だ!おめーもダチなんだからたまには気にかけてやってくれよ。」
「はい。もちろんです」
リュウジさんともいつのまにか終わっていたようである。
俺はというと週1くらいはサヤカにプリントを届けるっていう名目で会いに行っていた。
まぁ行っても五回に一回ぐらいしか会ってもらえなかったがw
結局サヤカがいないまま中学時代は終わってしまった。
俺は普通に高校受験をして普通に高校に進学することになった。
この頃になるとサヤカは綺麗に着飾って少し離れた繁華街へと足を運ぶようになっていた。
一時期の完全シャットアウトではなく、会えば普通に話すような関係性になれた。
ただ口癖がウザい!マジでうっとおしいんだけど!になっていた。
そんなにうっとおしかったか俺?
「おう、珍しいな」
「たまにはね。そういえば高校受かったらしいね。おめでと」
「あーありがと」
「私さぁ……」
「ん?なになに?」
「やっぱなんでもない。」
「おいwwここまできてそれねーべ!」
「むぅ…。私芸能事務所からスカウトされた。」
「えええええええ!まじ!?すげえじゃん!!!なに?モー娘?」
「違うよwwなんかご当地アイドルっていうのかな?そんな感じ」
「それでもすげーよ。で?やるの?」
「ゆうすけはどう思う?」
本当はアイドルなんかなったらサヤカがもっと遠くに行ってしまうような気がしていたからやって欲しくなかった。
「いいじゃん!サヤカが有名になったら俺もうれしーぞ」
「そっかぁ。うーん。じゃあやってみよっかな。」
こうして俺は普通の高校生に、サヤカはアイドルに。
あの時止めていたらって今でも思う。
明日につづく
この芸能事務所は俺たちが住む町から電車で40分ほど走った少し大きな街にあった。
サヤカの他に16歳の女の子が二人と17歳の女の子が一人集められていた。
サヤカと同じようにスカウトされた女の子達である。
この日はこれからの活動に関して説明などをされた。
「ふぅ、、思った以上に大変かも…」
「サヤカちゃんだよね?」
話しかけてきたのは東京でも苦楽を共にすることになるアヤだった。
「あっ、うん。」
「サヤカちゃん本当に可愛いよねぇ」
「いやいや、そんなことないよ。」
「私はアヤっていうの。よろしくね」
「色々大変だけどお互いがんばろっ」
「う、うん」
一方……
俺は高校の入学式に参加していた。
まぁ特に面白いことはないんだが、
普通の高校生で
普通に勉強して
普通に部活して
普通に遊んでいた。
もうありきたりすぎる高校生活だった。
体育祭だかの打ち上げの時
「おつかれぇーいwwwww」
カラオケでみんなで盛り上がろうなんつって男女20人ぐらいで集まった。
「好きな人発表会ー!!wwwww」
「うぇーいwwwww」
「えーwwwwちょっとwwwwやだーwwww」
なんだかワーワーキャーキャー盛り上がってる皆を見ていたらサヤカのことを考えてしまっていた。
サヤカはこういう大人数の集まりってしたことないだろうなって。
サヤカもこういう輪にはいるような普通の女の子になればよかったのにって思った。
「次ゆうすけーwwwww」
「…………」
「おいwww」
「ん!あぁごめん!好きな人はー飯田香織でーす。」
「なんでジョンソンwwww」
高校生ってノンアルコールなのになんであそこまでテンションを高められるのか、、
まぁ俺の話はいいや。
帰り道電話してみることにした
プルルルル
「はーい」
「よっ!どうだ最近」
「毎日疲れるよー。まだお客さんの前に出たりはしないんだけどね。」
「そっかぁ。」
「でも最近楽しくなっときたからがんばってみよっかな。」
「ゆうすけはどうなの?」
「んー?うぇーいwwww好きな人発表会wwwwとかやってきた」
「は?wwなにそれwww」
「なんかそういう遊びなんだろうね」
「なんか楽しそうwwで?ゆうすけも発表したの?」
「したよ。」
「えっ。ゆうすけ好きな人いたんだ?だれだれー?」
ここでお前だよって言えばなにかかわったのかな?
「…飯田香織」
「なんでジョンソンwwww」
サヤカと話してるとやっぱり楽しかった。こんな日が沢山続けばよかったのに。
サヤカは地元のアイドルとしてイベントやローカルのテレビなんかにもチョコチョコでるようになっていた。
とは言え本当にちょっとした番組のアシスタントみたいなものである。
それが嬉しくもあり、同時に寂しさも感じていた。
少しずつサヤカは遠い存在になってしまっている気がしていたんだ。
初詣も終わって飼っていた犬の散歩をしていると突然俺を呼ぶ声がした。
「ゆうすけー!」
「ん?おー!サヤカ!久しぶりだな」
すっかりオシャレになっていてやっぱり同学年の女たちとは雰囲気がちがった。
「うん。久々だねー。散歩?」
「ん?ああそうそう。」
「あはっ。ベル君大きくなったねー」
ハッハッ
「ねぇゆうすけ。私が東京に行くって言ったらどうする?」
「んーん。アヤと二人」
「いいんじゃねーの?更に活躍できるかもしれないんだろ?そんなチャンス逃すわけにはいかねーべ」
「そっか…。そうだよね!このままここにいても何にもかわらないしね」
「……あぁ。サヤカならきっと人気のアイドルになれるさ」
「うん…。まぁ6月だからまだ先の話なんだけどね。」
「あ、有名になったら後藤真希のサイン頼むわ!」
「うざいwww」
「さ、そろそろいかねーと」
「あ、うん。…あ。ゆうすけ!」
「なにー?」
「…………東京行ってもたまには連絡しなさいよね!」
「とーぜん。」
なんとなくだけどサヤカは浮かない表情だったような気がする。