近所のアパートに上祐そっくりなおっさんがいた。
そっくり、と言うか、もう本人じゃないかって位に似てた。
でもおっさんは20年前からそのアパートに住んでたし上祐とは年齢も違ったから町内会の人はおっさんは上祐ではないと解ってた。上九一色村の遥か遠くだったし。
ある日小学生男子たちがおっさんの周りを踊りながらぐるぐる回って「しょーこーしょーこー」を歌い屁をこいて「わぉ!サリン!危険区域です!」とふざけたらしい。
おっさんは屁をこいた小学生にゲンコツして追っ払った。
小学生は「上祐が!上祐がー!危険人物!危険人物!」と喚き散らして逃げたらしく、おっさんのことを知らない人たちが警察に上祐があそこのアパートに潜んでる!とか言ってしまったらしい。
警察からの疑いははれたけど小学生には毎日からかわれ、擦れ違う人たちに「あれ…」と言われ、日替わりでお巡りさんに声をかけられる日々でおっさんは徐々にやつれて精神を病んでしまい、いつの間にかいなくなっていた。
何が凄かったって、何もしてない、ただ時の人にそっくりなだけで周りが止めてもいくら説明しても石を投げられ目を合わせても貰えず郵便受けに「出て行け」等書かれてしまうところ。
おっさんのことを知らない人たちがわざわざ隣の市から来て集団ヒステリーでこの県から出て行け運動をアパート前でやって、止める人に「お前もオウム信者か!」と詰め寄ってた光景。
私や友達もおっさんに挨拶しただけで「出家信者」とか言われた。
私の近所で起こったことはサリン事件の被害者の皆さんからしたら大した事のないものだけど本当に本当に全国でパニックになった事件だったんだ。
おっさん以外にもオウムの誰かに似てるだけでたくさん傷付けられた人がいたんだろうな…。
おっさん、どこかで幸せになってたら良いな…。
あの時は私も中学生で助けてあげれなくてごめんね。
自分の過ちを理解できない奴は怖いな
現代の魔女狩りだな
今でも大津で似たようなことが起きてるけど
おっさんも髪の毛切ったり伊達メガネかけたり
髭はやしたりとか出来なかったのかねえ
少しは違っただろうに
本物より20歳近く年上なんでしょ?それでも
そんなことになっちゃうなんて、群衆は愚かなのね
うるさかったよ。マンションを借りて壁をぶち抜き、信者たちも一緒に暮らしていたみたい。
住まいにはお風呂はないらしく、徒歩圏内には銭湯やサウナはあったけど
当然入場は断られていたと思う。
噂だと、泡風呂に何十万かはらって入浴していたなんて聞いたこともあったけど
真偽は不明。あと、変な袋にアーチャリーを詰め込み、それで部屋に出入り
させているとの情報もあった。
当時すごく迷惑だったのは、信者がどうのではなくオウムを責め立てる
街宣車の大音響でした。我慢出来ないときは、ティッシュで耳栓して布団かぶって
我慢しました。おかげで耳の穴がでかくなったりしたw