私の父親は精神的な病気を患ってた。昔事故に遭って頭を打って、その時の影響でちょっと変になったらしい。
だけど感情のブレーキが利かなくて、一度キレると手が付けられない。我慢するとか他人に譲るって事ができなくて、自分の思い通りにならない事が許せない。そんな病気だからどんな仕事も長続きしなくて年がら年中家にいた。
両親+父方祖父で四人暮らし(祖父母はかなり前に離婚してる)だったんだけど、父がそんなんだから母も色々限界が来てたらしい。私が小学校を卒業するのを待ってさっくり離婚して、私は母についていった。
離婚してからもしょっちゅう私のところには電話がかかってきたし、月に一度ぐらいのペースで私だけ父のところにいって一晩泊まる、ぐらいの交流はあった。母は自分が父と顔合わせると父の機嫌が損ねられるとわかってたから、絶対に行かなかったけど。
修羅場は中三の頃。
土曜プレミアム的な番組見てたら実家から電話があった。
祖父なら自分の携帯からかけるから、家からかけるのは父しかいない。そろそろ向こうに泊まりに行く時期だからその催促かなーと思って出た。
父、電話の向こうでうーうー言ってた。何が言いたいのか全然わからない。言葉として成立してないというか、声とすら呼べないような音しか聞こえなかったから。
そうこうしてるうちに通話は向こうから切れた。かけ直しても繋がらない。どう考えてもただ事じゃない。急いで祖父に連絡とったけど、こっちも繋がらなかった。
それからしばらく待ってようやく祖父から連絡が入った。父、死んだって。
父が病気のせいで暴れはじめて手が付けられないから、一旦家から避難してたらしい。その間に父は自/殺したそうだ。手首を切ったみたいですごい血塗れだったらしい。頭の病気のせいでろくに思考が働かず、衝動的にやったのかもしれないと祖父が言ってた。
とりあえず父が搬送されたっていう病院は比較的近所だったんで母と二人で病院に行った。
父は簡易ベッド?みたいなのに寝かされてたけど、あの粘土細工みたいなのが父だなんて信じられなかった。
病院を出たのは日付が変わってしばらく経ってからだった。子供が見るもんじゃないからって祖父には止められたけど、どうしても行きたいって無理言って着いていった。
ほんとに家中血塗れだった。手首切ってから相当のたうち回ったらしい。受話器も血がべっとりで、最後に父の声を聞いたのは私だったんだな、と思ったらなんか申し訳なくなった。ちゃんと聞き取れなかったし。
いつまでも血塗れにしておくわけにはいかないから、祖父と母と一緒にこびりついた血を綺麗にした。乾いてたからそこまでグロいとも怖いとも思わなかったけど、母は精神的に相当まいってたみたい。
家綺麗にしたり葬式の準備をしたり、しばらく慌ただしい日が続いた。遺品の整理とかもした。
何が私的に一番の修羅場だったかって、父の遺品のなかにエ□本が混じってた事なんだよね。
父の死とか家中血塗れになってた事とかもそれはそれで驚いたはずだけど、というか驚きすぎて一周回って何でもない事みたいになってエ□本の衝撃に上書きされただけかもしれないけど。
そんなものが母と祖父に見つかったらかなりマズいだろうと思って慌てて隠した。
家中探し回って、遺品は恐らく全部回収した。私が父の遺品を回収したところは多分誰にも見られてない。
回収してからの事なんて考えてなかった。
不法投棄なんてできないし、普通の雑誌に混ぜて捨ててこようにも近所の人の目がある。
だけどその時は父の名誉(?)を守らないと!みたいな感じで必死で、集めたそれをどうするかまでは思い至らなかった。
とりあえず遺品は私の学習机の、鍵がついてる引き出しの中にしまった。他に置き場がなかった。
これが父の遺品だと思うと、ちょっと微妙な気分になる。
「まあ!あの子ったらこんなものを(動揺)」となる496母
完全に証拠隠滅してあげると
お父さんも浮かばれるのではないかと。
または普通の雑誌の間に挟んで
少しずつ資源ゴミに出すとかね。
なんて恐ろしすぎる未来
>>499
それいいかも
お焚き上げしようにも焚火なんてしたら即バレだから
シュレッダー調達してきっちり葬るよ
子供だったから、時代劇に出てきた奴だって、テンション上がって見せびらかそうと思ったけど遺品見てはしゃぐのは不謹慎と空気を読んで仕舞った。
大人になって、あの時の判断は間違いじゃなかったと思った。